インタビュー調査とは?種類・進め方・コツ・メリットを解説

2023.08.24

現代の競争激しいビジネス環境において、企業の成功は顧客の心をつかむことにかかっています。ここで重要なのは、データだけでは読み取れないユーザーの生の声やニーズを敏感に把握することで、それらを反映したマーケティング戦略を展開するためには定量調査だけでなく、定性的なデータを収集する手法である「インタビュー調査」の活用が欠かせません。企業はこのインタビュー調査を通じて、自社のプロダクトやサービスの新規開発や販売戦略に不可欠な情報を得ることができます。

デジタルマーケティングの領域においても、インタビュー調査の重要性はますます高まっています。なぜなら、デジタル化が進む現代社会においても、ユーザーの意見や声はその価値を失っていないからです。本記事では、成果を上げるデジタルマーケティング戦略の一環としてのインタビュー調査に焦点を当て、デジタルマーケティングの視点からインタビュー調査の魅力を浮き彫りにします。また、成功事例や実際の手法を通じて、読者にとって有益な知識を提供し、その重要性と具体的な実施方法について解説します。

この記事を通じて、インタビュー調査の効果的な活用方法を理解し、自社の戦略に組み込む際の指針を得ることができるでしょう。ユーザーの声を活かし自社の製品やサービスの質を向上させるため、デジタルマーケティングの舞台裏で輝くインタビュー調査の力を最大限に引き出す一助となればと思います。ぜひご一読ください。

インタビュー調査とは

インタビュー調査の定義

インタビュー調査とは、自社サービス/プロダクトを利用しているユーザーにインタビューを行い、そこで生の声を聞くこと。そしてその結果に基づき、プロダクトや施策の改善を行っていくことです。インタビュー調査には、オンラインインタビューのほか、オフラインで行われる「対面インタビュー」、「電話インタビュー」などがあります。

インタビュー調査のメリットは数多くあります。まず、自社商品やサービスに関する知見を獲得するには、ユーザーの生の声が欠かせません。例えば、新製品を開発・販売する際にはユーザーのニーズを把握したり、製品を実際に使用した感想を聞いてみることが重要です。また、インタビュー調査のデータを用いることで、ブランドイメージの向上などに役立てることも可能です。

実際にインタビュー調査を行う場合、自社の各部署を代表する担当者が参加して行うことが一般的ですが、専門的なものであれば専門家に業務を依頼することも有効です。その際、特に収集したデータを正しく分析し、結果をまとめた報告書を作成して、施策に活用することが重要です。成果物として作成された報告書は、後々の事業戦略に役立つことも期待されます。

欧米におけるインタビュー調査の解説については こちらこちら をご参照ください。

インタビュー調査の目的

インタビュー調査の主な目的は、顧客やユーザーなど、具体的な知識や経験を持つ人たちから詳細な情報を得ることです。また、顧客体験(CX)やUI/UXなど特定の事象や現象について、被験者の意見や感情・態度・経験を深掘りして理解するのにも有効です。

例えば、企業が新製品を開発する際、消費者のニーズを直接聞き出すためにインタビュー調査を行うことがあります。また、社会学者や心理学者が、人々の生活や思考パターンを探求するためにこの調査法を使用することがよくあります。

以下に、インタビュー調査の主な目的を表で示します。

目的説明
情報収集専門家や経験者から具体的かつ詳細な情報を得る
意見調査特定のテーマについて被験者の意見、感情、態度を探る
ニーズ把握顧客や消費者のニーズや期待を把握する

以上がインタビュー調査の主な目的です。このような目的に沿って調査デザインや質問内容を工夫することで、より有効な結果を得られます。

インタビュー調査に基づく顧客体験(CX)など顧客フィードバックの収集・分析については以下の記事でも解説しています。

調査の種類と方法

デプスインタビュー(1対1):顧客やユーザー個人にインタビュー形式で直接質問を行います。デプスインタビューが有効なのは、参加者への質問や回答に合わせた再質問に、その場の流れに応じて臨機応変に変更を加えやすく、聞きたい情報を得る効果が高いと言えるからです。

