「数ある中で、どんなヒートマップツールが自社に合っているか知りたい」
「すでに導入済みだが、もっと深い分析ができるヒートマップツールを探している」
ヒートマップ分析は一般的な分析手法ともいえますが、使うツールによって分析の深さや得意領域は大きく異なります。
本記事では、これから導入を検討している方から、すでに導入済みで、より高度な分析や改善につなげたい方のまでヒートマップツールを比較検討されている方向けに、おすすめヒートマップツールを13選ご紹介します。
それぞれの特徴や向いている企業タイプを整理していますので、自社に最適なヒートマップツールを選ぶための参考にしてください。
【厳選】有料のヒートマップツールおすすめ比較10選
有料のヒートマップツールは、無料ツールに比べてより高度な分析機能や手厚いサポートが魅力です。ビジネス規模の拡大に応じた計測可能なPV数の増加に対応できるほか、専門的なコンサルティングサービスを提供しているツールもあります。
自社の目的やサイトの規模に合わせて、最適なツールを見つけることで、より効果的なWebサイト改善が実現可能となります。
ここでは、機能性と実績を兼ね備えた10種類の有料ツールをご紹介しますので、予算と目的に応じて検討してみてください。
| ツール名 | 主な機能 | 料金プラン | 強み・特徴 | おすすめの企業・用途 | 詳細を見る |
|---|---|---|---|---|---|
| Contentsquare | ゾーニング分析/セッションリプレイ/カスタマージャーニー分析/JSエラー検知/AI自動インサイト | 無料〜個別見積もり | ・AIを活用したUX分析 ・革新的なUX指標と深い行動理解 | 大企業/EC事業者/UXを競争力にしたい企業 | ▶︎詳細を見る |
| ミエルカヒートマップ | アテンション/クリック/スクロール/セグメント分析/A/Bテスト | 無料〜54,780円/月 | ・国産、直感的UI ・無料から始められる | 中小企業/初めて本格的にUI・UX改善に取り組む企業 | ▶︎詳細を見る |
| User Insight | 5種ヒートマップ/企業属性分析/リプレイ/SEO支援 | 55,000円/月〜 | ・BtoB特化。SEO・広告効果まで網羅 | BtoB企業/中〜大規模サイト運営企業 | ▶︎詳細を見る |
| Mouseflow | 6種ヒートマップ/完全録画/ファネル/フォーム分析 | 無料〜44,891円/月 | セッションリプレイが非常に強力 | ユーザー行動を細かく把握したい企業 | ▶︎詳細を見る |
| Crazy Egg | ヒートマップ/録画/A/Bテスト/スナップショット | $29/月〜 | ビジュアルABテストが簡単 | A/Bテストを高速に回したい企業 | ▶︎詳細を見る |
| SiteLead | 基本ヒートマップ/ポップアップ/ナーチャリング | 無料〜6,578円/月 | 圧倒的低価格で施策実行まで可能 | 予算を抑えたい企業 | ▶︎詳細を見る |
| SiTest | ヒートマップ/ABテスト/EFO/AI改善提案 | 無料〜要見積もり | LPO特化・ノーコードAB | LP改善に注力したい企業/A/Bテストを頻繁に行う企業 | ▶︎詳細を見る |
| Ptengine | ヒートマップ/Web接客/ABテスト/アンケート | 無料〜要見積もり | 分析+施策実行を一体化 | 分析だけでなくWeb接客まで一体で行いたい企業 | ▶︎詳細を見る |
| UXCam | タッチヒートマップ/録画/クラッシュ分析 | 無料〜要見積もり | モバイルアプリ特化 | モバイルアプリを主軸に事業展開している企業 | ▶︎詳細を見る |
| CONTENT ANALYTICS | コンテンツヒートマップ/4象限分析/AI提案 | 無料〜要見積もり | 改善優先度を明確化 | コンテンツ改善・SEOを重視する企業 | ▶︎詳細を見る |
Contentsquare(コンテンツスクエア)

