広告運用を担当する多くのマーケティング担当者から、「広告の『量』(クリック数やインプレッション)は追えても、その先にいるユーザーの『質』(流入後どのような行動をとっているのか)までは、十分に把握しきれていない」という課題をお聞きします。
近年、デジタル広告の効果を最大化するためには、ただ単にインプレッション数やクリック数を追うのではなく、流入するユーザーの質に基づいたデータ分析と最適化が重要視されています。
本記事では、広告の質を追うために適したユーザー行動分析ツール「Amplitude」を活用した広告最適化の考え方や、具体的な活用方法についてご紹介いたします。
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広告配信評価における課題
Google広告、Meta広告など、マーケティング担当者は多様な広告配信チャネルを活用して集客を行っています。また、検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、リターゲティング広告など、広告の種類も多岐にわたります。
これらの広告配信では、主にクリック数、インプレッション数、コンバージョン数、CPAといった流入に関するKPIが指標として用いられることが一般的です。
しかし、企業にとって本当に価値のある広告チャネルや種類を評価するためには、広告から流入したユーザーがその後アプリやサービスに定着したのか、継続的に利用しているのかなどの「流入後の行動」まで追う必要があります。
ただ、実際には以下のような課題から難しいという声も多いのも事実です。
- 広告側とサービス側で持つデータが分断されている(流入に関するKPIのみを追っているため、質の低いユーザーばかりを集めている可能性に気づけない)
- KPI設定が十分できていない(流入に関するKPIのみを追っているため、質の低いユーザーばかりを集めている可能性に気づけない)
- 分析に必要なリソースやスキルが不足している
この記事では、「広告側とサービス側で持つデータが分断されている」という課題に対して行動分析ツール「Amplitude」を活用した広告最適化についてご紹介していきます!
広告流入ユーザーの行動分析による最適化
AmplitudeはAdjustやAppsFlyerなどのアトリビューション計測ツールと連携することで、広告の効果をより深く評価することができます。広告を活用したアプリの集客施策を例に、どのような分析ができるようになるのか詳しく見ていきます。
この場合アトリビューション計測ツールでは、以下の指標を計測します。インプレッション数やインストール数などの流入に関する指標から、会員登録率や購入率などの売上に関する指標をもとに、各広告配信チャネルの成果を測定することが可能です。

これだけでも十分な計測と感じるかもしれませんが、Amplitudeを組み合わせることで、アプリインストール以降のユーザー行動をより詳細に把握・分析できます。

初回起動後のページ閲覧、会員登録後のお気に入り登録、カート投入、購入完了といったユーザーの詳細な行動まで追跡することができ、流入ユーザーのロイヤリティやLTV(ライフタイムバリュー)といった“質”を把握することができます。
Amplitudeとの組み合わせで確認できること
前述したように、アトリビューション計測ツールで流入の”量”、Amplitudeで流入の”質”の把握が可能になり、広告配信チャネルごとに流入ユーザーが本当に価値あるユーザーかの確認が可能です。

