Hightouchとは、「コンポーザブルCDP」として、日本市場でも徐々に注目を集めているプラットフォームです。このサービスは、DWH(データウェアハウス)に蓄積されたデータを最大限に活用するために設計されており、リバースETLを核としつつ、セグメントの作成や顧客IDの統合といった多彩なデータ活用機能を提供します。
本記事では、データ連携ツールの一つであるHightouch(ハイタッチ)というツールの機能やユースケース、実際に使う際の手順を含めて解説していきます。
筆者である私は日本唯一のHightouch代理店である弊社DearOneでHightouch分野でのリーダーを務めており、世界一わかりやすく、詳しく解説出来るかと思います。
また、Hightouchのことがよくわかる資料もご用意していますので、よろしければぜひダウンロードしてご確認ください
フォーム入力後すぐにご覧いただけます
目次
1. Hightouchの機能概要・詳細
2. 解決する課題
3. 具体的なユースケース
4. DearOneのご支援内容
>>Hightouchのサービス詳細ページへ
>>Hightouchについてお問い合わせする
Hightouchとは
HightouchはDWHのデータの価値を最大限に引き出すデータ活用のプラットフォームです。リバースETL機能を中心に、セグメント作成機能や顧客IDの統合機能などデータ活用における様々な価値を提供するサービスになります。
最近では、クラウドDWHのSnowflakeやDatabricksと組み合わせる「コンポーザブルCDP」として、徐々に日本でも導入が広がっています。
NTTグループの弊社DearOneではプロダクトアナリティクスツール「Amplitude」などの提供をしておりますが、クライアントでの導入を行う際「クライアントのデータをどうやって分析ツールに繋ぐのか」は1つの大きなポイントになっていました。
そんな中、Hightouchを使うことで、
- 個別のAPI開発だと数週間かかる場合もあるデータ連携作業が、数時間で完了
- CSVでのデータの受け渡しなどの工程の、ツールによる自動化
- Hightouch上のシンプルなUIで操作ができることによる作業の簡素化
などが実現できています。
実際に私も普段の業務の中でこのHightouchを使っていますが、驚くほどシンプルで、そしてかなりの時間や費用といったコストを削減することが出来ています。
関連記事:コンポーザブルCDP(Composable CDP)とは?
Hightouchの3つの機能とユースケース
まずは、Highotuchの主な機能とユースケースをご紹介します。
リバースETL機能
Hightouchでは、DWH内のデータを200以上(2024年1月時点)のツールに対してAPI開発不要で瞬時に連携が可能です。
※具体的な連携先は「Hightouchの連携先一覧」(英語ページ)からよりご確認ください。
業務でデータを使ったマーケティングをしている方が経験する悩みとして、下記のようなものが挙げられます。
- DWHなどにあるデータがすぐに手元に届かない。
データの抽出作業で毎回エンジニアの方の力を借りる必要がある。
依頼内容をまとめる所からおこなって時間がかかる
新しいツールを導入するたびに連携開発が必要になってしまう
よくあるケースですので、1つくらいは経験があるのではないでしょうか。まず、こういった悩みはHightouchのリバースETL機能で全て解決可能です。
HightouchはSQL不要でエンジニアの手を借りずとも誰でも触れるようなシンプルなUXを提供しており、少ないステップでの簡単なデータ連携を実現します。(後半で実際のUIと連携設定手順を記載しております。)
