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【図解】ファネル分析とは?基礎知識、活用ポイントと事例を紹介

2023.08.25

ファネル分析とは、ビジネスやマーケティング戦略の最適化に欠かせない重要な手法です。ファネル分析を通じ。成果を最大化するために顧客の購買プロセスを段階的に可視化し、どの段階でどれだけのユーザーが離脱しているかを把握することができます。

またファネル分析は単純な集計だけでなく、各段階でのユーザー行動や傾向を分析することで、より深い洞察を得ることが可能です。これにより、ビジネスプロセスやコンバージョン率(CVR)の向上に向けた戦略的な判断が可能となります。

ファネル分析を駆使し、Webサイトやアプリのユーザーエクスペリエンスの向上、効果的なコンテンツ戦略の構築、顧客のニーズに合ったカスタマイズされたアプローチの展開などを実現し、競争激しい市場での自社プロダクト・サービスの成功を目指しましょう。

ファネルとは

ファネルは日本語で「漏斗」のことを意味しています。漏斗とは、逆三角形のすり鉢上の形をした器具のことです。マーケティング業界においては、顧客が製品・商品を認知してから購入するまでのプロセスをこのファネルに当てはめ、図式化することが一般的です。

顧客が認知から購入へと近づけば近づくほど、その数が少なくなっていきます。こうした、顧客の行動フェーズと人数を図で表したものをマーケティングファネル(略してファネル)と呼んでいます。

米国Amazon社や、行動分析ツールを提供するAmplitude社などによるファネルの説明については こちらこちら をご参照ください。

ファネル分析の重要性と活用すべきケース

ファネル分析は、一連のユーザー行動を段階ごとに見ることで、顧客獲得のプロセスを可視化する分析手法です。特にユーザーが商品購入や問い合わせなどのアクションに至るまでの流れを把握し、どのステップで離脱が起きているかを明らかにするために重要とされています。

次の表は、ファネル分析が活用される典型的なケースです。

ケース

説明

ECサイト

カートに入れてから購入完了までの流れを分析

広告運用

広告クリックからコンバージョンまでの流れを分析

アプリ開発

アプリのダウンロードからユーザーが望む行動までの流れを分析

これらのケースでは、ファネル分析により離脱率の高いステップを特定し、そこに対する改善策を立案・実行することで、成約率向上や利用者増加などの目標達成につなげることができます。

ファネル分析のメリット

ファネル分析を行うことには様々なメリットがあります。その中でも特に大きなメリットがユーザーの離脱ポイントを分析できる点です。ファネルでは、上記の通り購入などのCV(コンバージョン)に至るまでの顧客の行動フェーズを図式化しています。

そのため、ファネルを分析することで例えば、極端に細くなっている(人数が減っている)箇所があれば顧客が満足していないことを把握し、満足していない理由に対して仮説を立てて対策を行うことができます。

別なファネル分析のメリットとしては、まず第一に客観的なデータに基づきユーザーの行動パターンを把握できる点が挙げられます。これにより、ユーザーが商品やサービスを購入するまでの流れを明確に理解し、CVRの向上につなげることが可能です。また、ファネル分析では異なるステージ間での離脱率も計測することができ、これにより問題が発生しているステージを特定し、そこに対策を施すことが可能となります。

このようにファネル分析を行うことで、顧客が満足していない点を見つけ出し、そこに対し改善を行うことでCVを向上させることができるのです。

欧米でのファネル分析によるCVの向上メリットの解説は こちらこちら をご参照ください。

またファネル分析によるCV最適化というメリットについては こちら や以下の記事で詳しく説明しています。

CV(コンバージョン)とは?Webマーケティングでの種類・計測方法と向上のポイントを解説

ファネルの種類

ファネルの種類は大きく「トップファネル(パーチェスファネル)」、「ボトムファネル(インフルエンスファネル)」、「ダブルファネル」の3つに分けることができます

この3つについてそれぞれ解説します。

トップファネル(パーチェスファネル)

トップファネル(パーチェスファネル)は顧客が認知してから購入に至るまでの心理プロセスの変化を表しているAIDMAモデルから生まれた考え方です。マーケティング業界における最も一般的で、最も認知されているファネルでもあります。

AIDMAモデルは「Attention(認知)」、「Interest(興味)」、「Desire(欲求)」、「Memory(記憶)」、「Action(行動)」の頭文字をとった造語で、ユーザーの購入までの流れを表しています。

ボトムファネル(インフルエンスファネル)

トップファネルが「購入(コンバージョン)まで」を表しているのに対し、ボトムファネル(インフルエンスファネル)は「購入(コンバージョン)後」の顧客の行動を表したファネルです。

