AmazonGOなど新決済方式コンビニの進化に注目【DXニュース】vol.8

2021.11.22

今回取り上げるニュースは、アメリカ・シアトル 無人コンビニ“Amazon Go”の今。レジ決済不要の利便性と課題。それでは、はじめましょう!

AmazonGOの今と、日本のレジ決済不要コンビニの登場

三石所長(当時。以下、三石) 「DXニュース」第8回です! 今回のニュースは、アメリカ・シアトル 無人コンビニ「Amazon Go」の今。レジ決済不要の利便性と課題ですね。ニュースプレゼンターの河野さん、よろしくお願いいたします!

河野恭久さん(以下、河野) よろしくお願いします!

河野 今回取り上げるAmazon Goは、入店時にアプリをかざして、店内に入った後は好きな商品を取り、そのまま会計せずに店外に出ると、自動で決済されるという店舗です。

三石 以前、だいぶ話題になりましたけど、コロナの影響か、情報が途絶えていた印象があります。

河野 そうなんですよ。そのなかで今回、改めてAmazonGOについて記事にされていた方がいて、今年(2021年)10月4日に訪問した時のレポートも載っていました。さて、まずは僕の視点からまとめた注目ポイントをご覧ください。

Amazon GO注目ポイント

河野 Amazon Goは究極の「キャッシュレス決済」店舗で、欲しい商品を持ったままお店を出た後にアプリに「レシート」が表示されます。無人でどんどん商品を取っていける体験自体が凄いと言われますが、僕は退店後にちゃんとアプリにレシートが来るのが“リアル”な感じがしましたね。今後、僕らの消費行動にさらに入ってくるだろうな、来そうだな、という感覚を抱きました。

三石 はい、きっとそうでしょうね。

河野 改めて、Amazon Goは、店内に設置された複数のカメラのAIや、赤外線や重量などのセンサーで顧客をトラッキングしています。日本でも「TOUCH TO GO」や「KINOKUNIYA Sutto」など、同様の無人コンビニが出はじめていますね。

三石 TOUCH TO GOはJRの高輪ゲートウェイ駅内にある無人コンビニですね。

TOUCH TO GO
高輪ゲートウェイ駅にある無人AI決済コンビニ「TOUCH TO GO」(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000057612.html

河野 この記事は最後に、無人だと万引きの危険性、他人の盗難スマホで勝手に決済されるリスクがある……というような余計なことが書いてあって。「DXは凄いけど、課題がある」という記事、よく見ますよね。でも、僕としては他人の盗難スマホで勝手に決済するのは、財布盗んで現金使うのと一緒だから、「今更何言ってんだろう?」と思います。

三石 そうですよね(笑)。

河野 むしろ、スマホって盗まれてもロックかかっていて簡単に使えないから、誰でも現金が抜き取れちゃう財布より安全だと思うんですよね。DX関連の各記事はもちろん日々チェックしていますが、無駄に危機感煽ってほしくないなと思います。

三石 安全性ももちろん大事ですけれど、どちらかと言うと今後のキャッシュレス決済の進化と、そのメリットに注目していきたいですよね。

購入履歴のデータ化は企業側にもユーザー側にもメリットが多い

購入履歴

三石 僕個人の体験から、Amazon Goについて思うことがあります。たとえばユニクロの実店舗でアプリを使って買い物をしたときに、改めて購入履歴を見ると「10月25日に、あなたは銀座店でこのフリースを買いました」と出てきますよね。

河野 ああ、出てきますね。

三石 僕はいつも、何を買ったか忘れちゃうことが多いから、購入履歴がクラウド上で残るのはユーザー体験的にありがたいんですよ。たとえば「あの時の洋服のサイズがちょうどよかったから、同じサイズのものを買おう」と思ったら、すぐに購入履歴を調べることができて、前に買った洋服のサイズを知ることができます。一方、紙でレシートをもらっていても、既に捨てているなど手元にないことが多い。データで購入履歴が残るのは、企業側がユーザーの興味関心を把握するだけじゃなく、ユーザー側の利便性から考えてもメリットですよね。