また、DWHのデータを直接連携し活用できるためCDPツールに二重にデータを保持するコストや運用のリスクを無くすことができます。さらにSaaSツールのため拡張性においてもデータやビジネスの拡大に合わせて柔軟に対応することができます。
関連記事:リバースETL(Reverse ETL)とは?今後のデータ活用の新常識
主なユースケース
- API開発のためのリソースが取れない
- 新ツールのPoC実施などでツールへデータを素早く連携したい
- DWHのデータの連携先が多い/これから増やしていく
HightouchではリバースETL機能を一部無料でお使いいただけます。無料プランに関する詳細はこちら(ページ内ジャンプ)
セグメント機能(Customer Studio)
Hightouchはデータを連携するだけでなく、連携の際にDWH内にあるユーザーの属性情報や行動データを使ってユーザーセグメントを作成する機能も有しています。
このセグメント作成の作業は、多くのツールで未だにSQLなど専門的なスキルが求められる部分です。
すでにCDPツールを導入している場合でも、データエンジニアにセグメントの作成を依頼するため時間がかかり、その上必要なデータがCDP側に連携されておらず作成ができないといったこともあるのではないでしょうか。
Hightouchでは、UI上のシンプルな操作でノーコードでのセグメント作成を可能にしています。そしてDWHにあるデータを直接参照するため、DWH内にある様々なデータを使って自由度高くセグメントを作成することができます。
この機能によりエンジニア以外の方でも自分でセグメントを作成し、欲しいデータを瞬時に様々なツールに送ることができます。
全てのユーザーが自分の手で欲しいデータを加工することができれば、ユーザーへの価値の提供だけでなくこれからの企業のデータ活用に求められる「データの民主化」にも大きく貢献することができます。
主なユースケース
- DWH内の様々なデータを使ったセグメントがしたい
- 切ったセグメントデータを様々なツールに送りたい
- マーケターがDWHのデータを自身の手で活用できるようにしたい
Hightouchのセグメント機能の活用例については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:Hightouchを使ってデータウェアハウス(DWH)のデータを、SQL文を1行も書かずにセグメント化して送信してみた
ID統合機能(Identity Resolution)
HightouchのID統合機能は、DWH内に溜められた顧客の行動情報や属性情報などをつなぎ合わせて、統一された顧客プロフィールを作成する機能です。
最大の特徴としては、DWH内でデータを直接統合する点が挙げられます。そのため、データをDWH以外に出す必要がなくリスクが軽減され、時間のかかるエンジニアリング作業がなくなるなどのメリットもあります。
主なユースケース
- サービスやチャネル別でバラバラになっている顧客情報を統一したい
- 顧客とシームレスなコミュニケーションを取りたい
ID統合機能の詳細は、こちらからご覧ください。
関連記事:バラバラな顧客情報を一まとめに|HightouchのID統合機能とは?
この記事で紹介している機能の他にも、マーケティング活動におけるデータ活用を推進するための、さまざまな機能が搭載されています。
よくわかる資料もご用意していますので、よろしければぜひダウンロードいただいてご確認ください
>>Hightouchがわかる!資料をダウンロードする
>>Hightouchについてお問い合わせする
実際にHightouchをSnowflakeに連携して使ってみた
こちらの動画で、実際にHightouchを使ってデータを連携する流れをご紹介しています。(この後文章でもご説明します!)
