
ファネル分析とは、ビジネスやマーケティング戦略の最適化に欠かせない重要な手法です。ファネル分析を通じ。成果を最大化するために顧客の購買プロセスを段階的に可視化し、どの段階でどれだけのユーザーが離脱しているかを把握することができます。
またファネル分析は単純な集計だけでなく、各段階でのユーザー行動や傾向を分析することで、より深い洞察を得ることが可能です。これにより、ビジネスプロセスやコンバージョン率(CVR)の向上に向けた戦略的な判断が可能となります。
ファネル分析を駆使し、Webサイトやアプリのユーザーエクスペリエンスの向上、効果的なコンテンツ戦略の構築、顧客のニーズに合ったカスタマイズされたアプローチの展開などを実現し、競争激しい市場での自社プロダクト・サービスの成功を目指しましょう。
ファネル分析の「ファネル」とは?
ファネル分析の「ファネル」は日本語で「漏斗(ろうと)」を意味します。漏斗とは、逆三角形のすり鉢上の形をした器具のことです。小学校・中学校などの化学の実験で、液体や粉末をフラスコなどに入れる際に使ったことがある人も多いでしょう。
ビジネスにおいて「顧客が製品・商品を認知してから購入するまで」、多くの顧客から認知されてから、購入を検討する、他製品と比較するなどのステップを経て実際に購入する顧客が絞られていく様子がファネル(漏斗)の中を通っていく様子に似ていることから、顧客の購買プロセスをマーケティングファネルやセールスファネルなどと呼びます。
米国Amazon社や、行動分析ツールを提供するAmplitude社などによるファネルの説明については以下ページをご参照ください。
参考:What is a Marketing Funnel? How They Work, Stages & Examples | Amazon Ads
参考:What Is Funnel Analysis? Definition, Examples, and Tools | Amplitude
ファネルが古いと言われる背景
ファネル分析は長年マーケティングの基本として活用されてきましたが、デジタル時代の顧客行動の変化により、「古い分析手法」と評価されることもあります。
最大の理由は、消費者行動の変化です。ファネルが「認知→興味→検討→購入」という直線的な流れを前提としているのに対し、現代の消費者は、スマートフォンやSNSを通じて複数のタッチポイントを行き来しながら購買を決定します。店舗で商品を確認してからECサイトで購入したり、SNSの口コミを見て急に購入意欲が高まったりと、顧客の行動は非線形で予測困難です。
顧客が実店舗、ECサイト、アプリ、SNSなど複数のチャネルを横断して情報収集や購買を行う現代では、単一のファネルでこのような複雑なカスタマージャーニーを正確に把握することは困難といえます。
しかし、これらはBtoCビジネスの課題であり、BtoBビジネスでは依然としてファネル分析が有効です。BtoBビジネスでは「リード獲得→商談→提案→契約」というプロセスが明確で、意思決定に複数の関係者が関わり検討期間も長いため、各段階での離脱要因を分析し改善することが成果に直結します。
ファネルの種類
ファネル分析で使われるファネルの種類は大きく「トップファネル(パーチェスファネル)」、「ボトムファネル(インフルエンスファネル)」、「ダブルファネル」の3つに分けることができます。ファネル分析のイメージを掴むうえでも、ファネルの種類を図解で解説します。
トップファネル(パーチェスファネル)
トップファネル(パーチェスファネル)は顧客が認知してから購入に至るまでの心理プロセスの変化を表しているAIDMAモデルから生まれた考え方です。マーケティング業界における最も一般的で、最も認知されているファネルでもあります。
AIDMAモデルは「Attention(認知)」、「Interest(興味)」、「Desire(欲求)」、「Memory(記憶)」、「Action(行動)」の頭文字をとった造語で、ユーザーの購入までの流れを表しています。
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ボトムファネル(インフルエンスファネル)
トップファネルが「購入(コンバージョン)まで」を表しているのに対し、ボトムファネル(インフルエンスファネル)は「購入(コンバージョン)後」の顧客の行動を表したファネルです。
現在ではSNSの普及に伴い、誰もが製品に対する意見を発信することができます。その発信を見て購入を決める人が増えたため、購入後の行動を把握するボトムファネルが重視されるようになりました。
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ダブルファネル
