近年、データ活用の重要性がますます高まっていますが、その中で、注目を浴びているのが「リバースETL(Reverse ETL)」です。これまでのETL(Extract, Transform, Load)はデータウェアハウス(DWH)にデータを集約するためのプロセスでした。リバースETLは、DWHから他のツールへデータを戻す、つまり「リバース」することで、より深い分析や効率的な活用を可能にしてくれるツールです。
最近では、このようなデータ連携のお問い合わせをいただくことが増えており、リバースETLの需要の高さを感じています。
本記事では、リバースETLついて、その定義や効果、ユースケースをご紹介します。
リバース ETLとは?
そもそもETL(又はForward ETL)とは、データソースからデータを抽出(Extract)、整形・変換(Transform)、データウェアハウスへのロード(Load)を行うデータ処理手法のことをいいます。近年ではDWHの性能が向上したことで、DWHにデータを送った後に整形・変換の工程をDWH側の環境で行う「ETL」という考え方も生まれています。
リバースETLは、名称の先頭に「リバース」と付いているように、ETL(又はForward ETL)と逆の動きをするという意味合いです。具体的には、DWHからデータを取り出し、適切な形式に変換し、分析ツールやMAツールなど目的のツールにデータを送り込む処理を行います。
ETLなどでデータを連携する工程や流れについては、下記の記事でわかりやすく解説しております。
関連記事:【図解】データ連携とは?データ連携の全体像やポイントを解説
具体的なツールとしては「Hightouch」が挙げられ、G2の「リバースETL(データ連携)」カテゴリーで1位を獲るなど、世界で高い評価を受けているツールです。NTTドコモの子会社である弊社DearOneは日本唯一のリセラー代理店としてHightouchの提供をしており、様々な企業でお使いいただいています。
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今後注目されるリバース ETL
リバースETLは、今後企業のデータ活用において間違いなく重要度が高まる分野になると考えます。なぜなら、ここ数年、日本企業でデータ活用を推し進める動きが急速に盛り上がっているからです。「データをしっかりとためて、ビジネスに活用していこう」と戦略のもと、データをためるためのDWHや、分析をするためのBIツール、One to OneコミュニケーションのためのMAツールなどの導入が様々な業界で進んでいます。
こうした取り組みを行う企業が、データ活用の具体的な検討を始めた時に、必ず考えなくてはいけないことが、「ためたデータをどうやって使うか」ということです。これをデータ設計の観点から見ると、「データをたまっている場所(DWH)から、活用する場所(BIツールやMAツールなど)へどうつなぐのか」というように捉えることが出来ます。
リバースETLは、この「つなぐ」の部分にあたる工程で、不可欠であるにもかかわらず、まだ十分に注目が集まっていない分野になります。そのため、今後、日本企業のデータ活用においては「ためる」「活用する」と同じように「つなぐ」についても注目が増し、それを担うリバースETLも同様に重要度が増してくる分野になると考えられます。
リバース ETLの効果
前述した通り、リバースETLは、データウェアハウスから各種ツールヘデータを送出するプロセスを指し、データウェアハウスに蓄積された情報をより活用しやすくします。
この章では、リバース ETLを導入することで具体的に得られる効果をご紹介します。
データ連携の工数削減
DWHのデータを各種ツール(BIツールやMAツールなど)に連携する際、ツール間のコネクターが用意されていない場合は、従来であればAPI開発が必要でした。 API開発には数週間程度かかる場合があり、エンジニアの工数確保や、必要に応じてクイックにデータ連携を構築できないなどの課題がありました。
これが、リバース ETLツールを活用することで、従来のAPI開発で必要となる以下のタスクを、ツール上の数ステップの設定だけ*1Hightouchを活用した場合で完結することができます。
そのため、データ連携をよりスピーディに、かつ少ない工数・コストで実現することが可能となり、深堀分析、One to Oneマーケティングなどのデータ活用で時間をかけるべき業務により注力することができます。
また、簡単なデータ連携であれば、マーケティングや営業などのビジネスサイドの担当者でも行えることから、「データの民主化」という視点でも大きなメリットがあるといえます。
データの民主化は、社員と企業の双方にメリットがあり、データ活用を推進する企業の多くが取り組みを始めています。
社員へのメリット | 企業へのメリット |
---|---|
・データ活用のノウハウを得られる | ・データにより課題が可視化される ・スピーディーな意思決定ができる |
リアルタイム性の高いデータ連携
データ連携における大きな課題の一つに、データ連携時のタイムラグが挙げられます。リバースETLを利用すると、クラウドDWHからリアルタイム性を損なわずにデータ連携ができるというメリットがあります。
データ活用範囲の拡大
リバースETLが連携できるツールはそれぞれの製品仕様により異なりますが、例えば、DearOneが推奨するHightouchでは、200を超える業務システムやBIツール、MAツールなどにデータを連携可能です。また、連携先のツールが増えた場合にも、直感的な操作だけで柔軟に連携先を追加することができます。
特に、データ活用が進んでいる企業では、ツールのPoCや導入において、様々なツール間のデータ連携にお悩みを抱える方も多くいらっしゃると思います。
DearOneは多くの企業様のツール導入をサポートしていますが、リバースETLツールを利用すると、新しいツールを導入する際のデータ連携が簡単に行えるため、このような課題をお持ちのお客様にはリバースETLを推奨しています。
データ活用のコスト削減
