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DWH(データウェアハウス)とは?特徴や活用例、データレイクとの違い

2024.06.24

DWH(データウェアハウス)とは、企業内の複数のシステムから大量のデータを時系列で蓄積するシステムを指します。DWHはデータに基づいた迅速かつ正確な意思決定が必要となる現代のマーケティング等において必要不可欠な存在となりつつあります。

DWHにはデータベースやデータレイク、データマートなど、似たような概念もあり違いが分かりづらい方もいると思います。

本記事では、DWHとはなにか、特徴やメリットを解説するとともに、類似した概念との役割や目的の違いを解説します。

活用の具体例や製品の選び方も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

DWH(データウェアハウス)とは?

DWH(Data Ware House)とは、直訳すると「データ倉庫」を意味し、データを保管しておくデータベースを指します。

現在の企業活動やマーケティング活動では目的別に様々なシステムが使われます。たとえばERPシステム、CRMシステム、ソーシャルメディア、製品に組み込まれたり店舗で利用されたりするセンサーデータなどです。これらのデータソースからデータを収集し、一元管理し、分析やマーケティング施策に利用するためのシステムがDWHです。

企業全体のデータを一元管理することで、開発・製造から販売等の上流から下流まで、また、基幹系システムに含まれる購買データとWebサイトやアプリ内のユーザー行動データや販売施策の実施データを紐づけるなど、システムや部門を横断した分析が可能となり、迅速かつ正確な意思決定を行うことができるようになります。

DWHが注目される背景

DWHが注目される背景には、企業が直面するデータ管理と分析のニーズが急速に高度化していることがあります。

現代のビジネス環境では、デジタル化の進展により、企業は膨大なデータを生成し、それを効果的に活用することが求められています。このデータの爆発的な増加は、データの収集、保存、処理、分析のすべてのプロセスにおいて、従来の手法では対応しきれない課題を生み出しています。

まず、ビジネスの意思決定プロセスがデータドリブン(データ駆動型)にシフトしていることが大きな要因です。企業は、競争優位を確保するために迅速かつ正確な意思決定を行う必要があります。そのためには、信頼性の高いデータに基づく分析が不可欠です。DWHは、異なるシステムからデータを集約し、統合して一貫性のあるデータ基盤を提供することで、経営層や分析チームが必要とする情報を迅速に提供します。

また、顧客行動の分析や市場のトレンド把握など、高度なデータ分析のニーズが高まっています。マーケティングや販売戦略の最適化、製品開発の迅速化、顧客サービスの向上など、企業のあらゆる活動においてデータ分析の重要性が増しています。DWHは、大量のデータを効率的に保存・管理し、複雑なクエリや分析を高速で実行する能力を持っているため、これらのニーズに対応するのに適しています。

このようなニーズへの対応に加えて、クラウドの普及により、DWHの導入コストが大幅に低下したことも注目される背景にあります。クラウドベースのDWHソリューションは、スケーラビリティや柔軟性が高く、初期投資を抑えつつ迅速に導入できるため、中小企業でもDWHの導入が現実的になり、データ活用の裾野が広がっています。

さらに、AIや機械学習などの先進技術との連携もDWHが注目される理由です。これらの技術を活用するためには整理されたデータが不可欠です。DWHは高品質なデータの提供と管理を行うことで、AIや機械学習モデルの訓練や運用を支援し、より高度な分析と予測を実現します。

このように、DWHが注目される背景には、データ管理と分析の高度化、データドリブン経営の進展、クラウド普及、先進技術との連携など、複数の要因が絡み合っています。これにより、DWHは現代のビジネスにおける重要なインフラとして、その価値がますます高まっているのです。

データベースなど類似概念との違い

DWHとデータベースの違い

ここではDWHと混同されがちな以下の項目について、それぞれ目的から違いを解説をしていきます。

・データベースとの違い
・データレイクとの違い
・データマートとの違い
・BIとの違い
・CDPとの違い

気になる項目を確認して、理解を深めるのに役立ててください。

データベースとの違い

DB(Data Base)は、DWHと同じくデータを保管するシステムであることに違いはありませんが、保管方法や保管したデータの使用目的が異なります。

DB日常的な業務の中で頻繁にアクセスされるデータを効率的に保存し、管理するためのシステムです。

たとえば、顧客管理、在庫管理、販売履歴など、企業の日常業務に直接関連する情報をリアルタイムで処理するために使われるため、データの追加、更新、削除といった操作を高速に行うことが求められます。

