• トップ
  • ナレッジ
  • ChatGPTとは?概要と日本語での使い方や注意点、利用事例を分かりやすく解説

ChatGPTとは?概要と日本語での使い方や注意点、利用事例を分かりやすく解説

2024.03.08

ChatGPT

ChatGPTは米国OpenAI社が提供する生成AIで、人間が入力した質問や要望にChatGPTで回答してくれるチャットボット形式で提供されています。これまでのAIのイメージを覆すような広範囲な対応力が話題になり、2022年11月にリリースから僅か2ヵ月でユーザー数は1億人を突破し、ニュース等でも繰り返し名前を聞くようになりました。

記事では、生成AIを代表するChatGPTについて「ChatGPTで何ができるのか?」「何が苦手なのか?」「利用するうえで何に注意する必要があるか?」等を分かりやすく説明します。

パソコンやスマホアプリでのアカウント登録から有料プランへのアップグレード方法なども紹介していますので、「これから初めて触る」という初心者の方も、「何度か触ってきたけど、仕事でどう使えるのかを改めて整理したい」という方まで、ぜひご覧ください。

ChatGPT(チャットGPT)とは?

ChatGPTとは?

ChatGPTは、米国OpenAI社が提供する生成AIです。大規模言語モデル(LLM:Large language Models)に基づいて人間が入力した質問や要望に対してChatGPTが回答してくれるチャットボット形式で提供されています。

人とコミュニケーションするかのように普通の言葉でAIと会話することができ、また何かの分野等に特化せず、非常に広範囲の質問に対応してくれることが大きな特徴です。

なお、ChatGPTは、Chat Generative Pre-trained Transformerの略称で、日本語に翻訳すると「対話形式(Chat)で回答生成する事前学習済み変換器(Pre-trained Generative Transformer)」という意味になります。

「回答生成する事前学習済み変換器(Pre-trained Generative Transformer)」というのは意味が分かりにくいですが、「事前に大量のデータをインプットして学習させた生成AI」という意味合いです。

つまり、Chat-GPTはOpenAI社のサービス名ですが、同時にかなり広い概念を指す言葉になっています。

生成AIについて

ChatGPTと共によく登場するようになった「生成AI」は、「新たなコンテンツを生み出せるAI」を指す言葉です。たとえば、OpenAI社の「ChatGPT」、Googleの「Bard」、画像生成AIの「Midjourney」、ChatGPTと連携するOpenAI社の画像生成AI「DALL・E」などが生成AIとして挙げられます。

従来までのAIは「学習済みのデータから最適な解答を考えたり予測を答えたりする」ものだったのに対して、生成AIは「学習済みのデータを踏まえて新たなコンテンツを生み出す」ことができるのが特徴です。

生成AIで一番イメージしやすいのは画像生成AIです。画像生成AIが作成する画像は、過去にインプットした画像の中から1枚を選んだり加工したりして提示しているわけではなく、インプット済みのデータと「こういう画像を作って」という指示を踏まえて、これまで存在しなかった新しい画像を生み出しています。これが生成AIです。

ChatGPTも同様で、インプットしたテキストデータ等をそのまま吐き出しているわけではなく、インプットされた質問等に応じて回答テキストを新たに生み出しています。

AIの歴史や生成AIについて、下記の記事で詳しく説明していますので、ご興味あればご覧ください。

AI(人口知能)とは?定義や歴史、関連用語から活用事例まで分かりやすく解説

また、生成AIが持つ可能性については下記の記事でも紹介しています。

ChatGPTを開発したOpen AI社の概要

OpenAIは、ChatGPTを始めとする人工知能(AI)の開発を行っている米国企業です。OpenAIの本体は非営利法人となっており、その子会社として営利法人があり、営利法人が一般向けにサービスを提供するという構成になっています。

非営利法人であるOpenAI社は2015年に設立され、2024年1月時点でCEOであるサム・アルトマン、また、テスラやスペースXなどの創設者であるイーロン・マスクなどによって設立されました。

子会社である営利法人にはマイクロソフトが多額の資金提供をしており、累計で130億ドル(1ドル150円換算で約2兆円)を出資し、株式の49%を所有しています。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/OpenAI

関係性の結果として、MicrosoftからはOpenAI社、またChatGPTの技術を利用、連携したサービスが続々と提供されています。具体的には検索エンジンにAIチャットボットを組み込んだMicrosoft CopilotやAzure OpenAI Serviceなどが存在し、Google陣営などと競合する形となっています。

ChatGPTは日本語で使える?

