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データを起点にしたアプリ開発から分析、施策実行までできるチームに変身。施策を次々と打ち出しCVが5%以上アップ|スペースマーケット|【DearOne】Amplitude導入インタビュー

2024.11.14

amplitudeのご相談は、
国内初パートナーのDearOneまでお問い合わせください。

行動分析ツール「Amplitude」総合代理店の株式会社DearOneは、株式会社スペースマーケットが運営するスペースシェアのマーケットプレイス「スペースマーケット」に同ツールを導入いただいています。

今回はAmplitude導入の経緯や成果について、株式会社スペースマーケットの村田様、徐(そう)様、王(おう)様に、エンジニア視点からのお話を伺いました。

課題:
  • データ分析とその分析に基づく施策の提案は、主にプロダクトマネージャーが行っており、アプリ開発チームは一部のデータしか見られていなかった
  • データ分析に抵抗があり、「慣れていかなければいけない」という課題意識があった
効果:
  • プロダクトマネージャーが不在でも、アプリ開発チームのみでデータ分析を基にした開発から実行、リリース後の検証・分析まで一貫して行えるようになった
  • データの可視化により、具体的なCV(コンバージョン)の数値を把握し、それをもとに仮説を立ててABテストを実施した結果、CVが5%以上も向上。数字に基づいた企画、提案ができるようになった
展望:
  • Amplitudeでの行動分析からカスタマージャーニーをより詳細に把握し、PDCAを回すことで、スペースマーケットのサービスを一層進化させていきたい

36,000以上のスペースを時間貸しする「スペースマーケット」

アプリを開発するエンジニアチーム

DearOne  市来|
スペースマーケット様には「スペースマーケット」にAmplitudeをご導入いただいております。最初に、Amplitudeを導入いただいた御社のサービスと特長を教えてください。

スペースマーケット 徐様|
スペースマーケットは、あらゆるスペースの時間貸しサービスです。36,000以上ものユニークなスペースの予約から支払いまでワンストップで簡単に行えるサービスを提供しており、弊社はそのプラットフォーム事業を運営しています。

「スペースマーケット」のWebサイト

DearOne 市来|
予約はアプリとWebの両方で行えるのですよね。利用割合はどちらが多いですか?

スペースマーケット 徐様|
アクティブユーザーは圧倒的にWebの方が大半ですが、成約数で見るとWebが6割、Appが4割となっており、AppはWebに対してアクティブユーザーが少ないにもかかわらず、ある程度の成約数があり、リピートして利用いただいているユーザー様が多いです。

DearOne 市来|
そうなんですね。Webの方が多いということは、街中よりも家や職場等でレンタル予約されている方が多いのかもしれませんね。皆様は御社でどういったお仕事をされているんでしょうか?

スペースマーケット 村田様|
私達はアプリチームに所属するエンジニアで、この3人でアプリの開発・運営を行っています。開発しているアプリには、スペースを利用するお客様向けの「ゲストアプリ」と、部屋を貸し出す側の「ホストアプリ」の2種類があり私達はそれぞれのアプリの開発を担当しています。

自走するアプリ開発チームへの挑戦

アプリチームで検証・分析・機能提案まで

DearOne 市来|
以前(2022年8月)のインタビューでは、Amplitudeの導入についてお話を伺いました。今回は、エンジニアの視点からAmplitudeの利点についてお聞かせください。

チームでAmplitudeを活用するようになった背景を教えていただけますか?

スペースマーケット村田様
スペースマーケット村田様

スペースマーケット 村田様|
今年の初めに上長より「アプリ開発チームがAmplitudeのデータを毎日見ていけば、データドリブンなアプリ開発ができるのではないか」と提案があり、Amplitudeを活用するようになりました。

DearOne 市来|
まだAmplitudeの活用を進めて数ヶ月なんですね。それまでのデータの活用方法はどのようなものだったのでしょうか?