≪三石所長(当時)`s Memo≫

購入履歴が紙のレシートではなく、アプリにデータで残ることは、企業側だけでなく、ユーザー側にも利便性のメリットがある。

河野 まさに、そういう記事を書いてほしいですよね(笑)。レシートの電子化みたいな話が多いですけど、そうじゃなくて、三石さんの体験談のような「データならではの利便性」にスポットを当ててほしいです。

三石 それで言うと、僕が最近「Amazon凄いな」と思ったのは、ECで買った後、アレクサが「1週間前に買ったスマホケースどうでしたか、5段階評価で教えてください」と言ってくるんですよ。だから「5」とか言うと、そのまま評価を入れてくれる。この流れはユーザーのリアクションを吸い上げやすいですよね。

河野 それは凄いですね。

三石 ユニクロは3日後ぐらいにアプリ通知が来ますね。「3日前に買ったトランクスどうでしたか」「お店の状態どうでしたか」と。ちょうど初めて着てみた日の次の日とか、絶妙なタイミングで通知が来るので、つい「よかった」とか押してしまいますね。

河野 ウーバーイーツも通知来ますけど、来るのは当日ですね。回答しないと翌日にまたプッシュ通知が来て。

三石 そうやって顧客にとってちょうどいいタイミングでタッチポイントを設けるのは、大事な施策ですよね。僕たちDearOneが提唱している「データ活用の4Step」で考えると、顧客にとってちょうどいいタイミングで各顧客に合わせた施策を行うためには、まずデータを「ためる」そして「整える」ことが必要ですよね。EC・オフラインの店舗もどちらも利用する方が多い今、どこで購入した場合でも購入履歴を一元で管理できることが、企業側には求められていますね。

データ活用の4Step

中国では2時間で売上3億円! 日本のライブコマースの進化はこれからに注目

ライブコマース

三石 コマースの話に関連して、今はとにかく「ライバー」が来ていますよね。ああいう子達は“個人ジャパネットたかた”というぐらい“売る力”が増大していて。それを商いにする方々も増えています。

河野 そうですね。ただ、日本では企業がライバーを束ねて何かしようと色々取り組んでいますが、全く流行らないですね。

三石 そっちは流行らないですね。個人は凄いのに。

河野 だからライバープラットフォームだけが進化して、商用利用はオプションでついてきて、ようやく流行りはじめた感じですね。

三石 そうですね。

河野 中国は日本よりもライブコマースが進んでいて、中国ナンバーワンのライブコマースプラットフォーム「Mogujie」は2時間で3億円売れたらしいですよ。素人っぽい感じのライバーにオーディエンスが「それ着てみて」とリクエストすると、そのライバーがその場で着てみて感想とかも言ってくれて。それを見て「欲しい」と思ったらそのまま買えるシステムになっていますね。

≪三石所長(当時)`s Memo≫

ライバープラットフォームの進化に注目。とくに中国では莫大な売上を上げているが、日本での発展はまだまだこれからに注目。

三石 そのシステム、ぜひDearOneのクライアントにも利用いただけるようにメニュー化していきたいですね。アパレルの他にも、化粧品とかも相性がよさそうです。

河野 そうなんですよ。実際に、うちのクライアントからも「ライブコマースやりたい」という声も出ていますね。そのためにはUXを意識することが絶対的に重要と思っています。ライブ配信画像の右上に商品画像が出て、タップで即買える、みたいな世界にならないとうまくいかないでしょうね。今の日本の主要なSNSではECサイトに遷移させて…となっていますが、そうじゃないほうがよくて。

三石 そうですよね。既にTikTokとShopifyを繋ぐサービスはあるみたいですよ。これからどんどん来ますよね。

河野 ライバー、やりたいんですよね。興味あるんですよ!

―――次回の【DXニュース】では、「ローソンが今、進めている“DXの全貌”」について、河野さんが解説していきます。ぜひお楽しみに!

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