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アップセル促進で月間獲得有料会員数が28%増加。休眠ユーザーの掘り起こしにも成功| ANA X| 【DearOne】MoEngage(モエンゲージ)導入インタビュー

2023.10.17

moengageのご相談は、
国内初パートナーのDearOneまでお問い合わせください。

リリースから僅か1年半で90万人以上が利用する人気アプリとなった「ANA Pocket」は、株式会社DearOneが国内初のパートナーを担うカスタマーエンゲージメントツール「MoEngage」を導入し、さらなる利用者増を狙いさまざまな施策を実施しています。

そこで今回はMoEngage導入を主導された、ANA X株式会社の事業開発部 大野様、廣岡様、中村様に、導入の決め手や導入後の変化、具体的な改善事例についてお話を伺いました。

課題:
  • プッシュ通知送信後の効果や行動の分析ができていない
効果:
  • 行動データ分析や施策の効果測定が可能になり、配信内容・効果ともに改善
  • In-Appメッセージでメリットを訴求して無料会員から有料会員へのアップセル促進に成功
  • 休眠ユーザーへのプッシュ通知で約20%がアプリを起動
  • メンバーが主体的に分析を行う自走するチームへ
展望:
  • PDCAサイクルを高速で回し、ユーザーと向き合って改善していく
  • MoEngage×移動アプリで新たな機能や価値を創造する

利用者数約90万人の「ANA Pocket」は行動変容を促すモバイルアプリサービス

DearOne 神津|
ANA X様のアプリ「ANA Pocket」にMoEngageをご導入いただいております。まずはこちらのアプリの特徴を教えてください。

ANA X 大野様|
従来、ANAグループは航空移動に対してマイルをお客様に提供してきましたが、2021年12月に新規事業としてスタートした「ANA Pocket」は航空移動以外の徒歩などの移動でもポイントやマイルを提供しています。移動手段はAIによって判別され、徒歩や自転車などエコで健康な移動ほどポイントが高くなるような設計になっているところが特徴です。現在、利用者数は90万人を突破しました。

COPYRIGHT 2023 ANA X株式会社
COPYRIGHT 2023 ANA X株式会社

DearOne 神津|
1年半で90万人は凄いですね。会員クラスが3つありますが、その違いはどういったところでしょうか?

ANA X 大野様|
無料でデジタルギフト券などが当たるガチャに挑戦できる「ANA Pocket Lite」、ANAマイレージクラブ会員に登録することで、同様に無料でANAのマイルが当たるガチャにも挑戦できる「ANA Pocket」、そして月額550円(税込)で無料会員の10倍以上ANAのマイルが当たる「ANA Pocket Pro」の3つがあります。会員ステータスを上げるほど、ポイントが貯まりやすく、ANAのマイルに交換しやすい設計になっています。

ご担当の業務内容

DearOne 神津|
みなさまそれぞれがご担当されている業務や役割を教えていただけますか?

ANA X 大野様|
私は「ANA Pocket」のプロジェクトマネージャーです。全員で7人のスモールチームなのですが、システム開発のディレクション、集客、オウンドメディアの運営、カスタマーサポートと業務は多岐にわたり、一応の担当分けはあるものの全員で取り組んでいます。

ANA X 廣岡様|
私はグロース担当で、MoEngageを導入したときの担当窓口です。具体的なチームの動きでいうと、週に1回は全員で集まって、次の週に「ANA Pocket」でどういったキャンペーンを打つかなどの打合せと共有をして、各担当が実施していくという流れですね。

ANA X 中村様|
私もグロース担当で、アプリの運用を行っています。

(左から)ANA X 廣岡様、大野様、中村様
(左から)ANA X 廣岡様、大野様、中村様

初期はスピーディにサービスを立ち上げ、課題が明確化されたフェーズでMAツールを導入しようと計画していた

サービス立ち上げと利用者数増加に注力したリリース時

DearOne 神津|
MoEngage導入時はデータ活用に関する課題はございましたか?

