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MA(マーケティングオートメーション)とは?基礎知識とツール機能や選定方法・導入メリットを解説

2024.07.17

MA(マーケティングオートメーション)とは、近年急速に注目を集めているマーケティング手法です。MAは企業がマーケティング活動、特に見込客の獲得とナーチャリングを自動化し、効率化するためのツールやプロセスを指します。

MAは、顧客との関係構築や営業支援からリード管理、分析まで幅広い機能を提供し、グロースマーケティングおいて重要な役割を果たします。

記事ではMAを導入することによって得られるメリットや、基礎知識や具体的なツール機能、選定方法、導入のメリットについて順を追って解説してます。

MA(マーケティングオートメーション)とは?

MA(マーケティングオートメーション)は、企業がマーケティング活動を効率化し、効果を最大化するための技術やプロセスを指します。

具体的には、見込み客の管理、リードの育成、顧客とのコミュニケーションの自動化するプロセス、またツールです。。MAは顧客の行動データや属性情報を基に、最適なタイミングで最適なメッセージを自動で送り、見込み客を購買客へと育成し、既存顧客との関係を深めることを目的としています。

MAは様々なアクションを行う必要があり、人力で行うと多大な工数が発生するため、MAツールを導入し施策を実行することがほとんどです。

MAツールは、マーケティング活動において人手によって繰り返し行われる定型的な作業や、人手では莫大なコストと時間が必要となる複雑業務などを自動化し、効率化ができるため、企業は時間とリソースを節約し、マーケティング効果の最大化を図ることができます。

例えば、MAツールのひとつであるBrazeはリアルタイムで顧客行動を追跡し、顧客の属性や行動などに基づいてセグメンテーションを行い、個々の顧客に適したメッセージを自動配信することができます。また、MoEngageというMAツールはAIによる予測や示唆を実現し、メールマーケティング、SNSマーケティング、Webパーソナライゼーションなど、さまざまなマーケティングチャネルにおけるアプローチを自動対応します。

このほか、MAツールは人的ミスを減らし、またキャンペーンの成果を自動的にトラッキングし、企業にリアルタイムでデータを提供してくれるため、企業は即座に改善策を講じROIを向上させることも可能です。

以上のように、企業はMAツールを活用して、より効率的かつ効果的なマーケティングを実現し、競争力を高めることが望めます。

MA導入で実現することと期待できる効果

MAツールを導入することで得られる効果は主に、以下の5つです。

・見込み客の一元管理
・見込み客との関係構築
・見込み客の取りこぼし防止
・コスト削減
・売上アップ

見込み客の一元管理

MAツールを導入することで、見込み客の情報を一元管理することが可能になります。情報には、見込み客の連絡先情報、過去のコミュニケーション履歴、行動データ、属性情報などが含まれます。

すべてのデータが一つのプラットフォーム、MAツールに統合されることで、マーケティングおよび営業チームは見込み客の状況をリアルタイムで把握し、より適切なアプローチを取ることができます。また、情報の一元管理により、データの整合性が保たれ、重複や漏れを防ぐことができます。

見込み客との関係構築

MAツールを導入することで、見込み客と良好な関係性を構築することが可能です。また、見込み客がWebサイトのどこを見ているのか、どんな商品に興味があるのか、どんな人が資料をダウンロードしているのかなど、アプローチする上で欠かせない情報をデータとして把握することができます。

顧客行動などの詳細なデータを基に、見込み客に対して最適なタイミングで最適なコンテンツを提供することで、より訴求力のあるアプローチができ、コンバージョン率上昇にもつながります。

見込み客の取りこぼし防止

MAツール導入によって、これまで取りこぼしていた見込み客に対してもアプローチを行なえるようになります。見込み客の情報・行動データを正確に把握し、購買意欲を可視化できるため、従来であれば見逃してしまっていた顧客に対してもアプローチの機会を逃すことなく、次へ繋げることができます。

コスト削減

MAツール導入によって効率的な営業活動が可能となり、金銭的コストだけでなく、人的コストや時間的コストも削減することができます。

従来は、見込み客の興味や関心を可視化できておらず、温度感の高い見込み客に対しても、温度感の低い見込み客に対しても同じようにアプローチをしていました。温度感の低い見込み客にアプローチしても受注できる可能性はそれほど高くなく、無駄なコストを費やしてしまいます。しかしMAツールによって顧客行動に基づいた分析を行うことで、温度感の高い顧客に対して効率的にアプローチができるため、結果として無駄なコストの削減が実現できます。