一方DWHは、意思決定支援のために設計されたシステムです。

DWHの主な目的は、複数のソースからデータを集約し長期間にわたって保存することで、過去のデータを分析しやすくすることにありますので、集約したデータを高速で処理し分析を行うことができます。

データレイクとの違い

データレイク(Data Lake)は直訳すると「データの湖」を意味し、大量のデータをそのままの形で保存するためのものです。

データレイクは、構造化データと非構造化データを区別せずに取り込み保存します。

DWHのように分析用に処理したデータを取り込むわけではなく、処理されていないデータを扱うため、大規模なストレージを要します。

しかしデータを変換することなく、そのままの形で保存できるため柔軟性が高く、将来的に有益となる可能性のあるデータを保存するために利用するケースが多いです。

データマートとの違い

データマート(Data mart)は直訳すると「データの小売店」となり、統合的に保管されたDWHから特定の目的に使用するデータのみを抽出して格納します。

特定の部門のニーズにあわせて設計されており、仮にマーケティング部門のデータマートであれば、キャンペーンデータ、顧客データ、売上データなど、マーケティング活動に直接関連するデータを集約し、分析するために使用されます。

特定の目的に合わせてデータを抽出し格納しているため、一部門において扱いやすいことがメリットと言えますが、用途が限定されるため、企業全体の意思決定を行うためのデータ分析には不向きと言えます。

BIとの違い

複数のシステムのデータを一元に管理するのがDWHなのに対して、BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス) は、DWHに蓄積されたデータを分析〜レポーティングするためのツールです。

BIツールを利用することで、表やグラフなどで視覚的にわかりやすくレポーティングができるため、データ分析に詳しくなくても、企業全体の経営状態などの把握が可能となります。

DWHがデータを格納することに特化し、データをどう活用するかについては対象外にしているのに対して、BIツールにはデータ格納プロセスを含んでいるものもありますが、主な機能は分析プロセスに置かれています。

そのため、両者は互いを補い合う関係にあり、両者を組み合わせて使うことで包括的なデータ分析が可能となります。

CDPとの違い

DWHとCDP(Customer Data Platform:カスタマーデータプラットフォーム)は、どちらもデータを収集して統合するプラットフォームですが、用途や目的が異なります。

DWHは様々なデータソースから幅広いデータを収集するのに対して、CDPは主に顧客データを集め、統合・活用するために設計されており、マーケティング用に利用することに特化しています。

更に詳しくCDPとDWHの違いを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

DWHの4つ特徴

DWHの主要な特徴として、データを効果的に整理し、統合し、時系列で整理し、長期間にわたって保管する能力が挙げられます。これにより、企業は迅速かつ正確な意思決定を支援するための強固なデータ基盤を確立することができます。

以下4つのDHWの特徴について、それぞれ詳しく解説していきます。

・サブジェクトごとに整理する
・データを統合する
・データを時系列で整理する
・データを長期間保管し続ける

サブジェクトごとに整理する

DWHの1つ目の特徴はデータをサブジェクトごとに整理することです。

サブジェクトとは「顧客」や「商品」と言ったデータの項目を意味します。

様々なデータソースから集められたデータを、データソース毎に整理するのではなく、1つのまとまったデータとして扱えるようになるため、システム横断的な分析が可能となります。

例えば「顧客」というサブジェクトで整理をする場合、販売管理システムや顧客管理システムから顧客データをまとめて出力することができるため、顧客がいつ商品を購入したのか、購入した後にどうなったかといった、横断的な分析が可能となります。

データを統合する

DWHの2つ目の特徴は、異なるソースからのデータを統合する能力です。

企業内の複数のシステムから収集されたデータは形式や構造が異なることが多く、形式が同一でない場合に、同一顧客であっても複数顧客として認識されてしまう可能性があり、適切にデータ分析ができなくなってしまいます。

