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カスタマーエンゲージメントとは?顧客との関係性向上のポイントを解説

2022.08.29

SaaSが普及する現代において、顧客との関係性はビジネスを大きく左右する要因となりました。「カスタマーエンゲージメント」という言葉があるように、ビジネスの場でも企業と顧客との関係性の重要性が浸透してきています。この記事では、カスタマーエンゲージメントを向上させるメリット、ポイントについて紹介します。

顧客と良好な関係を築き、ビジネス拡大を目指しているマーケターの方はぜひ参考にしてみてください。

カスタマーエンゲージメントとは?

カスタマーエンゲージメントとは、顧客と企業の信頼関係のことを意味しています。顧客を意味する「Customer」と婚約、契約、約束、雇用、従事などを意味する「Engagement」からなる言葉です。ビジネスの場で使用する際には、顧客と企業の信頼関係を表します。

企業におけるエンゲージメント

エンゲージメントは、顧客と企業の信頼関係のことだと説明しましたが、企業においては主に2つの意味で使用されます。

顧客エンゲージメントと、従業員エンゲージメントです。

顧客エンゲージメント(カスタマーエンゲージメント)

顧客エンゲージメントはカスタマーエンゲージメントとも呼ばれ、上記で説明した通り、顧客と企業の信頼関係のことを指しています。エンゲージメントが高い顧客ほど企業に信頼を置き、繰り返し商品を購入したり、サービスを継続して利用したりと、収益につながるアクションの頻度が高くなります。

従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントとは、従業員の企業への信頼や理解を表す言葉です。会社への貢献度を意味し、「愛社精神」ということができるでしょう。

エンゲージメントは元々は、従業員エンゲージメントを指す言葉として使用されていることが多かったですが、ビジネスの場で使用される場合は「顧客エンゲージメント」を意味することが多くなってきています。

カスタマーエンゲージメントと顧客満足度・ロイヤルティとの違い

顧客満足度との違い

顧客満足度は、顧客が製品やサービスに対して抱く評価のことで、企業への評価とイコールではありません。英語ではCustomer Satisfaction(カスタマー・サティスファクション)と呼ばれているため、CSと略されて使われることも多いです。

あくまでも製品やサービスに対する満足度を意味しています。商品Aに満足をして100点をつけたとしても、企業に対しても同じ様に100点をつけるかと言われればそうではないのです。

ロイヤルティとの違い

カスタマーエンゲージメントは「顧客の行動」で評価される一方、ロイヤルティは「企業やブランドに対して顧客がどれくらい愛着や信頼を持っているか」を表わしたものです。

ロイヤルティは英語での「Loyalty」という、「忠誠心」を意味する言葉からきており、実際に使用する場合は「愛着心」などと訳されます。

また、カスタマーエンゲージメントは顧客の行動で評価されると述べましたが、ロイヤルティはNPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)という指標を基に測定されます。カスタマーエンゲージメントは実際の行動、ロイヤルティは感情の部分で評価が下されるとも言えるでしょう。

カスタマーエンゲージメントが注目されている背景

カスタマーエンゲージメントは近年になって注目され始めた言葉です。それではなぜ、カスタマーエンゲージメントが注目されているのでしょう。注目されている背景としては、主に下記の3つが挙げられます。

  • 商品のコモディティ化
  • 購買プロセスの変化
  • 情報社会によるニーズの変化

商品のコモディティ化

カスタマーエンゲージメントが注目されている1つ目の背景は「商品やサービスのコモディティ化が進んでいる」です。

コモディティ化とは、市場において製品やサービスが機能面や品質などでの差別化が難しくなり、多少の差別化では「一般的な商品」とみなされてしまうことです。市場が飽和した状況では、顧客からは「よくある製品」だと認識されるため低価格で販売をしなければいけなくなります。

「高品質低価格」で勝負しても、競合他社も同じ状況であることには変わりなく、価格競争に巻き込まれてしまうのです。

商品のコモディティ化から抜け出すためにも、カスタマーエンゲージメントを高め、「この企業が販売しているから」という理由で購入されるように施策を考える必要があります。

購買プロセスの変化

カスタマーエンゲージメントが注目されている2つ目の背景には、「購買プロセスの変化」があります。購入に至るまでの過程が変化し、複雑になったということです。

従来は、店舗に来てもらいその場で商品を購入していました。しかし現代ではインターネット上で済ませることが増え、さらには他社の類似製品と比較をしたり、価格比較サイトで最も安いものを調べたりと、購入までに様々な過程が挟まれるようになりました。

その結果、他社製品に魅力を感じたり、最も安いものに魅了されたりと購入されづらくなってしまったのです。そのためカスタマーエンゲージメントを高め、他社製品と比較をされる前に購入してもらえるような関係性を作り上げることが大切となります。