ダブルファネルとは、トップファネルとボトムファネルを組み合わせたものです。
商品を購入した顧客が発信をして、その発信によって新規顧客獲得を目指そうとするものです。顧客が自ら広告塔としての役割を果たしてくれることで、企業は広告を打たずとも新規顧客獲得を目指せようになりました。
近年では新規顧客獲得よりも、ボトムファネルのような既存顧客の行動が重要視されています。既存顧客をロイヤルカスタマーに育てることでより大きな成果を生み出すことができるのです。
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ロイヤルカスタマーとその育成方法についての解説は以下の記事をご覧ください。
私たちが提唱する、トップファネルとボトムファネルから成る新しいファネルの形「バタフライモデル」に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ファネル分析の重要性と活用イメージ
ファネル分析は、一連のユーザー行動を段階ごとに見ることで、顧客獲得のプロセスを可視化する分析手法です。特にユーザーが商品購入や問い合わせなどのアクションに至るまでの流れを把握し、どのステップで離脱が起きているかを明らかにするために重要です。
次の表は、ファネル分析が活用される典型的なケースです。
ケース |
説明 |
---|---|
ECサイト |
カートに入れてから購入完了までの流れを分析 |
広告運用 |
広告クリックからコンバージョンまでの流れを分析 |
アプリ開発 |
アプリのダウンロードからユーザーが望む行動までの流れを分析 |
これらのケースでは、ファネル分析により離脱率の高いステップを特定し、そこに対する改善策を立案・実行することで、成約率向上や利用者増加などの目標達成につなげることができます。
ファネル分析のメリット
ファネル分析を行うことには様々なメリットがあります。
ユーザーの離脱ポイントを分析できる
ファネル分析の最大のメリットは、ユーザーの離脱ポイントを分析できる点です。ファネルでは、上記の通り購入などのCV(コンバージョン)に至るまでの顧客の行動フェーズを図式化しています。
そのため、ファネルを分析することで例えば、極端に細くなっている(人数が減っている)箇所があれば顧客が満足していないことを把握し、満足していない理由に対して仮説を立てて対策を行うことができます。
データに基づきユーザーの行動パターンを把握できる
客観的なデータに基づきユーザーの行動パターンを把握できる点もメリットです。感覚や推測ではなく、実際のユーザー行動データをもとに、商品やサービスを購入するまでの流れを明確に理解できます。これにより、ユーザーが商品やサービスを購入するまでの流れを明確に理解し、CVRの向上につなげることが可能です。
ステージ別に離脱率を測定できる
ファネル分析では、認知から購入まで各ステージ間での離脱率を詳細に計測できます。どのステージで何%のユーザーが離脱しているかを数値化することで、問題が発生している具体的なステージを特定し、優先順位を付けて改善施策を実行できます。
このようにファネル分析を行うことで、顧客が満足していない点を見つけ出し、そこに対し改善を行うことでCVを向上させることができるのです。
欧米でのファネル分析によるCVの向上メリットの解説は以下をご参照ください。
参考:What is a Funnel Analysis? | Tutorial by Chartio
参考:How to Use Funnel Analysis to Boost Conversions
またファネル分析によるCV最適化というメリットについてはContentssquare社のコラムや以下の記事で詳しく説明しています。
ファネル分析に有効なツール
ファネル分析に有効なツールには、行動分析ツールのAmplitude、MAツール、CRMツールがあります。
行動分析ツール
行動分析ツールはWebやモバイルアプリ上のユーザー行動をリアルタイムで追跡し、分析することができるツールです。ユーザーがアプリ内でどのような行動をとっているのか、どのような画面を見ているのか、どのようなコンテンツに興味を持っているのかを把握することができます。
特にAmplitudeはセグメンテーション機能などにより、ユーザーを特定の属性や行動パターンに基づいて分類し、効果的なターゲティングが可能です。Amplitudeを使うことで、企業にとって重要な指標であるDAU、MAU、LTVなどのデータをリアルタイムで把握できるため、マーケティング戦略の立案や改善に役立ちます。
MAツール
MAツールはメールマーケティングやリードジェネレーション、顧客エンゲージメントなど、マーケティングに必要な機能を網羅したプラットフォームです。