現在ではSNSの普及に伴い、誰もが製品に対する意見を発信することができます。その発信を見て購入を決める人が増えたため、購入後の行動を把握するボトムファネルが重視されるようになりました。

ダブルファネル

ダブルファネルとは、トップファネルとボトムファネルを組み合わせたものです。

商品を購入した顧客が発信をして、その発信によって新規顧客獲得を目指そうとするものです。顧客が自ら広告塔としての役割を果たしてくれることで、企業は広告を打たずとも新規顧客獲得を目指せようになりました。

近年では新規顧客獲得よりも、ボトムファネルのような既存顧客の行動が重要視されています。既存顧客をロイヤルカスタマーに育てることでより大きな成果を生み出すことができるのです。

欧米での各種マーケティングファネルの説明は こちらこちら をご参照ください。

ロイヤルカスタマーとその育成方法についての解説は以下の記事をご覧ください。

ロイヤルカスタマーとは?定義・重要性・育成方法

顧客体験(CX)とは?CXを向上させるステップやマーケティング手法を解説

LTVとは?ライフタイムバリューが重要な理由と計算方法を解説

私たちが提唱する、トップファネルとボトムファネルから成る新しいファネルの形「バタフライモデル」に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

グロースすれば蝶が羽ばたく。新しいファネルの形。バタフライモデル

マーケティングが行うべき、新規獲得よりも重要な仕事

ファネル分析に有効なツール

ファネル分析に有効なツールには、行動分析ツールのAmplitude、MAツール、CRMツールがあります。

行動分析ツール

行動分析ツールはWebやモバイルアプリ上のユーザー行動をリアルタイムで追跡し、分析することができるツールです。ユーザーがアプリ内でどのような行動をとっているのか、どのような画面を見ているのか、どのようなコンテンツに興味を持っているのかを把握することができます。

特にAmplitudeはセグメンテーション機能などにより、ユーザーを特定の属性や行動パターンに基づいて分類し、効果的なターゲティングが可能です。Amplitudeを使うことで、企業にとって重要な指標であるDAU、MAU、LTVなどのデータをリアルタイムで把握できるため、マーケティング戦略の立案や改善に役立ちます。

Amplitude(アンプリチュード)|世界No.1プロダクト分析ツール

MAツール

MAツールはメールマーケティングやリードジェネレーション、顧客エンゲージメントなど、マーケティングに必要な機能を網羅したプラットフォームです

MAツールを活用することで、ユーザーの行動データや属性情報に基づいて、個別にターゲティングされたメッセージを送信することができるため、効果的なリードナーチャリングや顧客エンゲージメントが可能になります。

MAツールには、MarketoやPardot、HubSpotなどがあります。

MAツールについては以下の記事で詳しく解説しています。

マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?基礎知識・選定方法・導入メリットを解説!

MAツール比較おすすめ13選!特徴・価格・機能

データドリブンとは?データドリブンマーケティングの考え方や成功させるポイントを解説!

データ連携とは?データ連携の全体像と活用方法をやさしく解説!

CRMツール

CRMツールは顧客情報を管理するためのプラットフォームで、顧客とのやり取りや営業活動を支援します。

CRMツールを活用することで、顧客の属性情報や行動データを把握し、より効果的なアプローチを実現できるほか、売上管理やレポーティングなどの機能も備えており、企業にとって欠かせないツールの一つです。

CRMツールには、SalesforceやMicrosoft Dynamics、Zoho CRMなどがあります。

ファネル分析やパーソナライズ化されたマーケティングに役立つCRMツールについては以下の記事もご参照ください。

CRMとは?機能やメリット、導入すべき3つの理由

Cookieレス時代のデジタルマーケティングとは?ファーストパーティデータ活用方法を解説

ファネル分析の活用事例(5業界)

行動分析ツールを提供する米国Amplitude社からは5つの業界におけるファネル分析の事例が公開されています。

以下はAmplitude社より許諾を得て株式会社DearOneが翻訳、転載しております。

カスタマージャーニーには、製品と業種ごとに独自の特徴があります。B2B の SaaS、消費者向けテクノロジー、E コマース、金融サービス、メディアの 5 つの業界におけるファネル分析の活用について、ファネルの例や企業の事例を交えご紹介します。

ユーザーのニーズを満たす製品を作るには、カスタマージャーニーを理解することが肝要です。皆さんの顧客(ユーザー)が自社の製品をどのように使用しているかを知るすべがなければ、コンバージョン改善に向けた取り組みは当てずっぽうになってしまいます。この知見を得るため、企業のプロダクト・マネージャーやマーケターの多くはファネル分析を活用し、ユーザーがたどる多様な経路を可視化しています。

しかし、コンバージョン・ファネルは万能なフレームワークではなく、製品や業界によって異なります。その違いを明確にすれば、皆さんの企業は独自のファネル分析を行い、ユーザーがコンバージョンに至る「道のり」を簡素化することができます。

ファネル分析とは?