これにより、ロイヤルユーザー(継続率や購入金額が高いユーザー)の獲得に貢献しているチャネルに広告予算を投下するなどの最適化が図れます。
流入ユーザーの行動に基づいた広告最適化の例
流入ユーザーの行動分析から見えてきた行動傾向から、広告種類の最適化を図るための取り組みの一例をご紹介します。
アドネットワーク広告流入ユーザー
以下は、アドネットワーク広告流入のユーザーの行動傾向を分析し、アドネットワーク広告の利用用途や精度を高めるための工夫例です。
これまで、セール時や新着商品リリースなど特にシーンを決めずに配信していた広告を、ユーザーの利用用途に合わせた配信内容に変えるなどの取り組みが考えられます。
行動傾向 | 広告の利用用途 | 最適化のための工夫 |
---|---|---|
セール時によく購入する | セール時の配信媒体として利用 | ・セール時のターゲティング強化 過去にセール購入をしたユーザーをターゲットにした広告を出し再購入を促進 ・セール専用バナーやキャンペーン広告 特別な割引を強調するバナー広告を使用する |
リスティング広告流入ユーザー
以下は、リスティング広告流入のユーザーの行動傾向を分析し、広告の利用用途や精度を高めるための工夫例です。
ユーザーの行動傾向として大きく2つが挙げられ、それぞれの行動傾向に合わせた配信内容や広告種類の選定し直す取り組みが考えられます。
行動傾向 | 広告の利用用途 | 最適化のための工夫 |
---|---|---|
新着アイテムをよく購入している | 新着アイテムの販促媒体として利用 | ・「新作」「トレンドアイテム」のキーワードを活用 最新の商品に興味を持つユーザーにアプローチ ・特別な割引・セール情報を盛り込んだ広告 「新作10%OFF」といった特典を加えた広告を出す |
初回購入後、ほぼ戻って来ない | リターゲティング広告を活用 | ・次回利用のインセンティブ提供 「次回購入で使えるクーポン」や「ポイント還元」を提示 |
行動傾向の把握は、最適な広告媒体・種類の選定だけではなく、精度の高いターゲティングやより刺さりやすい広告クリエイティブの作成につなげられます。
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広告最適化に寄与するAmplitudeの便利機能
Amplitudeは、ユーザーの行動データを基に広告最適化に役立つ多くの強力な機能を提供しています。その中でも特に注目なコホート連携と予測分析機能をご紹介します。
コホート連携
Amplitudeのもう一つの強みは、分析結果から素早くコホート(ユーザーセグメント)を作成し、広告配信チャネルのターゲティングに活用できる点です。

例えば、以下のような活用ができます。
- 初回購入後に購入がないユーザーへのリターゲティング
初回購入後、再度購入しないユーザーに対してリターゲティング広告を配信し、再度購入を促すことができます。初回購入後の離脱を防ぎ、より高いLTV(顧客生涯価値)を実現します。
- 特定のカテゴリーの商品を閲覧したが購入しなかったユーザーへのターゲティング
直近1ヶ月以内に商品カテゴリーを閲覧したユーザーに対して、再度そのカテゴリーの商品をリマインドする広告を表示することができます。例えば、「あなたが興味を持ったスポーツ用品が今だけ割引中!」など、特定の商品への関心を再度引き出し、購入を促すことができます。
Amplitudeでは、これらのセグメントを広告配信プラットフォーム(Google広告やMeta広告など)と連携させることができ、実際に広告ターゲティングに役立てることができます。
予測分析
Amplitudeはすでに蓄積されたユーザー行動データをもとに、AIを活用した予測分析も行うことができます。
【主な予測モデル】
- ユーザーの解約予測:アプリやサービスを離れるリスクが高いユーザーを予測
- ユーザーの購入予測:購入する可能性が高いユーザーを予測 など
Amplitudeでは、予測分析に該当するユーザーのコホートを作成し、広告配信チャネル
への連携も可能です。例えば、解約の可能性が高いと予測される上位30%のユーザーのコホートを作成し、広告配信チャネルへ連携することで、特別な割引や個別化された施策で定着を目指す施策のターゲティングに活用できます。

Amplitudeの予測分析は、機械学習や統計的手法を駆使して、高精度で予測を行います。その結果、成果につながる可能性が高いユーザーをターゲティングでき、広告費の最適化を目指せます。
最後に
Amplitudeは、すでに会員になったユーザーの行動分析を通じて、定着率やLTV(顧客生涯価値)の向上を目指すツールとして広く認識されています。しかし、本記事でご紹介したようなアトリビューション計測ツールや広告配信ツールと連携させることで、流入(広告)の最適化も図ることが可能です。
行動分析と聞くと「難しそう」と感じる方も多いかもしれませんが、Amplitudeにはマーケティング担当者自身がノーコードで高度な分析ができるチャートが用意されています。
Amplitudeの豊富な機能や実際の活用事例にご興味をお持ちの方は、以下から各種資料をダウンロードいただけます。(無料)
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