売上アップ

MAツール導入により、顧客育成をして、見込客の購買意欲を高めることで、リード獲得から受注・売上までのステップを効率化できます。これにより売上アップが実現できます。また、リード獲得から売上までのステップ率が向上すれば、ROAも高まり、新規獲得の追加施策、またリピート率向上に向けたCRMなどにもコスト投下できるでしょう。

MA活用の成功事例

MAを実施した成功事例を3つ紹介します。

成功事例1:ANA X株式会社

ANA X株式会社はMA実施にあたり、MAツールの一種であるカスタマーエンゲージメントツール「MoEngage」を導入し大きな成果を上げました。

具体的には、プッシュ通知やIn-Appメッセージを駆使することで、有料会員の獲得数を28%増加させ、また、休眠ユーザーの約20%がアプリを再び利用するという結果を得ています。

またツール導入によりユーザー行動データの分析が可能になり、PDCAサイクルの高速化も実現。効果的な施策を迅速に実行し、成果を上げる自走するチームへと変化しました。

ANA Xの事例を読みたい方は、以下を参照してください。

成功事例2:レディースファッション通販サイト「GRL(グレイル)」

GRLではMA実施にあたり、データ分析ツール「Amplitude」とカスタマーエンゲージメントツール「MoEngage」という組み合わせを導入し大きな成功を収めました。

これまでデータ分析に時間を確保できない状況でしたが、Amplitudeを導入することによりデータ分析にかかる時間を大幅に短縮。行えていなかったロイヤルユーザーの行動分析などが実現しました。

またMoEngageを導入し、ユーザー行動に応じてシナリオを分岐させ、メッセージの出し分けを実施。カートに商品を入れた後に購入し忘れているお客様へプッシュ通知を配信する「カゴ落ち」防止施策などを実施し、大きな成果を得ています。

GRLの成果やその他の施策などを読みたい方は、以下を参照してください。

成功事例3:トヨタファイナンシャルサービス

トヨタファイナンシャルサービスは、CXプラットフォーム「KARTE」を導入し、モビリティアプリ「myroute」のユーザー体験を向上させました。

ユーザー行動データをリアルタイムで分析し、表示コンテンツのパーソナライズや、セグメント分けしたプッシュ配信により、配信数は8倍、開封率は4倍という成果になっています。また、データ分析を行い離脱ポイントの改善を実施することで、機能登録ユーザー数が月間4,000人に増加し、現在も登録者数が増え続けています。

更に詳しくトヨタファイナンシャルサービスの事例を読みたい方は、以下を参照してください。

MA活用には課題もある

MAを実施して効果を出すためには、継続的な改善が必要となります。

特に小規模な企業の場合、リソースを割り当てることが難しく、MAツールを導入しても使いきれないこともあるでしょう。また、MAツールは導入してすぐに結果が出るものではなく、結果が出るまでには時間を要するため、運用体制・仕組みをしっかりと構築することが大切です。

MAを実施するためのMAツールは安価なものではありません。ツールの機能を使いこなすことが出来ない場合は、ただ契約費用だけが発生してしまう可能性もあります。

MAを導入するには、経験者を確保したり、必要に応じて社外の専門家に頼ることも視野に入れておきましょう。

MAツールが必要となる背景

買に至るプロセスは、大きく変わってきました。過去は店舗に来て、そこで購入することが一般的で、他の類似商品と比較したり、より安価なものを探したりすることはほとんどありませんでした。

一方、現代はインターネットが普及し、誰もが簡単に情報収集することが可能です。特にコロナ禍においてデジタルシフトが加速し、情報を集めてそのままインターネット上で購入をすることはより一般的になり、商品・サービスを提供している企業と購入する顧客のオフラインでの接点が少なくなりました。

このように情報収集と購買がWebやアプリ上で実施される比率が増えた中で、企業はWebに情報を掲載し、顧客の目に留まるようにオンライン上で顧客とコミュニケーションを図り、訴求していくことが重要となりました。そこで、オンライン上で膨大な顧客ときめ細かくコミュニケーションを図るためにMAが必要となっています。