しかし、DWHは様々な観点から重複排除を行い、整合性のあるデータ格納を目指すことが可能です。

データを時系列で整理する

DWHの3つ目の特徴は、データを時系列で整理することです。

これは、データが収集された時間や期間に基づいてデータを構造化することを意味します。

通常のデータベースで重視されるのは「最新データ」であり、顧客の住所というデータであれば「現住所」を意味し、そのデータのみを保存します。

一方でDWHの場合は、現在のデータ(現住所)だけではなく過去のデータ(引越し前の住所)まできちんと整理したうえでデータとして保存し続けます。

このような現在に至るまでの過去のデータをデータ分析の対象とすることで、新たな気づきを得ることが可能となります。

データを長期間保管し続ける

DWHの4つ目の特徴は、データを長期間にわたって保管し続けることです。原則として保存したデータは削除されません。

これは「データを時系列で整理する」で紹介した通り、現在に至るまでの膨大なデータをデータ分析の対象とすることがDWHを使った分析の目的と言えるからです。

ただし、データは無限に保存できるわけではありませんので、優先順位の低いデータをアーカイブしたり、削除したりするといったメンテナンスを行うこともあります。

DWHで集め、長期間保存を続けているデータの価値を最大限に引き出すためには、データ活用のプラットフォームを利用するのが効果的です。

以下の記事ではDWHのデータを連携し使用できるツールの1つとして「Hightouch(ハイタッチ)」というツールの機能やユースケースを紹介しています。

DWHのデータ活用について興味のある方は確認してみてください。

DWH導入のメリット

DWHを導入することは、ビジネスを行う上で以下のようなメリットがあります。

・部門をまたいでデータ活用ができる
・マーケティング活動に活かせる
・業務効率化につながる

それぞれ詳しく解説します。

部門をまたいでデータ活用ができる

企業では会計部門、販売管理部門、生産管理部門など、それぞれが専用のシステムを構築または導入していることが多く、部門をまたいでのデータ分析が困難でした。

しかしDWHでデータを統合し分析できるようになることで、企業全体の統合データを作ることができ、これまで以上に高度な分析ができたり、新たな発見が生まれることはDWH導入のメリットです。

また部門をまたがない場合も、Excelデータやスプレッドシートのデータ、専用のデータベースなど、データが分散しているケースも多いですが、このような場合もDWHの活用によってデータを統合できます。

マーケティング活動におけるデータ活用の幅が広がる

DWHは複数のデータソースからデータを集約し、一元的に管理することで、顧客の購買履歴や行動データ、キャンペーンの効果などを統合的に把握できます。これにより、データの断片化を防ぎ、精度の高い分析が可能となります。

また、DWHはリアルタイムに近い形でデータを更新・反映するため、マーケティング担当者は最新のデータに基づいて意思決定を行え、市場の変動や顧客の行動変化に迅速に対応でき、タイムリーなマーケティング戦略の立案・実行が可能となります。

さらに、過去のキャンペーンデータを時系列で分析することで、成功・失敗要因を明確にし、将来的な施策の改善に役立てることができます。

DWHのデータを最大限に活用するための、データ連携やセグメント作成機能などを搭載したコンポーザブルCDP「Hightouch(ハイタッチ)」の詳細はこちら

業務効率化につながる

前述の通り、DWHでは企業内の各部門や部門内に分散している様々なデータを集約し、利用しやすい形式で保管ができます。

DWHでデータを一元管理することで、情報へのアクセスがしやすくなり、必要な情報を探す手間を削減できます。

またDWHに保管されるデータは、重複している顧客データなど、本来1人分であるデータの統合も行われたデータとなるため、データの読み込みがしやすく分析にかける工数の削減にもつながります。

DWH製品の選定ポイント

膨大なデータを時系列に沿って蓄積するDWHをデータ分析に活かすことによって、迅速かつ正確な意思決定に役立ちます。

ただし、DWHといっても様々な製品がありますので、自社の業務に最適なシステムを導入し構築することが大切です。

DWH製品導入時には、以下の5つのポイントを確認し検討をしてみてください。

・オンプレミスorクラウドかサービス形態を確認する
・処理速度・データ容量は十分か
・取り扱いたいデータに対応しているか
・インターフェイスは使いやすいか
・外部システムと連携できるか

それぞれの特徴について詳しく解説します。

オンプレミスorクラウドのサービス形態を確認する

DWHはサーバーの形態によって「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つに分けることができ、それぞれ以下のような特徴があります。

オンプレミスクラウド
特徴・自社にサーバーを設置するため、情報漏洩のリスクが低い
・カスタマイズ性が高い
・初期導入コストが安い
・データ容量の増加に柔軟に対応・適正な容量とパフォーマンスを維持できる
デメリット・初期コストやランニングコストが高い・データ分析のパフォーマンス最適化のための調整も社内で行う必要がある・カスタマイズ性が低い