ANA X 大野様|
「ANA Pocket」は新規事業として立ち上げているのでスピード感が重要だと考えていました。そのため、リリースのタイミングでは細かい分析をはじめからやっていくよりも早くサービスを立ち上げて、運用しながら属性や行動などの分析を進めていこうと考えていました。具体的な話をすると、当初はプッシュ通知などは送れるものの、細かな分析やセグメント分けの配信などはできないFirebaseだけを入れている状況でしたね。

ある程度のユーザー数が集まったら課題が明確に浮き出てくると思ったので、その段階からMAツールなどの本格的なツールを入れて、改善のアクションを実施して、データを活用したPDCAを実施しようと考えていました。

DearOne 神津|
まずはスピーディにサービスを立ち上げて、次のフェーズから本格的に分析をはじめていこうという計画をされていたんですね。

「こんなに簡単に使えるの?」と驚くほどだったMoEngage

DearOne 神津|
分析をはじめられるタイミングでMoEngageをご導入いただきましたが、MoEngageを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

ANA X 廣岡様|
DearOneさんには以前、弊社がユーザーインタビューを実施した際にサポートしていただいたことがあって、そのときにデータ活用の課題をお話したところMoEngageをご紹介いただきました。ちょうど他のツールと合わせて検討の選択肢を増やしたいと思っていたので、とても助かりました。じつは私たちはアプリ運用の経験者がほとんどいないので、信頼関係のあるDearOneさんにおすすめいただけたのは大きなポイントだったと思います。

DearOne 神津|
他のツールとの比較・検討というお話が出ましたが、最終的にMoEngageに決められた要因はどこにありましたか?

ANA X 廣岡様|
1つは「ジオフェンス機能」をもっているMAツールが当時はMoEngageだけだったところですね。「ANA Pocket」は移動アプリなので、取得した位置情報によって特定のエリアで施策を実施することができるジオフェンス機能を何か使いたいと思っていたんです。現在はまだ実装できていませんが、ここはこれから考えていく予定です。

ANA X 大野様|
私は他のサービスで他のMAツールを使った経験がありまして、そのときに課題に感じていたのが「価格」と「運用のしやすさ」でした。「ANA Pocket」は新規事業でスピード感を重視していることや運用経験者がいないこともあって、実際の運用フェーズに入ったときにチームメンバーが誰でも簡単に施策を立案して実施できるものがいいと思っていました。その点でMoEngageはとても使いやすいところが魅力で、そこが決め手になりました。

DearOne 神津|
MoEngageのどのようなところに「使いやすさ」を感じましたか?

ANA X 大野様|
とにかくデータが見やすいですね。さらにデータから課題を見つけて、施策を打つまでが本当に簡単にできるなと。「こんなに簡単にプッシュ通知などを送ることができて怖い」と思うぐらいに簡単でした(笑)。

インタビュー取材中の ANA X 大野様
インタビュー取材中の ANA X 大野様

導入決定後はDearOneによる伴走支援。カスタマイズされた独自の資料と、密なコミュニケーション体制

海外のサービスだからWeb上に日本語の資料がない。だからこそサポートに助けられた

DearOne 神津|
MoEngage導入決定後はどのように進められましたか?

ANA X 廣岡様|
DearOneさんによる説明会が複数回ありました。弊社のために独自にカスタマイズされた資料をもとに操作説明や設計のポイントなどの説明があり、開発とグロースの両方の観点でサポートしていただき、理解を深めていきました。

「ANAのアプリだったらこういうものが良いのではないか」というお話や、他社でうまくいっている事例なども教えていただき、私たちはアプリ運用の経験がないメンバーだったんですが、すんなりと理解することができて運用まで進めたと思います。

あと、MoEngageは海外のサービスなのでWebで調べても英語のページばかりで日本語でわかりやすく説明されているものがほとんどなかったんですね。その点もDearOneさんが日本語でわかりやすく説明してくださったので、そこもうれしかったですね。

DearOne 神津|
説明会の期間はどれぐらいでしたか?

ANA X 廣岡様|
2か月ほどだったと思います。その間に並行してアプリの実装をする形で開発と運用を同時進行で進めていきました。2か月で一通りの実装ができて、そこからは半年間ぐらいかけてDearOneさんに引き続き伴走支援をしていただきながら追加実装やブラッシュアップを行っていきました。

その半年の間も弊社から「こういうこともしたい」とDearOneさんにお話すると「それでしたらこういう風にするとできます」など、密にコミュニケーションを取りながら改善を進めていきました。

DearOne 神津|
弊社の伴走支援にはご満足いただけましたか?

