この記事は、2022年6月30日に開催された『APACエリアNo.1のカスタマーエンゲージメントツール「MoEngage」日本上陸!』ウェビナーレポートです。
One to One マーケティングの重要性
DearOne 安田|
マーケティングメッセージは常に、「誰に」「何を」「いつ」送るかの組み合わせで作られており、同一内容の一斉配信ではなく、 One to Oneで「心地よいメッセージ」を届けることが顧客体験の向上へとつながります。
消費者をもっとも苛立たせているものについて調査を行ったところ、以下の結果が出ました。
一番上の「異なるチャネルで矛盾したメッセージをブランドが配信」は、例えばウェブとアプリからそれぞれお勧めされる商品が異なっている場合です。
3番目の「無関係のコンテンツや商品がオススメされる」は、一度も買ったことのないカテゴリーがオススメされたり、全く興味のないクーポンやプッシュ通知が送られてくることです。
ユーザーに不快感を与え続けると、ブランドのロイヤリティーは下がり、購入意欲も当然上がりません。企業やブランドからクライアントにメッセージを配信する際には、一人ひとりに合わせていることが伝わるように行うのが大切です。
しかし、実際に購買情報・アクセスログ・CRMといった別々のデータベースを紐づけてリスト化し、個別の文面および送るタイミングを決めてOne to Oneで「誰に・何を・いつ」という組み合わせを手動で実現しようとすると、パターンが爆発的に増えます。
そこでカスタマーエンゲージメントツールを活用することが非常に重要となります。
カスタマーエンゲージメントツールとは何か?
Dear One 齊藤|
One to Oneマーケティングを実践するためのカスタマーエンゲージメントツールは、BtoC向けのマーケティングオートメーション(MA)ツールです。これまではマーケティングの担当者がリードの獲得や育成に膨大なコストをかけ、手作業で都度CSVにアップロードしツールにインポートする作業を行っていましたが、MAツールでは全てが自動で行えるようになりました。
MoEngage , Braze, KARTE, Salesforce に代表されるBtoC向けカスタマーエンゲージメントツールを駆使することで、顧客に最適なタイミングで最適なアプローチを行い、見込み顧客の購買意欲を効率よく高められます。顧客一人ひとりに最適なマーケティングを行い、顧客との継続的な関係構築を目指すことが目的です。
一方、BtoBとBtoCではターゲットが異なるため、それに応じて必要な機能が異なります。
リード数
企業名や氏名、メールアドレス等の取得リード情報の数は、BtoCの場合、数万から1,000万にも上る顧客との接点を持つため、BtoBよりもかなり多くなります。そのため、いかに大規模配信をしながらアプローチを行えるかが一つの重要なポイントです。
アプローチの方法
BtoCの場合、実際に顧客とコミュニケーションを取るのは主にスマートフォンです。アプリ上のメッセージ配信やプッシュ通知、スマホ内メール、SNSを駆使して、電話やメールといった従来のBtoB向けツールではカバーしきれない膨大なチャネルをコミュニケーションに活用します。
カスタマーエンゲージメントツールでできることは?
