グロースハッカーとは?データを駆使したプロダクトのグロース

2021.07.20

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グロースハッカーとは

グロースハッカー(Growth hacker)とは、Growth(成長)とhacker(技術的知識を利用して課題を解決する人)を組み合わせた造語です。技術的な知識を用いてマーケティング上の課題を解決しつつ、新たな方法で効率、生産性をあげ、会社、製品、サービスがグロースする仕組みを作る人のことです。

グロースハッカーはプロダクト開発とマーケティングを同じプロセスとして扱い、プロダクトが自律的に成長する仕組みを作り上げることが仕事です。

Facebook、Instagram、Airbnb、Netflix等の世界を代表するIT企業の成長を支えたグロースハッカー。その重要性をいち早く理解しシリコンバレーでグロースハッカーの需要が増え、日本でも最近はグロースハッカーを名乗る人が徐々に増えてきました。

グロースハッカーがKPIとして重要視するLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の位置付けと計算方法については「LTVのマーケティングにおける重要性と計算方法」をご参照ください。

グロースハッカーに重要な資質

グロースハッカーを目指すにあたり、重要な資質があります。データドリブン思考と、ラピッドイテレーションです。それぞれについて紹介します。

データドリブン思考

まずデータドリブン思考とは、データに基づいた意思決定を行うことです。従来は勘や、経験に頼って意思決定を行うことがよくありました。しかし、グロースハッカーはツールを用いてデータを分析し、そこから仮説を立て、施策を考えることが必要です。

「データ分析」と聞けば難しそうで抵抗感を覚えるかもしれませんが、現代では優秀なデータ分析ツールが揃っていますので、身構える必要はありません。

さらに、これまではデータサイエンティストと呼ばれる「データを扱う専門家」がデータを分析することが一般的でした。しかし、近年ではグロースハックを効率よく行うための手段として「会社全体で、一人一人がデータにアクセスし、必要時に必要なデータを有効的に使えるデータドリブンな環境構築」が進んでおり、データ分析への障壁がとても低くなってきています。

データドリブンについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。

やたら勘と経験で語る上司に教えたいデータドリブン

データの民主化がもたらす、一億総分析時代

ラピッドイテレーション

グロースハッカーに重要な二つ目の素質「ラピッドイテレーション」とは、高速に施策を繰り返すことを意味しています。

ただ高速に施策を繰り返せばいいわけではありません。施策を施したそれらの結果(失敗)から学ぶ姿勢を持つことが重要です。

グロースハッカーは、高速に施策を繰り返し、常に製品・サービスの改善を行うことで顧客のニーズを満たし、より良い体験提供を目指します。施策は毎回成功するわけではないため、常にそこから何が悪かったのか、もっとこうすれば良いのではないかなど仮説を立て、また新たな施策へと役立てることが大切で、それらが結果的に自律的に成長する仕組みへとつながるのです。

高速に施策を繰り返すためにのフレームワーク「OODAループ」についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。

サービスを成長させたいならグロースエンジンを回せ!

より早く!OODAループを加速させる方法3選

また、グロースハッカーはラピッドイテレーションを試みながらも、顧客のサービス体験満足度を向上するために「AARRRモデル」というフレームワークを使用します。

AARRRモデルは、顧客体験を向上させ継続的にサービスを使用してもらうことを目指す「顧客のロイヤルカスタマー化」」の際によく用いられるフレームワークです。

こちらの記事でAARRRモデルについて詳しく説明していますので、参考にしてみて下さい。

AARRRモデルでグロースハックを実践する

米国で行動分析ツールを提供するユニコーン企業、Amplitude(アンプリチュード)もグロースハッカーの重要性を以下の記事で伝えています。

グロースハッカーは知っている! 顧客データの活用法

以下の記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社DearOneが翻訳、転載しております。

グロースハッカーは、データをダッシュボードとしてだけではなく、幅広く活用しています。デジタル製品の背後に存在する実際の人々を理解するため、データを駆使しています。

「グロースハッカー」は単なる流行語ではありません。顧客データをリアルタイムでとらえ、解釈する方法を習熟した、プロダクトとマーケティングの両方におけるハイブリッド型スペシャリストです。Airbnb、Uber、Instagram や LinkedIn といったスタートアップ企業がグロースハックを生かしてユニコーンの地位を確立しましたが、古くからの大規模企業の間ではまだ普及していません。

私は 20 年以上にわたり、コンサルタントとして企業のデジタルトランスフォメーション実現を支援してきました。その間、成功を収めたグロースハッカーは、顧客データに対し、従来型の企業とは根本的に異なるアプローチをとっていることに気づきました。グロースハッカーは、デジタルデータの背後に存在する実際の人々の理解に努め、顧客の行動分析を目的に開発された最新のプロダクトインテリジェンス ツールを使用し、また、顧客のアクティベーション促進のため、データから得た知見を活用しています。さらに、データに関する取り組みを「チームスポーツ」としてとらえています。

最適なツールと活動を、グロースハッカーの思考(マインドセット)と融合させることにより、大規模企業がデジタルトランスフォメーションを実現し、「成長への扉」を開くために有用な青写真を描くことができます。

