今回の「海外Hot Info」は、ウォレットとアカウント認証のソリューションについて、株式会社トラストバンクの森杉育生さんにお話を伺いました。
Web2&3統合アカウント認証ソリューション「Magic」
安田 今回もよろしくお願いします!前回からの続きとなりますので、「Web3」の仮想通貨決済に特有の課題については、こちら の記事をご覧ください。
森杉さん(以下、Mr.モリスギ) 今回もよろしくお願いします!前回、Web3における①アカウント認証、②KYC(本人確認手続)、③決済・送金の3つにまつわる問題を紹介しました。
私自身、普段から実際にこうした取引に慣れていても「面倒」「わかりづらい」「怖い」と思いますので、こうしたネックが解消されない限りは、多分Web3って普及しないだろうなと思っています。
安田 そうですね。
Mr.モリスギ そのことは当然、スタートアップやベンチャーキャピタル、そしてWeb3のサービスの人たち自身もわかっていますので、最近「そこを解消しよう」というサービスがいろいろ出てきました。
今回は「こういうソリューションが出てきている」ということで、①アカウント認証の課題に対する典型的なソリューションや、今後に向けて期待の高いスタートアップを紹介していきます。
安田 よろしくお願いします。
Mr.モリスギ サインアップやログインなど認証に関わるソリューションを紹介します。あまりにWeb3だけに寄せてしまうと難しすぎて、一般の人々がなかなかついてこられない傾向があるので、「それならWeb2とWeb3を合体させよう!」という発想のサービスが最近、結構増えてきました。
そしてユーザー側も、「両方に対応しているアカウント管理ができるのであれば、それを使う」と考えているのが最近の潮流ですね。
安田 そうなんですね。
Mr.モリスギ こうしたサービスの1つが「Magic」です。シリコンバレーのスタートアップで、Web3のウォレットのバックアップリカバリー用のパスワードである「シードフレーズ」が不要になり、Slackなどでおなじみのパスワードを自分でいちいち打つ必要のないWeb2の「パスワードレス認証」にも対応しています。
Magicは、電話番号、メールアドレス、ソーシャルログインなどで認証ができる(つまりWeb2で行っている認証方式と同じ)と同時に、勝手にウォレットも作ってくれるんです。
なので、自分でMetaMaskなどのウォレットアプリで仮想通貨を作る必要がないんです。「Googleにログインしたら、勝手にウォレットも一緒に作られて管理ができる」という性質のものになります。
安田 へえ〜っ。これなら、かなり敷居が下がりますね。
Mr.モリスギ そうですね。おっしゃる通り、まずウォレットを使いやすくするためのソリューションの一つですね。意外にこのようなソリューションは3rd Party側に提供されているものが少なく、ようやく「Web2もWeb3も一気通貫に対応できます」というものが出てきました。Magicを使うプラットフォームが今後増えてくるんじゃないかと予想しています。
安田 なるほど。
Mr.モリスギ これによって、認証のハードルはだいぶ下げられる可能性があります。これならGoogleログインができる人だったら、とりあえずウォレットを持つことができ、以後はウォレット接続もGoogleログインのままできるということになりますので。
安田 なるほど。ただ、ソーシャルログインを残すということは、どうしてもIDパスワードの管理にはWeb2っぽい部分が残るということでしょうか?
Mr.モリスギ はい。ただウォレットだけ分離して使うことも可能なので、毎回必ずログインしないとWeb3サービスを使えないということではないです。
安田 ああ、なるほど。それなら割と使いやすくなり、きっと多くの人がプラットフォーム移行の際、こういうところからWeb3に入っていくんだろうなぁという感じがします。
Mr.モリスギ そうですね。なので、例えばこれから新規でNFT販売サイトを立ち上げるなどの場合には、こういうものをまずソリューションとして取り入れるといいかもしれませんね。
安田 そうですよね。そうしないとそもそも、ユーザーが入ってきてくれないので、ユーザーに使ってもらうという意味でとても大事ですね。
≪安田`s Memo≫
これからはアカウント認証ソリューション「Magic」のようにWeb2とWeb3を統合し、ユーザーにとって使い勝手の良いサービスが普及する
―次回の【海外Hot Info】では、「Web2とWeb3のいいとこどり!本人確認の課題を即解決するKYCソリューション」について、引き続き森杉さんにお話を伺います。次回もぜひお楽しみに!