ChatGPTの特徴は自然言語、つまり私たちが普段使っている話し言葉や書き言葉でAIとやり取りできることです。

米国で開発されていますが、日本語も学習しており、日本語でも利用できます。

ChatGPTの活用に不可欠なプロンプトとは?

ChatGPTの活用に際してよく登場するのが「プロンプト」という単語です。プロンプトを簡単に説明すると、ChatGPTと対話するチャット欄に入力する文章のことです。

プロンプトは元々IT用語で、システム操作時にコンピューターに処理を促す文字列を指します。AI分野においても「ユーザーがAIに入力する指示や質問」を指す言葉として使われています。

ChatGPTを始めとする生成AIは、私たちが普段使う話し言葉や書き言葉をインプットすれば回答を返してくれます。ただ、より適切な回答を得るためには文章を工夫して打ち込むことが活用のポイントになります。

たとえば、普段の会話や検索でも同様ですが、「明日の天気を教えて」とインプットするよりも、「明日の○○の天気と降水確率、最高気温・最低気温を教えて」と欲しい回答を明確にインプットする方がより欲しい情報を得ることができます。

また、他にも以下のようなプロンプトはChatGPTを活用するための初歩的なプロンプトです。

[役割設定]

  • プロの編集者として○○に回答して
  • 優れたマーケターとして○○に回答して
  • コーチとして私に質問して

[条件設定]

  • 500文字以内にまとめて
  • 中学生でもわかるような分かりやすい文章で
  • このサイズの画像で出力して

プロンプトの工夫は、ChatGPTを始めとするAIを効果的に活用するために不可欠であり、AIから最適な出力を得るためにプロンプトを工夫・作成する能力はプロンプトエンジニアリングと呼ばれます。

なお、一般的なプロンプトの事例はWeb上で多数公開されていますので、「○○○○するためのプロンプト」といった形で検索するとすぐに見つかります。

ChatGPTの最新バージョン「GPT-4Turbo」

ChatGPTは2022年11月30日に無料で利用できる「ChatGPT-3.5」がリリースされ、世界中で活用されるようになりました。その後、バージョンアップを繰り返し、2024年1月時点では、2023年11月6日に公開された「ChatGPT-4Turbo」が最新版です。なお、執筆時点では「ChatGPT-4Turbo」はChatGPTの有料プランである「ChatGPT Plus」の加入者のみに提供されています。

本章ではChatGPT-4Turboの特徴や出来ることをいくつか紹介します。

2023年4月までの情報・知識を学習している

従来のChatGPTは2021年9月までに学習した情報で構築されていましたが、ChatGPT-4Turboでは学習範囲が2023年4月までのデータとなっています。

なお、「ChatGPT-4」以降はWeb検索と連動してデータを取得することもできるようになっており、たとえば「明日の天気は?」といった最新の情報を必要とする質問にも答えられるように進化しています。

長文のインプットが可能

ChatGPTにインプットできる分量は「トークン」という単位で表現されますが、「ChatGPT-4Turbo」は1つ前のバージョンである「GPT-4」と比べて大幅に増加した128,000トークンの読み込みが可能になっています。日本語の場合、大まかには1トークン1文字になりますので、日本語に換算すると約128,000文字、原稿用紙320枚、Wordで約90枚分というボリュームです。

これだけの長文をインプットできると、ボリュームがあるレポートなどを読み込ませて要約してもらう、翻訳してもらうといったことも可能になります。

画像生成が可能

「ChatGPT-4Turbo」では画像の作成を依頼すると、画像生成をしてくれます。「GPT-4」で提供が始まった機能ですが、「ChatGPT-4Turbo」で安定リリースされました。

OpenAI社が提供する画像生成AI「DALL-E 3」と連携して画像が出力される仕組みになっており、たとえば「自動車の広告を見て喜んでいる人の画像を1280×720のサイズで、4パターン作ってください」と指示すれば、その通りに画像を作ってくれます。