MAツールを活用することで、ユーザーの行動データや属性情報に基づいて、個別にターゲティングされたメッセージを送信することができるため、効果的なリードナーチャリングや顧客エンゲージメントが可能になります。
MAツールには、MarketoやPardot、HubSpotなどがあります。
MAツールについては以下の記事で詳しく解説しています。
CRMツール
CRMツールは顧客情報を管理するためのプラットフォームで、顧客とのやり取りや営業活動を支援します。
CRMツールを活用することで、顧客の属性情報や行動データを把握し、より効果的なアプローチを実現できるほか、売上管理やレポーティングなどの機能も備えており、企業にとって欠かせないツールの一つです。
CRMツールには、SalesforceやMicrosoft Dynamics、Zoho CRMなどがあります。
ファネル分析やパーソナライズ化されたマーケティングに役立つCRMツールについては以下の記事もご参照ください。
ファネル分析の活用事例【業界別】
行動分析ツールを提供する米国Amplitude社からは5つの業界におけるファネル分析の事例が公開されています。
以下はAmplitude社より許諾を得て株式会社DearOneが翻訳、転載しております。
B2B の SaaS におけるファネル分析
B2B の SaaS 製品(プロダクト)は、ユーザーがビジネスタスクを完了するのに役立ちます。多くはサブスクリプション・モデルで展開されています。(唯一ではないものの)同セクターで一般的なコンバージョン・ファネルのひとつに、無料から有料のユーザーに移行するコンバージョン・パスがあります。企業はより多くのユーザーを取り込むため、まずプロダクトの無料版を提供し、その後、ユーザーの関心を喚起することで、有償でのみ提供する機能が使える有料版への登録を促します。

表の例では、ユーザーの離脱がもっとも多く発生しているのは、サブスクリプションの「ランディングページ」と「アップグレードへのコンバージョン」のステップの間です。このことから、以下の仮説を立てることができるでしょう。
- ターゲティングに問題があり、意欲の高いユーザーに対しターゲティングを行っていない可能性があります。
- タイミングの問題であることも考えられます。(より高価なバージョンへの)アップセルのタイミングが適切ではない場合です。
2 番目の仮説では、ユーザーはアップグレードを検討する前に、無料プランから十分な価値を得るにはさらに多くの時間が必要であるか、あるいは有料の機能について十分な情報を得られていないことが原因として判明する可能性があります。その場合、有料機能の価値に対するユーザーの認知度を高める必要があります。いっそう詳細な分析とユーザー調査を組み合わせて行えば、実際の問題に的を絞り、解決策を考案することができるでしょう。
音声、動画、コラボレーションなどのクラウドサービス・プロバイダー、8×8 社は、同社のビデオ会議ツール「Jitsi.org」 事業の成長率が横ばいであることに気づきました。そこで、Amplitude の Funnels(ファネル)および Conversion Drivers(コンバージョン・ドライバー)機能を使用して、原因追求を図りました。
同社がファネル分析を行ったところ、ブラウザー上でビデオ会議ツールを使うことを可能にする Chrome の拡張機能を活用しているユーザーが極めて少ないことが分かりました。一方、拡張機能を使用したユーザーは、コンバージョンに至る可能性がはるかに高いことも判明。8×8 社がこれらの機能をさらに目立たせ、訴求した結果、ユーザーの 1週間(7日)目のリテンションが倍増しました。
ファネル分析を行動コホートと組み合わせて実施することで、他にも意外な発見がありました。ユーザーは、予定されている会議よりも、突発的な会議をより多く行っていたのです。この知見を生かし、8×8 社はプロダクト・ロードマップを変更し、ユーザーが自発的な会議をさらに容易に行えるよう、アップデートをリリースしました。
コンシューマー・テクノロジーにおけるファネル分析
コンシューマー・テクノロジーの領域は広範であり、生産性向上アプリやモバイルゲームなど、日常的に使われる様々なデジタルツールが含まれます。同セクターにおけるファネルの機能のあり方を理解するため、仮にコーヒー販売アプリについて考えてみましょう。このアプリを使えば、顧客はリモートであらかじめ注文を行い、列に並ぶことなく商品を受け取ることができます。