| 主な機能 | • ゾーニング分析 • セッションリプレイ(ユーザー行動の動画再現) • カスタマージャーニー分析 • JavaScriptエラー検知・分析 • AI自動インサイト生成 など |
| 料金プラン | • 無料〜個別見積もり(企業規模・ニーズに応じて) |
| 事例 | •山田養蜂場様|新規会員登録率が147%向上 |
Contentsquareは、AIを活用した高度な顧客体験分析プラットフォームです。日本はもちろん世界中の大企業に導入されており、Webサイトやアプリのユーザー行動を詳細に可視化します。
特に強みであるゾーニング分析機能では、エンゲージメント率*や魅力度*など、革新的なUX指標を通じて、ユーザーがサイトのページ上のコンテンツとどのように相互作用しているかを理解するのに役立ちます。
*エンゲージメント率:ゾーンにホバー(触れる・なぞる)したユーザーのうち、実際にクリックまで至った割合
*魅力度:ユーザーに表示されたゾーンのうち、実際にクリックされた割合

料金は企業規模やニーズに応じて、個別見積もりとなっています。無料プランもございます。
Contentsquareは豊富なデータを活用して本格的なサイト改善に取り組みたい大企業やEC事業者、強力なUX改善を行いたい方に特におすすめのツールです。
>>Contentsquareのサービス詳細資料はこちら
>>料金や事例のご相談はこちら
ミエルカ ヒートマップ

| 主な機能 | ・アテンションヒートマップ(熟読エリア分析) • クリックヒートマップ • スクロールヒートマップ(離脱ポイント特定) • セグメント分析(属性・流入元別) • A/Bテスト機能 |
| 料金プラン | • フリー:無料(3,000PV/月) • ミニマム:10,780円/月(10,000PV) • ビジネス:21,780円/月(50,000PV) • ファースト:54,780円/月(300,000PV) |
ミエルカ ヒートマップは、株式会社Faber Company提供の、UI/UX改善に特化したヒートマップツールです。
基本的な3種類のヒートマップ機能を中心に、セグメント分析やA/Bテストまで対応可能です。無料プランから始められ、段階的にアップグレードできる柔軟な料金体系も魅力的です。
初心者でも直感的に使える操作性と、日本企業による手厚いサポートが受けられます。特に中小規模のWebサイトを運営しており、コストを抑えながらサイト改善の第一歩を踏み出したい企業に最適なツールといえるでしょう。
User Insight(ユーザーインサイト)

| 主な機能 | • 5種類のヒートマップ分析 • 組織・企業属性分析(BtoB向け) • セッションリプレイ機能 • SEO対策支援・順位追跡 • 広告効果測定・ROI分析 |
| 料金プラン | • 50万PVまで:55,000円/月〜 • 100万PVまで:要見積もり • それ以上:要見積もり |
User Insightは、株式会社ユーザーローカルが提供する、早稲田大学の研究を基に開発された高機能ツールです。
ヒートマップ機能に加え、訪問企業の特定やSEO対策支援など、Webサイト運営に必要な機能がオールインワンで搭載されています。特にBtoB企業にとって有用な組織分析機能は、リード獲得に大きく貢献します。
初心者でも直感的に使える操作性と、日本企業による手厚いサポートが受けられます。月額55,000円(税込)からと価格は高めですが、機能の豊富さを考慮するとコストパフォーマンスは高いといえます。中〜大規模サイトを運営し、SEO対策も同時に行いたい企業に最適なツールです。
Mouseflow(マウスフロー)