ANA X 廣岡様|
はい、とても手早く、手厚くサポートしていただけて満足しています。コミュニケーションはSlackなどを使っていたので返答が早く、質問したい内容はスプレッドシートに私たちが質問を書き込んで、DearOneさんが回答を書き込むという形で行ったので、「わからないことがあれば即時に聞いて教えてもらえる」という環境をつくっていただきました。

また、管理画面のエラーが出たときもMoEngageは日本語サポートがないのでDearOneさんに相談したところ、すぐにMoEngage側に問い合わせいただいて、スピーディに修正されて、とても助かりました。

インタビュー取材中の ANA X 廣岡様
インタビュー取材中の ANA X 廣岡様

アップセル促進、休眠ユーザーの掘り起こし、ABテストによる効果改善に成功

アップセル促進に成功。月間獲得有料会員数が28%増!

DearOne 神津|
導入後にMoEngageを活用しての改善事例があれば教えてください。

ANA X 廣岡様|
はい、たくさんあって、1つは「アップセル促進」ですね。MoEngage導入前はアプリを開いたときにポップアップで通知が出るIn-Appメッセージは全く使えなかったのですが、導入後に「有料会員(Pro)2か月無料キャンペーン」「今の10倍以上マイルが当たるからハワイ旅行も夢じゃない」などの有料会員のメリットを無料会員にピンポイントでIn-Appメッセージにより伝えたところ、月間獲得有料会員数が28%増加しました。メッセージの内容も「無料トライアル訴求」と「当選マイル訴求」の2パターンをつくり、ABテストを実施してCTRが高かった後者を出すようにするなど、MoEngageならではの施策で効果を出すことができました。

実際の配信イメージ
実際の配信イメージ

DearOne 神津|
28%増加は凄いですね!

ANA X 廣岡様|
もう1つは「休眠ユーザーへの施策」です。7日間アプリを開いていない方をポイント数などを掛け合わせてセグメント分けをして、それぞれにガチャの案内や、マイルを貯めやすいキャンペーンの案内などをプッシュ通知で送ったところ、休眠ユーザーの約20%がアプリを起動してくれました。「ポイントをもっているのにガチャをしないのは損ですよ」といったことを訴求して、「それならガチャをやってみよう」と感情に訴えられたのがよかったのかなと。こちらもABテストを実施しています。

同様にセグメント分けの施策で言うと、「ガチャで何マイル以上当たった人」「指定のクーポンが当たった人」などのいわゆる”良い体験をした人”をMoEngageでセグメント分けして、その方たちに向けて「友達と一緒にこの体験をしませんか?」と通知したところ、自然な流れで友達を紹介してもらえるようになりました。他にもMoEngageを導入して行動分析、データ活用ができるようになったことで改善した事例はいろいろありますね。

データ分析を楽しみながら自走するチームへと変化

DearOne 神津|
他にMoEngageを導入したことによる運用メンバーの変化などはございますか?

ANA X 中村様|
ユーザーへのアクションが簡単になったところは大きいですね。施策を考えて、実行して、効果を見て、というPDCAサイクルを回すことが、運用メンバーの中でも早くなっていると実感しています。それが実感できることによって次の施策、新しい施策をどんどんやってみようというところも生まれています。

インタビュー取材中の ANA X 中村様
インタビュー取材中の ANA X 中村様

ANA X 大野様|
MoEngageを使えば1日で施策を実行できて次の日には成果が見えてしまうので、かなり短縮化というか、PDCAの高速化につながっていると思いますね。

ANA X 廣岡様|
そもそも導入以前は、プッシュ通知を送ることができてもその後の行動までは追えていなかったので、効果を見ることができるようになったのは大きな変化ですね。先ほどもABテストの話をしましたけれど、たとえばチャレンジ、ガチャ、クーポンでテストしたときにチャレンジ軸のほうが反応いいよねとなったら、じゃあ次はチャレンジ軸で配信にしようといったように、ABテストの結果をもとに次の配信の文言などを考えるということが運用メンバーの中で常に発生しています。

DearOne 神津|
チームの雰囲気や心情などにも影響はありましたか?

ANA X 大野様|
施策のアイデアが出やすくなっていますね。マネージメントする立場からしても運用メンバーが主体的に結果を見ながら新しいことに取り組んでくれるというのはとても良いことだと思っているんです。僕が知らないところでみんながどんどんやっていますから(笑)。

ANA X 廣岡様|
MoEngageは楽しいんですよね。「これもできるんじゃないか」や「この機能であのイベントを実装したから今度はここに誘導できるよね」といった意見がメンバーの中からどんどん出てくるようになったので、それがよかったなと思います。