グループインタビュー:少人数のグループに対してインタビューを行い、参加者の意見を集めます。グループインタビューでは、社員がモデレーターとしてきちんとコーディネートを行い、参加者間の会話や議論の内容をしっかり整理して聞き取ることが重要です。

アンケート調査:参加者に事前に用意された質問に対して回答を求める方法です。質問の形式は、肯定形式、否定形式、多肢選択式などがあります。インタビュー調査やグループディスカッションの前後にあわせて行われることが多いです。

デプスインタビューやグループインタビューの実例については、以下の記事もご参照ください。

調査の進め方とコツ

対象者のリクルーティング:誰に聞くか?

インタビュー調査でまず重要となるのが「誰に聞くか?」。つまり、対象者のリクルーティングです。

インタビューの目的を明確化する:対象者のリクルーティングに当たってはインタビューの目的を明確にし、調査の目的に応じて必要な情報や意見を持つ対象者を選定しましょう。

例えば、新製品の市場受容性を調査する場合は消費者の意見や需要予測が必要となるでしょうし、Webサイトの改善に関するインタビューの場合はユーザーのフィードバックやニーズを把握しておく必要があります。

対象者の条件を定義する:その際には、インタビューに参加する対象者の条件を明確に設定します。例えば、年齢、性別、職業、所属する業界や組織、特定の経験や知識を持つ人など、調査の目的に合わせた条件を可能な限り細かく、具体的に設定しましょう。

これらを実践することで、調査の目的に適した対象者のリクルーティングを行うことができます。ただし、倫理的な観点やプライバシーに留意しながら、適切な対象者を選定することにも注意が必要です。

調査設計:何を聞くか?

次に重要なのが「何を聞くか?」。つまり調査設計における質問文の作成です。質問文はインタビューの目的と無関係/的外れなものにならないよう、適切な内容を選ぶことが必要となるため、事前にユーザーが抱える関心やニーズについてある程度の分析・予測をしておきましょう。

インタビューにおいては、質問内容自体の選択に加え、質問の仕方も重要です。つまり参加者に本音の意見・感想を尋ねる技術を磨くと同時に、ブレインストーミングや個々の質問をうまく使うことが求められます。

インタビュー調査を行う上で重要なのは、プロダクトの斬新な使い方や隠れたインサイトを引き出す丁寧かつ核心を突いた質問をしたり、そうした参加者との会話から得られる情報をしっかり確認・記録することです。用意された質問を投げかける以上に、参加者から話を引き出し、それを元にその場でさらに尋ねていくことも重要になります。

例えば、「この商品/サービスのどこが好きですか?」と聞くだけでなく、「なぜそこが好きなのですか?」、「さらに改善してほしいポイントはありますか?」などと尋ねることで、参加者のさらに深い視点や意見を引き出すことができます。

インタビュー調査は参加者の個人的な意見を聞き出すことを目的としており、インタビューを最大限、有効活用するためには、一つでも多くの情報を引き出せる効果的な質問が必要です。

インタビュー調査を行う際のコツとしては、コーヒーブレイク的な会話やフランクな質問を織り交ぜることで、参加者が冷静にリラックスした状態で答えられるようにしてみましょう。例えば「商品とどのように出会ったか」、「サービス利用時の思い出はあるか」など個人的な質問を最初の方に行うと、その後も参加者が具体的なイメージを持ちながら話しやすくなるでしょう。

また、質問の順序も考慮する必要があり、インタビュー進行の流れによっては、臨機応変に順番を入れ替えて質問することも有効です。

インタビュー調査を行うメリット

インタビュー調査のメリットは、まずデータでは読み取れないユーザーの声が聞ける点、そしてユーザーが日頃伝えにくい改善の要望が聞ける点です。ユーザーインタビューを通じて、企業は顧客やユーザーの「解像度」を上げることが可能です。