「ChatGPT-4Turbo」では、APIを経由して画像入力・出力をすることも可能になりました。

JSONモードの登場

JSONはプログラム言語のひとつで、データの保存や異なるプログラミング言語や環境間でデータをやり取りする際によく使われます。ChatGPTはこれまでもプログラミングの作成やミスの発見などで使われていましたが、JSONモードを利用することで、より精緻に、またより複雑なプログラム言語を扱うことができるようになりました。

API経由で複雑な操作がワンアクションで実施できる

アプリの関数呼び出し機能「Function Calling」も強化されました。「GPT-4 Turbo」では、1回の命令で複数の関数をまとめて呼び出せるようになりました。

たとえば、「○○○の画像を作ると共に、その動物の小学生向けの解説文を作って」という命令は、従来までは「画像を作る」「解説文を作る」と2回に分けて命令する必要がありました。「GPT-4 Turbo」では、これが1つの命令で行えます。

音声出力

「GPT-4 Turbo」のリリースタイミングで、API経由で「Text-to-Speech(TTS)」というテキストをリアルタイムで自然な音声に変換する機能を利用することもできるようになりました。TTSはいわゆる音声合成と呼ばれる機能で、英語はもちろん、自然な日本語音声も出力することができます。

ChatGPTは2023年9月25日にマルチモーダル機能と呼ばれるテキストだけでなく、音声や画像などをやり取りする機能をリリースしていましたが、上述したAPI経由での画像入力・出力等を併せて、どんどんマルチモーダル機能が強化されています。

安価に利用できる

このように大幅に機能強化された「GPT-4 Turbo」ですが、費用は逆に安くなっています。「GPT4」の初期バージョンである「GPT- 4(8K版)」と比べると入力料金が1/3、出力料金が1/2。さらにその後バージョンアップして値上がりした「GPT- 4(32K版)」と比べると入力料金が1/6・出力料金が1/4と圧倒的に安くなっています。

自分専用にカスタマイズしたChatGPTが作れる「GPTs」

「GPTs」は「GPT-4 Turbo」と同じタイミングでリリースされた新サービスです。「GPTs」は、ChatGPTに独自のデータなどをインプットして、特定の目的にカスタマイズしたChatGPTを作成できるサービスです。

ChatGPTに独自のデータを学習させることは、これまでもGPT IndexやAzure OpenAIなどで類似のことができましたが、GPTsはプログラミングなどの技術を必要とせず、誰もが短時間で簡単にカスタマイズしたChatGPTを作成できるようになりました。

さらに作成したGPTsを販売、配布できるGPT Storeというストアサービスも2024年1月からスタートしています。

ChatGPTの料金プラン

無料で使える?

ChatGPTは、ChatGPTの公式サイトでアカウント作成すれば無料で使うことができます。アカウントはメールアドレスと電話番号があれば作成でき、PCブラウザやスマホアプリなどでChatGPTを利用できるようになります。

なお、ChatGPTには有料版もあり、有料版の方が最新バージョンを使うことができたり、より高精度な機能を使うことができたりします。

無料版のアカウントは後から有料プランに切り替えることができますので、まずは「ChatGPTがどんなものか触ってみたい」という場合は、無料版のアカウントを作成して試してみればよいでしょう。

2024年1月現在、無料版では「ChatGPT-3.5」というバージョンのChatGPTを利用できるようになっています。

なお、有料プランを利用する際にも、まず無料版のアカウントを作ることが必要となりますので、ChatGPTを使ってみたいと思う場合は、まずアカウントは作成しましょう。

有料プランの種類と出来ること

ChatGPTの有料プランは「ChatGPT Plus」と呼ばれます。

「ChatGPT Plus」は月額型のサブスクリプションサービスになっており、Webサイト経由で利用する場合は月額20ドル(1ドル150円換算で約3,000円)、スマホアプリ経由で契約すると、固定で3,000円となっています(価格は2024年1月時点)。

有料プランである「ChatGPT Plus」はChatGPTの最新バージョンが使えるだけでなく、優先的なアクセスや回答の精度が担保されていたり、より専門性が必要とされる質問やプログラミング、クリエイティブ等での利用性能が強化されていたりします。