また、顧客の趣味、嗜好が多様化したことで、マスマーケティングではユーザーのニーズをとらえられなくなり、One to Oneマーケティングが必要になっています。One to Oneマーケティングは一人一人の行動履歴や購買履歴を活用してコミュニケーションを変えるため、顧客数が膨大になれば、人力で行うことは不可能で、MAツールの導入が必須です。

刻々と変化するユーザーの状態に応じて、最適なタイミングでアプローチするためにはMAツールが不可欠です。One to OneマーケティングについてはOne to Oneマーケティングの重要性・メリット・始め方とは?で紹介していますので、参考にしてください。

BtoBとBtoCにおけるMA活用の違い

MAを活用する際、BtoB向けとBtoC向けではMAツール活用の考え方が異なります。

BtoBの場合は、まだ人手を介した営業プロセスが一般的であり、MAは商談の数を増やすことや問い合わせの獲得が一般的な目的となり、取り扱う顧客(リード情報)は企業と、企業に属する担当者です。また、購入を決断するまでの期間も長く、決裁に関わる人が多く、例えば営業部長・グループ部長・役員など一つのツールを導入するために複数の決裁を取ることも少なくありません。そのため、MAツールもナーチャリングやスコアリングなどの機能を備えているものが必要となってきます。

一方で、BtoCは、BtoBと比べるとアプリやWeb上で情報収集から購買まで完結することが非常に多くなっています。従って、MAツールがアプリやWeb、メール等とも連携して購買まで誘導することがMA活用の大きな目的になってきます。そのためには、One to Oneマーケティングを実現し、最適なコンテンツを、最適な場所で、最適なタイミングで提供することが大切です。取り扱う情報も個人の情報となり、個々の属性や行動データを詳細に集め、さらにリアルタイムで分析してアプローチするような機能を持つMAツールが必要です。

MAツールとSFA /CRMの違い

MAツールとよく混同されるビジネスツールが2つあります。CRMとSFAです。MAツールとそれぞれの違いを紹介します。

「MA」「SFA」「CRM」それぞれの特徴
「MA」「SFA」「CRM」それぞれの特徴

MAツールとSFAの違い

SFA(Sales Force Automation:セールスフォースオートメーション)とは営業活動を効率化させるためのシステムで、日本語では「営業支援システム」と呼ばれます。顧客リスト作成、テレアポ。見積書、計画書などの書類作成から、見込み客への情報提供、商談、既存顧客へのフォローアップなど営業の仕事は多岐に渡ります。その中でも繰り返し行われる作業などを自動化する、そして、個人やチーム、組織の営業活動を効率的にマネジメントするためのツールがSFAです。

MAツールとSFAの違いは「どの部分を効率化させるか」という点で、MAツールは見込み客獲得と育成などマーケティング活動の生産性UPを目的としているのに対して、SFAは商談管理とクロージングなど、営業活動の生産性UPを目指しています。

MAツールとCRMの違い

RM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップマネジメント)は、「顧客関係管理」「顧客管理」と呼ばれ、既存顧客との関係構築、売上向上のために使用されるツールを指します。

MAとCRMの違いは、その対象です。

MAは上記でも述べたように、主に新規獲得におけるマーケティング活動生産性UPを目的としており、CRMは既に取引がある既存顧客と良好な関係性を構築することを目的としています。新規顧客の獲得に関わる活動を支援するのがMAツール、既存顧客に関わる活動を支援するのがCRMです。

ただし、デジタルマーケティングが主流になっているBtoCビジネスにおいては、たとえば、アプリやECサイトの運用といった観点では、新規獲得のマーケティングと既存顧客向けのマーケティングは重複する領域が非常に多くなっています。そのため、CRMツールとMAツールが一体化したものが運用されていることが増えています。

MA、SFA、CRMそれぞれの特徴と違いについては以下の記事もご参照ください。

BtoBとBtoCの違い

MAを活用する際に、気をつけなければいけないのがBtoB向けなのかBtoC向けなのかという点です。

BtoBの場合は、コンバージョンに繋げるために商談の数を増やすことや問い合わせの獲得が一般的な目的となり、取り扱う顧客(リード情報)は企業と、その企業に属する担当者です。また、購入を決断するまでの期間が長く、決裁に関わる人が多く、例えば営業部長・グループ部長・役員など一つのツールを導入するために複数の決裁を取ることも少なくありません。そのため、ナーチャリングやスコアリングなどの機能を備えているものが必要となってきます。

