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定着率向上を目指す!顧客オンボーディングで計測するべき指標とは?

2024.01.31

サービスの成長を目指す企業の多くが、顧客の「定着率」を意識していると思います。定着率を維持するためには、新規顧客に対するオンボーディングの実施が重要となります。

例えば、アプリをインストールした顧客のうち、75%*1How to Onboard New CustomersMoEngageの顧客が、最初の1週間以内に離脱します。サービス形態によっても異なりますが、定着率は意外にも低いものです。

定着率が低い理由には「顧客の理想とサービス内容にギャップがあった」「残念な体験をした」など、さまざまですが、顧客にサービスの魅力や使用方法がしっかり伝わっていなかったという理由もよくあります。

顧客オンボーディングでは、顧客にサービスの魅力や使用方法を伝えるという役割があり、その後の定着率にも大きく寄与します。本記事では、顧客オンボーディングの重要性や追うべき指標についてご紹介します。

定着率(リテンション率)については、こちらの記事で詳しく解説しています。

はじめに:顧客オンボーディングとは

顧客オンボーディングとは、新規顧客が自社のサービスを理解し、最大限に活用するためにサポートすることを指します。これは、製品の設定、機能の紹介など、顧客が自分自身でサービスを活用できるまでの初期段階をカバーします。

具体的には、次の3ステップが含まれます。

  1. アカウント作成やセットアップ
  2. 主要機能の紹介や使い方の案内
  3. 初期の成功体験の提供(例:目標達成や問題解決)

一度にたくさんの情報入力や情報の発信を行うと離脱の原因になってしまいますので、まずは最小限に抑えてユーザーに目的を達成してもらい、徐々に情報を膨らませていく設計が理想的です。

例えば、住宅系アプリの場合、初期の成功体験を「希望物件の検索」と設定した時に、最低限のセットアップは以下のような内容となります。

顧客オンボーディングの例

また、オンボーディングは初日だけではなく、次の成功体験なども用意した上で、数日間に渡って行うことも効果的です。

顧客オンボーディングが重要な理由

顧客オンボーディングにより、顧客は最短ルートでサービスの基本機能を理解し、顧客自身の意思で自由に使うことができるようになります。オンボーディングで、サービスの機能や魅力を理解してもらえれば、サービスの継続利用につながります。

重要なポイントは、アプリをダウンロードした顧客の期待に最小限のステップで応えることです。また、顧客のつまずくポイントなどをあらかじめ分析により想定し、顧客が困った時に適切なサポートを提供する動線を設置しておきましょう。

上記の住宅系アプリの場合は、顧客が物件を契約することが最終目標となりますので、その目標を遂げるまで十分なサポートを行えるような仕組み作りが求められます。

顧客オンボーディングの7つの指標

顧客オンボーディングの7つの指標

顧客オンボーディングが重要であることは、ご理解いただけたのではないでしょうか。しかし、実際に顧客オンボーディングを実施する上で、何を持って成功とするのか、追いかけるべき指標が分からないという方も多いと思います。

この章では、顧客オンボーディングを実施する際に、指標となる7つをご紹介します。

オンボーディング完了率

オンボーディング完了率とは、新規顧客のうち、オンボーディングプログラムを完了した顧客の割合を指します。顧客がサービスを理解し、活用できる状態になったかどうかを数値で表すため、オンボーディングの成功を測るのに重要な指標となります。

例えば、全ての新規顧客が100名で、そのうち60名がオンボーディングを完了した場合、オンボーディング完了率は60%となります。

【オンボーディング完了率の計算】
完了率(%)=(完了人数60名 / 新規顧客100名)×100 

この指標が高いほど、顧客がサービスを理解し活用していると言えます。

オンボーディング完了までの時間

新規顧客が、全てのオンボーディングプログラムを終えるまでの時間を指標として設定するものです。

この指標は、サービスの使いやすさや、サポートの質を間接的に示す重要な指標であり、オンボーディングがスムーズに行われているかを評価する上で欠かせません。

オンボーディング完了まで時間が短ければ、顧客が早めにサービスを活用している証拠と言えます。一方で、長い場合は、サポートや製品の使いやすさに問題があり、改善策を考えていくことが求められます。

オンボーディング中の離脱率

オンボーディング中の離脱率は、新規顧客のうちどれだけがオンボーディングの途中で離脱したかを示します。離脱率が高いと、顧客にサービスの価値を十分に理解してもらえていない、オンボーディングのプロセスが複雑すぎるといった問題が存在する可能性があるため、改善が必要とされます。

また、ファネル分析*2顧客が特定のアクションするまでの行動を、段階的に分解し、各段階における離脱率を測定する分析手法です。でユーザーの行動を可視化できれば、離脱ポイントを特定することも可能です。

ファネル分析の方法については、以下の記事をご覧ください。

オンボーディングを完了した顧客の定着率

オンボーディングを完了したユーザーの定着率は、新規顧客がサービスを継続的に利用しているかを測ることができます。具体的には、オンボーディング終了後一定期間(例えば3ヶ月や6ヶ月)内に顧客がサービスを利用し続けている割合を示します。

この値が高いほど、オンボーディングプログラムがうまく機能しており、ユーザーがサービスを長期的に利用していることを示します。

また、定着率の計算方法は以下の通りです。

【定着率の計算方法】 
定着率(%) = (オンボーディング完了後もサービスを利用し続けているユーザー数 / オンボーディングを完了した全ユーザー数)× 100

平均応答時間

応答時間とは、オンボーディングの新規顧客からの問い合わせや要望に対して回答するまでにかかった時間を指します。

顧客オンボーディングの過程では、新規顧客がサービスや製品について疑問を持つことは少なくありません。その際、即座に対応することで、顧客の不安を解消し、サービスに対する信頼感を高めることができます。

応答時間を早めるために、最近では、メール自動応答やチャットボットを導入する企業も増えています。

TTV(価値実現までの時間)

TTVはTime to Valueの略語であり、顧客がサービスを利用してから何らかの価値を実感するまでの時間を示します。具体的には、初回ログインから初回アクション(例:初めての購入や投稿など)までの日数、初回起動から主要な機能を利用するまでの時間、などが考えられます。

TTVは、ユーザーがサービスを継続する意欲を高め、顧客満足度を向上させる役割があります。TTVが短い方が良いので、想定よりも長い場合は、顧客にとって余計なプロセスがないか見直してみる必要があります。

顧客オンボーディングを助けるツール

顧客オンボーディングは、カスタマーエンゲージメントツールなどで顧客行動に応じて即座にコミュニケーションが取れる仕組みがあるとより効果的です。また、オンボーディングシナリオを複数作成して、効果検証しながら運用することも有効です。

カスタマーエンゲージメントツール「MoEngage」を使うと、ユーザー行動に応じたメッセージの出し分けや、シナリオの自動最適化を簡単に行うことができ、満足度の高いオンボーディングを強力に支援します。

MoEngageの詳細はこちらよりご覧ください。

また、オンボーディングシナリオの最適化を図れる、MoEngageのシナリオ自動最適化機能については以下の記事で詳しく解説しています。

また、MoEngageに関する資料は、こちらよりダウンロードいただけます。

References
*1 How to Onboard New Customers|MoEngage
*2 顧客が特定のアクションするまでの行動を、段階的に分解し、各段階における離脱率を測定する分析手法です。

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