前述した通り、2024年1月時点の最新バージョンである「ChatGPT-4Turbo」は、「ChatGPT Plus」でのみ利用できるようになっています。

また、無料版で利用できるのは現在「ChatGPT-3.5」となっており、「GPT-4」で提供された機能も無料ユーザーは使えませんので、

  • 画像や音声や入力するマルチモーダル機能
  • 画像生成
  • 他のツールと連携する各種プラグイン
  • Web上の情報を検索Webブラウジング(Browse with Bing)機能
  • データ分析等に活用できるAdvanced data analysis(旧code interpreter)機能

といった機能も有料の「ChatGPT Plus」のみで使えることになります。

ChatGPTの出来ること・利用場面

ChatGPTができること、得意なこと

ChatGPTが得意とすることは、「膨大な知識を踏まえて言語処理を行うこと」です。

たとえば、「文章を分かりやすく加工する」「要約する」「翻訳する」「分析する」といったことはChatGPTが最も優れた機能を発揮する領域です。言語の一種である数字を加工する作業、「データを分析する」「グラフにする」「集計する」といった作業も強みを発揮します。

また、知識に基づいて文章を作成することも得意分野です。たとえば、「パーソナライズされたメール文章を書く」「スピーチを書く」「キャッチコピーやタイトルの候補をつくる」などです。

一見すると違う領域のように思うかもしれませんが、明確なルールに基づいて言葉を処理するという点で「プログラミングする」「プログラムをチェックする」といったことも得意です。

最近では前述したように音声や画像などを扱うマルチモーダル機能や画像生成AIと組み合わせることで、「セミナー音声を要約してレポートにしてもらう」「画像と解説文を生成する」といったことも出来るようになっています。言語処理と音声認識や音声出力、画像認識、画像生成との掛け合わせは、今後益々強化されることが予想されます。

以下はChatGPT自身に「得意なこと」と「できること」を聞いた回答です。こちらの内容も、「知識を踏まえて言語処理を行う」という視点で読んでいただくと、ChatGPTのできること・得意なことがより明確にイメージできるでしょう。


<ChatGPTに「出来ることを教えてください」を質問した回答>


ChatGPTはさまざまなことができる多用途のAIです。以下はその機能の一部です:

1.情報と知識の提供: 特定のトピックに関する質問に答えたり、解説を提供したりします。私の知識は2023年4月までの情報に基づいています。

2.言語翻訳: さまざまな言語間での翻訳が可能です。

3.文章作成: 物語、詩、記事、メールなど、さまざまなスタイルやトピックの文章を作成します。

4.学習支援: 数学、科学、文学など多様な主題についての説明や問題解決を手伝います。

5.プログラムコードの作成・解析: コードの書き方を教えたり、既存のコードの説明やデバッグを行います。

6.クリエイティブなコンテンツ: DALL-Eを使って特定の指示に基づいた画像を生成します。

7.日常のアドバイス: 料理レシピの提案、健康やフィットネスに関する一般的なアドバイス、時間管理のテクニックなど、日常生活に役立つアドバイスをします。

8.ゲームやパズル: シンプルなテキストベースのゲームやパズルを提供します。

9.情報の検索: ブラウザツールを使って、最新の情報や特定のトピックに関するウェブ検索を行います。

10.感情的なサポート: 基本的な心理的サポートやモチベーションの向上に関するアドバイスを提供します。

<ChatGPTに「とりわけ得意とすることを教えてください」と質問した回答> 


ChatGPTは特に以下の分野で優れた性能を発揮します:

1.言語理解と生成: ユーザーの質問や指示を理解し、流暢で自然な言葉で答えることができます。これには、複雑なトピックについての詳細な説明や、創造的な文章作成も含まれます。

2.多様なトピックへの対応: 歴史、科学、文学、テクノロジーなど幅広い分野にわたる知識を持っています。特定のトピックについての質問に答えたり、解説を提供することが得意です。

3.プログラミングとコーディングの支援: プログラムのコード例の提供、コードの解説、デバッグの支援、プログラミング概念の説明など、プログラミング関連のタスクに強みを持っています。

4.言語翻訳: 複数の言語間でのテキストの翻訳が可能です。流暢かつ正確な翻訳を提供します。

5.教育的サポート: 学習者に対して、特定のトピックについての説明や問題解決の手助けを行います。これには、数学の問題、科学の原理、歴史的事実などが含まれます。

6.クリエイティブなコンテンツの生成: 物語、詩、シナリオなどの創造的な文章を作成することができます。また、DALL-Eを利用して指定されたテーマに基づく画像を生成することもできます。



