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Hightouch(ハイタッチ)とは データ連携の圧倒的効率化を実現するコンポーザブルCDPを使ってみた

2024.01.17

Hightouch(ハイタッチ)とは 

DearOneの小林と申します。グロースマーケティング部という部署でツール導入のアーキテクチャ設計や実装の支援を行っています。

DearOneではプロダクトアナリティクスツールAmplitude(アンプリチュード)などの提供をしており、クライアントでAmplitudeの導入を行う際「クライアントのデータをどうやってAmplitudeにつなぐのか」は1つの大きなポイントになっていました。

そんな中、Hightouchを使うことで

  • 個別のAPI開発だと数週間かかる場合もあるデータ連携作業が、数時間で完了
  • CSVでのデータの受け渡しなどの工程の、ツールによる自動化
  • Hightouch上のシンプルなUIで操作ができることによる作業の簡素化

などが実現できています。

本記事では、データ連携ツールの一つであるHightouch(ハイタッチ)というツールの機能やユースケース、実際に使う際の手順を含めて解説していきます。実際に私も普段の業務の中でこのHightouchを使っていますが、驚くほどシンプルで、そしてかなりの時間や費用といったコストを削減することが出来ています。

Hightouchとは

HightouchはDWHのデータの価値を最大限に引き出すデータ活用のプラットフォームです。リバースETL機能を中心に、セグメント機能やリアルタイムでパーソナルデータを提供するAPI機能などデータ活用における様々な価値を提供するサービスになります。

\Hightouchに関して詳しく知りたい方はこちら/

Hightouchの4つの機能とユースケース

Highotuchの主な機能とユースケースをご紹介します。

Reverse ETL機能

Hightouchでは、DWH内のデータを200以上*12024年1月時点のツールに対してAPI開発不要で瞬時に連携が可能です。具体的な連携先は「Hightouchの連携先一覧」からよりご確認ください。

hightouch Reverse ETL機能

業務でデータを使ったマーケティングをしている方のほとんどは、DWHなどにあるデータがすぐに手元に届かないといった経験をしたことがあると思います。さらには、データの抽出作業で毎回エンジニアの方の力を借りる必要があったり、依頼内容をまとめる所から行い時間がかかってしまう。また、新しいツールを導入するたびに連携開発が必要になってしまう、そういった課題も持っているのではないでしょうか。

HightouchではSQL不要で誰でも触れるようなシンプルなUXを提供しており、少ないステップでの簡単なデータ連携を実現します。(後半で実際のUIと連携設定手順を記載しております。)

また、DWHのデータを直接連携し活用できるためCDPツールに二重にデータを保持するコストや運用のリスクを無くすことができます。さらにSaaSツールのため拡張性においてもデータやビジネスの拡大に合わせて柔軟に対応することができます。

リバースETLとは何か、導入の効果については以下の記事で詳しく解説しています。

主なユースケース

  • API開発のためのリソースが取れない
  • 新ツールのPoC実施などでツールへデータを素早く連携したい
  • DWHのデータの連携先が多い/これから増やしていく

セグメント機能(Customer Studio)

Hightouchは、データを連携するだけでなく、連携の際にDWH内にあるユーザーの属性情報や行動データを使ってユーザーセグメントを作成する機能も有しています。

hightouchセグメント機能

このセグメント作成の作業は、多くのツールで未だにSQLなど専門的なスキルが求められる部分です。

すでにCDPツールを導入している場合でも、データエンジニアにセグメントの作成を依頼するため時間がかかり、その上必要なデータがCDP側に連携されておらず作成ができないといったこともあるのではないでしょうか。

Hightouchでは、UI上のシンプルな操作でノーコードでのセグメント作成を可能にしています。そしてDWHにあるデータを直接参照するため、DWH内にある様々なデータを使って自由度高くセグメントを作成することができます。