イベントベースのデータを通じ共感を醸成

グロースハッカーは、顧客データを微妙な要素にいたるまで理解することが、共感の醸成につながることを知っています。データが示す顧客の欲求やニーズを熟知することは、より優れたプロダクトの構築に役立ちます。

まず、データは人同士の交流を実現するパイプのようなもの、という考え方をすることから始めましょう。データを匿名の集団ではなく、個々の人物を表すものとして見てください。そう考えることで、顧客データから顧客の行動についての知見を発見し、さらに強く広範な共感を実現できます。

もちろん、グロースハッカー的なマインドセット(考え方)だけでは不十分であり、適切な種類のデータの追跡が必要です。Google Analytics や Adobe といった従来型のアナリティクス製品では、人間の細かな行動の理解に役立つデータを容易に追跡することができません。こうした製品は、主に、ダッシュボードでウェブサイト上におけるアクティビティを追跡するものです。しかしながら、ページビューや購入回数などの大きな数値に焦点を当てると、データの背後にある個人を消し去ってしまいがちです。つまるところ、「ページビュー」が製品を「購入」するわけではなく、「人」が購入するのです。人は「セッション」を通じプロダクトと関わり合いを持つのではありません。私たち人間は、長期間にわたりまた様々なチャネルを介し、製品と関わり合っています。

データが示す顧客の欲求やニーズを十分に理解することで、より優れたプロダクトを構築できます。

グロースハッカーが注視するのは、イベントベースのデータです。イベントベースのデータは、マウスのクリック、キーストロークや指でのスワイプの 1 回、1 回を始めとし、微細なインタラクションを追跡します。こうしたイベントを、プロダクトインテリジェンス ツールを用いてほぼリアルタイムで分析すれば、顧客の行動の細かな意味合いを明らかにし、顧客ニーズを理解することができます。この理解をもとに、より優れたプロダクトを構築できます。

Google  や  Adobe などのレガシーな分析ツールは、技術的にはプラットフォームを拡張し、イベントの追跡も可能にしていますが実際にはウェブページ中心です。イベントの追跡は、これらのツールでは依然スムーズには行えません。

顧客データのために構築された、専用かつ最新のツールを使用しましょう

従来のウェブ解析ツールは、そもそも顧客の行動の分析を目的として開発されたものではありません。これらのツールは、特定時点での、ウェブサイトにおける匿名のページビューを測定することには長けています。しかし、様々な人がどのようにデジタルプロダクトを実際に使用しているかについては測定できません。グロースハッカーは複雑な顧客データを正確に分析できるツールを活用します。そのようなツールは、最低限、次の 3 つの要件を満たしているべきです。

  • 複数のチャネルにおけるインタラクションを追跡できる
  • 多様なソースを横断して同一の顧客を特定し、データを統一できるIdentity resolution(名寄せ)
  • 顧客が本人確認を行った後、匿名データと既知の顧客データを融合できる

Segmentのような CDP(カスタマー・データプラットフォーム)や Amplitude といったプロダクトインテリジェンス ツールは、この 3 つの目標を達成可能にするべく開発されています。例えばSegmentは数十ものソースから顧客のイベントデータ(カスタムイベントのデータを含む)を取り込みます。そして、長期的に持続する統一された顧客プロファイルを作成します。

AmplitudeはSegment使用以降の下流の段階においても、CDPで統一されたイベントを取り込むことができます。Amplitudeは技術系ユーザー、技術系以外のユーザーの双方に適切なデータ分析を提供し、リテンション、コンバージョン、コホートの行動など、顧客に関する指標の調査を可能にします。またAmplitude は独自の名寄せ機能を備えており、数十のデータソースに対応する連携機能をビルトインで提供しています。

(ウェブ解析や一般的なデータレイクではなく)顧客データ処理専用のツールの利点は、「人」を念頭に置いて構築されていることです。つまり、名寄せ、プライバシー保護、顧客ライフサイクルのレポート作成を始め、顧客志向の機能を豊富に、かつ即座に提供しているのです。

このようなツールでは、解約の可能性、購入傾向、自動セグメンテーションなどの予測的な属性をあらかじめ搭載しているものが増えています。この種の機能を一から開発するには、大規模企業でも複数年はかかります。複雑かつ活用に高コストが発生する機械学習が必須だからです。AmplitudeのAutoML機能を用いれば、顧客の行動に基づき、自動的に(顧客の)クラスターを作成できます。このため、プロダクトマネージャーやマーケターは「ユーザーをいかにセグメント化すべきか」という自身の考えに基づき手動でルールを設定するのではなく、ユーザーの、プロダクトとの実際のインタラクションをベースに、(ユーザーを)素早くグループ化することが可能です。

Amplitudeは現在、機械学習を生かし、ユーザーが特定のアクションをとる可能性に基づき、ユーザーをセグメント化する「Predictive Cohorts(予測コホート)」機能も提供しています。このようなコホートをマーケティングキャンペーンに適用すれば、グロースハッカーは「正真正銘」のシチズンデータサイエンティストとなることができます。