操作としては非常にシンプルでHightouchの使いやすさがわかると思います。今回はDWHのSnowflake(スノーフレーク)にあるデータを外部のプロダクトアナリティクスツールAmplitude(アンプリチュード)に連携していきます。
(HightouchのアップデートなどによってUIや手順に若干の違いがある場合があります。)
Hightouchでデータを連携する際の流れは大きく5つになります。
- Source(データの連携元)の設定
- Destination(データの連携先)の設定
- Model(Sourceのどこからデータを取得するか)の設定
- Sync(ModelとDestinationの紐付け)の設定
- Syncの実行
では見ていきましょう。
1. Sourceの設定
(この工程の前にSnowflake側でHightouchがクエリを実行しデータを取得できるようにするための準備が一部ありますが、今回は割愛します。)
まずはHightouch上で「Source=データの連携元」の設定を行います。
サイドメニューから[Sources]を選択後、[Add source]をクリック。
Select a data source 画面で [Snowflake]を選択。
その後事前に設定したSnowflakeの情報を入力し、右下[Finish]を押して最初のステップは完了です。
2. Destinationの設定
次に「Destination=データの連携先」の設定を行います。
サイドメニューから[Destinations]を選択後、[Add destination]をクリック。
データの連携先側でAPI keyを確認。今回はAmplitudeを使用。
- Destinationを選択する画面で [Amplitude]を選択して、[Continue]をクリック。
連携元で確認したAPI KeyとAmplitudeのRegionを設定して[Test connection]をクリック。その後“CONNECTED”と表示されたら[Continue]をクリック。
Destination nameを設定後[Finish]をクリックしてDestinationの設定が完了。
3. Modelの設定
「Model=設定したSourceのどこからデータを取得するかの定義」の設定を行います。
サイドメニューから[Models]を選択後、[Add model]をクリック。
Select a data source画面でデータ連携元となるSourceをクリック。
続いて、Modelの作成方法を選択するのですが、主な作成方法は下記の2つになります。
・SQL Editor : 選択したSourceに対してクエリを作成しSQLを実行してデータを抽出する。SourceがSnowflakeの場合はSnowflakeで対応しているSQL構文が使用できる。
・Table selector : Sourceに存在するテーブルもしくはビューを選択し、テーブル・ビューに存在する全データを抽出する。
今回はTable selectorを選択。
データを抽出するテーブル・ビューを選択し[Preview]をクリック。
データのプレビューを確認し、[Continue]をクリック。
Model nameとPrimary keyを設定後[Finish]をクリック。
(Primary Keyはモデル内でデータを一意に決定できるカラムを指定する。)
4. Syncの設定
「Sync=データを送信するためのModelとDestinationの紐付け」を設定します。
サイドメニューから[Syncs]を選択後、[Add sync]をクリック。
送信するデータの形式などの情報を、Destinationの仕様に合わせてUI上で設定後[Finish]をクリック。
5. Syncの実行
最後にSyncを実行してデータを送信します。
サイドメニューから[Sync]を選択後、実行するSyncをクリック。
トグルが”ENABLED”になっていることを確認後、[RUN]をクリック。
実行が開始されると”STATUS”が”QUEUE”に変化する。
“HEALTHY”に変化したら実行が正常に完了します。
以上で、DWH(Snowflake)から外部ツール(Amplitude)へのデータ送信が行われました。
最後に
実際の操作画面をお見せしましたが、特殊な知識やスキルを必要としないことが伝わりましたでしょうか。
UI上の操作がほとんどで、非常に簡単にデータ送信が出来るという点が大きな魅力となっています。(エンジニア的バックボーンの一切ない私でも、ほとんど戸惑うことなく作業を理解して、実行することが出来ています。)
Hightouchのような新しいツールは、一見取っ付きづらく感じることもあるかもしれませんが(英語表記であったりもするので)、中身を見てみれば非常にシンプルで、ユーザーの使いやすさを意識した設計になっていることが多くあります。
また、Hightouchでは無料で使えるプランからエンタープライズ企業向けのプランまで幅広いメニューを持っているので、それぞれに企業に合わせた使い方ができ、かつそれをまずはスモールスタートすることができます。
Hightouchについて興味を持たれた方は、まずは使ってみてプロダクトを体感してみてはいかがでしょうか。
弊社でも導入支援や説明などいつでも対応させていただいていますので、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ!
>>Hightouchのサービス詳細ページへ
>>Hightouchがわかる!資料をダウンロードする
>>Hightouchについてお問い合わせする
Hightouch無料プランの紹介
また、まずはHightouchなどを触ってみたいという場合であれば、Hightouchでは一部機能を無料で使えるプランを提供しています。プランは下記のサイトからすぐに、使い始めることもできます。
株式会社DearOneではHightouchの日本での導入実績もあるため、この記事を読んでHightouchについて少しでも興味を持たれましたらお気軽にご連絡ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
>>Hightouchのサービス詳細ページへ
>>Hightouchがわかる!資料をダウンロードする
>>Hightouchについてお問い合わせする