知識と言語処理に強みを持つChatGPTは、対話形式で提供されていることもあり、ビジネス活用の領域ではチャットボットとしての利用に非常に向いています。ご興味あれば下記の記事をご覧ください。

ChatGPTができないこと、苦手なこと

ChatGPTは革命的な機能を持つ生成AIでだと言えますが、現時点ではいくつか限界や苦手なことがあります。

まずChatGPTは、基本的にインターネット上のテキストデータから学習しています。従って学習したデータ自体の正しさも保証されていませんし、ChatGPT自身の性能の限界としても必ずしも正しい情報を出力できるとは限りません。

また、ChatGPTを始めとした生成AIが「嘘をつく」というのはよく知られています。上記のように信頼性が担保されていないということに加えて、「言葉を生成する」という特徴によって、たとえば、

  • 会社名や人物名を聞かれたときに、まったく異なる肩書や経歴などを捏造してしまう
  • 出力した文章の参考文献として存在しない書籍や論文をあげる

といったアウトプットが行われるという欠点があります。

AIが「嘘をつく」のは「ハルシネーション」と呼ばれる現象です。ハルシネーション(Hallucination)は「幻覚」という意味の英単語で、インプットされた情報とは異なったり存在しなかったりする情報を、まるでAIが幻覚を見ているかのように出力することからこう呼ばれます。

ハルシネーションの問題は徐々に改善されつつありますが、完ぺきに対策されているわけではありません。従って、ChatGPTが出力した情報に関しては他のデータソースや一次情報を確認する必要があります。とくに専門性や正しさに要求される文章に関しては、別途でのファクトチェック(事実確認)が必須です。

また、「ChatGPT-4」でWeb検索との連動機能が提供されるようになりましたが、リアルタイムの情報に関しては、まだ十分な回答精度は担保されていません。従って、最新情報を調べたり最新情報を踏まえて回答したりすることもChatGPTが苦手な作業だといえるでしょう。

AIの性能の限界として、与えられたプロンプトの意図を理解できず、期待した回答とずれる回答が行われる時もあります。また、複雑や予測や未来予測、課題の解決方法などに対する回答も精度が十分とはいえません。

なお、こちらも参考までにChatGPT自身に回答した「苦手なこと」を紹介します。


<ChatGPTに「苦手なことを教えてください」と質問した回答>



ChatGPTが苦手なことは以下の通りです:

1.最新情報の提供: 私のトレーニングデータは2023年4月で終わっているため、それ以降の情報や最新のニュース、トレンドについては知りません。

2.実世界の感覚: 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの人間の感覚を経験することができません。

3.個人的な意見や感情: 私は人工知能なので、個人的な感情や意見を持っていません。提供する情報は中立的であり、個人的な視点を持たないことを目指しています。

4.創造的な作品の生成における制約: 著作権に関するルールにより、特定のアーティストのスタイルを模倣したり、著作権で保護されているキャラクターを描写することができません。

5.複雑な予測や未来予想: 私のレスポンスは過去のデータに基づいており、複雑な未来予測や確率的な予想をすることは得意ではありません。

6.個人情報の処理: 個人情報の取り扱いには慎重であり、プライバシーに関わる情報や個人識別情報の処理は行いません。

7.実世界での物理的な作用: 実際の物理的な作用を行うことはできません。たとえば、実際のオブジェクトを動かしたり、実際の場所に行ったりすることは不可能です。

ChatGPTを使う際の注意点

個人情報/機密情報を入力しても大丈夫?

まず前提としてWebサイト経由でChatGPTに入力した情報は、OpenAIがAIモデルのトレーニングやサービス向上のために利用するという規約になっています

従って、ChatGPTに個人情報や機密情報などを入力すると、その情報はChatGPTの学習に使われます。そして、他の第三者が質問した時にChatGPTが個人情報や機密情報などを利用した回答をして、不特定多数の人に情報が漏れてしまうリスクがあります。

もちろんChatGPT側でも個人情報を使用したり記録したり、また、誰かの個人情報を漏らしたりすることがないように設定されています。ただし、氏名や電話番号のような分かりやすい個人情報はまだしも、それ以外の個人情報は判別ができませんし、機密情報に関しては「入力された情報が機密情報か?」の判断はChatGPTにはできません。

