• トップ
  • ナレッジ
  • プロダクト分析で E コマースのコンバージョンファネルを最適化しよう
  • トップ
  • Amplitude
  • プロダクト分析で E コマースのコンバージョンファネルを最適化しよう

プロダクト分析で E コマースのコンバージョンファネルを最適化しよう

2021.02.12

f:id:growth-marketing:20210212095200p:plain
本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社ロケーションバリューが翻訳、転載しております。

E コマース企業はコンバージョンファネルの分析、A / Bテストの実施、収益といった観点からの成功の測定には慣れています。しかし、収益は企業側にのみメリットがあり、顧客に恩恵をもたらすものではありません。E コマース企業は、カスタマーエクスペリエンスを改善するための実験にも取り組むべきです。なぜでしょう?

カスタマーエクスペリエンス(CX)に注力することが、長期的には企業にとってプラス効果が生じるからです。CX ソリューション企業の Incept(インセプト)によると、カスタマーエクスペリエンスに投資する年間収益 10 億ドル以上の企業は、 3 年以内にさらに 7 億ドルの収益を上げているとのこと。E コマースのコンバージョンファネルを最適化し、最高のカスタマーエクスペリエンスを実現するには、プロダクト分析を行う必要があります。

E コマースのコンバージョンファネルはもっとも単純な形としては、オンラインで買い物を始めてファネルに入ってくるユーザー数と、購入することでファネルの底に到達するユーザーの数を測定します。実際のカスタマージャーニーは、はるかに複雑です。顧客は、Google 検索で好みの商品にたどり着く人、完璧にマッチするアイテムを探して延々とページをスクロールする人、あるいは魅力的なオファーが提示されるまで購入はしない人など様々です。

顧客がファネルを通過するよう促すには、上述の顧客の行動やエクスペリエンス(体験)が、実際の購入の可能性にいかに影響するかを理解するとともに、自社の成功達成プロセスにさらに多くのユーザーを誘導する必要があります。これに役立つ定量的なデータを得られるのが、プロダクト分析です。

E コマースのコンバージョンファネルとは?

E コマースのコンバージョンファネルとは、オンラインで買い物をする顧客が購入を完了するまでに通過する複数の段階(ステージ)を表す言葉です。E コマースのファネルは、以下のとおり、従来のセールスファネルを応用したものです。

f:id:growth-marketing:20210212095254p:plain
ファネルは通常、認知、興味・関心、比較・検討、エンゲージメント、行動という5 つのステージで構成されています。

認知:消費者がご自身の会社のブランドを初めて知る手段を指します。この段階には、ソーシャルメディア広告からE コマースのコンテンツマーケティングまで、あらゆるものが含まれます。これらは、ご自身の企業ブランドについてまだよく知らず、ウェブサイトも訪問していないユーザーを対象としています。

興味・関心潜在的な顧客の関心を引いたことを意味します。ユーザーは、商品ページを閲覧しているか、検索バーを使用しています。

比較・検討消費者が複数の選択肢を検討し、購入を検討している段階です。商品レビューを読んだり、詳細な商品紹介を確認したりしている状態の場合もあります。

エンゲージメント消費者が購入決定の最終ステージにあることを意味します。ご自身の会社の製品をショッピングカートに追加している段階です。

購入ユーザーはチェックアウト・プロセスを完了し、製品は出荷に向かっています。

Google Analyticsといった従来型の分析ツールで E コマースのコンバージョンファネルを分析する場合、以上の段階は概ね関連するウェブサイトにおける各ページのセッション数で示されます。

f:id:growth-marketing:20210212095331p:plain
ただ、この種のアナリティクスで問題なのは、実際のカスタマージャーニーははるかに複雑だということです。ご自身の会社のユーザーで、ファネルを直線的に通過する人は少数です。あらゆる段階で流入、離脱し、ステップの一部を完全に飛ばすこともあります。一般的なマーケティング分析では、各ステージで離脱するユーザー数を知ることができますが、カスタマーエクスペリエンスに関する洞察はほとんど得られません。このような分析は、顧客が解約する理由を解明したり、ユーザーの行動についての他の質問の答を得たり他の質問の答を得たりするために役立つほどの知見は提供できないのです。

なぜ、プロダクト分析を用いて E コマースのコンバージョンファネルを最適化するべきか?

