CDPツールの4タイプ!選び方のポイントやそれぞれの強み/特色

2023.09.08

近年のMarTechの急速な進化に伴い、企業が抱える顧客データや行動データは爆発的に増加しています。このデータの管理と分析は、企業の成功において極めて重要な役割を果たしており、その需要はますます高まっています。

市場動向に関する報道によれば、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の市場規模は右肩上がりに成長しており、国内でもCDPの重要性が着実に浸透しています。さらに、日本発のCDPツールも登場し、多くの企業がその利用を検討しています。

しかし、自社に最適なCDPツールを見つけることは容易ではありません。企業は「自社に合うCDPは何か?」、「探しているCDPはどのような機能を持ったものか?」といった判断軸を明確に持つ必要があります。CDPツールの選択は戦略的な決定であり、正しい選択をすることで顧客データの有効活用やマーケティングの効果を最大化することができます。

この状況から、CDPツールは現代のマーケティングにおいて欠かせないツールとなっており、企業は慎重に選択を行う必要があります。我々は、CDPツールの選択に関する信頼性のある情報を提供し、企業が自信を持って最適なCDPツールを見つけるお手伝いをします。最高のCDPツールを選び、データを活用して競争力を高めましょう。

本記事ではその判断軸の一つのヒントとして、世の中のCDPツールをタイプ別に分類し、それぞれの強み/特色を紹介します(DearOne調べ)。自社に合うCDPツールの選定・検討の一助となれば幸いです。

CDPツールの基本要件と4つのタイプ

CDPツールの定義

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは顧客データを収集・管理し、マーケティング活動に活かしていくプラットフォームの総称です。

CDPの定義・機能・メリットについては以下の記事もご参照ください。

近年のグロースマーケティング領域では自社にとって最適な組み合わせで各分野の優れたMarTechツールを利用するBest of Breed思考が主流になりつつあります。しかし、その弊害として様々なツールが個々に連携することで発生するツールのサイロ化とツールごとに異なる蓄積データの粒度/仕様/ID体系が発生するデータのカオス化が課題となっています。

このような課題を解決し、Best of Breedの中核となるソリューションがCDPです。

Best of Breedについては以下の記事もご参照ください。

CDPツールは国内外含めて選択肢が非常に多く、CDPと一括りに言っても各ツールが範囲とする領域は少しずつ異なります。2013年アメリカ設立で、ニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、フロリダ、ロンドン、シドニーに拠点があるデータ管理・連携CDPツールのベンダーであるmParticle(エムパーティクル)社は多様化するCDPを以下の4つのタイプに分類しています。CDP製品群の中でもデータ収集・管理・統合機能のほか、分析や外部へのデータ連携など、その特徴や強みは分かれるため、用途や目的に合わせた選定が重要となります。

  • All in One
  • Application CDP
  • Infrastructure CDP
  • Unbundling

CDPソリューション4つのタイプ

前述のmParticleは、データ管理や外部ツール連携などをリアルタイムで行えるCDPツールです。

CDPツール導入のメリット

CDPツール導入には、以下のようなメリットがあります。

データドリブンなマーケティング戦略の策定

CDPツールを導入すると、顧客の属性情報や行動履歴、購買履歴など複数のチャネルで収集されたデータを一元管理することができます。

従来であれば、Web・アプリ・DWHなど複数のデータソースからデータを連携してくる必要がありましたが、データソースがCDPのみになるため下流にある行動分析ツールAmplitudeやカスタマーエンゲージメントプラットフォームMoEngageなどと連携しやすくなります。

これにより、各チャネルごとにデータを分散管理することから解放され、AmplitudeやMoEngageを用いて顧客データを効率的に分析・活用することが可能になり、データドリブンなマーケティング戦略を策定することができるようになります。

またCDPツールではWeb・アプリ・店舗購買などの複数チャネルを横断した様々な顧客データから特定のセグメントを抽出し、そのセグメントに合わせた広告を配信することができ、これにより効果的な広告配信が可能となることからCVR(コンバージョン率)の向上につながります。このように、CDPツール導入により顧客の複数チャネルでの行動に基づいたセグメンテーションや、それに基づくパーソナライズ化されたメッセージの配信施策などが実現できることが第一のメリットです。

データドリブンの定義やデータドリブンマーケティング実施のポイント・注意点については以下の記事もご参照ください。

顧客ロイヤリティの向上

CDPツールを使って収集したデータを元に顧客のニーズや要望を的確に捉え、よりパーソナライズされたコミュニケーションを行うことができます。その結果、顧客の満足度やロイヤリティが向上することが期待できます。

例えば、BrazeやMoEngageといったカスタマーエンゲージメントプラットフォームを活用し、複数チャネルを横断してデータを一元管理することで、さらに顧客ロイヤリティを向上させるためのツール導入が容易になるなど、上質なCX(顧客体験)を創造し、顧客ロイヤリティを高められるのもCDP導入のメリットの一つです。

顧客ロイヤリティやロイヤルカスタマーについては以下の記事をご参照ください。

また、顧客体験(CX)の定義、向上させるためのポイントやステップについては以下の記事をご参照ください。

マーケティング施策の最適化

CDPツールを導入して複数チャネルのデータを一元管理することで、Web・アプリ・店舗を横断した顧客データの分析・可視化が容易になります。その結果、顧客のニーズを正確に把握しマーケティング施策を最適化することができます。

例えば施策の効果を可視化し、効果が薄い場合には改善点を把握し、改善施策を講じることができるなど、データを元により効果的な次の施策を立てることが可能になるメリットがあります。