パーソナライズな施策ができるか
ユーザーの商品購入履歴やアプリの利用頻度を用いて各ユーザーの特性を踏まえ、誰にどんなメッセージを送るのか、細かくセグメントを切って配信対象を決める項目です。
最適なチャネル選択ができるか
BtoBと異なり、BtoCでは様々なチャネルを駆使してメッセージ配信を行う必要があるため、状況に応じて選択配信できるのがカスタマーエンゲージメントツールの強みです。
最適なタイミングで行えるか
One to One施策とタイミングは密接につながっています。
顧客が商品を買いたいと思っているタイミングでクーポンが送られてくると、それがきっかけとなり店舗訪問が実現したりします。ユーザー行動に合わせて最適なタイミングでメッセージ送信を行えるのは、カスタマーエンゲージメントツールの強みです。
MoEngageについて
MoEngageは、パーソナライズされた施策展開により、より良いユーザー体験を提供する、APAC(アジア太平洋地域)で最も利用されているカスタマーエンゲージメントツールです。
デジタルマーケティング業界のGartnerやForrester等からも高い評価を得ており、機能的にかなり優れた、高度なマーケティングを実践できるプラットフォームです。また主要なセキュリティ認証およびGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則), CCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア消費者プライバシー法)にも対応済みであるため、セキュリティ面でも優れています。
すでに39カ国の多種多様な業界で1,000社以上が導入しており、ユーザーアプローチは800億配信/月を越えています。今年日本にも初上陸し、導入・運用が行われています。
MoEngageツールの主な特徴は3つあります。
- シナリオ設計によるマルチチャネルでの施策実行
- AIを活用した細かいセグメント設定
- 外部のBIやプロダクト解析ツール、CDPとのデータ連携
豊富な配信チャネルでOne to One マーケティング
MoEngageは、管理画面でメッセージの作成から配信までワンストップで実施できるツールです。アプリからSNSまで様々なチャネルを駆使し、単にメッセージを配信するのみならず、誰に送るかのセグメント設定や、そのセグメントを作るための条件も、AIの機械学習やユーザー条件自動抽出により生成可能です。
高度なマーケティングを実施する際に必要な、SQLを書いてユーザー行動条件や属性を抽出しリスト作成する手間は、MoEngageでは一切不要です。GUI上でユーザー行動や条件指定を行うだけで簡単に高度なセグメントを作成することができます。
そのためエンジニアに依頼せずとも、マーケター自ら配信対象セグメントを作成し、メッセージ配信を実現することが可能なツールです。
モバイルでの配信
「プッシュ通知」、ポップアップと呼ばれる「アプリ内メッセージ」、フィード形式でユーザーに送られる「Cards」、送られたメッセージがメール受信箱のようにたまり、過去の通知を見返せる「App Inbox」が実際に配信可能なチャネルです。
外部ソリューションとの連携
「Eメール」「SMS」、アプリ上を訪れたお客様をfacebookを使ってターゲティングし、facebookで広告を打つ「リマーケティング広告」、ECサイトで購入されたお客様に対しLINEやWhatsAppで御礼メッセージを送る「ソーシャル」、そしてサイト上のお困りごとに対して電話で対応する「コールセンター」とも連携しています。
PC Webでの配信
スマートフォンに限らず、Webでも様々なチャネルに対応しています。主に3つあります。
1. パーソナライズ化されたランディングページ
Webページを訪れたユーザーに合わせて、興味・関心を呼ぶコンテンツの出し分けが重要です。MoEngageの取得情報をもとに、例えば映画のSFジャンルが好きな人に対してはSFがトップに出るよう調整を行います。
2. Webプッシュ
Web上の基礎的なプッシュ通知を実践します。
3. ポップアップ/リード獲得のためのアンケート入力フォーム
アンケートにご協力頂いた方に対しクーポンやインセンティブを提供する形で、サイト上でPOPアンケートを出し、ユーザーの回答や情報を収集することが可能です。
フロー機能:シナリオ設計に基づいた配信
ただ単にキャンペーンを送るだけではなく、ユーザーの行動条件に基づいて様々なチャネルを駆使しながら配信を実現するのがフロー機能です。
配信条件として、例えばユーザーを復帰させるためのシナリオを描きます。
過去1週間で一度もアプリ起動をしていないユーザーを復帰させると定義づけ、実際にメッセージを送ります。まず一発目はプッシュ通知で、キャンペーンを行うのでアプリ起動して使ってみませんか、という働きかけを行います。
次に、送ったプッシュ通知を開封したか否かで、メッセージの出し分けをします。開封した人には2回目以降のお知らせをプッシュ通知で送り続け、開封しなかった人には例えばメール配信に変えてみます。
様々な異なるユーザーの行動条件に合わせて、一番開かれやすい、反応の良いチャネルは何かということを、ABテスト等によって探っていけるのが、フロー機能の特色です。
Q&A
安田|
位置情報を使用してプッシュ通知の条件を絞るということですが、エンゲージメントツールに他のソリューションを連携させないと位置情報を取れないイメージがあります。
MoEngageは単体で位置情報が出るのですか。
齊藤|
はい、可能です。MoEngageには標準機能としてGeofenceを設置しプッシュ通知を配信する機能が備わっており、追加料金を払ったり他のソリューションと連携する必要がありません。
安田|
位置情報のデータ自体は、例えば自社のオウンドアプリから吸い上げて、それをMoEngage上で条件設定に使っているのですか。
齊藤|
iOS やアンドロイドのOS側で、位置情報を取得するか否かを自ら許可するようになっているため、OS側で取得している位置情報をMoEngageで活用し、実際に配信を行っています。
安田|
UIの日本語対応予定はありますか?