プロダクト分析は、ご自身の会社の顧客が特定の行動をとる理由について、より深い知見を提供するものです。そのため、個々の顧客にとって好ましいカスタマーエクスペリエンスを創造することが可能になります。顧客を理解し、顧客体験を改善することは、競争力の強化につながります。顧客を理解し、経験を向上させることで、競争力が高まります。優れたカスタマーエクスペリエンスはリテンション率向上をけん引する唯一の最大要因です。

また、プロダクト分析では、ファネルの各段階におけるユーザーエクスペリエンスの全体像を把握することができます。A / B テストのどのバリエーションが、より売上増に寄与したかということに限られません。具体的には、顧客について次のような重要な事項を調べ、有用な答を得ることができます。

  • 初めてのユーザーか、リピーターか?
  • このユーザーたちは購入をしたり、オファーを受け取ったり、実験的な施策を提示されたりしたことはあるか?
  • このユーザーたちは本セッション中、または以前のいずれかのセッションにおいて、他に何か重要な行動をとったか?

企業のチームの大多数は、Googleアナリティクスを始めとするマーケティングに焦点を絞ったプラットフォームの使用を通じ、ファネル分析に精通しています。しかし、マーケティング分析ではこうした問いに対する答は提供されません。データをサンプリングするため、カスタマージャーニーの重要な瞬間を捉えられないことが理由です。Amplitude なら、それが可能です。現行のセッションならびに以前のすべてのセッションの双方から、また、ウェブとモバイルの両方を横断するエクスペリエンスにおいて、ユーザーのイベントを追跡するからです。

E コマースのコンバージョンファネルを分析および最適化するには?

それでは、プロダクト分析を用いて E コマースのコンバージョンファネルを分析ならびに最適化し、カスタマーエクスペリエンスを改善する 4 つの方法をご紹介します。

マーケティングキャンペーンとエンゲージメントキャンペーンについて調査する

ご自身の会社のマーケティングキャンペーンとエンゲージメントキャンペーンは、ファネルの最上部、つまり認知またはアトリビューションの段階で展開されます。このステージでプロダクト分析を行えば、個々のユーザーにとってもっとも関連性の高いキャンペーンを、それぞれのカスタマージャーニーに基づき、特定する上で役立ちます。

1. プロダクト分析で答を導き出すことができるアトリビューションに関する質問には、次のようなものがあります。

  • ユーザーを当社の商品に引き付けた最初のキャンペーンまたはアトリビューション・チャネルは?
  • ユーザーは広告を見た直後に購入するのか?
  • 購入または離脱の「先行指標」は? また、どのユーザーがこうした「先行指標」を示しているか?

顧客は通常、商品を購入する前にウェブサイトを数回、閲覧します。ところが、マーケティング分析ではユーザーの区別が不可能であり、企業のブランドに関するユーザーのエクスペリエンス全体を把握することもできません。プロダクト分析であれば、コンバージョン前にユーザーが完了する必要のあるセッション数と、どのキャンペーンがユーザーを各セッションに誘導したのかを知ることができます。

たとえば、あるキャンペーンはユーザーを最初のセッションに誘導するのには効率的であっても、購入を促すという点ではその限りでない場合もあります。一方、ユーザーを初めての購入に導くキャンペーンは、以前、ウェブサイトを訪問したことのないユーザーに提示しても効果がないこともあり得ます。

プロダクト分析は、両方のキャンペーンともに、ユーザーを購入に向けて移動させる上で価値があり、また双方とも好ましいカスタマーエクスペリエンスを創造するものであると示すことが可能です。この場合、最適なカスタマーエクスペリエンスは、ユーザーの、ウェブサイトでのそれまでのセッション数によって異なります。カスタマージャーニー全体を理解していなければ、購入に結び付くキャンペーンだけに注力してしまう可能性があります。

2. 深度分析を行う

深度分析を行えば、個々のユーザーまたはユーザーセット全体により、イベントが実行された回数が分かります。そこから、ユーザーの購入体験のいずれの要素が良好に機能しているか、また、改善すべきフリクションポイントがどこにあるかを特定することができます。プロダクト分析は、ファネルのどの段階においても実行できます。

深度分析により、以下のようなことが分かります。

  • ユーザーは購入する前に商品を何度、閲覧したか?
  • ユーザーは初めてのチェックアウトを問題なく完了したか? あるいは、チェックアウトのプロセスを複数回、繰り返す必要があったか?
  • ユーザーが購入する前に受け取ったオファーの数は?
  • ユーザーがショッピングカートに商品を追加する前に、商品レビューを閲読した回数は?

