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ユーザーインサイトとは?重要性とヒートマップなどの解析方法を解説

2022.06.07

マーケティング担当者であれば、ユーザーインサイトという言葉を聞いたことがあると思います。しかし具体的に何がユーザーインサイトなのか、潜在ニーズとの違いなど把握できている人は少ないのではないでしょうか。

ユーザーインサイトとは、ユーザー自身でさえも意識していない本音であり、そこにビジネス拡大のヒントが隠されているのです。

そこでこの記事では、よく混同して考えられる「潜在ニーズとの違い」、なぜユーザーインサイトが重要なのか、ユーザーインサイトの解析方法について紹介します。

ユーザーインサイトとは?

ユーザーインサイトとは、「ユーザー自身も気づいていない隠された本音」のことです。

例えば、サイトに訪れた際に何をもって、何を求めてそのサイトに来て、サイト上でなぜそのような行為をしたのかを明確に説明することはできますか?明確な意図を持ってサイトに訪れ、商品を購入したり調べ物をする場合もあるでしょうし、「なんとなく気分で」と自分でさえも目的を把握せずに起こした行動もあるでしょう。

商品購入を含む、人間の決断のうち95%は無意識に行われている、という調査結果もあるくらい人間は自分がなぜ行動したのかを把握できていません。

この際の「なんとなく気分で」によって起こされた行動に実は、ユーザーの本音が隠れており、その隠れた本音を知ることが効果的なマーケティング活動を実施するために、重要なのです。

この隠れた本音のことをユーザーインサイトと呼びます。

現代では技術の進歩やインターネットの普及により、差別化を行うのが難しくなり市場には類似商品が溢れてしまっているため、真の顧客ニーズを汲み取り、製品に反映することはマーケティング担当者にとっても非常に重要であると言えるでしょう。

ユーザーインサイトとニーズの違い

ユーザーインサイトがどんなものなのかは理解できたと思いますが、ここで一点ある疑問点が浮かんだことと思います。

「ユーザーインサイトとニーズの違いってなんなのだろう」

確かにニーズもユーザーの必要としているものを反映しており、混同してしまいがちです。しかしこの2つには明確な違いがあり、それを理解することがより効果的なマーケティング活動に繋がります。

まず初めにニーズには2種類「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があります。顕在ニーズとは、ユーザーの意識下にあるニーズのことです。ユーザー自身が自分で何を必要としているのかを把握しており、ユーザーは顕在ニーズを満たすために行動を起こします。

一方で潜在ニーズとは、ユーザー自身が把握していないニーズのことです。ユーザー自身が把握していないため、企業側も潜在ニーズへアプローチするのは困難となります。

ユーザーインサイトとよく混同されて考えられるのが、この潜在ニーズです。両方とも「ユーザー自身が気づいていない」という点が同じであり混同されます。両者の違いは「欲求が存在しているか否か」です。

例えば体型に悩みがある消費者が「痩せたい」というウォンツを抱えているとします。その理由として「モテたい」「他社から綺麗に見られたい」などの顕在ニーズが考えられ、さらに深掘りすると「自信を持ちたい」といった潜在ニーズが存在するのではないかと想定することができます。

潜在ニーズは顕在ニーズから深く掘り下げることで、ある程度の仮説を立てることが可能で、潜在ニーズは消費者自身が既に欲求を持っていることになります。

一方でユーザーインサイトは、消費者にはまだ欲求がない状態であり、「自信を持ちたい」という潜在ニーズからさらに深いところに存在する、無意識のニーズのことです。

顧客のニーズを掴むための顧客分析手法についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ユーザーインサイトを知る重要性

ユーザーインサイトを知ることがなぜ、マーケティング活動において重要なのでしょうか。ユーザーインサイトを把握することの重要性は主に、以下の3つです。

  • 製品・サービスの改善点把握
  • 効果的なマーケティング施策が実施可能
  • 競合他社との差別化

製品・サービスの改善点把握

ユーザーインサイトを把握することで、ユーザーが真に求めているものを製品に反映させ、改善を施せるようになります。繰り返しになりますが、ユーザーインサイトは利用者自身も気付いていない真のニーズのことです。そのため、ユーザーインサイト解析結果から、何を求めているのか仮説を立て、ユーザーの真のニーズにより近い製品を提供できるようになります。

その結果、集客や売上向上に繋がるでしょう。

効率的なマーケティング施策を実施可能

ユーザーインサイトを把握することで、これまでの「ニーズを満たす」マーケティングからさらに上の満足感を提供することができるようになります。

製品やサービスを提供する際、ユーザーの顕在ニーズを満たすことはもちろん重要です。顕在ニーズを満たすことができていればまず、ユーザーは満足し、不安を抱くことはないでしょう。しかし、ユーザー自身がそもそも欲しているものであるため、それ以上の満足感を得ることが難しくなってしまいます。