この機能によりエンジニア以外の方でも自分でセグメントを作成し、欲しいデータを瞬時に様々なツールに送ることができます。

全てのユーザーが自分の手で欲しいデータを加工することができれば、ユーザーへの価値の提供だけでなくこれからの企業のデータ活用に求められる「データの民主化」にも大きく貢献することができます。

主なユースケース

  • DWH内の様々なデータを使ったセグメントがしたい
  • 切ったセグメントデータを様々なツールに送りたい
  • マーケターがDWHのデータを自身の手で活用できるようにしたい

Hightouchのセグメント機能の活用例については、以下の記事でも詳しく解説しています。

パーソナライズ機能(Personalization API)

ユーザーが自社のWebなどのサービスに訪れた際、そのユーザーのIDに紐づくDWH上の様々なデータを、HightouchがAPIを通じて瞬時にサービス側へ連携します。Hightouch側にあらかじめ必要なデータをキャッシュとして渡し、APIキーを発行することで、パーソナライズドマーケティングに必要なユーザーデータを瞬時にレスポンスできる環境を作ることができます。

hightouchパーソナライズ機能

これによって、ユーザー情報に応じたUIの出し分けなどの、マーケターが求めるリアルタイムでのパーソナライズされたマーケティング施策を可能にし、DWHにためたユーザーに関する様々なデータを最大限活用することができます。

主なユースケース

  • DWHのデータを使ってサイトやアプリユーザーのパーソナライゼーションをしたい
  • ユーザーごとに施策のリアルタイムな出し分けをしたい

これらの機能から、HightouchはDWHを中心にデータ活用に関する部分で様々な価値を提供しています。

またユーザーもIT部門やデータエンジニアだけでなく、マーケティング施策の実施に関わるマーケターなど幅広い方に使っていただけます。

ID統合機能(Identity Resolution)

HightouchのID統合機能は、DWH内に溜められた顧客の行動情報や属性情報などをつなぎ合わせて、統一された顧客プロフィールを作成する機能です。

ID統合機能(Identity Resolution)

HightouchのID統合機能では、DWH内でデータを直接統合します。そのため、データをDWH以外に出す必要がなくリスクが軽減され、時間のかかるエンジニアリング作業がなくなるなどのメリットもあります。

主なユースケース

  • サービスやチャネル別でバラバラになっている顧客情報を統一したい
  • 顧客とシームレスなコミュニケーションを取りたい

ID統合機能の詳細は、こちらからご覧ください。

実際にHightouchをSnowflakeに連携して使ってみた

では、実際にHightouchを使ってデータを連携する流れをご紹介します。操作としては非常にシンプルでHightouchの使いやすさがわかると思います。今回はDWHのSnowflake(スノーフレーク)にあるデータを外部のプロダクトアナリティクスツールAmplitude(アンプリチュード)に連携していきます。

HightouchのアップデートなどによってUIや手順に若干の違いがある場合があります。)

Hightouchでデータを連携する際の流れは大きく5つになります。

  1. Source(データの連携元)の設定
  2. Destination(データの連携先)の設定
  3. Model(Sourceのどこからデータを取得するか)の設定
  4. Sync(ModelとDestinationの紐付け)の設定
  5. Syncの実行

では見ていきましょう。

1. Sourceの設定

(この工程の前にSnowflake側でHightouchがクエリを実行しデータを取得できるようにするための準備が一部ありますが、今回は割愛します。)

まずはHightouch上で「Source=データの連携元」の設定を行います。

  • サイドメニューから[Sources]を選択後、[Add source]をクリック。
Hightouch利用手順1
  • Select a data source 画面で [Snowflake]を選択。
Hightouch利用手順2
  • その後事前に設定したSnowflakeの情報を入力し、右下[Finish]を押して完了。
Hightouch利用手順3