自社でサーバーを設置するオンプレミス型は、インターネットを介さずにデータに接続できるため、セキュリティが高く、自社の環境に合わせてカスタマイズできることがメリットです。一方で初期コストが高い点と、データ分析のためのパフォーマンスの最適化をすべて社内で行う必要があり手間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。

クラウド型は初期の導入コストが安く、データ容量の増加にも柔軟に対応できるのがメリットです。また、常に適正な容量とパフォーマンスを維持した状態で分析できることもメリットです。しかしクラウド上で提供されているサービスを利用するため、カスタマイズ性はオンプレミス型と比較すると劣ります。この条件は譲れないというものがある場合は、クラウド型を選ぶ場合には対応可能かを注意して確認するようにしてください。

処理速度・データ容量の拡張性

DWHは膨大なデータを処理し分析するために利用するものですので、データ処理速度はシステムを検討する際に重要な要素となります。

また、DWHは長期間データを蓄積するものであり、データは日々増え続けていきます。

データ容量の拡張ができないとデータが追加できなくなってしまうため、データ容量が拡張できるかも重要な要素です。また、容量を拡張した場合に処理速度が低下してしまっては意味がありませんので、処理速度が維持されるシステムを選ぶ必要があります。

インターフェイスは使いやすいか

DWHは企業経営に関わる意思決定に利用されるだけでなく、日常の業務にも活用の場を広げる動きがあります。

全社的な活用につなげるためには、システムの「使いやすさ」は非常に重要な要素です。

専門知識がある人でないと理解できないようなシステムではなく、グラフィカルで直感的に使えるなど、簡単に操作が行えるかを確認しながら選ぶようにするのがおすすめです。

外部システムと連携できるか

DWHはデータソースからデータを抽出し、BIツールとの連携で分析を行う中継的なシステムですので、他のシステムと柔軟にデータを連携できる機能は必須です。

データを移行したり、フォーマットを変換したりすることができるかはよく確認しておきましょう。

DWHでよく使われる製品

ここではよく使われているDWH製品を4つ紹介します。

※以下は、各社オフィシャルサイトの情報をもとに株式会社DearOneにてまとめたものになります。2024年6月時点での情報となりますので、詳しくは各社にお問い合わせください。

提供形態初期費用月額料金無料期間データ拡張性提供企業公式サイト
Databricksクラウド0円従量課金制14日間無料databrickshttps://www.databricks.com/jp/product/databricks-sql
Snowflakeクラウド0円従量課金制30日間無料Snowflakehttps://www.snowflake.com/ja/
Amazon Redshiftクラウド0円従量課金制2ヶ月間無料(~750時間/月)Amazonhttps://aws.amazon.com/jp/redshift/
Google Cloud BigQueryクラウド0円従量課金制90日間無料Googlehttps://cloud.google.com/bigquery?hl=ja

利用目的やニーズ、価格帯など様々な観点で検討してみてください。

Databricks

製品名Databricks
提供形態クラウド
初期費用0円
月額料金従量課金制
無料期間30日間無料
データ拡張性
提供企業databricks
公式サイトhttps://www.databricks.com/jp/product/databricks-sql

✓ポイント
・世界で7,000社以上の導入実績
・操作性に優れている
・無料トライアル版でお試し可能

Databricksは、クラウド上の統合分析プラットフォームです。コンセプトは「データとAIの民主化」で、データ統合・分析、AI活用をすべて1つのプラットフォーム上で行えます。

Databricksは金融や医療、製造、エンターテインメントなど様々な分野で導入されており、世界で7,000社以上の導入実績があります。

データの取り込みから分析まで一元管理でき、分析結果は可視化され、簡単にダッシュボードやレポートを作成できます。操作性にも優れているため、専門知識やスキルがなくても使いやすいソフトとなっています。

目的や用途に合わせた料金プランが用意されており、無料トライアル版もありますので、まずはトライアル版で操作性など確認してみるのがおすすめです。

Snowflake

製品名Snowflake
提供形態クラウド
初期費用0円
月額料金従量課金制
無料期間30日間無料
データ拡張性
提供企業Snowflake
公式サイトhttps://www.snowflake.com/ja/

✓ポイント
・データレイク、データウェアハウス、データマートの3つの全てに対応
・データシェアリング機能あり
・30日間の無料トライアルあり

一般的に企業のビッグデータ活用に必要なシステム領域は「データレイク」「データウェアハウス」「データマート」の3つで構成されますが、Snowflakeデータクラウドでは、この3つ全てに対応することができます。