CDPツールの各種機能

マーケティング業界で重要な役割を果たすツールであるCDPにはデータ収集・管理をはじめ、ユーザー分析、外部へのデータ連携など、後述するタイプ別にさまざまな機能があります。

データ収集・管理・統合

まず、CDPは複数のデータソースからのデータを統合し、統一的な顧客プロファイルを作成します。これにより顧客の属性情報、行動履歴、購買履歴などのデータを網羅的に収集・管理することが可能です。例えば、Webサイト上のフォーム入力データ、購買データ、SNSの情報など、さまざまなチャネルからのデータを統合的に取り込むことができます。

ユーザーデータの分析

また、収集したデータを活用した顧客の行動パターンや嗜好の分析により、顧客セグメンテーションやターゲットオーディエンスの特定、購買予測などの洞察を得ることも可能です。例えば、顧客の購買履歴やWebサイト上の行動データを分析して、特定の製品に関心を持つ顧客セグメントを抽出することができます。

外部へのデータ連携機能

そして、CDPは基本的に外部へのデータ連携機能を備えています。他のMarTechツールや広告プラットフォームとの連携が可能となることで、より効果的なマーケティング施策を展開することができます。例えば、CDPから抽出した顧客セグメントを広告プラットフォームに連携することで、ターゲット広告の配信が実現できます。

このようなCDPのさまざまな機能により、顧客データの統合と活用、マーケティング施策の最適化、顧客エンゲージメントの向上などが可能になり、データドリブンなマーケティング戦略の強化や顧客エンゲージメントの向上に大きく貢献します。

続けて、CDPの4つのタイプと、どのタイプにどのような機能があるかを紹介します。

1. All in One

All in OneはSalesforce、Adobe、Oracleなどの大手ベンダーが提供している「〇〇 Marketing Cloud」のようなツールで、MarTechツール群を1つのベンダーで統一して利用するSuites思考に基づいています。

分析やエンゲージメントを兼ね備えたオールインワン製品という特徴があり、各分野の優れたMarTechツールを組み合わせて利用するBest of Breedとは反対の思想を持つ製品です。

自社が既にオールインワン製品を持つ大手ベンダーで固めている場合にはスケールメリットに期待できます。

しかし既に何かしらのMarTechツールを導入している場合にはオールインワン製品との機能重複が発生したり、オールインワン製品の個々の機能は各分野の専業ベンダーを下回るケースが多いというデメリットがあります。

2. Application CDP

Application CDPはデータ収集に加えて、AI/機械学習を用いた高度なユーザー分析やジャーニー機能に強みを持つCDPで、Treasure data、Lytics、Optimoveなどのツールが該当します。

後ほど解説するInfrastructure CDPと比べると、データ収集・管理よりも分析/施策実行のための機能に重きを置いたCDPです。

データが既に整備・統合されていて品質的な課題が少なく、AIを活用した高度なセグメンテーション作成やチャネル・MarTechツールを横断したジャーニーオーケストレーションなどのアクションを行いたい場合に適しています。

3. Infrastructure CDP

Infrastructure CDPは様々な顧客接点から発生するデータのリアルタイム収集と品質管理、外部MarTechツールへの連携に重きを置いたCDPで、Tealium、Segment、mParticleなどのツールが該当します。

Best of Breed思考の弊害である様々なツールが個々に連携することで発生するツールのサイロ化と、ツールごとに異なる蓄積データの粒度/仕様/ID体系が原因で発生するデータのカオス化を、データの上流から下流のパイプラインの構築(インフラ整備)で解決します。

データのインフラ整備を行うことで複雑化するデータの品質維持や連携を容易にし、外部MarTechツール導入の工数削減やデータの仕様変更による影響の低減が可能となります。

4.Unbundling

Unbundlingは既存のDWHに対してForward ETLやReverse ETLなどのデータ収集機能と外部へのデータ連携機能を組み合わせてCDPの機能を再現する考え方です。BigQueryやSnowflakeなど既にデータが溜まっている場所に対して、足りない機能を他のツールで補っていきます。

既にある環境を活かしながらデータの収集〜統合管理〜外部MarTech連携を実現する構想で、Reverse ETLの台頭に伴い考え方が普及しました。しかしリアルタイム性に課題があり、また複数のツールを跨ぐためワークフロー制御などの技術的なチャレンジが難しいというデメリットがあります。

CDPツールの4タイプやおすすめCDP14選の比較については以下の記事もご参照ください。

選定基準の考え方

前項で解説した4つのタイプのうちパッケージとして独立したCDPツールはApplication CDPとInfrastructure CDPの2つのみです。

大手ベンダーのオールインワン製品であるAll in Oneとツールの組み合わせでCDPを再現するUnbundlingは、CDPの機能を兼ね揃えていますが単独での検討ができるカテゴリではありません。

そしてパッケージとして独立したCDPであるApplication CDPとInfrastructure CDPも、それぞれ分析機能とインフラ整備に重きを置いていることから、実は競合しない製品となります

実際にTealium+Treasure Data、Segment+Lyticsなど、Application CDPとInfrastructure CDPを組み合わせて利用している海外事例も多く存在します。

CDPツールを選定する上で重要なのは「CDPで何を実現したいのか?」を細分化して検討することです。冒頭で述べたようにCDPと一括りに言っても各ツールが範囲とする領域は少しずつ異なります。

特に分析機能に強みを持つApplication CDPとデータのインフラ整備に強みを持つInfrastructure CDPを見たときに、どちらを必要としているか、もしくはどちらも必要としているのか、を考えることがCDPの選定では重要です。

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