こうしたイベントの深度を把握することにより、ユーザーへの動作を促すという目的で新しいオファーやデジタル広告、あるいはカートが空だというリマインダーを提示するべき回数を算出できます。一方、こうした動作を促す施策がユーザーによる購入に帰結しない場合は、リソースを他のことに充てるべきことが分かります。

個々のユーザーがイベントを実行した回数をもとにカスタマージャーニーを分析するのは、コストも時間も要します。しかし、Amplitude の最新のコードレス機能、Milestone Analysis(マイルストーン分析)を使用すれば、この問題は避けられます。

3. コンバージョンのけん引要因を特定する

コンバージョンをけん引する要因(コンバージョン・ドライバー)は、ファネルの各ステージの間で発生する行動であり、ファネルの次の段階への移動と相関(または逆相関)関係にあります。コンバージョン・ドライバーを特定することで、促進すべき行動および解決すべき問題を把握できます。

答を追求するべき質問:

  • ユーザーが離脱する原因となるフリクションポイントはどこに?
  • 購入ともっとも相関関係が強い行動は?
  • 離脱ともっとも相関関係が強い行動は?

Amplitude のコンバージョン・ドライバー機能を使用するには、ファネル内で「開始イベント」と「結果」の 2 つのステップを指定します。Amplitudeは自動的に全データを分類し、ユーザーがこれら 2 つのステップの間に実行するイベントを発見します。イベントにはそれぞれ「相関スコア」が付与されます。各イベントを実行するユーザーの割合と、実行後のコンバージョンに要する時間を知ることができ、そのイベントがファネル内の各ステージへの移動を加速しているのか、減速しているのかが明らかになります。

ユーザーのコンバージョンに役立つイベント、離脱につながるイベントを把握できれば、ターゲットを絞って変更を加えることにより、ファネルのカスタマーエクスペリエンスを改善できます。さらに、フリクションを発生させている問題を解決し、プラスの相関関係にあるイベントをより目立たせることができます。たとえば、特定の商品レビューの閲読がユーザーによる商品のショッピングカートへの追加につながることが分かれば、そのレビューをレビューセクションの上部に固定できます。

4.行動コホートで実験をレベルアップ

ご自身の会社の E コマースサイト上では、様々なランディングページや商品の写真などの A/B テストを始め、多くの実験を同時に実行していることでしょう。行動コホートを作成すれば、こうした実験のインパクト(効果)を高めることができます。コホートとは、特性を共有するユーザーのグループです。この場合、ご自身の会社のウェブサイトにおける、同じ実験の対象となっています。

コホートの作成・活用により答が得らえた質問:

  • 特定のユーザーが属す、ウェブサイトの実験グループは?
  • 特定の実験グループに属すユーザーの購入率は?
  • 各実験が、商品の閲覧、購入、長期的な顧客になるといった目標に及ぼす影響は?

各コホートについて、ユーザー履歴と嗜好を分析したり、特別オファーを送信したり、新商品の提案を行ったりすることで、コホートのエクスペリエンスを改善することができます。また、どの実験がカスタマーエクスペリエンスの向上に寄与したかを確認でき、その成功をさらに多くのユーザーを対象に再現することも可能です。

さらに先へ

コンバージョンファネルは通常、購入を最後のステージとして配置します。しかしながら、カスタマージャーニーは購入以降も続きます。フルフィルメントと返品のプロセスと並行し、リピート購入や顧客の長期的なリテンションを実現する目的のリマーケティングもあります。プロダクト分析とデータ管理を組み合わせたプロダクト・インテリジェンス、ならびに行動ターゲティングは、E コマースのウェブサイトのデータを深く掘り下げて顧客を理解し、カスタマーエクスペリエンスを向上させ、ひいてはご自身のビジネスを成長させるために役立ちます。

本記事はAmplitude社より許諾を得て株式会社ロケーションバリューが翻訳、転載しております。
———————————————————————————–
公開日:2020/8/3
グラント・ウェンズリー(Grant Wensley)氏
ウェンズリーはテクニカル・プロダクト・マーケティングマネージャーです。Amplitude のストーリーの中の「How We Do It (私たちの実現方法)」セクションを執筆しています。

引用元:Amplitude社ブログ