従って、ChatGPTを利用する時には、個人情報や機密情報を入力しないことが大切です。

ChatGPTの登場後、行政機関や大手企業、金融業界などを中心に、職場でのChatGPT利用を禁止する動きが生じたのもこれが理由です。

なお、Webサイト経由でChatGPTを利用する際、「入力データを学習用に使用しないで欲しい」というオプトアウトの申請をすることは可能です。申請して承認されれば、Webサイト経由でも入力データが学習に利用されなくなります。

また、API経由でChatGPTを利用する際は、Webサイト経由と逆で、入力データはChatGPT等の学習には利用されません(ただし、不正利用の監視・調査を目的に30日間はOpenAI内で保持されることになっています)。

この特徴を活かして、「個人情報や機密情報、社内情報を入力しても問題ない企業用のChatGPT利用プラットフォーム」のサービスが複数社から企業向けに提供されています。

こうしたプラットフォームでは、前述したChatGPTの利用をより効果的にするプロンプトが組み込まれていたり、企業の管理者側で自社用にプロンプトを共有したりする機能があったりします。また、たとえば、自社の就業規則や人事制度などを読み込ませて社員向けに就業規則や各種制度のQ&Aポータルとして提供するといった機能があるものもあり、企業での導入事例も増えつつあります。

OpenAI社自身も2023年8月から上記のようなプラットフォームに類似したユーザー管理機能やセキュリティ機能、更に一般よりも高速の応答スピードなどの付加価値を加えた「ChatGPT Enterprise」という法人サービスを大手企業向けに提供しています。

著作権や商用利用する際の注意点は?

ChatGPT の利用規約では、ChatGPTによって生成されたテキストやコンテンツの著作権は利用者にあり、商用利用することが可能だとされています。

下記がOpenAI社のTerms of use(利用規約)です。

「Subject to your compliance with these Terms, OpenAI hereby assigns to you all its right, title and interest in and to Output. This means you can use Content for any purpose, including commercial purposes such as sale or publication, if you comply with these Terms. 」
(出典:https://openai.com/policies/terms-of-use

日本語訳:「本利用規約に従うことを条件として、OpenAIはアウトプットに関する一切の権利、権限及び権益を利用者に譲渡します。本利用規約に従う場合に限り、利用者はアウトプットされたコンテンツを任意の目的で使用でき、これには販売や出版などの商業目的での使用も含まれます。」


つまり、現時点の利用規約によれば、ChatGPTのアウトプットを利用しようとした時、OpenAI社との間で著作権等の問題は発生しないことになります。

一方で、作成された情報が既存の著作物と類似している場合には、それを一般に公開したり商用利用したりすれば著作権侵害とみなされる可能性は高いと考えられます。

たとえば、ある書籍をまるごとテキスト化してGPTsに読み込ませ、「○○の書籍内容を検索できる」としてGPT Storeで一般に販売すれば、書籍の著作権を侵害しているとみなされ、著作権を持っている出版社や著者から訴えられる可能性は高いでしょう。

まだChatGPTがアウトプットしたものに関する著作権の訴訟や判例もほぼ存在せず、今後どうなっていくかは未知数の部分もあります。ただし、解説した通り、OpenAI社との著作権問題が発生しなくても、ChatGPTにアウトプットさせたコンテンツが既存の著作物の権利を侵害していれば、著作権侵害とみなされる可能性は高いですので、その点を踏まえた利用が必要です。

回答結果は信頼できる?

ChatGPTの回答結果に対する信頼性は完ぺきなものとは言えません。

これは「ChatGPTができないこと、苦手なこと」のブロックで解説した通り、ChatGPTが学習材料としたデータ自体の信頼性が担保されていない、また、生成AIが嘘をつくハルシネーションの問題などが要因です。

また、学習したデータの新しさやWeb検索との連動性などの問題で、リアルタイムの最新情報に関する回答結果も信頼性は高くありません。さらに、現時点でのAI自体の性能として、意図や文脈の誤解が生じたり、未来予測や複雑な課題解決に対する回答精度は担保されていなかったりします。

これらのことを踏まえて、ChatGPTが出力したコンテンツを100%信頼して鵜呑みにするのではなく、別途でファクトチェック(事実確認)を実施したり、自らの知見と照らし合わせたりすることが大切です。

