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データ分析時間が大幅削減!スピーディーな施策実施によりCVR最大7倍改善を達成|GRL| 【DearOne】Amplitude(アンプリチュード)・MoEngage(モエンゲージ)導入インタビュー

2022.12.08

amplitudeのご相談は、
国内初パートナーのDearOneまでお問い合わせください。

GRL

「9,999円以下で全身揃うファッションブランド」をコンセプトに展開するレディースファッション通販サイト「GRL(グレイル)」。

今回は、通販サイトのプロジェクトマネジメントを担当する小林様に、行動分析ツールAmplitudeとMAツールMoEngage導入の決め手や導入後の変化、具体的な改善事例についてお話を伺いました。

課題:
  • データの分析に時間がかかり作業効率が悪い
  • データを有効活用できていない
効果:
  • データ分析のスピード向上
  • データ分析が容易になり、顧客の解像度向上
  • CVR最大7倍改善
展望:
  • 細かい粒度での施策を構築
  • 昨対ベースでユーザー行動の変化を把握

9,999円以下で全身揃う、女性向けファストファッション通販サイト「GRL」

GRL
COPYRIGHT 2022 GRL

小林様|
GRLは女性向けファッションの通販サイトです。9,999円以下で全身揃うファストファッションブランドをコンセプトに展開している、プチプラのレディースファッション通販サイトです。駅近にあるようなファストファッションと比較しても、安価でトレンド感のあるものを揃えています。

トレンドアイテムを低単価で提供するために大きく3つ工夫しているポイントがあります。

1つ目が、リアル店舗を持たず自社のウェブだけで展開している点です。リアル店舗ではどうしても固定費、人件費などがかかってしまいますし、モール系サイトでは手数料がかかります。自社のウェブではこういった諸費用を削減できるので、低単価での提供が可能となっています。

2つ目が、シーズンをずらして生産・発注をしている点です。世の中の洋服屋さんがものを作るタイミングで同じように生産をすれば、素材自体が高騰する可能性があるので、前もって企画・発注・製造を進めることでコストダウンを実現しています。

3つ目が、自社物流を持っている点です。拠点である大阪では4箇所常時稼働していて、毎日万単位の発送を行なっています。自社物流となると場所を確保して設備を整えてと初期コストがかかってきますが、長い目で見てトータルでコストを抑えるという点を意識しています。毎週ほぼ土日に送料無料のキャンペーンをしていますが、自社物流で輸送コストがコントロールしやすいおかげで実現できています。

GRLは1ブランドだけで3,000品番くらい常にWEBサイト上で展開しています。デザイン関係の協力会社が多数いますので、様々なバリエーション展開ができています。製造メーカーも複数お付き合いしているため、分散的に発注をかけ、どこかで製造の問題が発生しても、他のメーカーで作れるなど対応できるようにしています。

ご担当の業務内容

小林様|
通販サイトのプロジェクトマネジメントを担当しています。日々の機能改善や、新規機能の仕様検討、お客様からのお問い合わせで発覚した不具合の対応など、窓口として私ともう1名の2名で、システム開発のパートナーさんと常にやりとりをしています。

サイトに出品をする、作った商品のデータを流すのも私たちの部門の業務です。画像の差し替えや商品陳列の変更など、1日に100〜150品番くらいの情報を常に変更しています。

インタビュー取材中の GRL 小林様
インタビュー取材中の GRL 小林様

自分の中の分析速度を圧倒的に凌駕するAmplitudeのスピード

導入時のデータ活用に関する課題

小林様|
これまではGA(Google Analytics)や、Tableauを使ってダッシュボードを作成していて、データを活用していなかったわけではないのですが、うまく施策に繋げられていたかというと微妙なところで、定点観測での現状把握くらいしか出来ていませんでした。現状把握から導き出した施策もありますが、基本2人で考えているので、マンパワー的な限界もありました。これだけのユーザーと注文件数があったらもっといろいろ分析ができるだろうなと肌感では分かっていましたが、日々の業務量もそれなりにあり、解決できていませんでした。

また、GAだけでは集積しきれていないデータについてはExcelなども使用して、まず業務システムからデータを取得して、加工して、GAのデータとマージさせて…といった工程を何度も繰り返し、自分の考えが正しいのか、正しくないのか、データの裏付けを取りきるまでにすごく時間がかかっていました。