2. Destinationの設定

次に「Destination=データの連携先」の設定を行います。

  • データの連携先側でAPI keyを確認。今回はAmplitudeを使用。
Hightouch利用手順4
  • サイドメニューから[Destinations]を選択後、[Add destination]をクリック。
Hightouch利用手順5
  • Destinationを選択する画面で [Amplitude]を選択して、[Continue]をクリック。
Hightouch利用手順6
  • 連携元で確認したAPI KeyとAmplitudeのRegionを設定して[Test connection]をクリック。その後“CONNECTED”と表示されたら[Continue]をクリック。
Hightouch利用手順7
  • Destination nameを設定後[Finish]をクリックしてDestinationの設定が完了。
Hightouch利用手順8

3. Modelの設定

Model=設定したSourceのどこからデータを取得するかの定義」の設定を行います。

  • サイドメニューから[Models]を選択後、[Add model]をクリック。
Hightouch利用手順9
  • Select a data source画面でデータ連携元となるSourceをクリック。
Hightouch利用手順10
  • Modelの作成方法を選択する。(主な作成方法は下記の2つ)
    • SQL Editor : 選択したSourceに対してクエリを作成しSQLを実行してデータを抽出する。SourceがSnowflakeの場合はSnowflakeで対応しているSQL構文が使用できる。
    • Table selector : Sourceに存在するテーブルもしくはビューを選択し、テーブル・ビューに存在する全データを抽出する。

今回はTable selectorを選択。

Hightouch利用手順11
  • データを抽出するテーブル・ビューを選択し[Preview]をクリック。
Hightouch利用手順12
  • データのプレビューを確認し、[Continue]をクリック。
Hightouch利用手順13
  • Model nameとPrimary keyを設定後[Finish]をクリック。

(Primary Keyはモデル内でデータを一意に決定できるカラムを指定する。)

Hightouch利用手順14

4. Syncの設定

Sync=データを送信するためのModelとDestinationの紐付け」を設定します。

  • サイドメニューから[Syncs]を選択後、[Add sync]をクリック。
Hightouch利用手順15
  • Select a model画面で送信するデータのModelを選択する。
  • Select a destination画面でデータ連携先のDestinationを選択する。
Hightouch利用手順16
  • 送信するデータの形式などの情報を、Destinationの仕様に合わせてUI上で設定後[Finish]をクリック。
Hightouch利用手順17

5. Syncの実行

最後にSyncを実行してデータを送信します。

  • サイドメニューから[Sync]を選択後、実行するSyncをクリック。
Hightouch利用手順18
  • トグルが”ENABLED”になっていることを確認後、[RUN]をクリック。
Hightouch利用手順19
  • 実行が開始されると”STATUS”が”QUEUE”に変化する。
Hightouch利用手順20
  • “HEALTHY”に変化したら実行が正常に完了します。
Hightouch利用手順21

以上で、DWH(Snowflake)から外部ツール(Amplitude)へのデータ送信が行われました。

最後に

実際にHightouchを業務の中で使っていて感じることは、UI上の操作がほとんどで、非常に簡単にデータ送信が出来るということです。(エンジニア的バックボーンの一切ない私でも、ほとんど戸惑うことなく作業を理解して、実行することが出来ています。)

Hightouchのような新しいツールは、一見取っ付きづらく感じることもあるかもしれませんが(英語表記であったりもするので)、中身を見てみれば非常にシンプルで、ユーザーの使いやすさを意識した設計になっていることが多くあります。

また、Hightouchでは無料で使えるプランからエンタープライズ企業向けのプランまで幅広いメニューを持っている*22024年1月時点ので、それぞれに企業に合わせた使い方ができ、かつそれをまずはスモールスタートすることができます。Hightouchについて興味を持たれた方は、まずは使ってみてプロダクトを体感するのがよいのではないでしょうか。

株式会社DearOneではHightouchの日本での導入実績もあるため、この記事を読んでHightouchについて少しでも興味を持たれましたらお気軽にご連絡ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

References
*1, *2 2024年1月時点

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