CDPとは?マーケティングにおける役割や導入メリットを解説

2024.02.16

CDPとは?

現代のマーケティング活動では、一人ひとりにあった施策を行うために、匿名の情報ではなく特定の顧客個人と紐付けることが重要となってきました。そこで注目されているのが顧客一人ひとりのデータを収集し、活用するデータプラットフォーム、CDP(Customer Data Platform:カスタマーデータプラットフォーム)です。

この記事では、CDPとは何かやCDPの基本的な機能、必要とされている背景や導入するメリットをご紹介します。

CDPとは

CDPとは、Customer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の頭文字をとった造語で、顧客一人一人のデータを収集し、管理し、分析するデータプラットフォームのことを指します。データの種類は多岐に渡り、顧客の性別や、年齢といった属性データにとどまらず、サイトやアプリ上でどのような行動をとったのかをデータ化した行動データに及びます。CDPは顧客を深いレベルで理解するためにマーケティング活動で必要不可欠となっています。

データ活用基盤におけるCDP構築のイメージ

データの活用を進めるためには、データをためる → 整える → 使うのステップがありますが、CDPは以下のように、データを整えて使えるようにする役割を持っています。

データ活用基盤におけるCDP構築のイメージ

CDPとプライベートDMP、パブリックDMPの違い

CDPと同様に、ユーザー情報を収集して分析するツールとしてDMPと呼ばれるプラットフォームがあります。CDPとDMPを混同してしまっている方も多いと思いますが、主に「データの収集方法」に違いがあります。

CDPとプライベートDMP、パブリックDMPの違い

CDPで収集するデータは自社で集めたデータ、つまり1st Partyデータを収集・管理します。一方のDMPは外部サイトの匿名データ、つまり3rd partyデータを収集・管理します。結果的にCDPのデータの方が、DMPのデータよりは詳細なデータとなります。

3rd Partydデータと1st Partyデータの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

パブリックDMP(オープンDMP)

パブリック(オープン)DMPとは、IPアドレス、Cookieなどを通して収集される、3rd Partyデータと呼ばれるデータを取得できるプラットフォームのことです。3rd Partydデータは、自社以外から得る、第三者によって収集された、外部データのことを指しています。

パブリックDMPは、一般に公開されているデータであるため、個人を特定するようなデータではなく、年齢や性別といった基礎的なデータを集める際に有効です。一般的には、新規顧客獲得のための広告運用などのマーケティングの際に活用されます。

これまでパブリックDMPを通して収集される3rd Partyデータの多くは、Googleが提供するウェブブラウザGoogle Chrome上で収集されていました。Chrome上で収集されたデータを企業はマーケティングに活用していましたが、2024年中に3rd Partyデータの使用を停止するとGoogleが宣言していることもあり、1st Partyデータの収集や活用を進めている企業が増えています。

Cookieレス時代のデジタルマーケティングについてはこちらをご覧ください。

プライベートDMP

プライベートDMPとは、自社で顧客一人一人の購買行動や、属性データ、行動履歴などのデータを収集し、管理し、分析するプラットフォームのことです。CDPとはほとんど同じ意味で使用されますが、「プライベート」は「企業内でのみ利用される」という意味合いを持ちます。そのため、通常はシステム部門やデータ管理部門が利用します。

また、保有するデータの性質も異なり、CDPではデータは顧客に関連付けられていますが、プライベートDMPには匿名のデータも含まれる場合があります。

CDPの基本機能

CDPには主に4つの基本機能が搭載されています。データ収集、データ統合、データ分析、データ連携です。それぞれについて詳しく解説します。

データ収集

1つ目のデータ収集機能では、顧客の属性、趣味嗜好、行動データなど、顧客に関する情報を事細かに集めることができます。サイトやアプリの訪問者の行動履歴を把握が可能で、以前の購入品、買い物かごから取り出した商品、申し込み履歴など、一つ一つの行動を可視化し、客観的に理解できます。

また、実店舗でのPOSデータと連携できるCDPもあり、オンライン・オフラインの垣根を越えたデータ管理、OMOが実現可能となり、より顧客のことを深く知ることができるでしょう。

データ統合

データの統合では、収集したデータを顧客IDと紐付け、顧客一人一人のデータに統合します。顧客一人一人の属性や、行動履歴を一括で統合・管理が可能で、より正確に顧客のニーズ、ターゲット層について把握できるため、個人に適したアプローチができるようになるでしょう。

データ分析

データを統合すれば、分析に移ります。属性や行動履歴が紐づけられている個人情報を活用し、商品やサービスに関心を持つ顧客情報を分析します。特に行動を分析することで年齢や性別、地域などの属性データだけでは把握しきれない顧客ニーズを理解でき、顧客行動、趣味嗜好に基づいたマーケティング施策が可能となるため、より効果を期待できるでしょう。

