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CV(コンバージョン)とは?Webマーケティングでの種類・計測方法と向上のポイントを解説

2023.11.13

マーケターの皆さんなら、CV(コンバージョン)という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。しかしCVと言っても、さまざまな種類のCVが存在し、コンテクストによって意味が異なるため、しっかり理解しておくことが大切です。

この記事ではCVとは何か。アプリ/Webマーケティングにおける意味・種類・計測方法と向上のポイントについて紹介します。

CV(コンバージョン)とは?

CVとは英語の「Conversion」を指し、日本語では変換・転換と訳され、Webマーケティングの分野においては「Webサイトやアプリ、広告への訪問者が、あなたの定めたゴール(製品を購入する、メールアドレスを登録する、問い合わせフォームに記入するなど)に至ること」を意味します。

マーケターにとってはCVを最大化することがミッションだと言えるでしょう。

欧米におけるコンバージョンの定義については こちらこちら をご参照ください。

CV(コンバージョン)のメリット

CVがもたらすメリットは主に以下の5つです。

  1. ビジネスにおけるグロース促進

後述するCVR(コンバージョン率)が上がることによって、自社のビジネスのグロースを促進することができます。例えば、WebサイトのCVRが10%から20%に上がった場合、同じアクセス数でも2倍の成果を上げることができ、それだけ収益の増加につながることになります。
また、CVアップには不断の検証・改善サイクルが必須になるため、そのことが直接ビジネスグロースにつながります。

  1. 投資対効果(ROI)の向上

CVを増やすことで、投資対効果(ROI:Return On Investment)も向上させることができます。CVRが高い場合、同じ広告費をかけた場合により多くの成果が得られるためROIが向上します。つまり、より効率的な広告運用が可能となり、結果的に収益を増やすことができるわけです。
例えば、CVRが5%から10%に向上した場合、同じ広告費をかけた場合のROIは2倍に向上したことになります。

  1. 販売プロセスの改善

CVの数や率を分析することで、どの段階でユーザーが離脱してしまうのか、どのような点で課題があるのかを把握することができます。その情報を元に販売プロセスの改善を行うことができ、それがさらなるCVRの向上にもつながります。

  1. ユーザーの購買意欲の向上

CVの中には、ユーザーが商品やサービスに関心を持ち、それを購入する行動に移ることも含まれます。つまり、CVRが高いページを設定することで、商品やサービスにより興味を持ち、購入意欲の高い訪問者を獲得することができます。これにより効率的な販売促進が可能となり、売上をさらに増やすことができるのです。

  1. カスタマーエクスペリエンスの向上

CVを増やすためには、ユーザーがスムーズかつ快適な体験をすることが必要です。それにより、ユーザーは企業やブランドに対して好意的な印象を持ち、リピート購入や口コミなどにつながることが期待できるため、企業は自然と商品やサービスに関するUI/UXの向上を意識し、カスタマーエクスペリエンスの改善を心がけるようになります。

CV(コンバージョン)の種類

CVと一口に言っても、様々な種類があります。ここでは7つのCVについて、それぞれ紹介します。

総CVとユニークCV

総CV

総CVは「ユーザーがCVした回数」に焦点を当てたものです。ある1人のユーザーが2つのCV、例えば、「購入」と「問い合わせ」に至った場合、CV数は2回とカウントされます。つまり総CVは「何回CVに至ったか」を計測するものです。

ユニークCV

ユニークCVもユーザーがCVした回数に焦点を当てたものである点は総CVと同じです。しかし、明確な違いがあります。それは例えば先程の例、ある1人のユーザーが2つのCVに至った場合、CV数は1回と計測されます。

総CVが「何回か」を計測するのに対し、ユニークCVは「何人のユーザーがCVしたか」を計測するものであると言えます。

クリックスルーCVとビュースルーCV

クリックスルーCV

クリックスルーCVは、Googleなどで表示される検索連動型広告やディスプレイ広告を見たユーザーが、クリックしてCVに至る際にカウントされるCVです。

ビュースルーCV

ビュースルーCVも、クリックCV同様広告を見てCVに至った際にカウントされます。クリックスルーCVとの違いは、広告をクリックしない点です。

ビュースルーCVでは、広告はクリックされませんが、ある一定期間内に別のページからCVに至った場合にカウントされます。例えば、広告を見た際には興味がなくクリックしなかったけど、後から気になりオーガニックサーチを経てCVに至るなど、クリックされなかった広告の間接的な効果を計測するものです。