1つ1つのシステム領域毎に異なる製品を導入して運用するケースと比較すると、導入の手間、コスト、データ連携にかける時間などを抑えて運用できる点がメリットです。

その他、Snowflakeの代表的な特徴に「データシェアリング」があります。データシェアリングは自分が管理するリソースを使って他者の保管データにアクセスする機能です。

これまで自分のデータを他の誰かに共有する場合には、複製したデータを送る必要があり、複製にはリスクがありました。しかしデータシェアリング機能を使うことで、自分のデータを直接共有することが可能となり、情報漏洩のリスクを抑えることができるようになりました。

Snowflakeでは400ドル相当分の使用料が無料で含まれる30日間のトライアルが用意されていますので、まずは無料トライアルで処理速度や動きを確かめてみてください。

Amazon Redshift

製品名Amazon Redshift
提供形態クラウド
初期費用0円
月額料金従量課金制
無料期間2ヶ月間無料(~750時間/月)
データ拡張性
提供企業Amazon
公式サイトhttps://aws.amazon.com/jp/redshift/

✓ポイント
・大量のデータを高速処理
・DWHで発生するタスクの多くを自動化
・SQLに対応しているため外部サービスとの連携が楽

AWSが提供するAmazon RedshiftはDWHを安価に導入可能なサービスで、ビッグデータを収集し、BIとして活用するための基盤を整備できます。

「自動テーブル最適化」機能など、DWHの運用で発生するタスクの多くを自動化できるため、運用負荷が低いのが特徴です。

さらに並列コンピューティングやデータ圧縮の仕組みを搭載しているため、大量のデータを高速で分析することが可能。ダッシュボード制作やレポーティングもしやすいため、業務の効率化も期待できます。

またSQLに対応しているため、外部のソフトウェアやデータベースと連携しやすい点もメリットです。

Google Cloud BigQuery

製品名Google Cloud BigQuery
提供形態クラウド
初期費用0円
月額料金従量課金制
無料期間90日間無料
データ拡張性
提供企業Google
公式サイトhttps://cloud.google.com/bigquery?hl=ja

✓ポイント
・操作性に優れている
・コストパフォーマンスが良い
・高度かつ自由度の高い運用が可能

Google Cloud BigQueryはサーバーレスかつチューニング不要なサービスのため、データベースに関する専門知識がなくても安心です。

データの保存・抽出だけでなく、リアルタイム分析や予測分析など分析機能も充実している他、Googleスプレッドシートのインターフェースで利用できるため、操作性もよく、慣れた環境で作業をすることができます。

起動中のみしか料金が発生しない仕組みとなっているため、コストパフォーマンスにも優れています。

プログラムによるアクセスやアプリケーションを統合可能にするAPIも搭載されており、機械学習モデルの構築など、高度かつ自由度の高い運用が可能なサービスです。

API連携について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

DWHの構築手順

DWHを構築する手順は以下の4ステップとなります。

ステップ1:要件定義
ステップ2:設計
ステップ3:実装
ステップ4:運用

ステップごとに詳しく解説していきますので、導入する際の知識として参考にしてください。

ステップ1:要件定義

DWHの構築プロセスの第一歩は要件定義です。

このステップでは社内でのニーズを明確にし、DWHが解決すべき具体的な課題や目標を特定します。

主要な関係者や部門と協力して、必要なデータの種類、データソース、データボリューム、そしてDWHの使用目的を詳細に把握します。また、データの収集頻度、報告要件、セキュリティ要件、データ保持期間なども定義します。

これにより、DWHの設計と実装に必要な基盤が形成され、プロジェクトの成功に向けた明確な方向性が示されます。

ステップ2:設計

次のステップは、要件定義に基づいてDWHの設計を行うことです。

設計段階では最低限以下の項目を決める必要があります。

・システム環境:オンプレミスorクラウド
・データモデル:データ格納方法はどうするか
・ETLソリューション:各システムとDWHをどのように接続するか
・フロントエンド:ユーザーにデータ分析結果をどのようにしてわかりやすく伝えるか

DWHがどのようにデータを集約し、整理・保存するかを設計します。データモデルの設計もこの段階で行われ、スター・スキーマやスノーフレーク・スキーマなど、適切なデータモデリング手法を選択します。