樹形図のようなもので施策を考えていく「フロー機能」というものがMoEngageにあって、私もチームメンバーと「ここがこういったらこうだね」と延々と画面を見ながら設計していた時期があったのですが全く苦痛ではなくて、むしろ楽しくて。それぐらい集中して取り組めて、想像が膨らむのは具体的なツールがないとできないことだったと思うんですね。「ユーザーがこう動くんじゃないか」と想像していた通りに動いてくれたときのうれしさや、想定外の動きもまた面白くて。そのときも結局、DearOneの担当の方にアドバイスをもらって修正したのですが、とても良い経験でした。

(前列左から)ANA X 廣岡様、大野様、中村様、(後列左から)DearOneカスタマーサクセス齊藤、神津、杉本
(前列左から)ANA X 廣岡様、大野様、中村様、(後列左から)DearOneカスタマーサクセス齊藤、神津、杉本

MoEngage×移動アプリで、新機能を一緒に開発したい

移動する価値を生みだしていく

DearOne 神津|
今後はMoEngageをどのように運用されていきますか?

ANA X 大野様|
個々の施策に関しては今まで申し上げた通り、PDCAサイクルを高速化して、ユーザーが答えを出してくれるのでそれに向き合っていくことかなと思っています。

あとはユーザーの行動に応じていろいろな施策を打つことは、どちらかというと施策というよりは恒常的に提供できる機能としても有効活用できるんじゃないかと思っているので、DearOneさんとレコメンドの機能も新たにつくってしまうとか、一緒に機能開発もできればいいなと思っています。

DearOne 神津|
少し大きな話になりますが、「ANA Pocket」の目指す先はどういったところでしょうか?

ANA X 大野様|
コロナもあって移動に対する価値観や考え方が結構変わってきていて、たとえばリモートワークが浸透していったことで、それまでは毎日していた出社が面倒くさいと思ったり、移動に対する考え方や価値観が変わってきたりしていると思うんですね。だけど逆の言い方をすると「移動することで人に会える、コミュニケーションできる」など、価値が上がることもありますよね。どちらにしても、家でも何かできるようになったこういう時代で移動することは1つの価値になるのかなと思っているので、「ANA Pocket」でその価値を少しでも見いだせるようにしていけると理想だなと思っています。

1チームとして屈託のない意見を言い合っていきたい

DearOne 神津|
最後に、弊社DearOneに今後期待することを教えてください。

ANA X 大野様|
今もいろいろサポートいただいていますが、まだ成長段階のアプリで目指してるところも大きいので、これからも一緒にゴールに向けて歩んでいければいいなと思っています。

あとはMAツールの新しい形ですね。先ほどの機能開発じゃないですけど、我々は移動アプリというカテゴリをやっているので、それとMAツールを組み合わせたときに新しい価値創造ができるんじゃないかと思っています。そこを一緒に取り組んでいけるといいですね。

ANA X 廣岡様|
私もクライアントとコンサルの関係とはあまり思っていなくて、カジュアルに「このアプリをもっとこうしたらいいんじゃないか」とか、1ユーザー1チームとして屈託のない意見を言っていただきたいなというのが一番にあります。弊社はエアライン出身でアプリに知見のないメンバーが運営をしているので、ぜひ外の方の意見をどんどん聞いて活用していければいいかなと思っています。遠慮せずにいろいろなアドバイスを頂戴できるとうれしいです。

ANA X 中村様|
今も施策を打っていくなかでアドバイスをいただいていますが、「ANA Pocket」でやっていない他社のアプリで効果のあった事例や、一般的にこういうことが効果あったといったお話など、新しい施策もどんどん取り入れて、教えていただきたいなと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

(左から)ANA X 大野様、廣岡様、中村様、DearOneカスタマーサクセス齊藤、杉本
(左から)ANA X 大野様、廣岡様、中村様、DearOneカスタマーサクセス齊藤、杉本

− カスタマーサクセス 担当者コメント

▼株式会社DearOne グロースマーケティング部 カスタマーサクセス 齊藤 亘平

弊社では初期フェーズにおけるMoEngageの導入から日々の運用までを一気通貫でサポートさせていただいております。多くの場合、アプリのマーケティング施策は全ユーザーに同タイミングで同じ内容のプッシュやアプリ内メッセージを送りがちですが、ANA X様は毎週のようにパーソナライズされたマーケティングを実践しています。ユーザー一人ひとりの置かれた状況を踏まえて最適なタイミングでメッセージを出してアクティブ率やコンバージョンを改善しています。運用チームの皆様がMoEngageの仕様の理解の深さとグロースハックに対する意識の高さ故にできていることだと感じております。アプリのグロースハックに貢献できるように引き続き弊社としても全力でサポートさせていただきます。

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