ファネルのフレームワークは、カスタマージャーニーを表しています。ユーザーがコンバージョンに至るまでの経路を細かく示すものです。
典型的なファネルは AIDA モデルとして知られ、「認知」、「興味・関心」、「欲求」、「行動」の 4 つのステップから構成されています。

AIDA ファネル(認知、興味・関心、欲求、行動)

https://blog.amplitude.com/より引用
https://blog.amplitude.com/より引用

 認知: ユーザーが製品について知っており、ユーザーの注意を引いている
 興味・関心: ユーザーが有意義な形で製品に関するインタラクションを行っている
 欲求: ユーザーが製品の価値を体験し、コンバージョンへの意欲がある
 行動: ユーザーがコンバージョンを達成

各ステップにおけるユーザーの行動は、企業の業種に応じ異なります。
ファネル分析の目的は、カスタマージャーニー全体において、ユーザーが次の段階に進むことが困難な箇所、いわゆる「フリクションポイント」を特定することにあります。障壁となっている要素を認識することにより、考え得る解決策を試し、より多くのユーザーをゴールへと誘導することができます。

B2B の SaaS におけるファネル分析

B2B の SaaS 製品(プロダクト)は、ユーザーがビジネスタスクを完了するのに役立ちます。多くはサブスクリプション・モデルで展開されています。(唯一ではないものの)同セクターで一般的なコンバージョン・ファネルのひとつに、無料から有料のユーザーに移行するコンバージョン・パスがあります。企業はより多くのユーザーを取り込むため、まずプロダクトの無料版を提供し、その後、ユーザーの関心を喚起することで、有償でのみ提供する機能が使える有料版への登録を促します。 

無料版から有料版へのコンバージョン
無料版から有料版へのコンバージョン

表の例では、ユーザーの離脱がもっとも多く発生しているのは、サブスクリプションの「ランディングページ」と「アップグレードへのコンバージョン」のステップの間です。このことから、以下の仮説を立てることができるでしょう。

  1. ターゲティングに問題があり、意欲の高いユーザーに対しターゲティングを行っていない可能性があります。
  2. タイミングの問題であることも考えられます。(より高価なバージョンへの)アップセルのタイミングが適切ではない場合です。

2 番目の仮説では、ユーザーはアップグレードを検討する前に、無料プランから十分な価値を得るにはさらに多くの時間が必要であるか、あるいは有料の機能について十分な情報を得られていないことが原因として判明する可能性があります。その場合、有料機能の価値に対するユーザーの認知度を高める必要があります。いっそう詳細な分析とユーザー調査を組み合わせて行えば、実際の問題に的を絞り、解決策を考案することができるでしょう。

音声、動画、コラボレーションなどのクラウドサービス・プロバイダー、8×8 社は、同社のビデオ会議ツール「Jitsi.org」 事業の成長率が横ばいであることに気づきました。そこで、Amplitude の Funnels(ファネル)および Conversion Drivers(コンバージョン・ドライバー)機能を使用して、原因追求を図りました。

同社がファネル分析を行ったところ、ブラウザー上でビデオ会議ツールを使うことを可能にする Chrome の拡張機能を活用しているユーザーが極めて少ないことが分かりました。一方、拡張機能を使用したユーザーは、コンバージョンに至る可能性がはるかに高いことも判明。8×8 社がこれらの機能をさらに目立たせ、訴求した結果、ユーザーの 1週間(7日)目のリテンションが倍増しました。

ファネル分析を行動コホートと組み合わせて実施することで、他にも意外な発見がありました。ユーザーは、予定されている会議よりも、突発的な会議をより多く行っていたのです。この知見を生かし、8×8 社はプロダクト・ロードマップを変更し、ユーザーが自発的な会議をさらに容易に行えるよう、アップデートをリリースしました。

コンシューマー・テクノロジーにおけるファネル分析

コンシューマー・テクノロジーの領域は広範であり、生産性向上アプリやモバイルゲームなど、日常的に使われる様々なデジタルツールが含まれます。同セクターにおけるファネルの機能のあり方を理解するため、仮にコーヒー販売アプリについて考えてみましょう。このアプリを使えば、顧客はリモートであらかじめ注文を行い、列に並ぶことなく商品を受け取ることができます。