情報社会によるニーズの多様化

3つ目の背景には「情報社会によるニーズの多様化」があります。様々な情報に晒される中で、顧客のニーズが多様化し、1つの商品で大勢のニーズを満たすことが困難になったのです。従来はテレビや新聞、雑誌などのマスメディアを通して大勢の顧客に同一のコンテンツを配信していました。しかし、現代では顧客一人ひとりのニーズが異なるため、マスマーケティングでは訴求しにくくなったのです。

そこで顧客一人ひとりを中心に考え、それぞれにあったコンテンツを提供するOne to Oneマーケティングが重要視されています。

カスタマーエンゲージメント向上のメリット

エンゲージメントを向上させることで得られるメリットはたくさんあります。ここでは下記5つのメリットについて紹介します。

  • リピート率向上
  • 解約率の低下
  • 市場でのシェア増幅
  • 広告費の削減
  • 売上アップ

リピート率の向上

カスタマーエンゲージメントが向上すると、リピート率が高くなります。似たような製品が市場には溢れていますが、「ここの企業が好きだから」という理由で選んでくれるようになるでしょう。

解約率の低下

カスタマーエンゲージメントが向上することで解約率は下がります。何か問題を起こさない限り、一度信頼した企業から離れ、他の競合へ移ってしまうということは少なくなるでしょう。

市場でのシェア増幅

カスタマーエンゲージメントを高めることは、市場でのシェアが増えることにも繋がります。特別な施策やキャンペーンを打たなくても顧客が自ら製品を選んでくれるようになるため、競争力が上がり、結果として、市場でのシェアも増えるでしょう。

広告費の削減

カスタマーエンゲージメントが高まると、顧客は自ら進んで口コミで商品の評価や、SNSなどで情報を発信してくれるようになります。特に家族や友人など身近な人がおすすめしている商品は第三者がおすすめをするよりも効果的であるため、購買にも繋がりやすいです。

売上アップ

カスタマーエンゲージメントが向上することで、売上をアップすることも可能です。カスタマーエンゲージメントが上がると上記でも説明通り、リピート率がアップし、解約率がダウンし、市場でのシェアがアップし、広告費はダウンし、その結果として売上を伸ばすことができます。

カスタマーエンゲージメント向上のための5つのポイント

カスタマーエンゲージメントを向上させるために大切なポイント5選を紹介します。

カスタマージャーニーを活用して顧客行動の分析

ポイント1つ目は、カスタマージャーニーを作成して、顧客行動を分析することです。カスタマージャーニーとは、顧客が商品を認知して購入に至るまでの道のりのことを指します。顧客との接点を洗い出し、各フェーズで顧客がどのような行動をとったのかを理解するために、結果をデータとして収集することが大切です。収集したデータは、ビジネスに有効利用するために分析します。

データ分析はビジネス拡大を目指す上で重要な役割を果たしており、特に深いポイントで顧客を理解できる「行動理解」が大切です。

具体的に行動理解では「商品Aを購入する前に、商品Bを閲覧している」「どの商品を何回閲覧して購入に至ったか」「他にどういった商品に興味があるのか」など、様々な行動データを紐解きます。

顧客の行動を細かく理解することで、ある特定の行動を行った人が購入に至りやすい、反対に他の特定の行動をとっている人は途中で離脱してしまっている、など「行動ベース」で顧客を理解して、改善を施すことで売上アップに繋がります。

行動理解については「Webの行動分析がうまくいかない 理由と解決策」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

顧客一人ひとりに適した施策を施す、One to Oneマーケティング

2つ目のポイントは、One to Oneマーケティングです。顧客一人ひとりに最適な施策を打つことをOne to Oneマーケティングと呼びます。。ニーズの多様化も相まり、顧客が100人いれば100通りのアプローチ方法が考えられます。データ分析結果をもとに、それぞれのニーズを満たす施策を打つことで、カスタマーエンゲージメントを高められるでしょう。

One to Oneマーケティングについては、「One to Oneマーケティングの重要性・メリット・始め方とは」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

クロスチャネルでリアルタイムな体験提供

3つ目のポイントは、クロスチャネルでリアルタイムな体験を提供することです。多くのチャネルが存在する現代では、それぞれの特徴に合わせて効果的にアプローチすることが不可欠になっています。さらに、顧客が「今」求めている事柄を即座に提供することで、顧客との関係性を向上させることが可能です。カスタマーエンゲージメントを高めるためにも、それぞれのチャネルにあった方法で、リアルタイムでアプローチすることが重要です。

