データの民主化がもたらす、一億総分析時代

2021.02.19

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こんにちは。安田です。

アプリ開発とデジタルマーケティングを支援する株式会社DearOneでB to Bマーケティングをしています。そんな私が初心者マーケターにもわかるように解説していくこのコーナー。

今回で4回目となりました。

第1回目は「グロースハックとグロースマーケティングの違い」

第2回目では「やたら勘と経験で語る上司に教えたいデータドリブン」

第3回目では「知ったかぶりして語れるオムニチャネルとOMOの違い」

第1回目から順番に読んでいただければ、より理解が深まると思いますので、まだ読んでいただけていない人はぜひ読んでから戻ってきてほしいです。

それでは、今回のテーマを発表します。

今回のテーマはこちら。

データの民主化がもたらす、一億総分析時代

Here We Go!

データは誰のためのものか?

データを有効に活用できていますか?データを蓄積するだけで有効活用できていない企業って実はたくさん存在するんですよ。

  • データが大事というのを頭で理解できていても使い方がいまいちわかっていない
  • データの分析なんて高度な仕事は自分には無理
  • 自分にはせいぜいEXCELのピボットテーブル位しか使えない
  • データサイエンティストっていう一部の頭のいい人の仕事でしょ、、、 

なんて考えている方も多いのでは?

実際にこれまで「データ分析」は高度なスキルを要していて、誰にでもできる業務ではありませんでした。

しかし、それはもう過去の話になりつつあるのです。

データが一部のプロフェッショナルのためのものであった時代は終わりました。

現在では様々なデータ分析ツールが存在しており、簡単に誰でもデータを活用できる未来がもうすぐ来るかもしれないのです。

そしてその環境を構築することが、今後、グロースを進める上で大切になります。

データの民主化

データの民主化とは「誰もが簡易にデータにアクセスでき、活用できる環境」のことを意味します。

GUI( Graphic User Interface)を使用して、簡単にデータ分析できるソリューションが登場したことによって、誰でも欲しいデータを欲しいときに見られるようになり、データの民主化という考え方が生まれました。

GUIとは、その名の通り画像やアイコン等のグラフィックベースの操作体系を持つUIのことで、より直感的に状況把握や操作ができるインターフェースです。

例えば、スマートフォンアプリのアイコン等のマウス、キーボードで操作が可能なものがGUIです。

GUIとよく比較されるCUIというものがあります。これはCharacter-based-User-Interface(キャラクターユーザーインターフェース)の頭文字を取った略語で、文字・テキストのみで表現されているユーザーインターフェースのことを意味します。

データ分析では、SQL(Structured Query Language)というコンピュータ言語が良く使われます。「SELECT 〇〇 FROM 〇〇 WHERE 〇〇」みたいな構文を記述してテーブルから一定の条件に合致したデータを抽出し、それを加工して分析するのです。

もうこの辺で、アレルギー反応が出てくる人も多いでしょう。

しかし今ではGUIで操作できるデータ分析のツールが揃っています。

Webの解析などで多くの方が使っているであろうGoogle Analyticsやビジネスインテリジェンスツールとして有名なTableau(タブロー)、米国No.1の行動分析ツールであるAmplitude(アンプリチュード)等。

データがより直感的に活用できるようになったために、これまでは「高度なスキルを持つプロフェッショナル人材」でしか行えなかった業務を、誰もが行えるようになりました。

これによって何が起こるのでしょうか?

今までは、例えばマーケターが新しい施策を検討するためにデータを見たいと思うと、エンジニアやデータサイエンティストに依頼して膨大なデータを分析してもらう必要がありました。

これには時間もかかりますし、出てきたデータが本当に自分が見たいデータと異なっていても、何度も人に頼むのも面倒だしまぁいいか、ということが起こっていたのです。

依頼した相手が1週間かけて出してきたデータに「これ違うからもう一回出して」とはなかなか日本人は言いにくいですよね。

結果的にマーケティング施策の根拠となるデータが揃うのが遅くなったり、正確性に欠く状態が生まれ、ビジネスをグロースさせる妨げになっていました。

一方、データ分析基盤が整い、誰もがデータを活用できるようになれば、より高速にマーケティング施策の実行を行えるようになります。

例えばECサイト運営をしている人が、自分で顧客の行動データを見て、「カートに商品を入れているのに最後の購入ボタンを押さずに離脱する人が多い」と分かれば、「購入ボタンの近くに割引クーポンを表示して購入の最後の後押しをしよう」という仮説が思いつくわけです。

この仮説は必ず成功するわけではありません。だからこそ、早く実行してダメなら他の手段を試すことが重要です。

グロースマーケティングでは持続的にビジネスをグロースさせることを目指しており、この「施策実行と検証を高速に繰り返す」点に重点を置いています。

データの民主化は施策実行の高速化を導き、グロースマーケティングを進める一歩となるでしょう。

ツールを入れればデータは民主化できる?

ここまでさんざんツールの進化の話をしてきましたが、ではツールを入れればデータは民主化できるのでしょうか?

答えは「ノー」です。

ツールをただ導入するだけではデータの民主化を実現させることはできません。

ツールは確かに偉大で、時にとても大きな成果を生み出します。

ですがツールはあくまでも何かを達成するための「手段」でしかなく、それをうまく使いこなすことができなければ、目的を達成することは困難となるのです。

素晴らしいツールが入っていても、経営層が部下に「おい、この前導入したツールでデータ分析した結果を報告資料にまとめて印刷し、今度の経営会議で報告しろ」なんて指示を出していてはスピードは上がりません。

部下がツールで分析した結果を画面キャプチャ―してせっせとパワーポイントに張り付け、大してみられもしない大量の資料を印刷して会議室の横に立ち並ぶだけの無駄な仕事です。

今やGUIでデータを分析し、結果をリアルタイムに画面に出せるのです。

それを別の報告資料にまとめるなんてナンセンスで無駄でしかありません。

経営層も自分でダッシュボードを見て重要なKPIを自分で把握するくらいのリテラシーが必要です。

経営層もマーケターもデータサイエンティストもエンジニアも、その他の職種の人も、誰もが等しく必要なデータを自分で見て、自分で判断するのが理想です。

同じデータを見ることで、共通の目線で会話できるようになり、意思決定のスピードがぐんっと上がります。そうすることで、より高速で施策やテストを繰り返すことにも繋がり、ビジネスをグロースさせることができるようになるのです。

まとめ

この記事ではデータの民主化について解説をしました。データの民主化とは「誰もが必要なデータを必要な時に活用できる」という考え方のことで、ビジネスをグロースさせるために大事な考え方です。

データの民主化を実現させることで、意思決定のスピードが上がり、グロースマーケティングが重要視する「より高速に施策を繰り返す」ことができるようにもなります。

いつか日本でも誰もが簡単にデータ分析できる時代が来るかもしれませんね。わくわく。

お役に立ちましたでしょうか。

それではまた今度。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回のテーマは「マーケティングが行うべき、新規獲得よりも重要な仕事」です。新規顧客獲得がこれまでマーケティングのミッションとされていましたが、時代の変化と共に、ミッションも変わっています。

マーケティングが行うべきもっと重要な仕事とは何なのでしょうか?

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