スペースマーケット 村田様|
私達アプリ開発チームは、以前は数値の分析等に慣れておらず、アプリのダウンロード数やレビュー数など、スコアで簡単に見られる情報しか確認していない状況でした。

というのも、以前はプロダクトマネージャーが数値を分析して提案してくれて、その提案に基づいて私達は開発およびリリースのみ行っていました。そのため、私達はデータ分析に対して苦手意識を持ちつつ「慣れていかなければいけない」という課題を感じていました。

スペースマーケット 徐様|
アプリはWebと比べてユーザー数が多くないこともあって、私達がアプリ向けに開発した機能が実際にどのぐらいユーザーに使われて、どういう反応があるか、売上にどう貢献しているのかが見えないところがありました。自分たちの努力が会社の売上に反映されているかどうかわからない状況に対して「このままではいけない 」という危機感も常に抱えていました。

データ分析に慣れていなくても触っていると面白くなる

DearOne 市来|
アプリ開発チームが感じていた課題や危機感をAmplitudeによって解決できると感じられたんですね。最初はどのように活用を進められましたか。

スペースマーケット 村田様|
まずAmplitudeのダッシュボードを見やすいようにカスタマイズして、「毎朝必ずチームで数値を追う」という決め事をつくりました。ダッシュボードにはデイリーアクティブユーザーや成約数など、ユーザーの行動や経営に直結するような基本的な数値を並べ、まずはデータを見ることに慣れるところからスタートしました。

DearOne 市来|
決め事をつくってチームでデータに触れる時間をつくられたのが、素晴らしいですね。ダッシュボードの作成など、Amplitudeを使った感触はいかがでしたか。

スペースマーケット 村田様|
Amplitudeは操作が簡単で、機能をスピーディーかつ簡単にカスタマイズできると感じました。知りたい情報もすぐに表示されるので、現場からするとそこがとてもありがたいです。
最初はデータを見ることに抵抗があったのですが、実際にAmplitudeを触ってみるとユーザーの行動がわかりやすく見られるので、だんだん面白くなってきました。
そのおかげで「データを見る習慣」がつきました。

データの確認もこの3人で同時にオンラインでつながりながら行っているため、状況の把握や共有もしやすくなりました。

Amplitudeによってデータ分析から機能提案までのサイクルのスピード感がアップ

アプリチームでデータをもとに議論

DearOne 市来|
Amplitudeを通して、データを見ることに慣れていただけたのですね。それでは、Amplitudeを具体的にどのように活用しているかお聞かせいただけますか?

スペースマーケット 村田様|
私達はマネージャーの指示がなくても自立したチームとして動いていけることを目標に掲げ、「こういうユーザーを獲得したい」「この導線からのユーザー離れをなくす」という課題を見出し、その課題に対して効果的な機能の開発から実行、リリース後の分析まで行っています。

以前は機能を開発してユーザーに届けるところまでしか把握できておりませんでしたが、今ではAmplitudeを使って機能の提供後にユーザーからどういう反応があるかを見ることが可能になりました。その結果、そのユーザーの反応を参考にUI/UXの改善を行うことで、予約に至るまでの平均時間が短縮できたことが分かりました。

その他にも、私達はユーザーの細かい行動などを分析することが多いですね。

数字に基づいた他の部署への説明も説得力がアップ

DearOne 市来|
アプリ開発チームでデータ分析から機能提案までできるようになったことで、どのようなメリットがありましたか。

スペースマーケット 村田様|
開発だけでなく、リソースと検証の時間も割くようになり、サイクルのスピード感がとても上がりました。

以前はデータ分析結果を知りたいときは担当者に聞き、分析データを整えてもらい、そのデータを確認するという流れだったので、どうしても時間がかかっていました。今はそういった他チームや他部署を挟んだやり取りがなくなったので、そこのスピード感が出てきました。

スペースマーケット徐様
スペースマーケット徐様

スペースマーケット 徐様|
弊社は取締役がPO(プロダクトオーナー)というプロダクト全体を考える役割を担っていて、POが施策の優先順位を決めています。経営面も見ている方なので、当然、数字に基づいて判断をするので、施策を提案する際に数字を根拠に伝えることができるようになったことは変化として大きいですね。

DearOne 市来|
「データに苦手意識がある」と仰っていたところから、「施策を提案する際に数字を根拠に伝える」ようになられたのはすごいですね。具体的には、どのように伝え方が変わりましたか?