ChatGPTの始め方(パソコン編)

無料アカウントを作ってログインする

Webサイト経由でChatGPTを使うには、まずアカウント登録が必要となります。ChatGPTの公式サイトにアクセスして、アカウントを作成しましょう。

ChatGPTの公式サイト

https://openai.com/

ChatGPTの始め方(1)

画面右上の「Try ChatGPT」をクリックして、「Sign up/登録する」から新規でアカウントを作成することができます。

ChatGPTの始め方(2)

画面の指示に従って、メールアドレスとパスワードを登録すると認証用のメールが送信されます。登録したメールアドレスに届いた認証用メール内の「Verify email address」をクリックすると、本登録の画面に飛ぶことができます。

本登録の画面で氏名や誕生日、電話番号などを入力して、「Send code」をクリックすると、登録した電話番号宛にSMSで認証コードが届きます。この認証コードを入力すればアカウント登録が完了します。

ブラウザ等の設定によっては一部英語表記になることもありますが、上記の通り、複雑な入力プロセスではありませんので、画面をよく読みながら進めていけば問題ありません。

なお、上記のように「メールアドレス」と「SMSを受け取れる電話番号」が必要になりますので、その点だけ注意が必要です。なお、同じメールアドレスや電話番号で複数のアカウントを登録することはできません。

Chat GPT画面ショット

手順を踏んでアカウント登録が完了すると、ChatGPTの操作画面が表示されます。画面下部の入力欄がプロンプト(ChatGPTに対する指示や依頼)の入力スペースです。こちらに入力して右の送信ボタンもしくはEnterキーを押すと、プロンプトが送信されます。

プロンプトを送信すると、ChatGPTからの回答が生成されます。ChatGPTの回答に対して、別のプロンプトを送信すると、会話の履歴を踏まえて回答をしてくれます。

たとえば、「○○○○のニックネームを10個提案して」に対するChatGPTの回答を踏まえて、「3番目と5番目の方向性で、別の10個を提案して」といった形で、チャットボット形式で対話していくことができます。

また、画面左上の「ペンとメモ」のマークから「New chat(新しいチャット)」をクリックすると、新たなチャットルーム(会話)を作成できます。

まずは気軽に試して、ChatGPTに慣れていきましょう。

有料プランへのアップグレード

ChatGPTの有料プランは、無料プランのアカウントをアップグレードとする形で登録します。

従って、有料プランを利用するためには、

 1)ChatGPTの無料アカウント
 2)支払い情報を登録するためのクレジットカード

が必要となります。

使えるクレジットカードは以下の6種類です。

 ・JCB
 ・Visa
 ・MasterCard
 ・American Express
 ・Discover
 ・Diners Club

有料アカウントにアップグレードする際は、まずChatGPTの公式サイトからログインします。

https://chat.openai.com/auth/login

ログイン後、

 ・画面上部の「GPT-4」→「Upgrade to ChatGPT Plus」
 ・画面左下の「Upgrade to Plus」

のどちらかから進むと、有料プランへのアップグレード画面に入れます。

クレジットカード情報を入力して登録を完了すると、「Payment received! Click continue to begin using your ChatGPT Plus account.」と英語で表示されますので、これでアップグレードは完了です。

有料プランである「ChatGPT Plus」へのアップグレードが完了すると、「ChatGPT-4Turbo」に切り替えて、提供されている機能を使うことが可能になります。

アカウントなしでChatGPTを使う

ChatGPTを公式に利用するためには、アカウント登録することを必須となります。

ただし、ChatGPTの公式サービスではありませんが、ChatGPTのAPIを利用している別のツールを使うことで、ChatGPTにアカウント登録せずにChatGPTの機能を体験することは可能です。

例えば、ChatGPT DemoというWebサービスでは、アカウント登録せずにChatGPTの操作画面に近い形でChatGPTのAPIを体験することができます。ChatGPT Demoは本来のChatGPTでは表示されない広告を表示する代わりに、APIを無料提供しているサービスです。画面は英語表記ですが、日本語でプロンプトを入力すれば回答も日本語で返ってきます。

ChatGPT Demo
https://chat.chatgptdemo.net/

また、日本では「AIチャットくん」というLINEサービスが提供されています。LINEで「AIチャットくん」のアカウントを友達追加すると、LINE経由でChatGPTを利用できます。無料プランだと利用回数に制限がありますが、有料プランを契約すると無制限に対話できます。