データ連携

CDPは、多様なツールへのデータ連携が可能です。連携先は、CDPにより異なりますが、MAツール、広告配信ツール、顧客関係管理(CRM)ツールなどが含まれます。外部ツールへの連携により、顧客データをより効果的に活用し、パーソナライズされたマーケティングキャンペーンを実行することができます。

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CDPが必要な背景

CDPが必要な背景

CDPが必要とされている背景には大きく2つの理由があります。

  1. One to Oneマーケティング
  2. 顧客購買行動の変化

それぞれについて解説します。

1.One to Oneマーケティング

One to Oneマーケティングとは、顧客一人一人に寄り添い、それぞれに最適なマーケティング施策を施すことを目的とするマーケティング活動です。従来は、ユーザーのニーズは画一的でした。そのため、テレビや新聞を利用したマスマーケティングと呼ばれる、マス(大衆)にターゲットを当てたマーケティング手法をとっている企業がほとんどでした。しかし現代ではユーザーのニーズが多様化したことで、マスマーケティングの訴求力が低下しています。顧客一人一人のニーズを満たした上で、購買意欲を高めることがより重要となってきたのです。

One to Oneマーケティングを行うためには、ユーザーのデータを活用することが必要です。そのため、CDPを用いて顧客の詳細なデータを収集、分析、活用し一人一人に最適なものを提供することを目指す必要があります。

One to Oneマーケティングに関する詳細は、以下の記事をご覧ください。

2.顧客購買行動の変化

従来であれば店舗に来て購入をしていたのが、インターネット上での購入が主流となってきているということです。NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が行った「購買行動」に関する調査では、約3割*1購買行動」に関する調査結果|NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の人が主な購買場所がオンライン店舗であると回答しています。これが顧客購買行動の変化の主なものです。

今では誰もがインターネットにアクセスでき、店舗に来ることなく購入に至るため、顧客とのリアルな接点が少なくなり、顧客がどのような人なのか掴みづらくなっています。そのため、マーケティング施策を打とうにも打てず、打ってもあまり効果が出ていないということが起こっていました。

顧客をより深く理解し、訴求するためにもCDPを導入して詳細なデータを集め、分析することが必要なのです。

CDP導入のメリット

CDP導入をすることで、より深い顧客理解が可能となります。その他にどのようなメリットが存在するのか、また導入の課題となる点はどのようなものがあるのかを確認していきましょう。CDPを導入することで得られるメリットは主に下記の5つです。

  1. 顧客データの一元管理
  2. 顧客行動の深掘り
  3. 顧客一人一人に合わせた施策
  4. データ分析・施策の高速化
  5. 部署間での情報共有

それぞれ紹介します。

1.  顧客データの一元管理

インターネット普及に伴い、様々なツールを用いて顧客とコミュニケーションを取る機会が増えました。Instagram、LINE、メルマガ、アプリ、店舗などチャネルが多様化したことによって、データがバラバラに管理されてしまっているというケースがよく起こってしまいます。

バラバラに情報が管理されていては、ツール単位でしか顧客を把握できず、顧客のほんの一部分しかみえていない中で施策を施すことになります。そんな状態ではいい結果を出すのは難しいでしょう。

そこでCDPを導入し、顧客データを一元的に管理・分析し、より深い点で顧客理解を行うことで、効果的なアプローチが実現可能となります。

2. 顧客行動の深掘り

顧客行動の深掘りが可能となることで、顧客ニーズをより正確に把握することができます。現在では、「買ってもらって終了」ではなく、継続して製品・サービスを利用してもらうことが重要となってきているため、LTV(Life Time Value: ライフタイムバリュー)を重視したマーケティング戦略が大事です。

CDPを活用しデータが増えれば増えるほど、より深く顧客行動を理解できるようになります。

LTVについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

3. 顧客一人一人に合わせた施策

深い顧客理解ができ、より効果的で顧客一人一人に適したマーケティング施策が実現可能です。データをバラバラで管理していれば、一人の顧客に対して同じ内容のコンテンツを何度も配信したり、またニーズとは全く異なるコンテンツを配信したりと顧客離れの原因となるようなアプローチをしてしまう可能性が増えてしまいます。また、接触の数も多ければそれだけで、うっとうしく感じられて離脱してしまうこともあるでしょう。

CDPでは、データを一元管理し、顧客をデータに基づいて把握できるため、最適な施策を施すことができます。

また、リアルタイム処理を搭載しているCDPもあり、顧客の来店のタイミング、つまり購買意欲が高まっている状態で接触可能なため、効果をより一層高めることができます。

4. データ分析・施策の高速化

CDPを導入することで、データ分析をし、施策を打つ時間を短縮することができます。データ分析を手作業で行う場合、数週間かかることは珍しくありません。数週間もかかってしまっては、その間にも市場や顧客ニーズは変わり続けており、終了した頃にはすでに必要なデータではなくなってしまっている、ということもあります。