スペースマーケット 徐様|
Amplitudeのデータ分析結果によって数字で明らかに説明ができるので、他の部署に対しても「この機能をつけたら、ユーザーが約〇倍増えて、CVレートが約〇倍上がると見込めます」といった形に説明しやすくなりました。
数字に基づいて企画、提案することは以前から実現したいと思っていたことでした。

スペースマーケット 王様|
効果検証ができるようになったことでPDCAを自分たちで回せるようになり、レビューをもとにしたリニューアルの実施などのサイクルもとても早くなったと感じています。

CVが5%以上アップ!数値が示すAmplitudeの効果

アプリでのスペースの予約までの時間も短縮

DearOne 市来|
ありがとうございます。Amplitudeによる御社のチームの変化をとても感じました。Amplitudeによって生まれた事例や効果がありましたら教えてください。

スペースマーケット 村田様|
以前はユーザーが利用するスペースマーケットの検索一覧画面にスペースのタイトルや空き状況など、いろいろな情報が詰め込まれていて、煩雑で見づらい状況だと感じていました。そこで情報を削ったほうが見やすくなって回遊率が減るという仮説を立ててABテストを行ったところ、CVが予想以上に跳ね上がったんです。おおよそ5%以上アップしましたね。

DearOne 市来|
CVが5%以上アップしたとは、凄いですね!

スペースマーケット 村田様|
私達もびっくりしました。さらに、他のページの情報の断捨離も行うことでさまざまなことが改善するのではないかと考えて、今年4月からAndroidアプリを先行して実施したところ、CVが1%上がり、スペースの予約に至るまでの時間も1分以上短くなりました。

Amplitudeを使ったデータ分析が、良い結果に直結していると感じています。何となく内部で感じていたものに対する改善策を実施して、それが具体的な数字として現れたことを確認できたのはよかったですね。

仮説の検証により次々とCVが向上

スペースマーケット 徐様|
他にもあります。ユーザーがどのボタンを押したかを可視化できるツールで、スペース詳細画面を確認したところ、「レビューの件数」がたくさん押されていることがわかりました。その意図を考えたときに、「実際のレビューは少し下にあり離れているため、ユーザーは早くレビューを確認したくて件数を押すのだ」と仮説を立てました。

スペースマーケットのアプリ画面。件数をタップするとレビューが表示される


そこで件数を押したときにレビューのセクションまでスクロールされる機能をリリースし、同時にレビュー件数のタップ時に、Amplitudeイベントが送信されるようにしました。それによりそのユーザーがどれぐらい成約するかを見てみたんです。その結果、普段のCVRよりも遥かに上回る数字が出たんです。これはAmplitudeがなければ実現できない施策でしたね。

スペースマーケット 王様
スペースマーケット 王様

スペースマーケット 王様|
Amplitudeの効果は、数値で明確に出ていますね。私達アプリチームの下期目標としては「複数予約ユーザーを増やす」というものがあります。複数予約とは年に2回以上予約することと我々の中で定義しており、そのユーザーはロイヤルカスタマー化するというデータがあります。

スペースマーケットのユーザーホーム画面には閲覧履歴や新規企画などの情報が載っており、そこに過去に利用したスペースの予約を簡単にできる機能を追加しました。その結果、他のセクションを大幅に超える数字が出てきました。

DearOne 市来|
ホーム画面の機能追加でCVの改善が顕著にあらわれていて素晴らしいですね!今後さらに取り組まれていく施策があれば教えていただけますか?

