2023年9月14日(木)データレイクハウスアーキテクチャと AI の企業であるDatabricks(データブリックス)社が、「データ活用」「AI/ChatGPT」「人材」をテーマにカンファレンスを開催。
東京都港区のANA インターコンチネンタルホテル東京にて開催された本イベントに、グロースマーケティングメディアも取材に伺いましたので、一部速報レポートいたします。
基調講演では、データブリックス・ジャパン株式会社 代表取締役社長 笹氏が登壇。いよいよAIの時代に突入した現在は第四次産業革命と例えられており、今後はデータとAIが革命を起こしていく、自社のデータ活用に加え外部データやAIを組み合わせることのポテンシャル、データを民主化し過去のデータからさらに未来のデータやログデータなど収集するためにデータレイクが大変重要であると述べました。
ゲストにソフトバンク株式会社、CCCMKホールディングス株式会社、AGC株式会社がそれぞれ登壇し、各社のデータ基盤、AI基盤の変遷やデータ&AI人材の現状を踏まえながら、「データ活用」「AI/ChatGPT」「人材」をテーマに事例や今後の業界の展望についても語られました。
基調講演の模様はTECH+さんで詳しくレポートされておりますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
タイムテーブルは写真の通り、数多くのカスタマーセッションや15社からなるパートナーセッションなど、たくさんのセッションと参加者で賑わっていました。
その中でも、グロースマーケティングメディアの運営会社 株式会社DearOneがゲスト登壇したセッションについて少し抜粋してご紹介したいと思います。
真のSingle Source of Truthを実現するためのData Platform の利活用とAI Driven Sales & Marketing 施策の実現
本セッションは「真のSingle Source of Truth を実現するためのDataPlatform の利活用とAI Driven Sales & Marketing 施策の実現」をテーマに、株式会社DearOne 代表取締役社長 河野 恭久氏、株式会社MILIZE 代表取締役社長 兼 CEO 田中 徹氏、データブリックス・ジャパン代表取締役社長 笹俊文氏の鼎談です。
笹氏の前職でのSalesforce Marketing Cloudの立ち上げなどで得た知見を踏まえ、データブリックスのプラットフォームが今後どのようにデジタルマーケティング、CRM に生かされAIが利活用されるかを掘り下げました。
前半MILIZE社とは、Salesforce などのCRM/SFA データ+3rd Party データを統合してGenerativeAI をどう活用すべきかなど、Data+AI Platform であるデータブリックスを中心に先進的な取り組みについてディスカッション。後半DearOne社とは、データブリックスをCDPのデータソースとして実現する「Composable CDP」の可能性についてをテーマにディスカッションしました。
新しいコンセプト Composable CDP(コンポーザブル CDP)
DearOne 河野|
データの一元化を実現するための新しいコンセプトであるComposable CDP(コンポーザブル CDP)は現在欧米で流行しているツールで、CDP(Customer Data Platform)とは企業の持つ全てのデータを一元管理するDWH(データウェアハウス)です。そこから顧客管理及びマーケティングに使いたいデータを抜き出して同期をしたり分析をしたり、マーケティングに活用するという大変便利なものです。
従来型のCDPは、主だった機能がパッケージになっております。代表的なものでいうとストレージ=そもそもデータを入れる箱があります。オーディエンスビルディングと呼ばれるセグメントを切る機能やIDを発番したり統合する機能、データシンクと言うMAツールに同期したり連携したりという機能です。
従来のCDPの課題
DearOne 河野|
従来のCDPの課題としては、まず導入期間が長期かかります。
企業が持つデータがDWHに全て入っていて、それをCDPで使うために「データを連携して同期するためのAPI」を新たに開発するという工程があり、開発を伴うということは、その後にそれが正しく動作するかというテストも必要になります。データサイエンティストが見たいデータが本当に分析できるのかなど、諸々の最終的なテストまで含めると、おおよそ半年ぐらいかかるという課題がありました。
さらにコストがかかります。DWHにそもそもデータがあるにもかかわらずCDP側にもデータがあるのでそこは二重にコストがかかります。
さらにDWHとの同期問題です。常にDWHに一番多くデータがある中で、DWHと同期していないと分析したりマーケティングができません。例えば、データベース側でデータの持ち方が変わったとか、項目が増えたとか色々な変化が起こりますが、その度にCDP側に対しても新たにAPIを開発するとか新たに設定が必要など、この同期をするということは結構な課題です。
最後に、柔軟性です。CDPはパッケージ型なのでCDP側のルール(データモデル)に則る必要があるというケースがほとんどです。そのため、常にそれに合わせなくてはならない部分が柔軟性に欠けるという課題でした。
それに対して、今北米を中心にかなり注目を集めているのがComposable CDPというもので、CDPの機能を分解してそれぞれ使いたい機能を使えるようになっています。具体的には、このスライドの通りデータストレージは既存のDWHを使えば良いのでCDPを使う必要がなくなります。それ以外の機能に関しては、使いたいものをComposable CDP上から使えるようになります。
そうしますと、DWHがストレージとなってそこのデータを参照していきますので、先ほど課題に上がったデータの二重管理やコストの問題などが全て解消されます。
さらにComposable CDPからAdやMAツールへの連携もできますので、DWHがCDPになるというようなツールです。
Composable CDPが従来のCDPと何が違うかまとめますと、まず導入が非常に早いです。そもそも、DWHが元々あってそこのデータを直接使うため新たに開発するAPIなどが存在しませんので数日〜数週間で導入が可能です。
次にストレージが不要なので安価です。DWHのものを使いますのでコストも二重になりません。さらにDWHとの同期ができ、DWHを直接参照していきますから新たな設計開発が不要になります。
最後に柔軟性。既に利用してるDWHにデータを見にいきますので、そこに新たな変化があったとしてもComposable CDPであれば直接利用できます。
北米で人気のComposable CDP『Hightouch(ハイタッチ)』
DearOne 河野|
株式会社DearOneは、北米で人気のComposable CDP『Hightouch(ハイタッチ)』の日本初リセラーパートナー*12023年7月4日時点 プレスリリースで既に販売を開始しています。
Databricsも連携しているということですが、DatabricsとHightouch(ハイタッチ)を組み合わせた時、スライドの通りForward ETLよりデータがDatabricsへ収集され、Hightouch(ハイタッチ)がReverse ETLとして150以上の分析・CRM・MA・広告ツールへ連携します。ユーザーは簡単なGUI操作で連携が可能で、Hightouch(ハイタッチ)とDatabricsを組み合わせればより柔軟に、コストも抑えて良い環境が構築できるようになります。
Hightouch(ハイタッチ)について詳しくはリンク先をご覧ください。
関連リンク
https://register.dataaisummit.com/flow/db/dawt23tky/mainevent/page/mainevent