最適な指標設計

4つ目のポイントが最適な指標設計です。カスタマーエンゲージメントが正しく機能しているかを測る指標として、North Star Metric(ノーススターメトリック)があります。North Star Metricとは、KGIやKPIの他に企業が目標として設定すべき指標となっていますAmazon、Facebook、Netflixをはじめとする海外のIT大手企業では導入され、製品・企業の成長に大きく貢献したことから注目される様になりました。

North Star Metricは顧客視点での指標であり、設定することの必要性を一言で表すと「顧客視点をビジネスに取り入れるため」です。

一般的にKGIには売上や利益率など、企業目線での目標が設定されるため、KGIを支えるKPIにも企業側の視点で考えられた指標が設定されます。その間に顧客視点であるNorth Star Metricを取り入れて、もっと満足してもらえるようにしよう、ということです。

North Star Metric(ノーススターメトリック)については「North Star Metric(ノーススターメトリック)とは - 顧客体験を踏まえた指標設定によるプロダクト改善」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

カスタマーエンゲージメントツール導入

5つ目のポイントは、カスタマーエンゲージメントツールを導入することです。カスタマーエンゲージメントツールとは、顧客との関係性向上を目的としたツールのことです。

顧客一人ひとりに合わせ、最適な場所で最適なタイミングで最適な施策が実現可能となります。

カスタマーエンゲージメントツールを導入する際に、注意すべき点はどのような目的を持ってカスタマーエンゲージメント向上を目指しているのか、ということです。目的が定かではないままツールを導入しても、ツールも多種多様ですので必要な機能が備わっていない、使い方がいまいちわからず、100%有効に利用できない、などの問題が発生してしまいます。

まずは目的を明確にしてから導入を検討してみてください。

カスタマーエンゲージメント活用事例

アプリ活用で顧客体験価値向上に成功:バーガーキングUS

世界最大級のハンバーガーチェーンであるバーガーキングは、アプリを用いた施策「Whopper Detour(寄り道ワッパー)」で顧客体験価値の向上に成功しました。同企業は、バーガーキングのユーザーがマクドナルドの店舗に近づくと、ハンバーガー(ワッパー)を1つ1セント(約1円)で購入できるクーポンを発行するキャンペーンを行いました。クーポンを発行する仕組みにはエンゲージメントを深める施策が散りばめられ、リアルタイムで顧客にアプローチすることでエンゲージメントを深めることに成功しました。SNS上でも話題になり、既存顧客のエンゲージメントを深めただけでなく、新たに320万人の新規ユーザーを獲得、さらに月間ユーザー数53.7%増加という、非常に大きな成果を生み出しました。

詳しくは「​​【動画&レポート】バーガーキングの成功事例に学ぶ、アプリでの顧客体験価値向上」で解説していますので、参考にしてみてください。

自社データをフル活用して、カスタマーエンゲージメント向上へ:KFC(ケンタッキーフライドチキン)

日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社(以下、KFC)は、自社データをフル活用したカスタマーエンゲージメントの改善に取り組んでいます。同社はアプリ、LINE、Twitter、ウェブサイトなど多くのデジタルアセットを蓄積していた一方で、データが散財して、最適なカスタマーエンゲージメントになっていないという課題を抱えていました。課題を解決するためにCDPを導入してデータを統合、さらに、顧客一人ひとりに適した施策の提供を目指してカスタマーエンゲージメントプラットフォームであるBrazeを導入。

導入後に施策として、購買行動をトリガーとする定常施策を施しました。具体的には「来店後何日にクーポンを配信して来店を訴求」、「初回ダウンロードから利用がない顧客に対して、何日後にクーポンを配信して利用促進」など、シナリオを設定して対象者に自動配信するといったものです。他にも購買行動から分類してピンポイントで配信する「キャンペーン施策」も同時に行いました。今後はデジタル上でも店舗同様の最適なおもてなしを提供するために、顧客行動を分析して最適な施策を行っていくことを目指しています。

詳しくは「【KFC】自社データをフル活用!アプリを起点としたCX向上への挑戦|Braze FORGE 2022」で解説していますので、参考にしてみてください。

まとめ

カスタマーエンゲージメントとは、顧客と企業の信頼関係のことを意味し、向上させることで多くのメリットを受けることができます。顧客との関係性向上を目指すためには、顧客一人ひとりに合わせた施策を実施することが重要です。

カスタマーエンゲージメント向上のためには、ツールの導入も大きな鍵を握るでしょう。目的を明確にし、必要な機能を備えたツールを選ぶことが大事です。

私たちDearOneが提供するプロフェッショナルサービスでは、専任の経験豊富なカスタマーサクセスが担当となり、カスタマーエンゲージメントツール導入から運用、成功までのプロセスを一気通貫してサポートしています。

より詳しくカスタマーエンゲージメントツールを知りたい方はこちら。