スペースマーケット 村田様|
最近、iOSのゲストアプリに新しい機能をリリースしました。アプリを開かずにロック画面でリアルタイムの利用状況を確認できるもので、残り時間などが表示される機能を実装したところ、前月比で予約延長の件数が10%ほど増えました。iOSで効果が出たので、Androidにも実装していく予定です。いきなり両方に実装するのではなく、Amplitudeを使うことで片方のみに実装、検証して効果が出たものだけを両方に展開と、効率化することができて助かっています。

この施策実施時の具体的な話は「スペースマーケット Engineer Blog」ブログにも記載しているのでもしよければご覧ください!(クリックすると外部サイトに飛びます)

「最寄りトイレ機能」等の未来の構想にもAmplitudeの活用を検討

幅広い利用シーンの提案

DearOne 市来|
今後、スペースマーケットはどのように進化していく予定ですか。

スペースマーケット 徐様|
アプリに関していうと、年齢や性別、地域に関係なく「誰でも使いやすいもの」にしたいですね。ユーザーが今後も末永く使い続けてくれるアプリにしたいという思いがあります。

(左から)DearOne杉本、市来、スペースマーケット村田様、徐様、王様
(左から)DearOne杉本、市来、スペースマーケット村田様、徐様、王様

スペースマーケット 村田様|
僕は「ユーザーにとって近い存在でありたい」と思っています。スペースマーケットは会議やビジネスの利用をイメージされることが多いのですが、じつは利用目的はもっと幅広く、たとえば「トイレを使いたい」「授乳室として利用したい」「昼休みにクーラーの効いた部屋で涼みたい」など、多様なニーズに応えることができるサービスです。もっと気軽に、自分の身近にあるスペースを使ってほしいですね。それをアプリのアイコンやホーム画面にもわかりやすく表示できるといいなと思います。

DearOne 市来|
たしかに会議室として使うイメージが、今は強いかもしれませんね。

スペースマーケット 村田様|
公園のトイレを使うよりは、1時間分のお金を払ってでもスペースを借りたいという人もいると思うんです。ですので「最寄りトイレ機能」を追加する構想もしており、いつかリリースしたいと個人的に思っています。実装したら、それもAmplitudeを使ってデータを分析し、改善を進めていきたいです。

スペースマーケット 徐様|
お子さん連れの方には授乳スペースやオムツ替えの場所が少ないのでそういうニーズに応えることもできればいいなと思います。

データを起点にPDCAを回していく

カスタマージャーニーをもとにした分析を

DearOne 市来|
幅広い層の方が、気軽にレンタルスペースを活用してもらいたいですね。今後は、Amplitudeをどのように活用したいですか。

スペースマーケット 王様|
今まではある機能のクリック数や複数予約のユーザー数など、固定の数値だけを見て分析していましたが、今後はAmplitudeでの行動分析からカスタマージャーニーをより詳細に把握し、PDCAを回していきたいと考えています。

スペースマーケット 村田様|
今年からAmplitudeを使うようになってデータを見ることにやっと慣れてきた段階です。まだ高度な分析はできておらず、使いこなせていないという自覚があるので、さらに勉強して新たな機能を使って分析を行っていきたいです。

あとは、アプリを利用しているユーザーに対して、より良い影響を与えるための分析の活用ポイントはまだ把握できている自信がないので、そこを探りながら、今後もAmplitudeを活用していきたいです。

スペースマーケット 徐様|
下期は複数回利用のユーザーに重点を置いて、今後もリピート利用してくださる方を増やしていくことに注力します。

DearOne 市来|
ありがとうございます。DearOneに今後、期待することはありますか?

スペースマーケット 徐様|
以前は社内の勉強会を通し新しい機能の発見や、チャートの使い方などを学んでいたのですが、利用するメンバーも新体制となり、Amplitudeを利用している期間も短いため、まだ社内勉強会などを実施できていません。自分たちでキャッチアップできていない情報をどんどん質問してもいいですか?

DearOne 市来|
もちろんです。いつでもお問い合わせください。定例のお時間で最新機能のご紹介や他社の成功事例なども共有させていただきます。

スペースマーケット 王様|
ぜひ!
DearOneさんには、今後もいろいろとサポートしていただけるとうれしいです。

(左から)スペースマーケット王様、村田様、徐様 DearOneカスタマーサクセス市来、杉本

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