ユーザーの関心やニーズを把握

インタビュー調査の質問を通じて、参加者である顧客やユーザーの意識や消費行動、関心やニーズなどを客観的に把握することができます。

インタビューを行うことでユーザーの関心やニーズを正確に把握できたら、それをプロモーションや新製品開発などに有効活用することで、デジタルマーケティングを成功に導くことが期待できます。

ターゲットの理解・インサイト発掘

インタビュー調査の結果を活用することで、企業はターゲットの理解を深めることができます。調査を通じて収集した情報を正しく解釈し、インサイトを得ることを心がけましょう。収集した情報を整理し、ターゲットが共有している文化や価値観を明らかにしたら、そこからどういう期待・感想を抱いてユーザーがプロダクトを購入・使用しているかなどのインサイトを発掘していきます。

こうしてわかったことを、事業戦略や商品開発の方向性に反映させると同時に、ターゲットを正確に把握するための情報収集という目的に沿って質問文の設定を見直すことで、次回以降のインタビュー調査をブラッシュアップすることも可能です。

例えば、新製品の発売前にユーザーインタビューを実施すれば、ユーザーが新製品に抱く印象や期待などを把握し、販売戦略の立案に活用することができます。また、インタビュー調査を行うことで、ターゲットユーザーの使い方や嗜好を把握し、SaaSなどのサービス改善の際に重要な情報としてこれを利用し、チャーンレートを下げることも可能でしょう。

ブランドイメージ向上

インタビュー調査はターゲットのニーズや関心を把握し、ブランドイメージを向上させることにも役に立ちます。

そのためにはインタビュー調査の際、調査結果のデータを適切に分析しインサイトを発掘することが重要です。インサイトから得られた情報を最大限活用することで自社プロダクト/サービスのどこがユーザーにとって魅力となっているか、あるいは訴求が足りないかといった観点から、ブランドイメージを高めることができます。

例えば、インタビュー調査を行うことで、ユーザーがどのような状況下でプロダクトの購入を検討しているかが把握できます。その内容を元に、Webサイトやアプリでの紹介方法を変えたり、価格戦略を変更したりすることで、より高いブランドイメージを獲得することが可能となります。

これらを実現するためには、インタビュー調査で得られたデータを正しく読み取り、効果的なブランドイメージ向上に最適な手段を導き出すことが重要です。他社の成功事例なども参考に、ユーザーが真に求めているニーズを満たすサービス開発につながる意見や体験談を聞き出すことが、インタビュー調査の重要なポイントの一つです。

インタビュー調査を通じてユーザーニーズを把握し、さまざまなメリットにつなげている企業の成功事例については以下の記事をご参照ください。

デジタルマーケティングにおけるインタビュー調査の重要性と成功のポイント

インタビュー調査の成果物とまとめ方:作成に役立つポイントと報告書サンプル

インタビュー調査の成果物として報告書の作成が不可欠です。報告書には以下の要素を含めることで、導き出した結果を見やすくまとめることができます。

・インタビューの目的
・収集したデータの内容
・インタビューの結果(質問ごとにまとめて)
・インサイト(得られた洞察の要約)
・今後の検討事項

以下は報告書のサンプルです。

報告書:「動画配信サブスクに関するユーザーインタビューの結果」

インタビューの目的:このインタビューは、動画配信サブスクに関するユーザーの意見や嗜好を収集し、市場調査に活用することを目的として行われました。特に、A社、B社、当社という主要な動画配信サービスについての認知度や利用状況、評価について調査しました。

収集したデータの内容:インタビューは15分間の質問セッションで構成され、オンラインで実施されました。対象者は、動画配信サブスクを利用している20代から40代の男女計50名でした。データの収集は質問に回答した記録と、音声データの録音によって行われました。

インタビューの結果(質問ごとにまとめて)
Q1. どのような動画配信サービスを利用していますか?