モバイル注文と受け取りの流れ
モバイル注文と受け取りの流れ

表を見ると、顧客がメニューの詳細を閲覧する段階と、「ケース」(コーヒー販売アプリにおいて、顧客による最終的な選択の実行を指す用語)を完了するステップの間で、大幅な離脱が発生していることが明らかです。さらに多くの顧客のコンバージョンを促すため、コーヒー販売アプリのチームは、例えば、提示インターフェイスの最上部にもっとも人気が高いメニューを表示し訴求することにより、「ケース」完了が増加するかを検証することができます。

「MINDBODY(マインドボディ)」は、ウェルネス業界においてユーザーとフィットネス事業者をつなぐために役立つデジタルプラットフォームです。ユーザーはアプリを使用してエクササイズなどのクラスを見つけて予約し、自信のフィットネスの全体的な目標に向けた進捗を追跡できます。

MINDBODY は「Activity Dashboard(アクティビティ・ダッシュボード)」と称する新機能をリリースした後、ファネル分析を用いて新機能の追加がコンバージョン目標、すなわち「クラスの予約」にどのような影響を及ぼしたかを確認しました。結果、「アクティビティ・ダッシュボード」を活用したユーザーは(使用していないユーザーに比べ)、1週間に予約したクラス数が 24%、多かったことが判明。この情報に基づき、MINDBODY は新機能をナビゲーションバーの目立つ位置に表示しました。

また、ファネル分析により、MINDBODY は「Book It Again(再度予約する)」というボタンを介したコンバージョンが、クラス予定が他の経路で閲覧された場合に比べ、4.5 倍も増加したことを確認できました。

E コマースにおけるファネル分析

E コマースにおけるファネルは、顧客のウェブサイト訪問から購入に至るオンラインショッピング体験の過程をたどるものです。マーケターは通常、顧客を主要なランディングページに誘導するソーシャルメディアや検索連動型広告などのアトリビューションのチャネルも追跡します。

顧客が「商品の閲覧」から「カートでのチェックアウト」を完了する割合(1 週間)
顧客が「商品の閲覧」から「カートでのチェックアウト」を完了する割合(1 週間)

E コマース企業がファネル分析を行うと、(表中の下落幅に表れているとおり)往々にしてカートに商品が追加された後に多数の顧客を失っていることに気づきます。この段階では、多くの場合、顧客に対するターゲティングが有効です。顧客はすでに商品に対し「欲求」を示しているからです。ブランド企業は、チェックアウトフローにおける離脱の原因となる問題点を減らしたり、リマインダーとしてメールまたはページ上での通知を配信したりすることで、顧客がカートに残した商品について思い出すよう促すことができます。

中南米の宅配サービスアプリ Rappi(ラッピ)は Amplitude を使用し、様々な種類のコンバージョン・ファネルの A / B テストを実行しました。Rappi のファネルは、無料の宅配サービスなどのメリットを提供する「Prime(プライム)」プログラムへのユーザーのコンバージョンを追跡しています。Rappi はある実験を通じ、無料トライアルまたは安価なトライアルの提供が、サブスクリプション登録者数の増加につながるかを検証。低料金で 1 カ月間のトライアルを行ったユーザーは、トライアル終了時に有料メンバーとして加入する可能性が、他に比べ 25% 高いことが明らかになりました。

これを機に、Rappi は宅配の送料に関する他の実験も行いました。Rappi は「プライム」メンバー以外のユーザーが、注文に送料が追加された時点で購入ファネルから実に多く離脱していることを把握。そこで、特定の金額の注文を行ったユーザーに、無料配送を提供することでユーザーの行動が変化するかをテストしました。Rappi の「賭け」は成功。送料無料の特典はユーザーの動機づけとなり、注文量は従来比で 15% 向上したのです。

ファネル分析はまた、多様な実験がマイナスの影響を及ぼした際に、その事実を把握する上でも有効でした。Rappi が「カートの確認」の段階で表示していた送料の課金を、「チェックアウト」のステップでの表示に変更したところ、チェックアウトに進むプロセスを完了するユーザーが 5%、増加しました。しかしながら、下流、つまりファネルの最終ステップに影響を及ぼし、総発注数が 5% 減少したのです。ファネル分析によると、一見、成功したかに見えた実験は、実際には適切な手法ではなかったと言えます。