削減できるコストには、以下の2つが挙げられます。
- API開発のコスト
- 既存CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の運用コスト
リバースETLを使うと、データ連携を簡単に行えるため、これまで連携開発にかかっていたエンジニアリソースの削減や期間の短縮をすることができる点は前述した通りですが、リバース ETLツールのお問い合わせをいただく際、お客様の抱える課題として意外にも多いのが既存CDPの運用コストの増加です。
SaaSのCDPツールは、データをDWHとCDPに二重に持つ必要があり、利用期間が長くなるほどCDPに貯まるデータが増えるため、ストレージや管理など運用に関わるコストが継続的に増加していくという課題があります。
一方でリバース ETLツールは、データを溜めるわけではないのでストレージコストは発生しないことが、これまでのCDPとの大きな違いと言えます。
CDPについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
関連記事:CDPとは?マーケティングにおける役割や導入メリット、最新トレンドを解説
💡具体的なソリューション「Hightouch」について(ページ内ジャンプ)
リバース ETLのユースケース
今まで解説した通り、Reverce ETLには様々な導入メリットがあります。最後に、私が最適と感じるETLの主なユースケースについて、以下にまとめたいと思います。
【主なユースケース】
- 連携開発のノウハウやリソースが足りない場合
- スピーディーにデータ転送を行いたい場合
- 既存CDPの運用コストを抑えたい場合
- 新ツールの導入やPoCなど、ツール導入をもっと簡単に行いたい場合
代表的なリバースETLツール3選をご紹介
この章では、代表的なリバースETLツールを3つご紹介します。HightouchやCensusがリバースETLツールとして米国でリリース後、もともとETLツールとしてリリースされたFivetranに、リバースETL機能が搭載されました。
Hightouch
Hightouchは、DWHから200以上のツールに瞬時にデータ連携が可能な、リバースETLツールです。シンプルなUIで、多くのSaaSツールとデータ連携することができます。G2の「リバースETL(データ連携)」カテゴリーで1位を獲るなど、世界で高い評価を受けているツールです。
※具体的な連携先は「Hightouchの連携先一覧」からよりご確認ください。
また、単純なデータ連携だけではなく、連携のタイミングを制御できるシーケンス機能、更新されたデータのみを連携する差分更新機能も搭載されています。これにより、効果的かつ効率的なデータ連携が可能となります。
関連記事:HightouchのリバースETL機能(テータ連携)でECのカゴ落ち施策を自動化
関連記事:HightouchのリバースETL機能(テータ連携)でリードリサイクルを自動化
費用 | ライセンス料金はお見積り ※無料プランあり(ページ内ジャンプ) |
コネクタの種類 | 200ツール以上 (Salesforce、HubSpot、Braze、Google Analytics、Facebook Adsなど) |
導入実績 | 日本:バンダイナムコ など 海外:Spotify、Tripadvisor、Warner Music Group など |
特徴 | ・ノーコードで直感的なUI ・シーケンス機能、差分更新機能も搭載 |
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Census
引用:Census
Censusは、DHWを中心にデータをさまざまツールに連携させるリバースETLツールです。最新のデータを素早くに業務ツールに反映させることができるため、即時にアクションに結びつけることができます。多くの企業がCensusを活用し、データ活用のスピードを加速させています。
費用 | ライセンス料金はお見積り |
コネクタの種類 | 200ツール以上 (Salesforce、HubSpot、Zendeskなど) |
導入実績 | 海外:Canva、ClickUpなど |
特徴 | ・ノーコードで直感的なUI |
RudderStack
引用:RudderStack
RudderStackは、オープンソースのデータパイプラインとして提供され、リバースETLに加え、データ収集・転送機能を搭載するツールです。SQLやカスタムスクリプトを用いた高度なデータ変換が可能です。
導入や運用時にエンジニアリングリソースが必要なため、非技術者にとっては操作が難しく感じる可能性があります。
費用 | ライセンス料金はお見積り |
コネクタの種類 | ※リバースETLのコネクタは要問い合わせ |
導入実績 | 海外:hp、BINANCEなど |
特徴 | ・オープンソースとして利用可能で、カスタマイズの自由度が高い ・コードベースが多くエンジニア向き |
まとめ:Hightouch無料プランの紹介
これまでAPI開発でツールとデータ連携をしていましたが、リバースETLの活用でAPI開発が不要となりました。リバースETLは近年、注目を浴びているソリューションで対応ツールも少しずつ増えています。
当社では、リバースETLツール「Hightouch」の導入をご支援しております。本記事でご紹介したHightouchを触ってみたいという方には、一部リバースETL機能*2連携先やユーザー数に上限ありを無料で使えるプランを提供しています。プランは下記のサイトからすぐに、使い始めることもできます。
このような形でクイックにお試しいただけるのも、Hightouchのメリットの1つなのではないかと思いますので、ぜひそのメリットを体感していただければと思います。
「Hightouchについて興味がある」「無料プランを試してみたいがやり方がわからない」など、小さな疑問でも構いませんので、お気軽に当社までご相談ください。
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