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複雑な顧客体験のデータオーケストレーション シナリオを設計 | Hightouchのジャーニー機能とは?

2024.06.05

DearOneの小林と申します。グロースマーケティング部という部署で主に「Hightouch 」の営業や導入の支援を行っています。ありがたくもあり大変な所でもあるのですが、このHightouchというソリューションは機能の追加、進化がとてつもなく早いです。(これがシリコンバレーのスピード感なのかといつも痛感しております。)

そして先日、Hightouchのセグメント作成機能に新たな追加機能としてジャーニー機能の追加が発表されました。

Hightouchのセグメント機能についての詳細はこちらの記事からご覧いただけます。

このジャーニー機能によってユーザーは、「どのタイミングで、どこのツールに、どのデータを送るのか」というシナリオをツール横断で行えるようになります。

また、この機能は、つい先日Hightouch社によるリリースがあったばかり(日本時間5/22)の新機能になります。

DearOneではHightouchの日本代理店として、どこよりも早く最新機能のレクチャーや情報提供を受けられる立場であるため、その情報を皆様にできるだけ早く、日本語でわかりやすく伝えていきたいと思います。

Hightouchのジャーニー機能

Hightouchのジャーニー機能は、これまで各配信ツールで行っていたシナリオ設計における,

マーケティング施策のインフラ部分に焦点をあてた「統合的なデータ連携の設計」を行うものです。

これは戦における「兵站」のようなもので、必要な時に、必要な場所に、必要な物資があることで軍は戦略的に戦いをすることができます。

データマーケティングも同様に、必要な時に、必要なツールに、必要なデータがあって初めてマーケターは戦略的なマーケティング施策を行うことが可能となります。

Hightouchのジャーニー機能

また、これまでのCRMツールやMAツールでのシナリオとの違いは、シナリオによって設定される動作が異なります。CRMツールやMAツールでは、シナリオ実行によって行われる動作は「施策の実行」になります。これは「何をするか」という具体の設定になり、どちらかというと「戦術」の設定になります。

一方Hightouchのジャーニーでは、シナリオによって「データの連携」が実行されます。これは実施する施策自体は連携先の各ツールに任せ、Hightouchではそのインフラとして施策実施に必要なデータの連携を行います。これによって、より戦略的で広い視点からマーケティングシナリオを設計することが可能になります。

そのため、

  • 各ツールにあるデータだけでは必要な施策が実施できない
  • ツールやチャネルを横断してマーケティングシナリオを設計したい

というケースにおいて、このHightouchのジャーニーが適したソリューションになります。

ジャーニー機能のユースケース

それでは、ユースケースを想定した上でHightouchのジャーニー機能を見ていきましょう。

今回は、シンプルな下記のユースケースをご紹介します。

ジャーニー機能のユースケース-1

このマーケターは、自社サービスの課題として顧客のLTVを増やす必要を感じており、そのためにリピート購入を促すマーケティング施策を検討しています。

この組織では、広告、CRM、DSPなどのツールを活用していますが、それぞれのツールに閉じて施策を企画するのではなく、ツール横断のマーケティング施策をシナリオとして設計することで、よりユーザーに合わせた質の高いマーケティングができるのではないかと考えます。

そして、Hightouchを使うことでツール横断、かつDWHにある同一のデータを使った施策シナリオが構築できることに注目しました。

セグメント作成

シナリオ設計にあたり、まずはリピート購入を促す施策対象となるユーザーセグメントを作成します。(言うまでもなく、Hightouchのセグメント作成機能はNo SQLでマーケターでも瞬時にセグメントを作成することができます。)

今回は、「最後の購買行動が30日以上前で、それ以降購買行動がないユーザー」でセグメントを行いました。DWHにある行動データを参照し、わずか数十秒でセグメントが作成できました。

ジャーニー機能のユースケース-2

シナリオ作成

次に、作成したセグメントデータを配信ツールへ連携し、早速施策を実施しようと思ったのですが、ここでふと思い当たることがありました。

それは、これまでの施策の効果検証から、このサービスのユーザーはFacebook広告でターゲティング広告を行うよりも、CRMツールでDM配信を行ったほうがCV率が高いことがわかっていたのです。

しかし、この組織では全てのユーザーのメールアドレスが取得できていません。

メールアドレスがあるユーザーにはメールを配信し、メールアドレスがないユーザーには広告を配信したいと考えました。

ここでHightouchのジャーニー機能の出番です。

セグメント条件に合致したユーザーデータに対して、

「メールアドレスを持っているユーザーのデータはCRMツール(Salesforce Marketing Cloud)へ、持っていないユーザーのデータは広告ツール(Facebook広告)へ連携する」

という条件分岐を設定しました。

これによって、それぞれのユーザーの状況に応じて最も効果の高いチャネルで施策を実施する設計ができました。

ジャーニー機能のユースケース-3

更にこのマーケターは、施策の結果に応じて更なる追加施策を実施する設計も施したいと考えました。

そこで、

「最初の施策実施後から7日間でユーザーが購買を行うかをトリガーに、購買がなかったユーザーのデータをDSPツールに連携する」

という設計を行い、購買がなかったユーザーに対し、別の形で購買を促す施策を行いました。

このように、シームレスな追加施策ができると同時に、追加施策が必要なユーザーを正確にターゲッティングできる点もHightouch ジャーニー機能のメリットとなります。

ジャーニー機能のユースケース-4

ユーザーデータに応じたツール横断の柔軟なシナリオ設計によって、マーケターは質の高いマーケティング施策を素早く実現することができ、無事ユーザーのリピート購入を増やすことができました。

最後に

ユースケースで見ていただいたように、Hightouchのジャーニー機能は自社が持つユーザーデータや施策チャネルを最大限活かすことのできるとても強力なものとなっております。

上記で触れたメリットの他にも、Hightouchのジャーニー機能では様々な観点でHightouchユーザーのマーケティング実施をサポートします。

  • 柔軟な条件設定によって、必要なデータだけをそれぞれのツールへ連携可能
  • トリガーとなるイベントデータなどはHightouchが収集、保持する必要はなくDWHにあるものを参照するだけでOK
  • シナリオ全体でデータソースがDWHのデータに一元化されるため、ユーザーデータの同一性が確保されたりツールごとのCV定義のズレを気にする必要がなくなる

そして、これは個人的に特に感じている点ですが、このジャーニー機能に限らず、Hightouchが提供している機能は全て非常にシンプルで、誰もが理解しやすいものになっています。

ツールをまたぐデータ連携の部分がHightouchのUIを通して誰でも共通理解を持てるということは、これからの組織のデータ活用やデータの民主化という文脈においても大きな意味を持つのではないかと考えております。

当社では、Hightouchの導入や運用のご支援を行っております。Hightouchに興味を持っていただけましたら、PoCなども実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございました。この記事が皆様にとって何かお役に立てましたら幸いです。

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