Amplitudeを知ったきっかけ、導入の決め手

小林様|
ご提案をいただいて知りました。それまではGA上でセグメントを切って分析していましたが、月間で億単位のPVがあるデータをGA上で分析すると、まぁ遅いんですよね。タイムアウトエラーも頻発していました。でも、実際にAmplitudeのデモを見た時のスピード感!本当に速いなと。データの更新速度やビューになるまでの速さなど、そこの驚きはすごく覚えていますね。

自分の中のこれまでの感覚を圧倒的に凌駕するスピード感に加え、アプリのデータも取れるようになる点、ロイヤルユーザーの行動分析という観点での分析アプローチも未着手だったので、導入してみようと思いました。

MoEngageを選んだ理由

小林様|
MoEngageも含め、MA(マーケティングオートメーション)としては4ツールくらい様々なベンダーから紹介していただきました。MoEngageについては、行動分析のAmplitudeと一部データ連携もできるということで、基本的にはセットで考えていました。これらツールの良し悪しを同業他社の担当者であったり、お客さんに導入した側のSIerの方であったり、いろいろな方にお話を聞かせていただいて、使いやすさなどツールについての情報を集めていました。AmplitudeもMoEngageに関してもそういった声は全く集められなかったのでプラスもマイナスもない状態でした。笑

大体どのツールでも同じようなことはできますので、アプリ開発でお世話になっているという関係性であったり、分析のマンパワー不足などの課題も含めてサポートしていただけそうだと、総合的に判断して決めました。

使いやすいポイント、おすすめ機能など

小林様|
Amplitudeのコホート*1コホート:同じ属性を持つユーザーグループのこと。とクラスタ分析の速度はやっぱりすごいなと思っています。「速い」というのは問答無用のメリットで、Tableauであればデータが出てくるまで5分くらい待たないと出てこない時もありますし、GAではそもそも結果が表示されないことも…。

速さについてはサイトの表示速度はもちろん、いろいろなところで意識しています。お客様の目には見えませんが、業務システム側も実はものすごいスペックのサーバーを利用していてかなり応答速度を意識しています。

インタビュー取材中の GRL 小林様
インタビュー取材中の GRL 小林様

スピード感を持った分析と顧客の解像度向上で、CVR最大7倍の改善に成功

運用メンバーの心情の変化

小林様|
本当にとても楽になりました。社内で定期的に打ち合わせを行う中で、自分の知りたいデータのキャッチボールがその場でできるようになりました。例えば企画側のトップと話をするときに、GAからいろんなデータを引っ張り出して数日まるまるかけてデータを作成するとかがあったのですが、全くなくなりましたね。作業工数は大幅に減りました。

作っていただいたテンプレートの数字や設定を少し変えるだけで、次のデータが見れるようになっているので本当に楽です。

Amplitude、MoEngage活用後の定性的な変化

小林様|
どういうユーザーなのか、という定義もGAでセグメントを切ってやっていましたが、GAでできることにも限界がありますし、1ヶ月のデータを扱おうと思ったらデータ量が多すぎてエラー表示、半年分を出そうとしようものならレスポンスが返ってくることはなくタブを閉じるしかない、ということが結構ありました。そのため、ユーザーの解像度を細かくすればするほど、そのデータに辿り着けませんでした。Amplitudeではそのストレスが一切なくなりましたね。いろいろなイベント(行動)をある一定のルートでこなしたユーザーというラベリングをしたとしても、データの収集・解析速度に大きな変化はなく、私たちが描きたいユーザーの解像度を描けるようになったのは大きいかなと思います。実際の分析でも、ユーザー行動を主軸とした観点で、ロイヤルユーザーを増やすための分析や新規購入者を増やすための分析などがすばやく着手できています。

Amplitude、MoEngageを使った施策内容と、改善の事例

小林様|
特に効果が出ているのは、カゴ落ちと会員登録の施策ですかね。

いわゆる「カゴ落ち」という、カートのカゴの中に商品を入れた後に購入し忘れているお客様へプッシュ通知を配信する施策が、CVRも明確に上がりました。

今はカゴ落ちのポップアップを表示回数と表示間隔を分刻みで変えてみて、どれが1番効果が高かったか、どれが1番コンバージョンレートが上がったかなど、最適な設定値を模索している途中です。