アクティベーション促進 データ知見をもとに素早く行動

ダッシュボードは確かにデータ分析を可視化したり、解釈したりするには便利ですが、データ活用のプロセスはそこで完結するべきではありません。経営陣がダッシュボードに基づき意思決定を下すのを待つばかりでは、数週間、もしくは数四半期が経過してしまう場合もあります。というのは、ダッシュボードはあくまで一般的な方向性を示すだけであり、データを解釈し、アクションを起こすのはご自身次第だからです。

グロースハッカーは、従来型のエンタープライズ企業とは根本的に異なる方法で、顧客データに取り組みます。

 グロースハッカーに時間的な余裕はありません。プロダクトインテリジェンス ツールで得た知見を、マーケティングやエンゲージメントキャンペーンに直接活用します。つまりデータから明らかになった特徴的な要素やコホートに基づき、顧客へのメッセージをカスタマイズするのです。Amplitude は、ダッシュボードを眺めて待つことなく、リアルタイムでコミュニケーションを開始するためのコネクターをあらかじめ備えています。

例えば、分析によって解約しそうな顧客のグループが明らかになれば、取るべき次のステップは、顧客を維持するため、同グループにメールやモバイルデバイスへのプッシュ通知を送信することです。グロースハッカーは、メッセージ配信を自動的に開始させることで、カスタマーエクスペリエンスを瞬時に変化させることができます。

データへの取り組みをチームスポーツ化

最終的に、グロースハッカーの「秘訣」とはどのようなものでしょう? グロースハッカーたちはデータの民主化を促すチームとして動き、顧客の役に立つ新たな方法を発見するべくデータに向き合い、活用しています。データは高度な技術を持つ少数の組織内ユーザーのみならず、グロースハックのプロダクトマネージャー、マーケター、デザイナーも簡単にアクセスできる状態です。誰もがセルフサービスでデータにアクセスし、データを掘り下げることで成長仮説の検証、問題点(フリクションポイント)の特定や、顧客の行動のモニタリングを行うことができます。

データの専門家が、顧客についての知見の「ゲートキーパー(門番)」である場合、限られた従業員の能力や専門知識が、企業全体として学習力と素早い適応力を培う上で障害になってしまいます。データのエキスパートではない人にとってGoogle Analytics や Adobe は、表層的ではない知見を獲得するには扱いが難しいものです。チームの技術者が、データ分析の結果を他のメンバーに伝えるためにダッシュボードを作成するというだけでは、技術者以外の社内ユーザーはデータを活用したり、データについて質問したりすることはできません。エンジニアリングチームに質問の回答を依頼すると、全員の業務スピードが落ちてしまいます。

Amplitude などの最新のアナリティクス・プラットフォームは、データの専門家ではない人でも使えるよう、一から設計されています。Amplitude のUIはクエリー作成時に役立つ自然言語とポイント・アンド・クリック・インターフェースを採用しています。プラットフォーム特有の、紛らわしい専門用語を使うことも避けています。eVars、sProps、ゴールスロット ID といった聞き慣れない用語を目にすることはありません。

Amplitude は価値が高く、かつ設定が容易な既成のチャートを複数提供しています。そのため、ユーザーは顧客の行動の調査を即座に、かつ容易に開始することができます。最後に、Amplitude はチームコラボレーション機能を数多く搭載しており、グロースチームはチャートへのコメント追加、分析結果の公開、また、データに関するツール内でのディスカッションを行うことができます。

グロースハックを導入した組織は、データを真に民主化することにより、フィードバックループを劇的に短縮することができます。その結果、従来型の思考を持つ競合他社に比べ、グロースの改善策をはるかに多く実行することが可能になります。

グロースハッカーになりましょう

さて、Google Analytics、Adobe Analytics、データウェアハウス、データレイク、従来型のダッシュボードなど、既存のデータ分析ツールは廃棄するべきなのでしょうか? 答えは「ノー」です。ウェブ解析、データストレージ、可視化など、こうしたツールの本来の用途に使うようにしましょう。迅速な実験と最適化により成長を加速するには、最新のプロダクトインテリジェンス ツールを用いて望む結果を実現してください。グロースハッカーの顧客への共感、創意工夫、そしてコラボレーション力を融合すれば、ご自身も、切望する急激かつ急速な成長を実現することができるはずです。

本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社DearOneが翻訳、転載しております。

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公開日:2020/11/10

ジェイク・ベネット (Jake Bennett) 氏

ベネット氏は米コンサルティング企業 Slalom(スラローム)のプラクティス・エリア・リードを務め、MarTech(マーテック)アーキテクチャーと顧客データを専門としています。20 年を越えるコンサルティングおよびエージェンシーでの経験があり、スタートアップから「Fortune(フォーチュン)100 社」の企業まで、幅広い業界のクライアントとの業務に従事してきました。ベネット氏は、企業がデータをアナリティクスやパーソナライゼーションに活用し、効果を生むデジタルエクスペリエンスを実現できるよう、支援することに注力しています。

引用元:Amplitude社ブログ