| 主な機能 | • 6種類のヒートマップ(クリック、スクロール、アテンション、ムーブメント、ジオ、ライブ) • セッションリプレイ(完全録画) • ファネル分析 • フォーム分析(離脱ポイント特定) • フィードバック収集機能 |
| 料金プラン | • 無料:0円(500セッション/月) • スターター:4,070円/月(5,000セッション) • グロース:11,671円/月(15,000セッション) • ビジネス:22,891円/月(50,000セッション) • プロ:44,891円/月(150,000セッション) |
Mouseflowは、デンマーク発のヒートマップツールで、全世界21万社以上の導入実績を誇ります。特にセッションリプレイ機能が充実しており、ユーザーの詳細な行動分析が可能です。
6種類の多彩なヒートマップと、ファネル分析、フォーム分析など、コンバージョン改善に必要な機能を網羅しています。無料プランから始められ、段階的な料金プランで成長に合わせて拡張可能です。
14日間の無料トライアルもあり、導入前にしっかりと機能を試すことができます。ユーザー一人ひとりの行動を詳細に分析し、UI/UXの根本改善を目指す企業に最適なツールといえるでしょう。
Crazy Egg(クレイジーエッグ)

| 主な機能 | • ヒートマップ(クリック、スクロール、コンフェティ) • セッションレコーディング • A/Bテスト(ビジュアルエディタ付き) • スナップショット機能 • トラフィック分析 |
| 料金プラン | • Basic:$29/月(30,000PV) • Standard:$49/月(75,000PV) • Plus:$99/月(150,000PV) • Pro:$249/月(500,000PV) ※30日間無料トライアルあり |
Crazy Eggは、ニール・パテル氏が共同創業者の世界的に有名なツールです。30万社以上の導入実績があり、その信頼性と使いやすさで多くのマーケターに支持されています。
ヒートマップ分析に加え、ビジュアルエディタを使った簡単なA/Bテスト機能が大きな特徴です。仮説の立案から検証、改善までをワンストップで実施できるため、スピーディーなPDCAサイクルが実現できます。
ドル建て料金ですが、機能を考慮すると非常にコストパフォーマンスが高いツールです。A/Bテストを重視し、データドリブンな改善を継続的に行いたい企業に特におすすめといえるでしょう。
SiteLead(サイトリード)

| 主な機能 | • 3種類の基本ヒートマップ(スクロール、クリック、アテンション) • ポップアップ機能(クーポン・キャンペーン表示) • ナーチャリング機能 • 自動レポート生成 |
| 料金プラン | • フリー:0円(30日間) • スタート:1,306円/月(30,000PV) • グロース:3,278円/月(100,000PV) • プロ:6,578円/月(300,000PV) |
SiteLeadは、株式会社N1テクノロジーズが提供する、業界最安値水準のWebサイト改善ツールです。最短5分で導入可能な手軽さと、低価格ながら必要十分な機能を備えている点が魅力となっています。
基本的なヒートマップ機能に加え、ポップアップ施策やナーチャリング機能まで搭載されており、分析から改善施策の実行までを一つのツールで完結できます。月額1,306円(税込)からという破格の料金設定も大きな特徴です。
予算が限られている中小企業や個人事業主、まずは低コストでヒートマップ分析を始めたい企業に最適なツールです。シンプルながら実用的な機能で、費用対効果の高いサイト改善が実現できるでしょう。
SiTest(サイテスト)

| 主な機能 | • ヒートマップ分析+セッションリプレイ • A/Bテスト(ノーコード作成) • EFO(フォーム最適化) • AIレポート(自動改善提案) • パーソナライズ機能 |
| 料金プラン | • フリー:0円(期間無制限) • Lite:9,350円/月 • Standard:要見積もり |
SiTestは、株式会社グラッドキューブ提供のLPO(ランディングページ最適化)ツールです。70万サイト以上の導入実績があり、コンバージョン率向上に必要な機能をオールインワンで提供しています。
特にA/Bテストがノーコードで簡単に実施できる点が大きな特徴です。AIによる自動改善提案機能も搭載されており、専門知識がなくても効果的な改善施策を実行できます。
無料プランが期間無制限で利用できるため、まずは試してみることが可能です。LPの改善に特化したい企業や、A/Bテストを頻繁に実施したい企業に最適なツールといえるでしょう。
Ptengine(ピーティーエンジン)

