DearOneの小林と申します。DearOneのグロースマーケティング部で、主に「Hightouch」の営業や導入の支援を行っています。旅行の時は空港に早めに着いてブラブラ探索してる時間が好きです。
DearOneは、Hightouchの日本販売代理店としてHightouch社から様々な情報共有を受けています。その情報を皆様にできるだけわかりやすく伝えていきたいと思います。
今回は、セグメント作成の際に集計データを簡単に活用できるtraits(トレーツ)機能についてご紹介いたします。これにより、より柔軟なセグメント設定ができ、施策の質と幅が広がります。

Hightouchのtraits(トレーツ)機能
Hightouchのtraits機能では、セグメント作成の際にSUMやAVERAGEなど様々な値の集計値を条件として定義することができます。これを使うことで以下のような、ユーザーの行動や傾向をもとにしたきめ細やかなセグメント設計が可能になります。
- 今年の累計購入金額が ”10,000円以上” のユーザー
- サービス利用を開始してから最初に聞いた楽曲のジャンルが ”ロック” のユーザー
従来手法との違いとtraits機能のメリット
通常、集計されたデータをセグメント作成で活用するためには、以下の方法が一般的かと思います。
- 集計された値が含まれるカラムをデータソース側で追加する
- MAツールやCDPツールなどセグメント基盤側の機能を使う
しかし、これらの方法にはエンジニアの工数がかかる、ツール側で作成できる集計値に制限があるなどのハードルがあり、マーケティング担当者のニーズに十分に答えられているとは言えない状態でした。
一方で、Hightouchのtraits機能では、以下の特徴を持っており、誰でも簡単に、より幅広いデータや集計方法を使って集計した値でセグメントを作成することが可能になっています。
- データはDWHにあるものを直接参照して使うことができる
- 集計ロジックをHightouchで定義するだけで、元データは加工しない
これにより、これまでの方法で発生していた課題を解決しより柔軟でユーザーにとって最適なマーケティングが行えるようになります。
traits機能でできること
Hightouchのtraits機能では、参照元のDWHのデータを使って、マーケティング担当者のニーズに応える様々な集計機能がHightouchのUI上から設定できます。
基礎的な集計関数 | ・SUMやAVERAGEなどの集計 ・値のCOUNT |
ユーザーライフサイクルに関する集計 | ・最初や最後に発生した値(First/Last) ・最も頻繁に起こった値(Most frequent) |
SQL記述による詳細なカスタム集計 | CASE文による条件分析など |
実際にやってみた:過去一ヶ月の合計購入金額の設定
ここで実際にHightouch上でtraitを設定する手順をUIとともにご紹介します。設定はとてもシンプルなことをぜひご確認ください。
1.traitsの設定画面からどのデータを、どのように集計するのかを設定
ここでは集計元のデータとして「”直近1ヶ月以内” に発生した ”商品購入_セール情報込み” のデータ」という設定をしています。
集計方法としては「”商品購入_セール情報込み” に含まれるカラム “price” の値を “SUM” で集計する」という設定にしています。

2.設定したtraitに名前をつけて保存
Hightouch上で使う際のtraitの名前を設定して完了です。

3.セグメント作成画面で選択可能に
Hightouchのセグメントを作成する画面で、設定条件として作成したtraitが選択可能になります。

traits機能のユースケース
DWHにある様々なデータによる集計
HightouchではDWHのデータを直接参照して集計することが可能なため、ユーザーに紐づく様々なデータを使った集計とセグメント作成が可能です。またtraits機能では複数のカラムを使った条件設定なども可能なため、
例えば小売企業でそれぞれの店舗(or サービス)の「店舗/サービスごとの平均顧客単価」の情報があれば「”ユーザーの店舗/サービスAの平均購買単価” が ”店舗/サービスAの平均顧客単価” よりも大きいユーザー」などのセグメント抽出が可能です。
これによってより詳細なユーザーの行動傾向に基づくロイヤル層の抽出とターゲティングが可能になります。
中長期の時間軸での条件抽出
MAツールやCDPツールでこのような集計やセグメント条件の設定を行う際、ツール側の制約としてよく挙げられるのが「条件指定で使えるデータの保持期間」の問題です。
基本的に、ツールのデータ環境にデータを一度取り込み、そこでセグメント作成を行う設計になっています。そのため多くのツールでデータの保持期間が決まっており、MAツールなどでは数ヶ月程度、CDPツールでも数年でデータが削除される場合があります。
一方でDWHのデータを参照するHightouchの場合は、データの保持期間の制限はなく社内のデータ環境にある全ての期間の、全ての自社サービスに関するデータが活用できます。
「ユーザーが初めてプレイしたゲームのIP」「ユーザーがこれまでに店頭やECで最も多くのアイテムを買ったファッションブランド」など、ユーザーとの長い関係性に基づくセグメンテーションが可能になります。
これによってユーザーに対して解像度の高いマーケティング施策が可能になり、より良いユーザー体験を提供することにつながります。
💡Hightouchには、精緻なセグメント作成機能に加えデータ連携やID統合など、データをもとに精度の高いマーケティングをスピーディーに実現するための機能が備わっています。詳しい機能のご紹介やご相談は、ぜひこちらからご覧ください。
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Hightouch無料プランのご紹介
今回ご紹介したtraits機能はBusiness Planのみでの提供ですが、Hightouchでは無料プランも提供しています。無料プランは機能の制約がありますが、お支払い情報の入力などの面倒な手続きも不要でお使いいただけるため少しでも興味を持っていただけたらぜひお試しください。無料プランの範囲ではご利用期間も無制限です。
無料プランは、下記のリンクから数分でご利用開始いただけます。(リンク先ページの”Start for free”から)

最後に
マーケティング施策の運用において「どれぐらい詳細に、簡単にセグメント作成ができるか」というのは非常に重要な観点になり、CDPや施策の配信ツールを選ぶ際にも基準の一つになりえます。
Hightouchのtraits機能を使えば様々な集計データを使った条件設定が簡単にできるだけでなく、DWHにある自社の1stパーティデータを余すことなく活用することが可能になります。
これによって、これまでできなかった施策ができるようになるだけでなく、これまでになかった発想によるマーケティング施策の考案もできるようになります。
今後も、皆様に刺激や気づきをお届けできる記事や情報を発信してまいりたいと思っております。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
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