一方で、BtoCでの目的は顧客との継続的な関係構築や、ECサイトなどへの誘導となります。そのためには顧客一人一人に合った、最適なコミュニケーションを取ることが重要です。つまり、One to Oneマーケティングを施し、最適なコンテンツを最適な場所で最適なタイミングで提供するが大切となります。そのため、取り扱う情報も個人の情報となり、個々のデータをできるだけ詳細に集め、さらにリアルタイムで接触できるような機能を持つMAツールが必要です。

MAツールに求められる機能

MAツールではマーケティングのどの段階を自動化するかによって求める機能が異なります。リード獲得段階、リード育成段階、リード選定段階、リード管理段階の各4段階においてどのような機能が必要となるのか紹介します。

リード(見込み客)獲得機能

リード客獲得機能とは、見込み客の情報を分析する機能で、以下のような機能が求められます。

・オウンドメディア構築(集客を目的とするメディアを構築する機能)
・SEO分析(Googleなどの検索エンジンで評価されるよう分析する機能)
・SNS分析(SNSを管理し、運用する機能)
・ランディングページ作成(ランディングページ作成・登録フォーム設定機能)
・フォーム投稿ページ作成(問い合わせなどのフォーム投稿ページ作成機能)

リード(見込み客)育成機能

リード育成機能は、獲得した見込み客に対して商品の購買意欲を高めるためための機能です。主に以下のようなものがあります。

・自動メール配信(各チャネルに対応してテキストメールの作成・配信を行う機能)
・通知プッシュ(アプリなどで通知を行い、利用へと誘導する機能)
・キャンペーン管理(シナリオを作成し、情報を提供する機能)
・Web接客(Webサイトの訪問者に対して、リアルタイムでコミュニケーションを取る機能)

リード(見込み客)選定機能

リード選定機能では、大量の見込み客を選定し、購買意欲の高い顧客を探します。その際に必要となる機能がリードスコアリングです。

リードスコアリングでは、集めた情報を基に「適合度・関心・購買ステージ」の3つの要素に沿って分析し、優先的にアプローチするべき顧客を見つけ出します。

リード(見込み客)管理機能

リード管理機能では、アプローチする予定、またはアプローチ済みの見込み客を管理します。主に以下のような機能があります。

・見込みリスト管理(見込み客のデータ管理機能)
・Webサイト行動分析(オンライン上での顧客一人一人の行動分析)
・CRM/SFA連携(マーケティング活動ツール・営業活動ルールとの連携)
・分析レポート(Webサイトへの流入・問い合わせ、資料請求、ダウンロードなどの一連の業務成果を測定し、レポートする機能)

MA運用のKGI・KPI

MAツールを運用する際には、以下のようなKGI・KPIが設定されることが多いでしょう。

KGI例

MAツール運用時のKGIの設定例は以下のようなものがあります。
・売上
・商談数
・受注数
・シェア率
・新規顧客の獲得数

KPI例

MAツール運用時に設定されるKPIの具体例は以下のようなものがあります。
・アクセス数
・登録者数
・CVR(コンバージョン率)
・問い合わせ数
・ダウンロード数

MA導入を成功させる4つのポイント

MAツールで効果を出すためには、継続的な改善が必要となるためリソース不足に陥ってしまうことがあります。特に小規模な企業では人数を当てられないために、導入しても効果が薄れてしまうことがあります。また、導入をしてすぐに結果が出るものではなく、時間を要するため、運用体制・仕組みをしっかりと構築することが大切です。

そこで、MAの導入を成功させるためのポイントを4つ紹介します。

導入目的の明確化

導入を検討する際には、まず目的を明確にしましょう。MAツールといってもその種類は多種多様で、それぞれに特徴があり、必要な機能は目的によって異なります。そのため、目的が明確になっていない状況で運用しても、目的に沿った機能を搭載していない可能性もあり、いい結果を得るのは困難です。また、導入時のコストも無駄になってしまうため、目的を明確にしてから、必要となる機能を理解した上で選定するようにしましょう。

