North Star Metric(ノーススターメトリック)とは?成功事例も解説

2023.12.25

North Star Metric(ノーススターメトリック)とは、企業がビジネスグロースを目指すために設定をする重要指標のことです。

NETFLIX、Facebook、Amazonなどの世界を代表する大手企業では、このNorth Star Metricを設定することで、企業、製品を大きく成長させることに成功しました。

日本ではまだあまり認知されていない指標ですが、この記事でNorth Star Metricとは何か、必要性について最もわかりやすく解説いたします。ぜひ参考にして、ライバルよりも一歩先を進んでください。

また、日本で馴染みの薄い概念であることから、ワークシート+具体例付きのNorth Star Metricガイドライン資料もご用意させていただきました。こちらから無料でダウンロードできますのでよろしければぜひご活用ください!

North Star Metric(ノーススターメトリック)とは

North Star Metricとは「北極星指標」の意。ひとことで定義すると「チームの目標と方向性、そして成功を計る尺度」です。

「北極星」が方位を探すのに役立つように、この指標を通じて会社(またはプロダクト)の現状を正確に把握できるという意味で作られており、チームが短期的な成長を超えて長期的な観点の顧客成長を導き出すのに役立つ指標です。

大勢の人が船に乗って梶を漕いでいく途中、海の真ん中で羅針盤が故障したと仮定してみましょう。

みんなで力を合わせて一方向に進もうとしても、方角を間違えたら、なすすべもなく漂流してしまいます。

大勢の人が一緒に働くチームで、しっかりとした方向性を見いだせないとプロダクトの改善はますます難しくなります。 このような状況でNorth Star Metricは明確な目標設計を通じてチームの成長を導く羅針盤になります。

成功するビジネスには多くの共通点があり、ビジネスで最も重要なことは何よりも顧客満足です。

North Star Metricは顧客がプロダクトを使って得られる本質的な価値を正確に測定する指標で、私たちのビジネスが成長しているかを追跡できるようにします。 

結果、North Star Metricを通じて、私たちが顧客とグロースハッキングに集中できる土台が作られるのです。 

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North Star Metricが求められる背景

North Star Metricが求められる背景には、企業の競争が激しくなり、広告費をかけて売上の拡大を狙うことはますます難しくなっていることが挙げられます。

その上、サブスクのような手軽なサービスが普及したことにより、サービス利用のハードルが下がったため、プロダクト改善において、顧客にいかに継続して利用してもらえるかという視点も無視できないものとなりました。

DearOneでは「最高のマーケティングは最高のプロダクトを作ること」と考えています。プロダクトの本質的な価値に気づいた顧客は、そのプロダクトを何度も使用するだけでなく、周囲の人にすすめ、それにより多くの新規顧客がプロダクトを使うという好循環が生まれます。

プロダクト改善のためには、明確な方向性を決めなければなりません。そのためには正確な指標を設計することが何より重要です。間違って設計された指標は、チームを突拍子もない方向に向かわせ、結局、プロダクトの本質的な価値を誤解し、より多くの顧客を満足させられない結果をもたらすことがあります。 

North Star MetricとKGI、KPIの違い

NSMの位置付け

North Star Metricは図のように、KGIとKPIの間に設定する指標です。

North Star Metricが長期的視点で、顧客成長を導き出すための指標だということは分かりましたが、 KGI(Key Goal Indicator:経営目標達成指標)、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)といった似たような言葉が既に存在し、これらの方が一般的に広く使用されています。何がどのように異なるのでしょうか?それぞれ解説します。

KGIは最終目標であると言えます。一般的には売上高や利益率などがKGIとして設定されます。

KPIは目標に対する達成度を評価する指標です。KGIを達成するために実施されている施策が適切かどうかを評価します。また、売上や利益率などのKGI、それを支えるためのKPIは企業視点でしか設定されません。

North Star Metricは顧客を中心に考え、顧客視点を取り入れ、顧客満足度を高めるための指標である点が大きく異なります。

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North Star Metric設計のポイントと具体例

プロダクトによって提供するサービスが異なるように、North Star Metricもプロダクトによって異なる設計が必要です。

この点、North Star Metricを設計する過程は、顧客が製品やサービスの価値を実感した瞬間(アハ・モーメント)を探す過程とも言えます。 顧客がサービスに留まり続けるようにするアクションを正確に把握できれば、それがまさに効果的なNorth Star Metricです。

例として有名サービスのNorth Star Metricをご紹介いたします。

各種有名サービスにおけるNorth Star Metricの具体例

先に述べたように、企業のビジネスモデルの核心は誰が何と言っても「顧客」にあります。North Star Metricは、顧客が私たちのサービスを通じて、価値を得られる行動が何なのか、理解をもとに選定しなければなりません。つまり指標を追跡しながら顧客にできるだけ影響を与えなければなりません。

このような側面から見て「DAU(Daily Active User)」や「加入した会員数」は良いKPIではありません。こういう指標は、それ自体はプロダクトについて顧客が感じる価値について語ってくれませんし、チームが顧客の感じる価値と関係のない指標をNorth Star Metricに設計すると、ビジネス自体が間違った方向に向かう可能性があります。

そしてNorth Star Metricの重要ポイントは、未来の成功に対する先行指標として作用しなければならないということです。

上述のように、月間売上やARPU(Average Revenue Per User:アープ、1ユーザーあたりの平均収益)などの後行指標では、プロダクトが及ぼす影響について予め情報を知らされません。

これらの指標は将来の収益に対する予測よりも、過去にどんなことが起きたのかを教えてくれます。 先行指標であればあるほど、将来により多くの影響を及ぼすことができます。

North Star Metricを設定するための手順をまとめた資料を、以下からダウンロードいただけます。

 ユーザーの行動を理解してこそ、良いNorth Star Metricを見つけることができる

「加入後10日以内に7人の友達を追加したユーザーの数」というFacebookの設計からも分かるように、良いNorth Star Metricを見つけるためには、最初にお客様の行動を理解する必要があります。

一般的にはユーザー行動分析ツールなどを用いるケースが多く、例としては3000社以上が導入している行動分析ツールであるAmplitudeのコホート機能などを用い、ユーザの行動を単位ごとに細かく区切った詳細なデータ分析が可能となり、お客様の行動を正しく理解することができます。

Amplitude Funnel Analysis
Amplitude Funnel Analysis

また、Amplitudeを活用すると、このようなデータ分析をリアルタイムで素早く楽にすることができるため、データ分析に対する高いレベルの知識がないマーケッターやデザイナー、エンジニアもデータを見ながらプロダクトの改善に力を注ぐことができます。素早い仮説設計と検証が可能なため、グロースハッキングにとても役立ち、国内外で3000社と多くの企業が活用しています。

Amplitudeについて詳しく知りたい方は、こちらより資料のダウンロードが可能です

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