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Web2とWeb3のいいとこどり!本人確認の課題を即解決するKYCソリューションとは【海外Hot Info】vol.42

2023.01.11

今回の「海外Hot Info」は、本人確認にまつわる課題を即解決するKYC​​(​​Know Your Customer:本人確認)ソリューションについて、株式会社トラストバンクの森杉育生さんにお話を伺いました。

金融機関をまたいだ繰り返しの審査が不要になる「Portabl」

安田 今回もよろしくお願いします! 前回からの続きとなりますので、Web2&3統合アカウント認証ソリューション「Magic」については、こちら の記事をご覧ください。

森杉さん(以下、Mr.モリスギ) 今回もよろしくお願いします!

Mr.モリスギ 早速ですが「KYC」と呼ばれる本人確認のソリューション「Portabl」を紹介します。わかりやすく言うと、例えば楽天銀行とSBI証券の口座を作るとき「なんで毎回KYCが必要なんだ」「いちいち煩わしい」といった問題を解決しようとしているサービスです。

いわゆるSSO(シングルサインオン)を提供しており、「楽天銀行でもSBI証券でもログインできます」という状態を作り、KYCの部分を共通化することで「一度、楽天証券の方で審査に通っていれば、SBI証券では再度審査しなくていいですよ」という状況を実現しようとしています。

安田 すごいですね。

Mr.モリスギ この結果、いろいろなフィンテックアプリが使われるようになり、全体の利用頻度も上がることが予想されるので、KYCプロセスも効率化されて、フィンテック企業側にもメリットがあるのではないかと思います。

安田 そうですよね。再度の審査が不要になるのがすごいなと思いました。

Mr.モリスギ 今のはWeb2的な面における例でしたが、Web3のサービスでも同じような仕組みを提供していく統合ソリューションになります。

安田 なるほど。

Web2+Web3の不正検知・防止を実現する「Sardine」

Mr.モリスギ 続いて、KYCを行った後の話になるのですが、今度はWeb3に特有の詐欺や不正をどう防止するかという観点のソリューション「Sardine」です。こちらもWeb2・Web3両対応になります。

仮想通貨を送るとき、ウォレットだけが紐づいているので裏にいるのが誰だかわからず、不正送金かどうかが判別しづらいという問題がありました。

そこでこのソリューションを使うと、不正送金の検知ができるようになり、かつWeb2的な「チャージバック保険」という、いわゆる不正利用があったときに、カード会社の方で補填してくれる保険の仕組みが適用されるというサービスになります。

Web2においては、カード会社からのチャージバック保険なんてごく当たり前の存在だと思いますが、これがWeb3にも適用されると「Web3って怖いのでは」と思われがちな部分が軽減されるので、実に革命的だと思います。

もちろん、クレジットカードなども変なところで使うと、その後「あなたのカードがブラジルで使われています」といった電話がかかってきたりするので、中には「クレジットカードを使うのが怖い」という人もいるくらいですが、それのWeb3バージョンを防止することができるということです。

具体的には「今からあなたが仮想通貨を送ろうとしているウォレットアドレスは、変なアドレスなのでやめた方がいいですよ」といった形で検知・通知してくれるのですが、Web3業界の送金に関しては今まで本当に、こうしたサービスってほとんどなくて野放し状態だったんですね。

なので、こういうふうにちゃんと犯罪や不正を取り締まる仕組みができてくることで、やはり一般の人々にとっての敷居も大きく下がるかなと思いますね。

安田「こいつ怪しい」といった査定・判定はどうやって行っているんですかね?

Mr.モリスギ 査定・判定ロジックは彼らの専売特許でビジネスのコアになるものなので、詳細には公開されていません。多くの場合、紹介してきたMagicやPortablのような認証・KYCのサービスと一緒に使われそのデータを利用しつつ、アプリやサイトや端末など多数のユーザタッチポイントのデータを組み合わせ、不正の有無を検知しているということのようですね。

こうした状況なので、純粋にウォレットアドレスだけを対象に、不正の有無を判定できるかどうかというのは正直、未知数ですね。現状は、利用するサービスだったり、入金する口座だったり、様々な情報を集めてウォレットアドレスと紐づけることで「このアドレスは怪しいぞ」と判断していると思われます。なので、さすがに周辺情報がゼロとなると、まだどこの企業でも難しいのではないかと思いますね。

安田 そうですよね。ただ、逆の意味で「怖い時代だな」と思ってしまいますね。Web3が普及して、もしこういうところで「不正」と認定されブラックリスト登録されてしまったら、世界中と取引ができなくなっちゃうわけじゃないですか?

Mr.モリスギ はい。もちろん今でも「このアドレスが怪しい」というブラックリストはあるわけですが、それがWeb3のオープンネットワークの中でも「怪しいアドレスだ」と特定されてしまうことになりますからね。

以上のように、Sardineはユーザーが能動的に調べなくても保護してくれるサービスというわけですが、これ単体で動いている仕組みというよりは、プラットフォームや決済会社がこれを使うことで、不正が検知できるようになるというものになりますね。

安田 今回も大変勉強になりました、ありがとうございました。

≪安田`s Memo≫

Web2と同様の使いやすさや安全性が実現されて初めて、Web3の本当の普及につながる

―次回の【海外Hot Info】では、「仮想通貨購入のハードルを下げるWeb3決済ソリューション」について、引き続き森杉さんにお話を伺います。次回もぜひお楽しみに!

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