金融サービスにおけるファネル分析

フィンテック製品は、企業や消費者の双方が、ソフトウェアを使用して財務を管理する上で役立ちます。ユーザーのカスタマージャーニーは金融商品により異なるものの、通常、アカウント開設と各種の金融関連のタスク完了を含みます。ここでは、上場株への投資に有用な架空のアプリを例に、ユーザーがたどるプロセスを説明します。

アプリの起動 --> 取引の実行
アプリの起動 –> 取引の実行

新規ユーザーの大多数は送金直後に離脱するため、ユーザーが苦労する問題がどこにあるのかを調べる必要があります。ユーザーは求める株式銘柄を素早く発見できているか。 現在、どのように銘柄を探しているのか。コンバージョンに至ったユーザーが取引完了に要する時間は。ユーザーがリアルタイムで取引を実行できるよう、即座に資金を使用可能にするには、どうすればよいか、といった事項を確認します。

会計ソフトウェア QuickBooks(クイックブックス)を運営する大手企業の Intuit(インテュイット)がファネル分析を行ったところ、ユーザーの多くがオンボーディングの過程を完了していないことが分かりました。さらに詳細な分析を経て、同社はオンボーディング中にユーザーが次の段階に進むことが困難な箇所(フリクションポイント)を減らすべく、削除してもよいステップを 3 つ、特定。新たなプロセスでは、「プッシュ通知の受信に同意するユーザー数」というKPI のひとつが 25% 向上しました。

Intuit 社は同じくファネル分析により、QuickBooks の請求書作成・処理機能別に関する別の問題を解決。それは、期限内に支払いを行うユーザーが、目標数に達していないというものでした。同社はコホート分析を使用し、ファネルを詳しく掘り下げ、問題が Gmailのドメインを持つ特定のユーザーセグメントに関連することを把握。Intuit 社はこのセグメントを対象とする独自のソリューションを構築し、期限通りに支払いが行われる請求書数を倍増させました。

メディアにおけるファネル分析

報道媒体であれストリーミングプラットフォームであれ、メディア企業は頻繁にファネル分析を行い、ユーザーが自社のコンテンツをどのように消費しているかを理解しています。

コンバージョン率: 登録からダウンロードまで
コンバージョン率: 登録からダウンロードまで

この表は、架空のストリーミングプラットフォームを例としたものです。離脱がもっとも多いのは、ステップ 1 の「ユーザー登録」とステップ2 の「曲またはビデオの検索」の間に発生しています。プロダクト・チームは、この段階で多数のユーザーがプロセスを放棄する原因を調べる必要があります。

大手メディア企業の NBC は、ファネル分析を活用し、ユーザーが同社の Vizio TV(ヴィジオ・ティーヴィー)でコンテンツをどのように消費しているかを理解しました。同社は小規模のユーザーセグメントを対象に、ホームページ上に構築した新たな顧客体験に関するテストを実施。この実験は成功し、視聴者数が 10% 向上しました。その後、NBC 社はこの新しい顧客体験をユーザーベース全体に拡大展開しました。

同社はさらに、ファネル分析により、ホームページについて異なる実験の評価を行いました。ユーザーの視聴履歴に基づき、表示する内容をパーソナライズするテストです。この取り組みの結果、ユーザーの一週間(7 日目)時点のリテンションが 2 倍に拡大しました。

一方、どのような要素が効果を生んでいるかを理解することと同様に、適切に機能していない要因を把握することも重要です。NBC 社によるファネル分析では、ユーザーによるレビュー評価の機能が、目標とする指標に影響を及ぼしていなかったことが判明。同社はこの機能の開発を迅速に終了し、時間とリソースをさらに投入することを回避できました。

ファネル分析のレベルアップを

ファネル分析は、コンバージョン、エンゲージメントおよびリテンションの改善方法をテストするプロダクト・マネージャーにとって、重要なツールです。マーケティングキャンペーンやウェブサイトの最適化にも役立ちます。しかし、このような取り組みは基本的なものであり、最適な分析ツールを生かして実現できることは他にも多数あります。エンドツーエンド(一気通貫)のカスタマージャーニーを真に理解し、最高のユーザーエクスペリエンスを構築するには、プロダクト・インテリジェンスの活用を始めるべきでしょう。

本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社DearOneが翻訳、転載しております。
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公開日:2020/09/21
アンドレア・ワング(Andrea Wang)


ワングは Amplitude のグロース・プロダクトマネージャーとして、プロダクト主導による Amplitude の事業成長を促進しています。ウェブサイト訪問者のコンバージョン、無料から有料メンバーシップへのコンバージョンやグロース・モデリング、ならびに社内各チームの強化に資する内部ツールの整備に従事しています。

引用元:Amplitude社ブログ

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