マーケティング施策設計

導入前に、マーケティング施策の設計を行いましょう。「どの製品を」「どんなターゲット層に」「どのようなマーケティング施策を打つのか」というマーケティング戦略に合わせて、MAツールを選定することで、より効果的な運用が行えるようになります。

部署を超えた連携

MAツールを運用するにあたっては部署を超えた連携が必要となります。運用するのは主にマーケティング部署である企業がほとんどだと思いますが、MAツールの効果を最大限引き出すためには部署間での連携が重要です。MAツール導入の最終的な目的は「売上を増やす」ことです。営業部門がある場合には、顧客情報や顧客から製品に対して寄せられている意見などを共有してもらい、シナリオやアプローチ等に反映していく必要があるでしょう。。また、BtoCビジネスの場合にはアプリやWebサイト、ECサイト等と連携することが多くなり、アプリやサイトへの連携、購買データが蓄積されている基幹システムとの連携など、システム部門と協働することが多くなります。

運用体制の構築

MAツールは導入後効果が出るまでに時間を費やします。効果が出ていない間も欠かさず運用する必要があり、そのためMAツール専任の担当者を決めておくことが、活用成果を左右します。また、順調に運用ができていても、時代によって顧客ニーズは変化し、市場そのものが変化するため、常にデータを分析・検証して、改善施策を動かしていくことが大切です。

そのため、環境に応じて柔軟に対応できPDCAサイクルを上手に回せる担当者を中心に、運用体制を構築することが重要です。

MAツール運用前に検討しておくべきこと

以下では、MAツール運用前に検討しておくべきポイントを詳しく紹介します。

カスタマージャーニー/バイヤーズジャーニーの作成

カスタマージャーニー/バイヤーズジャーニーは、顧客が購買に至るプロセスを視覚化したものです。カスタマージャーニー/バイヤーズジャーニーを作成することで、顧客のターゲティングやニーズ、行動、購買プロセス内で生じる感情などを想定することができます。

シナリオを設計する

MAツールを効果的に活用するためには、マーケティング施策のシナリオを詳細に設計することが必要です。

シナリオ設計とは、見込み客がどのようなステップを経て顧客へと育成されるのか、そのプロセスを具体的に描くことです。プロセス設計の前提となるのが、作成したカスタマージャーニー/バイヤーズジャーニーです。ジャーニーを踏まえて、例えば、見込み客がサイトに訪問した後、どのようなコンテンツを提供するか、どのタイミングでフォローアップメールを送るのかなどをシナリオに含めます。ジャーニーに基づいてシナリオを設計することで、マーケティング施策の一貫性が保たれ、見込み客の購買意欲を効果的に高めることができます。

セグメント設計を行う

見込み客を効果的に管理し、適切なアプローチをするためにはセグメント設計も重要です。

セグメント設計とは、見込み客を共通の属性や行動パターンに基づいてグループ化することです。例えば、購買履歴、興味関心、地理的情報などを基にセグメントを設定します。このセグメント設計を通じて、ターゲットオーディエンスに対してパーソナライズされたメッセージを送ることができ、マーケティング施策の効果を最大化できます。

コンテンツを準備する

シナリオとセグメントが設計されたら、それに基づくコンテンツを準備する必要があります。

コンテンツは、見込み客の関心を引きつけ、価値を提供するものでなければなりません。例えば、見込み客の興味を引くブログ記事、役立つホワイトペーパー、魅力的な動画コンテンツなどが考えられます。さらに、メールテンプレートやランディングページも事前に作成しておくとスムーズな運用が可能です。コンテンツの質と量は、マーケティング施策の成功に直結するため、十分な準備を行うことが重要です。

運用体制を決める

最後に、MAツールの運用体制を決めることが不可欠です。

運用体制とは、MAツールの設定や管理、施策の実行を担当するチームや役割を明確にすることです。具体的には、MAツールの管理者、コンテンツ作成者、分析担当者などの役割分担を決めます。また、運用ルールやプロセスを明確に定め、全員が共通の理解を持つことが大切です。これにより、運用の効率化とトラブルの防止が図れます。