| 主な機能 | • ヒートマップ分析 • Web接客(ポップアップ、チャット) • A/Bテスト • アンケート機能 • AI自動分析 ・改善提案 |
| 料金プラン | • Free:0円(3,000PV/月) • Growth:5,478円/月(30,000PV) • Premium:要見積もり※14日間無料トライアルあり |
Ptengineは、株式会社Ptmind提供の、データ分析からWeb接客まで一元化したツールです。世界で20万社以上の導入実績があり、グッドデザイン賞も受賞しています。
ヒートマップ分析だけでなく、Web接客やアンケート機能まで搭載されており、ユーザーとのコミュニケーションを重視したサイト改善が可能です。AI機能により、効率的な運用もサポートされます。
無料プランから始められ、成長に合わせて拡張可能な料金体系となっています。データ分析に留まらず、具体的なアクションに繋げていきたい企業に最適なツールです。
UXCam(ユーエックスカム)

| 主な機能 | • タッチヒートマップ(タップ・スワイプ分析) • セッションリプレイ(アプリ内行動録画) • ファネル分析 • クラッシュ分析 • イベント分析 ・オンボーディング分析 |
| 料金プラン | • 無料プラン:基本機能(セッション数制限あり) • Premium:要見積もり • Enterprise:要見積もり ※14日間無料トライアルあり |
UXCamは、モバイルアプリ専用のユーザー体験分析プラットフォームです。アプリ内のユーザー行動を詳細に可視化し、UI/UX改善やクラッシュ対策に特化しています。
タッチヒートマップやセッションリプレイなど、アプリ特有の分析機能が充実しています。クラッシュ分析により、技術的な問題も素早く発見・解決できるため、アプリの品質向上に大きく貢献します。
モバイルアプリが事業の中心となっている企業にとって必須のツールです。14日間の無料トライアルで、アプリ分析の効果を実感してから導入を検討できる点も魅力といえるでしょう。
CONTENT ANALYTICS(コンテントアナリティクス)

| 主な機能 | • コンテンツヒートマップ(要素別分析) • 4象限マトリクス(重要度×改善ポテンシャル) • AI自動認識(コンテンツ要素検出) • 自動改善提案 |
| 料金プラン | • 無料プラン:基本機能のみ• 有料プラン:個別見積もり |
CONTENT ANALYTICSは、株式会社UNCOVER TRUTH提供の、AI搭載Webサイト分析ツールです。ページ内の各コンテンツ要素をAIが自動認識し、それぞれのパフォーマンスを定量的に分析します。
4象限マトリクスにより、改善優先度が一目で分かる点が大きな特徴です。どのコンテンツを優先的に改善すべきかが明確になるため、効率的なサイト改善が実現できます。
コンテンツマーケティングを重視する企業や、データドリブンな改善を徹底したい企業に最適です。AIの活用により、専門知識がなくても高度な分析が可能となる点も魅力といえるでしょう。
【お試し向け】無料のヒートマップツールおすすめ比較3選
「まずはコストをかけずにヒートマップツールを試してみたい」という方のために、無料で利用できるおすすめのツールを3つご紹介します。
それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合ったものから導入を検討することで、リスクを最小限に抑えながらヒートマップ分析を始めることができます。
Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)

| 主な機能 | • 3種類のヒートマップ(クリック、スクロール、エリア)• セッションレコーディング • Google Analytics連携 • AI行動パターン分析 • フィルタリング機能 |
| 料金・制限 | • 完全無料 • データ保持期間:30日間 |
Microsoft Clarityは、Microsoft社が提供する完全無料のヒートマップツールです。無料でありながらPV数やセッション数の制限がなく、有料ツールに匹敵する高機能を備えています。
Google Analyticsとの連携により、量的データと質的データを組み合わせた分析が可能です。AIによる行動パターンの自動分類機能も搭載されており、効率的なインサイト取得ができます。
すべての機能が永続的に無料で提供されるため、個人ブログから大規模企業サイトまで、あらゆる規模のWebサイトで安心して利用できます。コストを一切かけずに本格的なヒートマップ分析を始めたいすべての方におすすめのツールです。
User Heat(ユーザーヒート)