齊藤|
MoEngageは今年度から本格的に日本進出を始めたため、どれだけ日本の方々にお使い頂けるかによって日本語化の目途は立つと思います。
安田|
コンバージョンの画面でイベント設定を行いますが、そのコンバージョンイベントは事前に設定しているのか、それとも元々MoEngageにデフォルト設定があるのでしょうか。
齊藤|
デフォルトで取得しているデータと、自ら設計して追加してイベントを取るという2種類があります。アプリの起動では、基本的にアプリの一連の動作でデフォルト取得するものになっているので、自らデータ取得のための追加設計は必要ありません。
一方で、好きなECサイトから商品購入をしたり、特定のカテゴリーの商品を購入したというところは、お客様のサービス・アプリによって異なるため、実際にどのイベントでコンバージョンを取るのか逆算しながらデータ取得する設計は行う必要があります。
安田|
それはMoEngageの設定ですか、それともMoEngageに入れる前の設定ですか。
齊藤|
基本的にはMoEngageに入れる前に、どのようなキャンペーンを行いたいのかヒアリングし、その実施・効果検証に必要なデータを導入前に一通り設計します。
安田|
MoEngageを利用する上で、日本で利用できない機能はありますか。
齊藤|
全ての機能が日本で利用可能です。
安田|
自社のアプリにMoEngage用の必要なタグを組み込むことで、これらのサービスが実装されるという理解で良いですか。
齊藤|
イベントタグの、タグを書くウェブやアプリのページに埋め込んで、実際にそこからデータ集計して施策に活用したり、効果検証を行えます。
安田|
デフォルトとカスタマイズのイベントがあるという話ですが、デフォルトのイベントとは、アプリにMoEngage SDKを入れておくと勝手に取得されるのでしょうか。
一方でカスタマイズのイベントを作る際には、自らタグ設計して、タグをウェブサイトやアプリに入れるとMoEngageに吸い上げられるイメージでしょうか。
齊藤|
仰る通りです。
安田|
MoEngageを使いこなすまでにラーニングが必要と思いますが、サポート体制について詳しく教えて下さい。
齊藤|
弊社はMoEngageツールの販売だけでなく、ツール導入後の支援や勉強会の実施、キャンペーン実施に向けた設定周りをお手伝いしています。
実際にお客様の方でMoEngageを使いこなせるようになるまでサポートを行い、必要に応じてその後の運用支援まで継続して全面的にサポートいたします。
安田|
本日はご清聴ありがとうございました。
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MoEngageからのメッセージ
スピーカー
株式会社DearOne
グロースマーケティング部 エクスペリエンスユニット 齊藤 亘平
同志社大学商学部を卒業後、デジタルエージェンシーにてインターネット広告の運用やWebのUI/UXデザインに従事。 2020年にDearOneに参画してからは、マーケティングオートメーションやカスタマーエンゲージメントツールを使ったサービスのグロースハック支援・コンサルティングを実施。
株式会社DearOne
セールスデザイン部 ゼネラルマネージャー 安田 一優
岐阜県出身。パソコン販売店店長、ITエンジニア、ITインフラSIerのマーケティングを経て、2020年よりDearOneに営業企画として参画。転職をするたびに職種が変わるという経歴。DearOneではインサイドセールス、パートナーアライアンス、マーケティングなどを担務。中小企業診断士資格保有。副業でマイクロソフトACCESSの受託開発を行う。