そこでユーザーインサイトを把握し、製品・サービスに取り入れることで、想像を超えて満足してもらえるようになるのです。さらにはリピーターとなり継続的に製品を購入・サービスを利用してもらえるようになり、より効果的にマーケティング活動を行うことができるようになるでしょう。

競合他社との差別化

ユーザーインサイトは、競合他社と差別化を図る際にも重要です。一般的に、製品やサービスは顕在ニーズを元に商品開発されているため、アプローチ方法が他社とかぶってしまい、差別化ができず市場に埋もれてしまうということが起こってしまいます。さらに悪いことに、差別化できずに市場に出てしまった商品は価格競争に陥りやすくなってしまうのです

ユーザーインサイトを把握できれば、潜在ニーズを満たすための他社とは異なったアプローチ方法を選べ、唯一無二の製品を市場に出せるため、価格競争にも巻き込まれなくなります。

ユーザーインサイト解析方法

ユーザーインサイトを解析するためには、ユーザーから情報を集めることが重要です。特に、ユーザーがなぜ起こしたのか気づいていない行動など、ユーザーの無意識下で行われている活動が鍵になることがあります。

ユーザーインサイト解析のための手法は

  • ヒートマップ解析
  • インタビューなどの定性調査
  • OMO全量データ解析
  • Webアクセス解析

などがあります。

ヒートマップ

ヒートマップとは、Webサイト上やアプリ上でのユーザー行動をユーザーの関心度合いを色分けして可視化する解析方法です。
ヒートマップでは、ユーザーがサイト上でどのような行動をしたのか、何に興味があり、何にないのか、どういった内容をよく閲覧しているのかなど直感的に把握できます。

ユーザーの行動を分析する重要性や方法についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

サイト上での「なんとなく気分で」起こした行動を知ることもでき、真にユーザーが求めているものの理解に近づくことができます。特定のページごとにユーザーインサイトを分析したい場合に有効的なツールであると言えるでしょう。

例えば、九州地方を中心にマンツーマンの短期集中ダイエットジムを運営する「株式会社RITA -STYLE*1出典:ヒートマップとは?分析のポイントや活用事例・代表的なツールを解説」では、ヒートマップを導入することで、LPを改善し、申込数を約1.83倍に増やすことができました。

同社は従来Googleアナリティクスを用いて無料カウンセリングへのコンバージョン率を基準に、LPのA/Bテストを実施していましたが、ユーザーがコンバージョンに至るまでにどのような行動をとっているのかを把握できず、効果的な改善には繋がっていませんでした。

そこでヒートマップを導入し、熟読エリアの分析を実施することで、LPの下部に配置していた料金に関するコンテンツが、ユーザーによく読まれていることを見つけました。

そこで料金コンテンツの下にCTAを新たに設置したことで、申込数を大きく改善することに成功しました。

インタビュー・アンケートなどの定性調査

ユーザーに直接インタビューを行う、またはアンケートなどの定性調査を実施することで、Webアクセス解析では集計できない生の声を集めることができます

インタビューや、アンケートを実施する際には、何を目的とするかによって質問内容も変わりますので、慎重に選定することが重要です。また、より深いポイントでユーザーインサイトを知りたければ、一つの問答に対して何度も質問を繰り返し行い、深く深く探っていくことが大切となります。

年齢や性別などの属性情報によっては、回答に特定の傾向が現れてしまうこともありますので、注意が必要です。

例えば、ロボアドバイザー型投資サービスの1つである「THOR*2出典:ユーザーインサイトって何? ユーザーの本音を把握する方法とは」は、アンケートを実施することで、継続率の向上に成功しました。同サービスでは相場が不安定になった際に、一部のユーザーが解約、出勤してしまう点に課題を抱えていました。

そこで「相場不安定時にどのような行動をとるか」という質問と回答を用意してアンケートを行いました。回答結果に基づいてユーザーの不安を解消する内容を述べる記事を誘導し、相場が不安定になった時にとるべき行動を見直すように促すことにしました。

そうすることで、相場が不安定になっても一時的な感情や不安でサービスを解約・出金するユーザーを減らすことに成功したのです。

OMO全量データ解析

OMO全量データ解析を行うことで、より顧客について理解し、利便性や快適さを顧客目線で考えたサービスを提供することができるようになります。

現代の社会において、デジタルは生活の隅々にまで浸透しています。そうした社会においては、「アフターデジタル」と呼ばれる、オフラインとオンラインのデータが紐づいた状態で、顧客のあらゆる行動データを収集・管理することが重要です。