CDPでは手作業で数週間かかっていた作業をわずか数分で終わらせてしまいます。そのため、結果をもとに瞬時に仮説を立て、施策を打つことが可能となり、また施策への顧客反応をデータとして収集し、管理し、分析する、そこからさらに施策を打つというサイクルを素早く回せるようになります。

5. 部署間での情報共有

CDPの分析結果を社内全体で共有することで、様々な部署で活用でき、業務改善や、業務の効率化を期待することができます。顧客と関わるのは、一つの部署だけではなく、複数の部署が関わり、商品認知、購入、関係維持に取り組んでいるため、全体で共有することで深く顧客を理解し、より効果的なアプローチ実施が可能です。

DearOneでは、WEB・アプリ・店舗購買データなど、あらゆるデータをリアルタイムに収集・統合・連携できるCDP「mParticle」を取り扱っています。以下より、mParticleの機能についてまとめた資料をダウンロードいただけます。

CDP導入における課題

CDP導入における課題

CDP導入時に気をつけるべきポイントが2つあります。

  • 個人情報漏洩のリスク
  • 最適なCDP選定の難しさ

事前に把握しておくことで、スムーズに運用できるようになりますので、ぜひリスクを最小限にしてから導入を考えてください。

1.  個人情報漏洩のリスク

CDPは顧客一人一人の詳細なデータを扱います。その情報は個人の属性から、趣味趣向、購入履歴など多岐に渡り、これらが漏洩した場合には、大きな被害が出ることも考えられます。

CDPは厳重なセキュリティ対策が施されていますが、過信せずに、利用者である従業員各々が意識し、責任を持ち利用することが必要です。

2. 最適なCDP選定の難しさ

CDPは多種多様であり、一つ一つが他とは異なる特徴を持っています。さらに、CDPという仕組み自体が複雑であり、理解するのが困難です。

顧客情報の分析と言っても、分析をする内容は企業によって異なり、予算も当然異なります。機能性や予算、使いやすさなど様々な観点から検討する必要があります。

また、自社で行いたいことを明確にし必要な機能が揃っているかなど、入念なシミュレーションを行なった上で導入するようにしましょう。

最適なCDPの選ぶ2つのポイント

最適なCDPを選ぶポイントについて、詳しく解説します。

  1. 自社のビジネスニーズとのマッチングしているか
  2. 既存システムやツールと連携できるか

1. 自社のビジネスニーズとのマッチングしているか

CDPを選ぶ際、重要なポイントとなるのが「自社のビジネスニーズとのマッチング」です。全てのCDPが同じ機能を備えているわけではなく、それぞれに特徴と強みがあり、必要な機能を提供できるかどうかは各CDPによります。

まず、自社が求める機能や要件を明確にする必要があります。実際に、CDPには大きく分けて4つの種類があります。

種類詳細
All in One基本機能に合わせて、分析やエンゲージメントを兼ね備えたオールインワンCDP。
Application CDPデータ収集に加えて、AI/機械学習を用いた高度なユーザー分析やジャーニー機能に強みを持つCDP。
Infrastructure CDPデータのリアルタイム収集と品質管理、外部MarTechツールへの連携に重きを置いたCDP
コンポーザブルCDP既存のDWHに対してForward ETLやReverse ETLなどのデータ収集機能と外部へのデータ連携機能を組み合わせてCDPの機能を再現する方法。

CDPツールを選定する上で重要なのは「CDPで何を実現したいのか?」を細分化して検討する必要があります。4つのCDPについて、もっと知りたい方はこちらをご覧ください。

2.既存システムやツールと連携できる

CDPの選択時には、既存のシステムやツールとの連携できるかが重要になります。無駄なデータの重複を避け、統一されたデータベースを作るためには、システム間のスムーズなデータ連携が必要です。

例えば、CRMやメールマーケティングツール、広告プラットフォームなど、すでに使っているマーケティングツールとCDPが連携できるか確認しましょう。

最後に

CDPとは顧客一人一人の情報を収集し、管理し、分析するプラットフォームのことです。顧客一人一人に適切な施策を打つために必要なプラットフォームで、分析時間を短縮できるためPDCAなどのサイクルを高速で回すことも可能になり、顧客のニーズをより反映したサービスが提供できるようになるでしょう。

CDPツール導入に興味がある、より良いツールの選定方法が分からないなど、課題を抱えている方はお気軽にご相談ください。

References
*1 購買行動」に関する調査結果|NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

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