直接CVと間接CV

直接CV

直接CVとは、クリックスルーCVのような、「広告などからサイトを訪問し、離脱することなくCVに至ること」を意味します。

間接CV

間接CVとは、ビュースルーCVのような、「一度は離脱したものの、後に別のページからCVに至ること」を指します。

ユーザーが流入して、そのまま離脱せずにCVに至ること(直接CV)は稀です。ほとんどのものは別のページからCVに至る、間接CVであると言えます。間接CVは、間接的な効果を評価するものです。

マイクロCV

マイクロCVとは、最終のCVに至るまでに段階的に設置し、CVに至った際にカウントされるCVです。KGIとKPIの関係をイメージすれば理解できると思います。

例えば、「契約」を最終のCV(=KGI)として設置した際に、そこに至るために「ホワイトペーパーダウンロード」、「問い合わせ」、「資料請求」など最終的なCVを達成するために踏むCV(=KPI)がマイクロCVです。

マイクロCVを設置することで、どこでユーザーが離脱してしまっているのかなどの課題を発見することができます。

KGIとKPIの関係については以下の記事もご参照ください。

CVR(コンバージョン率)

CVRとは、Webサイトやアプリなどの訪問者がどの程度コンバージョンに至ったかを表す数値で、マーケティングにおいて非常に重要な指標の1つです。

CVRは下記で求めることができます。

CVR=CV数÷セッション数(サイト訪問者数)×100

例えばCV数が300、サイト訪問者数が10,000の場合

300 ÷ 10,000 × 100 = 3%

となります。もちろん業態、業種、CVの種類によって異なりますが一般的に2〜3%前後が平均的なCVRとされています。

CVR(コンバージョン率)の重要性

CVRの重要性には主に以下の4つがあります。

成果の評価:CVRは、マーケティングの成果を計測・評価する上で非常に重要です。マーケティング活動を行う目的は、最終的にビジネス上の成果につなげることであるため、CVRを分析することで、どのようなマーケティング施策が効果的であるかを把握し、改善につなげることができます。

購買行動の促進:CVRを高めることは、ユーザーの購買行動を促進することにつながります。例えば、WebサイトのPV数を増やすことができても、結局CVRが低ければビジネス成果にはつながりません。CVRを高めるためには、ユーザーが望む情報やコンテンツを提供する、ユーザーの疑問や不安を解消するといった対策が必要です。

販売促進:CVRを高めることは、販売促進にもつながります。CVRが高いほど広告費用対効果(ROAS)を向上させることができ、製品やサービスの魅力的な説明や優れたコンテンツを提供する施策と相まって、結果として販売を大きく促進します。

ユーザーエクスペリエンスの改善:CVRを分析することでUI/UXの改善にもつながります。CVRが低い場合は、ユーザーが望む情報が不足している、ページの読み込み速度が遅い、操作性が悪いなど、問題点がある可能性があり、自ずとUI/UXの絶え間ない改善という視点の導入につながります。

CVR(コンバージョン率)の目安

一般的な目安:CVRの目安としては、最低2〜5%程度あれば良いとされています。このほか業界やプロダクト、サービスによっては、以下のような目安があります。

Eコマースの場合:CVRの目安は業界や商品の種類によって異なりますが、平均して1〜3%程度です。高額商品や定期購入など、決済が複数回必要な場合はCVRが低くなることが多いです。

サブスクリプションモデルの場合:CVRの目安は平均して2〜6%程度です。ただし、プランや提供するサービスによって異なります。

これらはあくまで目安であり参考値です。実際のCVRは、プロダクトやサービス、業界、ターゲットユーザー、プロモーションなどの要因によって大きく異なります。CVRを改善するためには、顧客のニーズや行動を理解し、定期的にUI/UXやプロモーション戦略の改善、A/Bテストなどを行うことが重要です。

アプリやECサイトにおけるCV(コンバージョン)の具体例

CVは設定するチャネルによって大きく異なります。ここでは「アプリ」、「ECサイト」、「企業サイト」、「メディア・コミュニティ」における具体的なCVの例を紹介します。