表を見ると、顧客がメニューの詳細を閲覧する段階と、「ケース」(コーヒー販売アプリにおいて、顧客による最終的な選択の実行を指す用語)を完了するステップの間で、大幅な離脱が発生していることが明らかです。さらに多くの顧客のコンバージョンを促すため、コーヒー販売アプリのチームは、例えば、提示インターフェイスの最上部にもっとも人気が高いメニューを表示し訴求することにより、「ケース」完了が増加するかを検証することができます。
「MINDBODY(マインドボディ)」は、ウェルネス業界においてユーザーとフィットネス事業者をつなぐために役立つデジタルプラットフォームです。ユーザーはアプリを使用してエクササイズなどのクラスを見つけて予約し、自信のフィットネスの全体的な目標に向けた進捗を追跡できます。
MINDBODY は「Activity Dashboard(アクティビティ・ダッシュボード)」と称する新機能をリリースした後、ファネル分析を用いて新機能の追加がコンバージョン目標、すなわち「クラスの予約」にどのような影響を及ぼしたかを確認しました。結果、「アクティビティ・ダッシュボード」を活用したユーザーは(使用していないユーザーに比べ)、1週間に予約したクラス数が 24%、多かったことが判明。この情報に基づき、MINDBODY は新機能をナビゲーションバーの目立つ位置に表示しました。
また、ファネル分析により、MINDBODY は「Book It Again(再度予約する)」というボタンを介したコンバージョンが、クラス予定が他の経路で閲覧された場合に比べ、4.5 倍も増加したことを確認できました。
E コマースにおけるファネル分析
E コマースにおけるファネルは、顧客のウェブサイト訪問から購入に至るオンラインショッピング体験の過程をたどるものです。マーケターは通常、顧客を主要なランディングページに誘導するソーシャルメディアや検索連動型広告などのアトリビューションのチャネルも追跡します。

E コマース企業がファネル分析を行うと、(表中の下落幅に表れているとおり)往々にしてカートに商品が追加された後に多数の顧客を失っていることに気づきます。この段階では、多くの場合、顧客に対するターゲティングが有効です。顧客はすでに商品に対し「欲求」を示しているからです。ブランド企業は、チェックアウトフローにおける離脱の原因となる問題点を減らしたり、リマインダーとしてメールまたはページ上での通知を配信したりすることで、顧客がカートに残した商品について思い出すよう促すことができます。
中南米の宅配サービスアプリ Rappi(ラッピ)は Amplitude を使用し、様々な種類のコンバージョン・ファネルの A / B テストを実行しました。Rappi のファネルは、無料の宅配サービスなどのメリットを提供する「Prime(プライム)」プログラムへのユーザーのコンバージョンを追跡しています。Rappi はある実験を通じ、無料トライアルまたは安価なトライアルの提供が、サブスクリプション登録者数の増加につながるかを検証。低料金で 1 カ月間のトライアルを行ったユーザーは、トライアル終了時に有料メンバーとして加入する可能性が、他に比べ 25% 高いことが明らかになりました。
これを機に、Rappi は宅配の送料に関する他の実験も行いました。Rappi は「プライム」メンバー以外のユーザーが、注文に送料が追加された時点で購入ファネルから実に多く離脱していることを把握。そこで、特定の金額の注文を行ったユーザーに、無料配送を提供することでユーザーの行動が変化するかをテストしました。Rappi の「賭け」は成功。送料無料の特典はユーザーの動機づけとなり、注文量は従来比で 15% 向上したのです。
ファネル分析はまた、多様な実験がマイナスの影響を及ぼした際に、その事実を把握する上でも有効でした。Rappi が「カートの確認」の段階で表示していた送料の課金を、「チェックアウト」のステップでの表示に変更したところ、チェックアウトに進むプロセスを完了するユーザーが 5%、増加しました。しかしながら、下流、つまりファネルの最終ステップに影響を及ぼし、総発注数が 5% 減少したのです。ファネル分析によると、一見、成功したかに見えた実験は、実際には適切な手法ではなかったと言えます。
ECサイトにおける詳細なデータ分析手法については、以下の記事でも解説しています。
金融サービスにおけるファネル分析
フィンテック製品は、企業や消費者の双方が、ソフトウェアを使用して財務を管理する上で役立ちます。ユーザーのカスタマージャーニーは金融商品により異なるものの、通常、アカウント開設と各種の金融関連のタスク完了を含みます。ここでは、上場株への投資に有用な架空のアプリを例に、ユーザーがたどるプロセスを説明します。