30人がA社を利用している
15人がB社を利用している
5人が当社を利用している

Q2. どのくらいの頻度で動画配信サービスを利用していますか?

週に1回以上利用している人が40人
週に2回以上利用している人が30人
週に3回以上利用している人が10人

Q3. 好きな動画配信サービスは何ですか?
25人がA社を好きだと回答
15人がB社を好きだと回答
5人が当社を好きだと回答

Q4. 動画配信サブスクを利用する理由は何ですか?

35人が「視聴の手軽さ」を理由に挙げた
25人が「コンテンツの質」を理由に挙げた
10人が「値段が手ごろだから」という理由を挙げた

Q5. 好きなコンテンツ/ジャンルは何ですか?

20人が「ドラマ」を好む
15人が「映画」を好む
10人が「スポーツ」を好む

インサイト(得られた洞察の要約)

・A社が最も人気が高く、多くの人が利用していることが分かった。
・多くの人が「視聴の手軽さ」を理由に動画配信サブスクを利用しており、またコンテンツの質も重視していることが分かった。
・B社の利用者数はA社に比べるとやや少ないものの、利用者の約1/3が好きだと回答したことからB社のファンも多いことが分かった。
・スポーツコンテンツを好む人が比較的少ないことが分かった。
・動画配信サブスクを利用している人の多くが「週に1回以上」利用しており、そのうちの半数以上が「週に2回以上」利用していることが分かった。

今後の検討事項

・A社が市場のリーダーであることから、当社にとって競合他社との差別化が重要である。打ち手としてはコンテンツの質をさらに高めることや、オリジナルコンテンツの開発に注力することが考えられる。
・スポーツコンテンツを強化することで、当社の利用者数を増やすことができる可能性がある。
・利用頻度が高いことから、動画配信サブスクに対するユーザーの需要は高いと言える。今後は、新たなサービスやコンテンツの提供によって市場を拡大することが重要となる。

以上のような報告書を作成することで、企業は戦略的なマーケティングを行うためにこれを活用することができるでしょう。

欧米のデジタルマーケティングにおける、代表的なインタビューの質問・回答の例については こちらこちら をご参照ください。

インタビュー調査の分析・施策活用について:ユーザーインタビュー for OMO / EC

従来のインタビュー調査の分析方法としては、クロス集計は、ある項目の組み合わせをもとにグループ分けを行い、データを可視化する「クロス集計」や「データマイニング」、テキストから出現回数などのパターンを見つける「キーワード分析」などが一般的でした。

しかし、ユーザーの嗜好が多様化し流行の変化も早い現代では、データに基づく高度な定量分析と、専門的知見に基づいたユーザーインタビューによる定性分析の組み合わせが不可欠だと言えます。

そこで、そのような専門知に基づく高度なインタビュー調査を株式会社DearOneでご支援するサービスが「ユーザーインタビュー for OMO / EC」です。

これはクライアント様に代わってDearOneが、得意とするOMOアプリやECサイトの改善に特化したユーザーインタビューを行うサービスになります。

特徴は「インタビューを行うだけではなく、アプリ・ECの改善案・施策を導くところまで伴走」できること、「インタビューによる定性的な情報・仮説を、定量データを元に検証」できること、そして「自社でインタビューを内製化できるようなナレッジの共有」ができることです。基本的にはご支援の後、クライアント様がインタビューを内製化できるよう、さまざまなナレッジの共有をさせていただいております。

まとめ

データからは読み取れないユーザーの生の声や、ユーザーが日頃抱いている改善の要望などを聞けるインタビュー調査の重要性が増していますが、特にユーザーのペルソナ像や嗜好が多様化し変化の速い現代では、専門的な知見を有する企業に依頼して、定量分析と定性分析をクロスさせた最新のインタビュー調査を打っていくことが有効であると言えます。

企業にとってユーザーインタビューを通じ、顧客やユーザーの「解像度」を上げることがビジネスグロースにつながる最大の近道だと言えるでしょう。

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