「もっと優れたMAツールに乗り換えたい」
「事業の成長に伴って、今のMAツールでは成果が出にくくなってしまった」
多くの企業で導入されているMAツールですが、事業の成長やコスト面など、乗り換えを検討する企業も少なくありません。しかし、最近ではMAツールの種類も多種多様になり、適切な検討や手順を踏まずに乗り換えると、かえって費用が高くなる、今までできていたことができなくなったなど、乗り換えに失敗してしまうケースもあります。
本記事では、MAツールの導入や運用を支援する代理店の視点で、MAツールの乗り換えで失敗しないように押さえておくべきポイントや乗り換えの手順、注意点を解説します。
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MAツールの乗り換えを考えるべきタイミング
どのようなタイミングでMAツールの乗り換えを検討すればよいでしょうか。適切なMAツールへの乗り換えを考えるべきタイミングを紹介します。
既存MAツールの成果に満足がいかない
まずシンプルに、期待する効果が得られていないケースです。MAツール導入時の期待はさまざまで、売上の増加やコンバージョン率の改善、また工数の削減などを狙う場合もあります。
このような導入当初に狙っていた効果が得られていない状態が続いている場合、MAツールの乗り換えを視野に入れて考えるとよいでしょう。自社の現状に適切なMAツールに変更することで、狙った効果を得られる可能性があります。
ただし、MAツール自体の問題以外に、運用するリソースやノウハウが足りていないという可能性もあるため、ツールと体制の双方の課題を把握する必要があります。
既存MAツールでは機能やスペックが不足している
既存のMAツールで機能やスペックが不足しているという場合も、乗り換えを考えるタイミングです。
ツールによって溜められるデータ量や連携可能なツール、搭載されている機能等が変わります。導入当初は機能に過不足なかったとしても、事業が成長したり、サービス形態に変化があったりすると、機能やスペックが不足してくることもあります。
具体的には、以下のようなケースです。
- 顧客数が大幅に増えた
- リリースしたアプリが伸びており、Webとアプリの両方をまたいだ分析や施策が必要になった
- コミュニケーション手段をメールだけでなく、LINE、プッシュ通知などに多様化させたい
- メール配信ツールになってしまっているところからもう一段踏み込んで、パーソナライズしたい
機能やスペックが不足している状態は、機会損失を引き起こしている可能性もあります。自社のマーケティングに必要な機能が搭載されているMAツールがないか調査して、乗り換えを検討するタイミングです。
MAツールの費用を下げたい
MAツールの費用を下げたい場合も、乗り換えを検討するタイミングです。
先ほどは既存のMAツールで機能やスペックが不足している場合を紹介しましたが、逆にオーバースペックで、使いこなせていない機能に費用を支払っている場合もあると思います。高性能なMAツールでも使いこなしていなければ、成果は上がりません。また、実際に導入・運用する中で、当初必要としていた機能が不要になる場合もあるでしょう。
また、MAツールの費用はツール自体の利用費に加えて、運用に関する人件費もあります。MAツールを乗り換えて、マーケティングツールとのデータ連携が自動化されたり、分析が効率化したりすることで、費用圧縮につながるケースもあります。費用を考える時は人件費も考慮することが大切です。
関連記事:MAツール導入の費用をすべて解説!導入手順や必要期間も
契約の更新タイミングがある
契約の更新タイミングも、MAツールの乗り換えを考慮する上で考えておくべきポイントです。MAツールは1年契約、場合によっては数か年の契約を結ぶのが一般的です。
契約期間の途中で解約すると、多くの場合、解約の違約金として契約期間分の満額費用を支払う必要があることが多いです。また、MAツールは、クラウドサービスとして提供されていることが多く、契約更新のタイミングで値上げが生じることもあります。
従って、MAツールの乗り換えは、契約更新のタイミングに合わせて実施することも多くあります。ただし、乗り換えを検討する場合は契約更新の数カ月〜半年前などのタイミングで、既存ツールのパフォーマンスや課題をチェックして乗り換えを検討する、といった形で進めることを推奨します。
MAツールの運用支援実績をもとに、成果を出せるツールの選定から導入・運用までサポート。
小さなお悩みでも、まずはお気軽にご相談ください。
MAツールの乗り換えで押さえておくべきポイント
MAツールを乗り換えるには、多くの時間と労力がかかります。既存MAツールに蓄積されたシナリオやデータもありますので、そうしたデータを円滑に移管し、マーケティング活動に悪影響を及ぼさないようにしないといけません。
この章では、MAツールの乗り換えで失敗しないための検討ポイントを解説します。
既存MAツールの契約期間と費用はどうなっているか?
MAツールの乗り換えを検討する際には、まず既存MAツールの契約期間と費用を確認しましょう。前述の通り、MAツールのようなクラウドサービスは契約期間が長く設定されていることが多くあります。また、価格交渉する代わりに複数年次の契約をしているケースなどもあります。
その上、MAツールの乗り換え検討と実施には、数ヶ月〜半年ほどの期間が必要です。既存MAツールの契約期間を確認して、いつまでに乗り換えを意思決定する必要があるか、大まかなスケジュールを決めましょう。
MAツールに求める機能はなにか?