店舗での購買データ、アプリ利用データ、ECサイトの行動データ、これら全てのデータを解析することで、より深くて精度の高いユーザーインサイトを見ることができる時代になりつつあります。

例えば、PLAZA・MINiPLAを運営する株式会社スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニーは、アプリ行動データと購買データの紐付けをし、アプリ行動の分析を行うことで下記2つの成果を上げることができました。

  1. アプリ利用者のロイヤル化を定量データで把握
  2. 購入につながるユーザー行動の把握から促進案の提示

1はつまりデータの可視化を意味しますが、これからデータを元にした判断が求められるマーケティングにおいてとても重要です。売上や成約率などのデータを集計・分析することで課題を抽出、改善し、業績の向上に役立てることができます。

2では、コンバージョンである「購入」に繋がりやすいユーザー行動を複数のチャートを用いて具体的にしていくことで、訴求率の高いアプローチができるようになります。売上拡大を目指す企業にとってはとても重要な指標となるでしょう。

Webアクセス解析

Google Analyticsなどのアクセス解析ツールでは、ユーザーのサイト上での行動を客観的に把握しやすいように数値化し、可視化します。ユーザーの年齢、性別などの属性情報を理解できるほか、PV数、離脱率、コンバージョン率、直帰率などを知り改善を施すことができます。

しかし、現実的にはGoogle Analyticsだけではユーザーインサイトを探ることは少し難しいと言われています。それは、サイト上のユーザー行動が、コンバージョン率にどのような影響を与えているかを把握することが困難だからです。

例えば、ECサイトに訪れたユーザーが、購入までのプロセスのどこかで離脱してしまい、購入に至らなかったとします。その際に、Google Analyticsではユーザーがどこのページ、段階で離脱したのかを把握することはできても、どの行動が引き金となっているのか、までを知ることはできません。

また反対に、購入に至った場合においてもどのような行動をしている人は購入にまで至っているのか、というコンバージョンに直結する行動を知ることはできないのです。例えば、買い物カゴに5つ以上の商品を入れている人はコンバージョンに至りやすい、などの直結するであろう行動を把握できれば、そこに繋げるためにサイトを改善したりすることができます。

行動分析ツール「Amplitude(アンプリチュード)」ではこの、ユーザーが起こした全行動の中で、どの特定の行動がコンバージョンの足枷となっているのか、コンバージョンに直結しているのかを瞬時に分析可能です。通常であれば数週間かかってしまうデータ分析を、わずか数秒で終わらせることができ、またリアルタイムでの分析も可能で、各種ツールと連携することで、リアルタイムで分析した結果をもとに、即座に施策を打つことができ、より効果的なアプローチが可能となるのです。

ここで実施にAmplitudeを導入し、分析を行いコンバージョンの足枷となっている行動を見つけ出した事例を紹介します。株式会社la belle vieはフラッシュセールを中心にファッションを始め、コスメやホームグッズなど8,000のブランドを取り扱う、会員制のショッピングサイトです。

同社はAmplitudeのペルソナ分析を行い、マイクロコンバージョンと呼ばれる、最終コンバージョン(購入)直前の動作を行う人を増やし、結果的に最終コンバージョンを増やしていくという方法を取りました。そこで「カート投入」という動作にフォーカスし、「カート投入」を行った新規ユーザーの行動を分析すると、平均的に下記4つのセクションで高い数値が出ていることがわかりました。

  • セールページを見る
  • カテゴリから検索
  • 商品検索
  • ブランドをお気に入り登録

そこで「2. カテゴリ分析」から「4. ブランドをお気に入りする」の関連性を調べた結果、ブランドをお気に入りする人は、商品詳細ページやセールページからたくさんやってきているということがわかりました。一方で商品詳細ページではお気に入りのハートボタンが非常に小さく、お気に入りを登録するボタンであることがわかりづらいものでした。

これらを把握できたおかげで、お気に入りボタンを大きくすれば、ブランドをお気に入り登録してくれ、結果的に購入数を増やせるのではないかという示唆を得ることができました。

このように行動分析をして、コンバージョンの足枷となっている行動を把握することができれば、改善を施し、売上拡大を目指すことができます。

まとめ:ユーザーインサイトは成長に繋がるユーザーの隠れた本音

ユーザーインサイトとは、ユーザー自身さえもまだ知らない、さらにまだ存在していない欲求のことです。ユーザーインサイトを把握することで、競合他社との差別化が可能で、より効果のあるマーケティング施策を打つことができるようになります。ユーザーインサイトは飽和した市場での、高品質・低価格競争から抜け出すための重要な鍵となるのではないでしょうか。

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