MAツールの選び方

MAツールは数多く存在し、それぞれに特徴があります。ツールを選ぶ際に検討すべき点を5つ紹介します。

必要な機能を備えているか

必ず目的を明確にし、どのような機能が必要となるのかを理解してから導入することが大切です。必要な機能が備わっていないMAツールを導入しても効果が薄れてしまい、コストの無駄遣いになってしまいますので、気を付けましょう。

デザインや操作性

「使いやすさ」もMAツールを運用していくにあたって重要です。操作方法が複雑なMAツールを使いこなせるようになるにはかなりの時間を費やしてしまいます。さらに、シンプルで操作しやすいインターフェイスであれば研修時などにおいても、社員間での理解度の差を小さくしてくれるでしょう。

価格は適切か

MAツールは継続して使用することで効果を発揮しますので、自社にとって月額いくらまでなら費用を割くことができるかを考え、導入を検討しましょう。トライアル期間を設けているMAツールもありますので、いろいろ試してみて考えるのも一つの方法です。

システムとの連携

既存システムとの連携ができるか、も選ぶ際の検討材料です。SFA、CRMなどの既存システムと連携できれば、相乗効果を生み出すことができます。それぞれの効果を最大化するためにも、連携できるかぜひ確認してみてください。

サポート体制の充実

導入後にもサポートしてもらえるか、問題が発生した際に即座に対応してくれるかといったサポート体制が充実しているか、も検討ポイントです。サポート体制が充実しているベンダーやエージェントがついている会社を選ぶことでMAツールの効果も最大限発揮できるようになるでしょう。

MAツール3選

上記でも述べた通り、現在においてマーケティング活動を行う際に、重要な鍵となるのが顧客一人一人を大切にし、それぞれに最適なコンテンツを提供するOne to Oneマーケティングの考え方です。MAツールの中でも、One to Oneマーケティングをより効率的に行うために注目されているのが「カスタマーエンゲージメントツール」です。

カスタマーエンゲージメントツールでは、プッシュ通知やアプリ内メッセージ、メールなどチャネルの特徴に適したコンテンツを、最適なタイミングで提供することで、ユーザーのロイヤル化を目指すことができます。

ここからは顧客一人一人に最適な施策を実行することを目的としたカスタマーエンゲージメントツールを3つ紹介します。

Braze(ブレイズ)

Braze(ブレイズ)は一人一人に最適化されたブランド体験を提供する、総合的カスタマーエンゲージメントプラットフォームです。様々なチャネルで最適な顧客接点を作り出せます。また、リアルタイムで顧客とのコミュニケーションが可能で、エンゲージメント向上に導きます。

モバイルを中心に、リアルタイムで一貫性のあるコミュニケーションを取ることができ「プッシュ通知」「アプリ内メッセージ」「メール」「Line」など様々なチャネルで最適なコンテンツを配信可能です。Amplitudeを始めとするMarTechツールとの連携も可能で、相乗効果を得ることができるでしょう。

KARTE(カルテ)

KARTE(カルテ)は顧客体験向上を目的とするCXプラットフォームです。Webサイトやアプリの訪問者に対してのリアルタイム情報を解析して、セグメントを作成します。リアルタイムで解析したデータを可視化し、一人一人の顧客行動を遡ることで数値の変化だけでは気づきづらいコンテキストを掴むことが可能です。さらに操作が容易で管理画面上で簡易にそれぞれのユーザーに最適な施策を施すことができます。

MoEngage(モエンゲージ)

MoEngage(モエンゲージ)は、ユーザーとのエンゲージメント向上とアナリティクス機能を兼ね備えた総合プラットフォームです。顧客一人一人の行動を分析し、それぞれのニーズ・特徴に合わせて様々な施策を簡易に打つことができます。様々なチャネルに対応しており、それぞれの特性に合わせて、適切なコンテンツを適切なタイミングでお届けすることで、売上アップに繋げることができるでしょう。

より詳しく比較できるような記事をご用意しました。ぜひ下記リンク先もご覧ください。

まとめ

MAツールとは、マーケティング活動において人手では口数が多くなってしまう業務や、リスト作成などの繰り返し行われている業務を自動化することで効率化をはかるツールです。

自動化することで、リソースを他の業務に注力することができるようになり、売上アップにも繋がります。見込み客が少ない、売上が思うように上がらないなど、マーケティング活動に課題を抱えている場合は、導入を検討してみてください。

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