| 主な機能 | • 5種類のヒートマップ(熟読エリア、クリック箇所、終了エリア、離脱エリア、マウスムーブ) • PC・スマートフォン対応 • ユーザーセッション分析 |
| 料金・制限 | • 完全無料• 月間30万PVまで • データ保持期間:1ヶ月間 |
User Heatは、株式会社ユーザーローカル提供の完全無料ツールです。80万サイト以上の導入実績があり、日本製ツールならではの使いやすさが特徴となっています。
5種類の豊富なヒートマップ分析により、多角的なユーザー行動分析が可能です。月間30万PVまでという制限はありますが、中小規模サイトには十分な容量といえます。
完全日本語対応で、インターフェースも分かりやすく設計されています。ヒートマップツールを初めて導入する企業や、個人ブログ運営者に最適な入門ツールといえるでしょう。30万PVを超える場合は、有料版のUser Insightへのアップグレードも可能です。
QA Assistants (QA アシスタント)

| 主な機能 | • ヒートマップ(クリック、スクロール、到達度) • セッションリプレイ • シンプルなアクセス解析 • WordPress管理画面統合 |
| 料金・制限 | • フリー:0円(100,000PV/月) • ライト:1,815円/月(500,000PV) • プロ:3,630円/月(1,000,000PV) |
QA Assistantsは、WordPressサイト専用の日本発ヒートマップツールです。プラグインとして提供されており、複雑な設定なしに数ステップで導入できる手軽さが最大の魅力となっています。
WordPress管理画面内でデータを確認できるため、複数ツールを切り替える必要がありません。月間10万PVまで無料で利用でき、有料プランも非常に安価な設定となっています。
WordPressでサイトを運営している個人事業主や中小企業に最適です。「見やすい・分かりやすい・安い」というコンセプト通り、初心者でも簡単に使いこなせるツールといえるでしょう。
ヒートマップツールとは?Webサイト改善に必要な理由
ヒートマップツールは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を色分けして可視化するツールです。ユーザーがクリックした箇所、スクロールした位置、マウスを動かした軌跡など、様々な行動データを収集し、それを「熱」として表現します。