AIチャットくん
https://picon-inc.com/ai-chat

以下のQRコードかLINEでID「ai_chat」で検索すると友達登録できます。

AIチャットくん

プラグインを使う

現在、ChatGPTはブラウザのプラグイン等からも利用することが可能です。最も有名なプラグインのひとつがGoogle Chromeで利用できる「ChatGPT for Google」という拡張機能です。

「ChatGPT for Google」のプラグインを導入して有効化したGoogle ChromeでGoogle検索を行うと、通常の検索結果の横に検索したキーワードに関してChatGPTやGoogle Bard等のAIが生成した解説が表示されるようになります。

ChatGPT for Google
https://chromewebstore.google.com/detail/chatgpt-for-google/jgjaeacdkonaoafenlfkkkmbaopkbilf

「ChatGPT for Google」以外にもGoogle Chromeで利用できるChatGPT関連のプラグインは多数公開されていますので、ご興味あれば調べてみてください。

ChatGPTの始め方(スマホアプリ編)

スマホアプリ版ChatGPT

2024年1月時点では、iOS版とAndroid版の両方でChatGPTアプリが提供されています。

アプリで利用できる機能は基本的にはWebサイトにパソコンでアクセスする時と同じです。無料アカウントと有料プランである「ChatGPT Plus」で利用できるChatGPTの種類や使える機能が異なる点も同様です。

同じアカウントで利用すれば、アプリとWebサイトで利用履歴が共有されます。従って、外出先や移動中はスマホからアプリで使う。自宅ではパソコンからWebサイト経由で使うという形がお勧めです。

長文の入力、アウトプットのコピー&ペースト、画像の保存などは、パソコンの方が実施しやすいでしょう。

利用履歴が共有されることを活かして、移動中にスマホアプリから指示を出してアイディア出しやアウトプット作成、ブラッシュアップを行って、後からパソコンでアクセスして、データを保存するといった使い方も可能です。

ぜひ自分なりの使い分け方、組み合わせ方を見出してください。

スマホアプリ版ChatGPTの利用方法

利用しているスマートフォンのOS種類に従って、Google PlayまたはApp Storeからアプリをインストールして利用してください。

Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.openai.chatgpt

App Store
https://apps.apple.com/jp/app/chatgpt/id6448311069

アプリ上で新規のアカウント登録をすることも可能ですし、前述の通りWebサイト側で登録してあるアカウント情報があれば、そのIDとパスワードで既存アカウントにログインすることも可能です。

新規登録する場合の手順はWebサイトで登録する際と変わりません。

  1. アプリを開いて、「Sign up/新規登録」を選択する
  2. メールアドレスとパスワードを登録して、認証用メールが送信される
  3. 認証用メールを受け取って本登録フォームを開く
  4. 登録すると、登録した電話番号に認証コードの記載されたSMSが送信される
  5. SMSで認証コードを受け取って入力することで登録完了

ChatGPTを始めとする生成AIの活用は不可欠

ChatGPTは、これまでは人間しかできなかった文章生成やクリエイティブ生成などを汎用的に行える画期的な生成AIです。ChatGPTの登場を皮切りに、生成AIの開発競争は激化しており、機能や性能改善が日進月歩で行われるようになっています。

当たり前ですが、AIの処理スピードは人間が対抗できるものではありません。今後はChatGPTを始めとする生成AIをビジネスに活用できるかで個人、また組織の生産性が大きく変わる時代となるでしょう。

ChatGPTなどのAIに任せられる仕事は任せて、人間はAIを使いこなす、AIにはできない仕事をすることが必要です。

たとえば、マーケティング分野でいけば、広告のクリエイティブ作成や効果検証、データ分析、また、原稿作成やプログラミング、コーディングなどは、どんどん生成AIに置き換えられていくでしょう。

ぜひ今のうちからChatGPTに触って馴染んでおき、仕事で活用できるように準備していきましょう。また、ChatGPTを始めとする生成AI等が組み込まれたツールもどんどんリリースされています。情報収集やトライアルを進めると良いでしょう。

関連記事

最新鋭のMar-techツールについて相談したい場合には、ぜひ下記よりお問い合わせ頂ければと思います。

ナレッジランキング

タグ一覧