MAツールの機能や特徴は、製品によって異なります。そのため、乗り換えを検討する際には、まず自社のニーズに合った機能を明確にする必要があります。
具体的には、既存MAツールで現在実行していること、既存ツールの機能不足等で実行できていないこと、今後実行したいことを整理して、必要な機能を洗い出しましょう。同時に、既存MAツール内で使っていない不要機能も確認しておくと、ツール選びの参考となります。
また、ツール自体のコンセプトが自社のビジネスモデルとずれていると、機能の過不足が生じやすく、また機能の細かな使い勝手に関するストレスも生じやすいですので、乗り換え先を選ぶ際には注意が必要です。
使い勝手は良いか?
サービス案内等で分かる機能要件の過不足だけでなく、使い勝手も確認しておくことが大切です。
操作や分析時のレスポンススピード、また画面の使い勝手などです。画面の使い勝手に関しては、導入後に実際に使うマーケティング担当者を巻き込んで選定を行うことをおすすめします。
また、顧客数が多い・行動データを取り込んでいる等でデータ量が多い場合、分析や検索時などのレスポンススピードが遅いと導入後の大きなストレス要因になります。事前にデモ環境なども試し、日々の業務がスムーズに遂行できそうかという視点でツールを選定するとよいでしょう。
外部ツールと連携できるか?
既にMAツールを運用している方であればご存知の方も多いと思いますが、MAツールにおいて外部ツールとの連携は非常に重要です。
たとえば、顧客の購買情報などが入ったCRMツール、顧客分析や行動分析を実施してセグメント抽出する顧客分析ツール、アプリやWebのコンテンツマネジメントや管理ツールなど、MAツール内では完結しないアプローチを実施するための、ツールとの連携が必要となります。
外部ツールとの連携ができない、また、カタログ上は連携できるとは書いてあったが、限定的で想定していた連携やメッセージ配信は出来ないといったことが生じると、思い通りのマーケティング施策が展開できません。既存のMAツールで不足している外部ツールとの連携、また、既存ツールで実施している外部連携に関して、乗り換え候補となるMAツールで実現できるか、細かなところまでしっかりとチェックしましょう。
移管に必要な工数はどの程度か?
MAツールを乗り換えるには、数ヶ月〜半年ほど工数がかかります。初導入時と異なり、既存データやシナリオなどを移管する必要があります。
また、データの移管時には思わぬ工数も生じます。たとえば、「既存ツールと乗り換え先のツールでデータの持ち方が少し違い加工する必要がある」「外部ツールとの連携が既存ツールとはできることが違い、当初考えていたところから運用を工夫する必要がある」「連携の一部にエンジニア工数が必要なことが分かった」といったケースです。
事前に、しっかりと移管に必要な工数を見積もったうえで、上記のような想定外が生じることも見越してバッファを見込んでおくことをおすすめします。
MAツールの乗り換え手順
MAツールの乗り換えの4つのステップを解説します。
全体のスケジュール設定
MAツールの乗り換えを検討する上では、まず全体の大枠スケジュールを設定しましょう。前述の通り、MAツールの乗り換えには相応の工数と期間が必要となります。
既存MAツールの更新タイミングを把握するとともに、試しに1,2社のMAベンダーや代理店などに問い合わせて契約から乗り換えまでにどれぐらいの準備期間を見ておけば良いかを確認、そこから逆算して、乗り換え先の決定期限、選定スケジュールを引きましょう。
乗り換え先の選定
全体スケジュールを決めたら、具体的に乗り換え先を検討していきましょう。前章で紹介したような乗り換えツール選定のポイントを押さえながら、比較検討していきましょう。
MAベンダーと商談を受けるのと並行して、乗り換えの検討理由、切り替えて実現したいこと、既存MAツールで実行していること/していないこと、事業(顧客数)の現状と中期計画など、選定基準となる情報を整理しておくことが大切です。
関連記事:MA(マーケティングオートメーション)とは?よくある導入の失敗例
新規MAツールの初期設定
選定基準と照らし合わせて新規MAツールの選定が終わったら、契約して初期設定に進みます。ここは新規導入するMAベンダーや代理店側も積極的に協力してくれるプロセスです。
なお、契約後の認識の齟齬が生じないように、乗り換え先ベンダーを数社に絞り込んだ段階で、現状の使い方や連携しているツールなどをより深くすり合わせておきましょう。なお、新規MAツールと既存MAツールの稼働期間をある程度重複させて、新規MAツールを設定・稼働させていくと、切り替えによるトラブルが重大化しなくて済みます。
データ移管
最終的には、新規MAツールに既存MAツールからデータ移管していくことになります。データ移管の際、スコアリングや顧客IP、行動データ・アクティビティログなど、MAツール側で自動取得・設定しているような項目というのは、新規MAツールに移管できないことが多々あります。
選定検討をする際に、「移管できないデータが何か?移管できないことによる損失がどれぐらい生じるか?」も、把握しておく必要があります。
運用体制の再構築
乗り換えたMAツールを運用に持っていくためには、運用体制の再構築が必要です。もし既存MAツールで「特定の人しか使えない」「、使える人が限られており、効率的な施策実行の妨げになっていた」などの運用課題があれば、その点も踏まえて、勉強会やベンダー提供のトレーニングやサポートを活用しましょう。
MAを活用する施策に携わる全員がきちんとツールを使いこなせる状態にすることが理想です。
最後に
DearOneでは、MAツールの乗り換え相談や最適なMAツールの選定を支援するプロフェッショナルサービスを提供しています。現在乗り換えを検討しており、「乗り換えによって生じるメリット・デメリットの整理、必要な工数や期間を確認したい」「自社に最適なMAツールを選定したい」といったことがあれば、お気軽にご相談ください。
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