赤色が濃い部分ほどユーザーの関心が高く、青色になるほど関心が低いことを示します。この視覚的な表現により、数値データだけでは把握できないユーザー行動の傾向を直感的に理解することができます。
Google Analyticsなどの定量的なデータと組み合わせることで、より深いインサイトを得ることが可能です。ページのどの要素がユーザーの注目を集めているのか、どこで離脱してしまうのかといった情報は、サイト改善の方向性を決める上で極めて重要な指標となります。
なぜ今ヒートマップツールが注目されるのか
近年、ヒートマップツールが急速に注目されるようになった背景には、デジタルマーケティングの高度化とユーザー中心設計の重要性の認識が挙げられます。
単なるアクセス数やクリック数といった量的データだけでなく、ユーザーがなぜそのような行動を取ったのかという質的データの必要性が高まっています。
また、モバイルデバイスの普及により、PC表示とスマートフォン表示でのユーザー行動の違いを理解することが不可欠になりました。デバイスごとに最適化されたUI/UX設計が、コンバージョン率に直結する時代となっています。
さらに、データドリブンな意思決定の浸透により、主観や経験則ではなく、客観的なデータに基づいた改善が求められるようになりました。ヒートマップツールは、こうしたニーズに応える強力なツールとして、Webマーケティング担当者から高い評価を受けています。
ヒートマップツールでできること、5つの基本機能を解説
ヒートマップツールには、Webサイト改善に役立つ様々な機能が搭載されています。これらの機能を理解することで、ツール選択の際の判断基準となり、導入後の効果的な活用にも繋がります。
ここでは、ヒートマップツールの5つの基本機能について、詳しく解説していきます。それぞれの機能がどのような分析を可能にし、サイト改善にどう貢献するのかを理解することで、より戦略的なツール活用が実現できるでしょう。
熟読エリアの可視化(アテンションヒートマップ)
アテンションヒートマップは、ユーザーがページ上のどの領域に最も注目しているかを可視化する機能です。マウスカーソルが留まった時間やスクロール速度を基に、ユーザーの視線が集中している領域を色分けして表示します。
赤色に近いほど注目度が高く、青色になるほど注目度が低いことを示します。この機能により、ファーストビューのコンテンツ効果や重要メッセージの到達率、読み飛ばされているセクションなどが明確になります。
例えば、重要な情報が青色で表示されている場合、レイアウトやコピーの見直しが必要です。この分析結果を基に、ユーザーの関心を引くコンテンツ配置や情報設計の最適化を図ることができ、コンバージョン率向上のための効果的な施策立案が可能となります。
クリックエリアの可視化(クリックヒートマップ)
クリックヒートマップは、ユーザーがページ上のどこをクリックしているかを可視化する機能です。ボタン、リンク、画像など、実際のクリック箇所を色の濃淡で表現し、クリック頻度の高い場所を一目で把握できます。
特に重要なのは、クリック可能でない要素への誤クリックの発見です。ユーザーがクリックできると誤解している画像やテキストがある場合、UI設計に改善の余地があることを示しています。
CTAボタンのクリック率やナビゲーションの利用状況も分析でき、重要なボタンのクリック率が低い場合は、デザインや配置、文言の見直しにより、コンバージョン率向上が期待できます。この機能により、ユーザビリティの向上とビジネス成果の改善を同時に実現できるでしょう。
終了エリアの可視化(スクロールヒートマップ)
スクロールヒートマップは、ユーザーがページをどこまでスクロールしているかを可視化する機能です。ページの各位置における到達率を色分けして表示し、離脱ポイントを明確にします。
ページ下部へ進むにつれて色が薄くなり、25%、50%、75%、100%といった到達率が視覚的に把握できます。急激にユーザー数が減少する位置は、コンテンツに問題がある可能性を示唆しています。
重要な情報やCTAボタンがページ下部にある場合、そこまで到達するユーザーが少なければ、コンテンツの順序変更やページの短縮化を検討する必要があります。この分析により、最適なページ構成を実現し、より多くのユーザーに重要な情報を届けることが可能になります。
マウスの動きの可視化(マウスフロー・マウスグラフィ)
マウスムーブ機能は、ユーザーのマウスカーソルの動きを追跡し、その軌跡を線や点で可視化する機能です。ユーザーの視線の流れや迷いを把握し、情報探索パターンを理解できます。
マウスが頻繁に行き来している箇所は、ユーザーが迷っている可能性があります。また、重要な情報への到達経路が複雑な場合、情報設計の見直しが必要であることが分かります。