アプリのCV例

アプリにおけるCVの例は、モバイルオーダーでの注文やクーポンの使用などです。アプリは特に、顧客データを収集しやすく、ユーザーに接触もしやすい媒体ですので、効果的に使用することでCVRをぐんと上げることもできます。

収集したデータを分析し、顧客一人一人に適した施策を施す「One to Oneマーケティング」が大切です。One to Oneマーケティングについては以下の記事で詳しく説明しています。

ECサイトのCV例

ECサイトにおいては、商品やサービスの購入がCVとして設定されます。どれだけ多くの訪問者を獲得できても、購入(=CV)に至らなければ収益を上げることはできません。いかにユーザーにとって購入までの障壁を減らして、スムーズに決済を済ませることができるかが重要となります。

ECサイトで見るべきKPIとしてのCVRについては以下の記事もご参照ください。

企業サイトのCV例

企業サイトでは「問い合わせ」「ご相談」「資料請求」などが一般的にCVとして設定されます。

企業サイトは必ずしも商品の販売だけが目的ではないため、目的によってCVは異なります。例えば採用が目的の場合は、応募であったり、製品の紹介ページであれば、サンプルの申込書がダウンロードされたりと、目的を明確にしてCVを設定することが大切です。

メディア・コミュニティサイトのCV例

メディアやコミュニティサイトにおいては、「メルマガ登録」「イベント登録」などがCVとして設定されることが多いです。

メルマガ登録や、イベント登録は先ほど上記で紹介した「マイクロCV」として設定されることがほとんどで、そこから最終的なCVである「購入」などに繋げます。

CVR(コンバージョン率)を向上させる方法

CVRを向上させることが、売上向上に大きく貢献します。

同じ訪問者数でもCVRが高い方がCV数が多くなるためです。

CVRを上げる方法は主に2つあります。

「ロイヤルカスタマーを増やす」「CVの最適化を図る」です。それぞれ紹介します。

ロイヤルカスタマーを増やす

ロイヤルカスタマーとは「企業・製品に対して愛着を持って利用してくれているユーザー」のことで、ロイヤルカスタマーのCVRは一般的に60〜70%だと言われています。

一方、新規顧客のCVRは5〜20%とされており、コストをかけて新規顧客を獲得しても、CVに至るのはほんのわずかなのです。

一般的なロイヤルカスタマーのCVRについては こちら もご参照ください。

また、ロイヤルカスタマーについては以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

CVの最適化を図る

CVの最適化を図るとは、CVに至るまでに考えられるユーザーにとっての障壁を取り除き、CVに至りやすくすることです。

見つけにくいボタンや、分かりにくい表示を改善し、適切なUI/UXを提供することでCVの最適化を図ることができます。

CVの最適化を図るためには、常にユーザーのニーズ・意見を取り入れて、高速に改善施策を回すことが重要となります。

高速に施策を繰り返すことで、変化の早いユーザーのニーズを満たすことができ、結果として満足度が上がり、継続して利用してくれるようになり、製品・企業をグロースさせることが可能です。

この高速に施策を繰り返し、プロダクトを常に改善する方法「OODAループ」については以下の記事をご参照ください。

ユーザーニーズ、障壁となっている点、離脱ポイントは、ユーザーの行動をデータとして収集し、管理し、分析をすることで見つけ出すことができます。

つまりファネル分析を行うことが大切なのです。ファネルとはユーザー行動の推移をチャートで表したものですが、ファネルを分析することでユーザーが離脱している点を把握できます。

Amplitudeではファネル分析を自動で行え、コンバージョン向上と相関関係のあるユーザー行動を自動で導き出してくれます。

Amplitudeが提供するファネル分析機能については こちら を参考にしてみてください。

またファネル分析については以下の記事をご参照ください。

まとめ

CVとは「ユーザーが自社で定めたゴールに至ること」です。CVを最適化することで売上向上、ビジネスグロースに繋がりますので重要な指標であると言えます。

CVRを向上させるためには、「ユーザー軸」でユーザーの行動を分析することが大切で、顧客理解を深めることが大切です。

ぜひ本記事を参考にして、自社のビジネスグロースを目指してみてください。

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