新規ユーザーの大多数は送金直後に離脱するため、ユーザーが苦労する問題がどこにあるのかを調べる必要があります。ユーザーは求める株式銘柄を素早く発見できているか。 現在、どのように銘柄を探しているのか。コンバージョンに至ったユーザーが取引完了に要する時間は。ユーザーがリアルタイムで取引を実行できるよう、即座に資金を使用可能にするには、どうすればよいか、といった事項を確認します。
会計ソフトウェア QuickBooks(クイックブックス)を運営する大手企業の Intuit(インテュイット)がファネル分析を行ったところ、ユーザーの多くがオンボーディングの過程を完了していないことが分かりました。さらに詳細な分析を経て、同社はオンボーディング中にユーザーが次の段階に進むことが困難な箇所(フリクションポイント)を減らすべく、削除してもよいステップを 3 つ、特定。新たなプロセスでは、「プッシュ通知の受信に同意するユーザー数」というKPI のひとつが 25% 向上しました。
Intuit 社は同じくファネル分析により、QuickBooks の請求書作成・処理機能別に関する別の問題を解決。それは、期限内に支払いを行うユーザーが、目標数に達していないというものでした。同社はコホート分析を使用し、ファネルを詳しく掘り下げ、問題が Gmailのドメインを持つ特定のユーザーセグメントに関連することを把握。Intuit 社はこのセグメントを対象とする独自のソリューションを構築し、期限通りに支払いが行われる請求書数を倍増させました。
メディアにおけるファネル分析
報道媒体であれストリーミングプラットフォームであれ、メディア企業は頻繁にファネル分析を行い、ユーザーが自社のコンテンツをどのように消費しているかを理解しています。

この表は、架空のストリーミングプラットフォームを例としたものです。離脱がもっとも多いのは、ステップ 1 の「ユーザー登録」とステップ2 の「曲またはビデオの検索」の間に発生しています。プロダクト・チームは、この段階で多数のユーザーがプロセスを放棄する原因を調べる必要があります。
大手メディア企業の NBC は、ファネル分析を活用し、ユーザーが同社の Vizio TV(ヴィジオ・ティーヴィー)でコンテンツをどのように消費しているかを理解しました。同社は小規模のユーザーセグメントを対象に、ホームページ上に構築した新たな顧客体験に関するテストを実施。この実験は成功し、視聴者数が 10% 向上しました。その後、NBC 社はこの新しい顧客体験をユーザーベース全体に拡大展開しました。
同社はさらに、ファネル分析により、ホームページについて異なる実験の評価を行いました。ユーザーの視聴履歴に基づき、表示する内容をパーソナライズするテストです。この取り組みの結果、ユーザーの一週間(7 日目)時点のリテンションが 2 倍に拡大しました。
一方、どのような要素が効果を生んでいるかを理解することと同様に、適切に機能していない要因を把握することも重要です。NBC 社によるファネル分析では、ユーザーによるレビュー評価の機能が、目標とする指標に影響を及ぼしていなかったことが判明。同社はこの機能の開発を迅速に終了し、時間とリソースをさらに投入することを回避できました。
本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社DearOneが翻訳、転載しております。
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公開日:2020/09/21
アンドレア・ワング(Andrea Wang)
ワングは Amplitude のグロース・プロダクトマネージャーとして、プロダクト主導による Amplitude の事業成長を促進しています。ウェブサイト訪問者のコンバージョン、無料から有料メンバーシップへのコンバージョンやグロース・モデリング、ならびに社内各チームの強化に資する内部ツールの整備に従事しています。
引用元:Amplitude社ブログ
ファネル分析を効果的に活用するために
ファネル分析は、顧客の購買プロセスを可視化し、離脱ポイントを特定することで、ビジネスの改善点を明確にする分析手法です。自社のビジネスモデルや顧客特性に合わせてファネルを設計し、適切なツールを活用することで、CVR向上やリテンション改善といった具体的な成果につなげることができるでしょう。
当社では、世界No.1「Amplitude」の導入と運用のご支援を行っております。Amplitudeには、マジックナンバー分析やファネル分析、リテンション分析など、誰でも簡単に扱える分析チャートが14種類搭載されています。ユーザー行動分析やAmplitudeに興味を持っていただけましたら、以下よりお気軽にお問い合わせください。
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