自然な視線の流れに沿ったレイアウト設計や、UI要素間の関連性を考慮した配置により、より直感的で使いやすいインターフェース設計が可能になります。ユーザーの迷いを減らし、スムーズな操作性を実現することで、全体的なユーザー満足度の向上に貢献します。
デバイス別の分析(PC・スマホ・タブレット)
現代のWebサイトでは、デバイス別の最適化が必須です。ヒートマップツールのデバイス別分析機能により、PC、スマートフォン、タブレットそれぞれでのユーザー行動の違いを把握できます。
PCでは問題ないUIが、スマートフォンでは使いづらいケースは多く存在します。例えば、ボタンが小さすぎてタップしづらい、テキストが読みづらいなどの問題を発見できます。
デバイス別にタップ/クリック位置、スクロール深度、操作性の課題を分析することで、レスポンシブデザインの効果を測定し、各デバイスに最適化された改善が可能になります。すべてのデバイスで快適なユーザーエクスペリエンスを提供し、デバイスを問わない高いコンバージョン率を実現できるでしょう。
その他、ユーザーの動きを動画で確認できるセッションリプレイ機能やABテスト機能など、ツールによって搭載されている機能が異なります。基本的な上記5つの機能に加えて、他にどのような機能があるのかという軸でも比較されることをおすすめします。
ヒートマップツールを導入する4つのメリット
ヒートマップツールの導入には、Webサイト改善に関する多くのメリットがあります。
これらのメリットを理解することで、ツール導入の投資対効果を正確に判断することができます。ここでは、ヒートマップツール導入の4つの主要なメリットについて詳しく解説します。
直帰率・離脱率を把握できる
ヒートマップツールを導入することで、単なる数値としての直帰率・離脱率だけでなく、「なぜ」ユーザーが離脱したのかという理由を具体的に把握できます。Google Analyticsでは得られない定性的な情報により、効果的な改善策を立案できます。
離脱が多発する具体的な位置、離脱前のユーザー行動パターン、コンテンツの問題箇所、デバイス別の離脱傾向など、詳細な分析が可能です。例えば、特定のセクションで急激にスクロールが止まり離脱が発生している場合、そのコンテンツの見直しが必要であることが明確になります。
このような具体的な改善ポイントを特定することで、推測ではなくデータに基づいた効果的な施策を実行でき、直帰率・離脱率の着実な改善が実現できるでしょう。
CVRを向上のための施策が見つけやすくなる
コンバージョンレート(CVR)向上は、すべてのWebマーケティング担当者の最重要課題です。ヒートマップツールは、コンバージョンに至るまでのユーザー行動を詳細に分析し、改善施策を明確にします。
CTAボタンの視認性問題、フォーム入力での離脱ポイント、購入プロセスの障壁、説得材料の不足箇所など、コンバージョンを阻害する要因を特定できます。例えば、CTAボタンまで到達しているのにクリックされていない場合、ボタンのデザインや文言に問題があることが分かります。
データに基づいた具体的な改善により、推測や経験則に頼らない、確実性の高い施策を実行できます。結果として、コンバージョン率の着実な向上と、ROIの最大化が期待できるでしょう。
サイトのユーザビリティ改善に貢献する
ユーザビリティの向上は、サイトの成功に直結する重要な要素です。ヒートマップツールにより、ユーザーが実際にどのようにサイトを利用しているかが明確になり、使いやすさの改善点を発見できます。
誤クリックが多い要素の発見、ナビゲーション構造の問題、情報アーキテクチャの最適化、エラーメッセージの配置改善など、様々な改善ポイントが浮き彫りになります。ユーザーの実際の行動を観察することで、設計者の想定と実際の利用状況のギャップを埋めることができます。
より直感的で使いやすいWebサイトを実現することで、ユーザー満足度が向上し、リピート率の増加や口コミによる新規ユーザー獲得など、長期的なビジネス成果に繋がります。
データに基づいたサイト改善提案が可能になる
ヒートマップツール最大のメリットは、主観や経験則ではなく、客観的なデータに基づいた改善提案が可能になることです。これにより、改善施策の成功確度が大幅に向上し、無駄な改善作業を削減できます。
改善効果の予測精度向上、施策の優先順位付けの明確化、経営層への説得力ある提案、PDCAサイクルの効率化など、組織全体の意思決定プロセスが改善されます。具体的な数値とビジュアルデータにより、社内での合意形成もスムーズになります。
投資対効果の高い施策に集中できるため、限られたリソースを最大限に活用でき、確実な成果を生み出すサイト改善が実現できるでしょう。
