時代とともに消費者の行動が変わる中、マーケティング担当者が顧客満足度を高めるためには、ユーザーのインサイトに沿ったアプローチを適切なタイミングで行う必要があります。マーケティングオートメーション(MA)ツールが普及している昨今では、Webサイトやアプリからユーザーの行動ログを収集し、行動データに基づいたコミュニケーションを行うことが当たり前になってきました。
しかし、日々蓄積される膨大なデータを基にOne to Oneマーケティングを実行するためには、まだまだ多くのハードルがあります。
その一つとして、様々な条件を掛け合わせ、キャンペーンに最適なターゲットセグメントを作成する作業においては、多くの方が苦労されているのではないでしょうか。
MoEngageの自動セグメント機能を利用すると、顧客行動の理解や予測、ターゲットセグメント作成がわずか数回のクリックで完了するため、今までにないスピードでOne to One マーケティングを実現することができます。
この記事では、顧客行動を予測し自動セグメントを作成できる、MoEngageのプレディクション機能についてご紹介します。
MoEngageとは
MoEngageは、AIを活用した高度なパーソナライズ機能が多数搭載された、アジアNo.1*1【G2 Spring 2023】で「Mid-Market&Small Business Market Leader」を獲得(アジアエリア)のカスタマーエンゲージメントツールです。
アプリ/Web/メールなどのクロスチャネルシナリオはもちろん、自動セグメント作成や自動シナリオ最適化など、One to Oneマーティングを強力に推進する機能がノーコードで利用できることがMoEngageの強みです。
MoEngageについて
プレディクション(未来予測)機能とは
日々のマーケティング活動において、商品を買ってくれる人がわかったらどんなに良いかと感じたことはありませんか?
そんな要望を叶えるのが、MoEngageのプレディクション機能です。プレディクション機能は、AIがデータから顧客の行動を予測し、その傾向(高/中/低の三種類)に応じた予測モデルを自動で作成できる機能です。
プレディクション機能には、ボタンをクリックするだけでアクセスできる 3つの標準予測モデルが組み込まれています。
《標準予測モデル》
- 休眠予測(7日間にアプリやWebサイトを開かなくなる)
- アンインストール予測(2週間以内にアプリをアンインストールする)
- コンバージョン予測(7日間にコンバージョンする)
上記は標準予測モデルですが、予測する期間や条件は、柔軟に変更できます。
また、予測内容も、自社の業界やサービスに合わせて柔軟にカスタマイズすることができます。
《カスタム予測モデルの例》
- 通知を開封する顧客
- 次回のセールで購入する顧客
- 特定の商品を購入する顧客
- 支払いにローンを必要としている顧客 等
次の章では、プレディクション機能の予測モデルを使ったキャンペーンのユースケースを見てみましょう。
ユースケース
例えば、ECのマーケティング担当者が、新商品を割引価格で販売するクーポンを配信するとします。この場合、どのようなセグメントに対し、どれくらいの割引率が最適なのでしょうか。
Step1 予測モデルの作成
まずはプレディクションを使って、新商品を購入する可能性がある顧客を予測してみましょう。設問に対する傾向ごとに、以下のような顧客セグメントが形成されます。
Step2 仮説立案~施策の決定
予測セグメントをもとに、仮説を立てて割引率を設定していきましょう。このケースにおいては、以下のような仮説を立ててみます。
・傾向が高い顧客は無理に割引をしなくても購入する →新商品購入のお知らせを配信 ・傾向が低い顧客は大幅な割引を必要としている →高い割引率を設定(30%) |
さて、このキャンペーンはどのような結果になるのでしょうか。
Step3 効果検証(CV率/売上/費用/ROI)
-CV率
キャンペーン終了後に、効果検証を行ってみましょう。下図のようにCV率は、購入する傾向と比例する結果となりました。
-売上
次に、売上金額は購入する傾向と反比例する結果となりました。下図の通り「傾向が高い」セグメントが、最も売上が低くなっています。
売上のみに注目すると「傾向が低い」セグメントに注力したマーケティング活動を行った方が良いと読み取ることもできます。
しかし、施策が効果的だったのかを判断するためには、以降で解説する費用やROIも併せて見ていきましょう。
– 費用
キャンペーンで発生した費用=割引額を加味した表は以下の通りです。当然ですが、割引率を高く設定した「傾向が低い」セグメントの費用が、他のセグメントに比べて費用がかさんでいます。
-ROI
最後に、総合的なROIを評価してみましょう。「傾向が高い」セグメントのROIが突出しており、「傾向が低い」セグメントのROIと比べて大きく差が開いていることが分かります。
以上の結果から、「傾向が高い」セグメントはキャンペーンで割引をしなくても、新商品を購入いただけることが分かります。今までは一斉に割引クーポンを配布していたという場合に、プレディクション機能を活用することで、あえて割引をしなくても良いユーザーを見分けることが可能となります。
また、キャンペーン効率が最も低い「傾向が低い」セグメントは、大きな売上を作り出すポテンシャルを持つ一方で、過度なキャンペーンを行うと収支を悪化させるリスクがあります。
まとめ
ご紹介したユースケースでは、売上を重視する場合は「傾向が低い」セグメントに対するキャンペーン、ROIのバランスを重視する場合は「傾向が高い」セグメントに対するキャンペーンが有効であることがわかりました。この結果から見て取れる通り、予測モデルを活用すると、一つのキャンペーンにおいても、今までにないアプローチでKPIの向上を狙うことができます。
今回ご紹介したプレディクションのような、未来を予測し戦略立案を行う手法は「プレディクティブマーケティング」といわれ、近年注目されているマーケティング手法の一つです。
顧客行動の予測ができれば、潜在的なニーズを先読みし、顧客の状態に合わせたマーケティング施策を行うことができます。
プレディクション以外にも、MoEngageにはプロダクトやサービスのグロースに欠かせない、AIを活用した最新機能が多数搭載されています。MoEngageについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひDearOneまでお問合せください。
*1 | 【G2 Spring 2023】で「Mid-Market&Small Business Market Leader」を獲得(アジアエリア) |
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