新着アイテムや買い忘れのお知らせ、セール品の案内など、MoEngageを用いていろいろ施策を実施していて、CVRは最大で7倍に改善しました

No.項目内容効果、結果など
カゴ落ち対策商品をカートに追加後、1時間以内に購入に至っていないユーザーに対して、WEBサイト上とPUSH通知でメッセージを表示リマインドの表示により、施策未実施グループと比べて、購入のコンバージョン率が1.8倍に改善
セール品の購入促進1日に商品詳細を5回以上閲覧しているユーザーに対して、セール品のお知らせをWEBサイト上に表示お知らせの表示により、施策未実施グループと比べて、購入のコンバージョン率が7倍に改善
新着アイテムのお知らせ毎週更新される新着アイテムをPUSH通知でお知らせ配信PUSH通知で新作アイテムを訴求したことにより、施策未実施グループと比べて、購入のコンバージョン率が1.1倍に改善
会員登録の促進IDが存在しないユーザー(≒会員ではない)に対して、WEBサイト上で会員登録を促すお知らせの表示により、施策未実施グループと比べて、新規会員登録のコンバージョン率が4倍に改善
MoEngageで行った施策の一部

DearOneのサポートについて

小林様|
満足度は非常に高いです。担当の小島さんと私の分析の目線が近く、例えばユーザーのこういう分析をしようとなった際に、ユーザーをどう定義して、どうクラスター分けをしてなどのデータ分析のアプローチの仕方が自分の噛み砕き方と近いので、話が早く、気にするポイントで共通点があるなと思っています。

コンサルティング系のサービスって「人の相性」というところも多分にあると思うので、そういう意味ではすごく運がよかったですね。

Amplitude、MoEngageの今後の活用方法

小林様|
まだデータを取り始めて1年も経っていないので、前年度と比較した分析ができていません。GAをベースに分析していた時は、前年度の実績をベースにいろいろ施策を考えていたので、ユーザーの行動がこう変わったなど、前年同月対比や、シーズン単位に前年度と比較したデータをAmplitudeで見てみたいなと思っています。

MoEngageに対してはまだ施策をバリエーション広くやっている中で、鉄板の施策を探っている段階です。これからは鉄板施策を定着させるための取り組みをしたいです。今後としては、バリエーションは増やしつつ、より細かいセグメントでの配信。具体的には、Amplitudeで見えてきた「特にこういう行動をしたユーザー」というコホートを加味した、細かい粒度での施策を考えていきたいと思っています。

(左から)GRL小林様、DearOneカスタマーサクセス小島と手塚
(左から)GRL小林様、DearOneカスタマーサクセス小島と手塚

DearOne社に今後期待すること

小林様|
今後も変わらないご支援をお願いします。我々のサイトが1年を通してどう変わっていくのかなど、シーズンごとのイベントとか、このタイミングでシーズンの商品が変わるんだとか、CVRが異様に高いとか、90数パーセントがスマホであるなど、サイトの特徴や特性を踏まえて、我々のサイトの経験値を増やしていただければと思っています。

「レディースファッションサイトのユーザー」だけではなく「GRLを使っているユーザー」についての経験値を増やしていただくことで、より全体の目線が近づくことを期待しています。

− インタビュアー後記

▼株式会社DearOne グロースマーケティング部 カスタマーサクセス 小島健一

弊社ではAmplitude、MoEngageの導入から分析や施策実施におけるご活用のフェーズを一気通貫でご支援させていただいております。

今まさに大きく伸びており、非常に注目度が高いサービスに携わることが出来て光栄です。大規模なトラフィックがあるサイトで行うデータ分析からの施策実行はなかなか多く経験できないことであり、私自身の経験のうえでも貴重なものになっています。

小林様をはじめとするメンバーの方々は、デジタルマーケティングの知見が深いことに加え、非常に意思決定が早く、GRL(グレイル)の成長の要因であると感じています。

引き続き、お役立ちできるように尽力して参ります。

References
*1 コホート:同じ属性を持つユーザーグループのこと。

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