【迷ったら】ヒートマップツール比較の5つのポイント
ヒートマップツール市場には、多くの製品が存在しており、それぞれ異なる特徴と価格帯を持っています。最適なツールを選択するためには、いくつかの重要な比較ポイントを理解しておく必要があります。
ここでは、ツール選択の際に特に重要な5つのポイントについて解説します。これらのポイントを押さえることで、自社にとって最適なツール選びが可能になるでしょう。
自社の目的にあった機能が搭載されているか
ツール選択の第一歩は、自社の目的と必要機能のマッチングです。サイトの種類や改善目標により、必要な機能は大きく異なります。
ECサイトならファネル分析やカート離脱分析、メディアサイトなら読了率や滞在時間分析、SaaSならオンボーディング分析やフォーム分析、コーポレートサイトなら問い合わせ導線分析が重要になります。
将来的な機能拡張の可能性も考慮し、成長に合わせてアップグレードできるツールを選択することが重要です。過不足のない機能選択により、コストパフォーマンスの最適化が図れます。まずは自社の課題を明確にし、それを解決できる機能を持つツールを選びましょう。
料金体系やプラン
ヒートマップツールの料金体系は、完全無料、月額固定制、従量課金制など多様です。自社の予算と期待効果のバランスを慎重に検討する必要があります。
完全無料ツールはコストゼロですが機能制限があり、月額固定制は予算計画しやすいもののPV超過で追加料金が発生する場合があります。従量課金制は使用分だけの支払いですが、コスト予測が困難です。
初期費用、サポート費用、アップグレード時の料金も含めた総合的なコスト評価が必要です。短期的な費用だけでなく、長期的な視点で見た場合の費用対効果を慎重に検討し、自社にとって最適な投資となるツールを選択しましょう。
計測可能上限やデータ保持期間
サイトの規模と成長予測に基づき、適切な計測能力を持つツールを選択することが重要です。特に成長中のサイトの場合、将来的な拡張性を考慮する必要があります。
月間PV上限は現在の1.5〜2倍の余裕を持たせ、データ保持期間は最低3ヶ月以上確保することが望ましいです。同時計測ページ数やエクスポート機能の有無も確認しましょう。
データ保持期間が短すぎると、季節変動や長期トレンドの分析ができません。長期的なサイト改善を視野に入れて、十分なデータ保持期間と拡張性を備えたツールを選択することが、継続的な改善活動の成功に繋がります。
サポート体制
ヒートマップツールの導入と運用において、ベンダーやコンサルティング会社などサポート体制は重要です。特に初めて導入する場合、専門家のサポートが必要になることが多くあります。
電話、メール、チャットなどのサポートチャネル、対応時間、日本語サポートの有無と品質、オンボーディング支援の有無、定期的な活用支援やコンサルティングサービスなどを確認しましょう。
自社の人員体制と知識レベルに応じて、必要なサポート体制を備えたツールを選択することが、ツール導入の成功に直結します。
無料トライアルの可否
多くのヒートマップツールは無料トライアル期間を提供しており、本格導入前に機能や使い勝手を試すことができます。
トライアル期間の長さ(14日間、30日間など)、利用可能な機能の範囲、自動課金の有無、複数ツールの同時トライアルの可否などを確認しましょう。トライアル期間中のサポート体制も重要な判断基準です。
可能であれば複数のツールを同時にトライアルし、実際の業務フローに組み込んで比較検討することが、最適なツール選択に繋がります。トライアル期間を有効活用し、導入後の失敗リスクを最小限に抑えましょう。
実績豊富で使いやすいヒートマップツールならContentsquare(コンテンツスクエア)
Contentsquareは、本記事で紹介した有料ツールの中でも、特に実績が豊富で、機能が充実したヒートマップツールです。日本・世界中の多くの企業に導入されており、その信頼性と機能性は業界でも最高水準といえます。
AIを活用した高度な分析機能により、ユーザー行動の複雑なパターンを自動で認識し、改善提案を行ってくれます。また、ゾーニング分析機能により、ページ全体だけではなくパーツごとにクリック率や露出率を可視化できるため、効率的にWebサイトの改善を行うことができます。
売上に直結する改善が求められるECサイトや、比較的規模が大きいWebサイトなど、本格的なサイト改善に取り組みたい企業におすすめのヒートマップツールです。
NTTドコモグループであるDearOneでは、Contentsquareで成果を最大化していただくための導入/活用のご支援を行っております。「導入しても使いこなせるかわからない」「分析や改善ノウハウが欲しい」という方はお気軽にご相談ください。