さらに、ETL(抽出、変換、ロード)プロセスの詳細を計画し、データの取り込み方法や変換ルールを定義します。

インフラストラクチャの選択も重要な設計要素であり、クラウドベースまたはオンプレミスのソリューションを選定します。最終的に、セキュリティとデータガバナンスの方針も設計に組み込まれます。

ステップ3:実装

設計が完了したら、実装フェーズに進みます。このステップでは、DWHの物理的な構築が行われます。

まず、必要なインフラストラクチャをセットアップし、データベースを構築します。次に、ETLプロセスを設定し、データの抽出、変換、ロードを自動化します。データの初期ロードが完了したら、データの整合性と品質を検証するテストを実施します。

また、DWHのパフォーマンスを最適化するためにインデックスの作成やパーティショニングの設定も行います。並行して、ユーザーインターフェースやBIツールの実装も進め、最終的にはユーザーがデータにアクセスしやすい環境を整備します。

自社にデータウェアハウスに関する知識がある人材がいない場合は、実装フェーズは設計や実装フェーズは外注も含めて検討するのがおすすめです。

ステップ4:運用

実装が完了したらDWHは運用フェーズに入ります。

このステップでは、DWHの安定稼働を維持し、継続的なメンテナンスを行います。データの定期的な更新やETLプロセスの監視、パフォーマンスの監視と最適化が日常的な業務となります。

運用中に発生する可能性のある問題やバグに対する迅速な対応も重要です。また、ユーザーからのフィードバックを収集し、必要に応じて機能の改善や拡張を行います。セキュリティ対策も継続的に強化し、データの保護とコンプライアンスを確保します。

これにより、DWHは企業のデータ戦略における重要な資産として長期的に活用し続けることができます。

DWH活用事例

ここではDWHが企業でどのように活用されているかを紹介します。

自社ではどのようにDWHが役立ちそうか、自社でも活用できる点がないか確認してみてください。

事例1:小売店における顧客行動分析

DWHは膨大なデータを分析するのに向いており、POSシステムを活用している小売店のデータ分析で活用されます。

小売店の多くは、POSシステム、オンラインストア、ロイヤルティプログラムなど、複数のデータソースでそれぞれデータを集めていますが、これらのデータは分散しており、統合された視点で顧客行動を理解することが困難です。

そこでDWHを導入すると、これらのデータを一元管理し、顧客の購買パターンや嗜好、購買履歴を詳細に分析することが可能となります。また、顧客IDを統合することにより、顧客の属性情報や購買情報とWebやアプリ内の行動情報が紐づけされ、詳細なデータ分析が実現します。この結果、パーソナライズされたOne to Oneマーケティングを実行でき、購買促進や顧客エンゲージメントの向上につながります。

さらにDWHで一元管理したデータは、様々なシステムと連携することでデータを有効に活用することができます。

以下の記事では、上記のようにDWHをマーケティングに活かすユースケースを詳しく紹介していますので、気になる方は確認してみてください。

事例2:富士通の事例

富士通では事業部やグループなどで散在していたデータを、全社共有で管理する基盤を整備することで、データの利活用を進めています。

事業部やグループをまたいだ全社横断的なデータを活用することで、これまで見えてこなかった事業部門ごとの関連性を発見することや、分析業務を効率化することも目的としてプロジェクトが推進されています。

参考記事
富士通、グローバル 12.4 万人超の社員が利用するデータ活用プラットフォームを構築し、データドリブンによる未来予測型経営へ変革

事例3:AGCの事例

世界トップクラスの総合素材メーカー AGC株式会社では、開発スタイルや計算資源が統一されておらず、分析環境が乱立するという問題があったため、統合データ分析基盤が必要だと考えDWHを採用。

DWHを活用して、データサイエンティストが各々のレベルにあわせて利用できるデータ分析基盤を構築し、各事業部で既存ビジネスの改善や新たな開発につながるように取り組んでいます。

参考記事
データサイエンティストの育成を軸にDXを推進。さらに成長・進化する世界トップクラスの総合素材メーカー

まとめ

DWHの機能や特徴を中心として、類似概念との違いやそれぞれの役割について解説してきました。DWHを導入し組織内のデータを一元管理することで、これまで見えて来なかったことが見えるようになったり、より正確かつ迅速な意思決定に役立てることができます。

DWHに保管したデータはHightouchなどのツールを活用することで、データの価値を最大限に引き出すことができます。

DearOneでは、マーケティング活動におけるデータ活用に関する支援を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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