• トップ
  • セミナー
  • GLOBALIZED B2B 製造業 〜 グローバル競争を勝ち抜くための Web 戦略 〜|イベントレポート

GLOBALIZED B2B 製造業 〜 グローバル競争を勝ち抜くための Web 戦略 〜|イベントレポート

2024.08.15

2024年7月2日(火)Webサイト多言語化ソリューションを提供するWOVN社が、「B2B製造業向け グローバル競争を勝ち抜くためのWeb戦略 」をテーマにイベントを開催。

東京都千代田区の神田明神ホールにて、リアル参加とオンライン参加の同時開催で実施された本イベントにグロースマーケティングメディアも取材に伺いましたので速報レポートいたします。

Wovn Technologies株式会社 取締役副社長 COO 上森 久之氏
Wovn Technologies株式会社 取締役副社長 COO 上森 久之氏

2014年に創業し今年で10年になるWOVNは、創業したときから変わらず「世界中の人が、すべてのデータに、母国語でアクセスできるようにする」というミッションを掲げています。

多言語対応とは、メインの業務が他にありながらやらないといけない業務であるため、WOVNではツールの提供だけでなく、トレンド、技術、実装について様々な情報を提供するため本イベントGLOBALIZEDを企画。

2020年のコロナ禍以降、製造業でもDXがどんどん実装されていっている中で、AIの活用やトレンドなど、最新情報のキャッチアップをしたいという声をたくさん頂いたことから開催しましたという、Wovn Technologies株式会社 取締役副社長 COO 上森 久之氏の挨拶からスタート。

基調講演|グローバル競合を勝ち抜くための経営戦略

基調講演|グローバル競合を勝ち抜くための経営戦略
早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール教授 入山章栄氏

基調講演として、早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール教授である入山章栄氏の「グローバル競合を勝ち抜くための経営戦略〜グローバル統合とローカル適応の視点から〜」という、熱量の高い講演からスタート。

自著「世界標準の経営理論」や、新著「宗教を学べば経営がわかる」の紹介からはじまり、日本の製造業の課題解決のためにはどんな経営戦略が必要かを語りました。

日本の製造業はいま大きなチャンスを迎えつつあるという。円安、デカップリング(国や地域間の投資や通商を規制で阻害し、連動させない動きのこと。)、IOTなど。

円安は、輸出競争力が上がりGDPを増やすため上手くいけばチャンスとなり得る。さらにデカップリングやIOTもデジタル競争第2回戦の今、日本の製造業の現場力が活きる好機という。そのために重要なのは、デジタルとの融合による価値創造。

基調講演|グローバル競合を勝ち抜くための経営戦略

IR戦略フレームワークを例に、グローバル企業と日本企業の戦い方の違いや日本企業に足りないところなど、短時間で網羅的に解説され、企業は人材・デジタル・多言語対応を徹底的に考える必要があると語りました。

  • I=Integration 世界全体で可能な限り統合統一化させて、効率化を図るグローバル戦略
  • R=Responsiveness 国ごとに最適化して、個々に運用していくマルチドメスティック戦略

グローバル市場を勝ち抜くために〜B2Bマーケティング戦略の鍵はローカライズ〜

続いてのセッションは、シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役 庭山 一郎氏、Wovn Technologies株式会社 取締役副社長 COO 上森 久之氏のディスカッション。

グローバル市場を勝ち抜くために〜B2Bマーケティング戦略の鍵はローカライズ〜
(中央)Wovn Technologies株式会社 取締役副社長 COO 上森 久之氏
(向かって右)シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役 庭山 一郎氏

世界のB2Bマーケティングは不景気とAIの影響で進化が止まらない。事実、アメリカの歴史においては不景気の時にマーケティングテクノロジーは進化するという。なぜなら、ワールドワイドな企業は景気が悪くなるとマーケティング担当から解雇するため。そのヒューマンリソースをカバーするためにテクノロジーが進化するという。さらに、世界には1万4千を超えるマーケティングテクノロジーが存在し、日本に来ているのはほんの一部。

マーケティングを続けてきた庭山氏が40年前に教わったという原理原則、「Right Person, Right Information, Right Timing」に、世界は今、原点回帰しているという。

なぜB2Bマーケティングは成果が出せないのか?を掘り下げた本セッションは、また後日、しっかりと詳細レポートしたいと思います。

「基本は経営戦略、それを実現するためのサブ戦略がマーケティング。人を育てなければダメなんですよ。」という言葉が大変印象的でした。

海外マーケティングを推進するWeb戦略〜企業ブランドを体現するWebサイトの役割とは〜

海外マーケティングを推進するWeb戦略〜企業ブランドを体現するWebサイトの役割とは〜
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルコミュニケーション企画部 部長 西田 健氏

次に、キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルコミュニケーション企画部 部長 西田 健氏の「海外マーケティングを推進するWeb戦略〜企業ブランドを体現するWebサイトの役割とは〜」のセッションでは、企業サイトの目的とは何か?という前提定義からスタート。究極は、名刺効果と拠点表示という西田氏。

マス媒体で億単位の広告費用を使う認知手法があるが、まずは一丁目一番地としてオウンドメディア(=自社ホームページ)が重要であるという。ある調査結果では、B2B企業のWebサイトの重要性は非常に高く、他のメディアや手段を大きく上回り一番重要な情報源であるとの結果が出ているという。

オウンドメディアのトレンドや、パーパス、ブランドの発信源としての重要性、グローバルサイトのガバナンスの難しさについても講演されました。

B2B 製造業のグローバルWeb戦略〜グローバル統制と地域ローカライズを両立した運用のベストプラクティス〜

B2B 製造業のグローバルWeb戦略〜グローバル統制と地域ローカライズを両立した運用のベストプラクティス〜
Wovn Technologies株式会社 奥原 雅也氏

Wovn Technologies株式会社 奥原 雅也氏による「B2B 製造業のグローバルWeb戦略〜グローバル統制と地域ローカライズを両立した運用のベストプラクティス〜」の講演では、顧客の8割は発注までのプロセスでWebサイトを閲覧しており、Webサイトは幅広いステークホルダーへの情報提供を行うものであり、多言語対応の重要性が高いことが語られました。

なんと、B2B製造業のWebサイト多言語化ニーズは、2021年度から+300%で成長しているといい、グローバルWebサイトの課題としては、情報量・質の不足、情報発信スピードの遅延、重複コストの発生であるという。

Webサイトの目指す姿としては、運用効率とコンテンツ量・質を上げていくことが理想であるが、この二つを上手いことやる必要があり、共通化できるところは共通化する。全体最適化によるメリットは多いとまとめられました。

トランスナショナルな組織におけるウェブを中心としてグローバルマーケティングへの取り組み

トランスナショナルな組織におけるウェブを中心としてグローバルマーケティングへの取り組み
株式会社マクニカ マーケティング 統括部長 堀野 史郎氏

株式会社マクニカ マーケティング 統括部長 堀野 史郎氏による、「トランスナショナルな組織におけるウェブを中心としてグローバルマーケティングへの取り組み」では、テクノロジー、半導体の商社である同社のマーケティング戦略を事例としてグローバルマーケティングへの取り組みについての講演が行われました。

これまでのマーケティング変革の取り組みや、WOVNを使って多言語化しているサイトの紹介、グローバルマーケティングの課題、さらに冒頭の入山氏のセッションでも出てきたIRフレームワークの中でもトランスナショナルに該当する同社としては、どう翻訳してどう展開していくかまさに検討中という。

グローバルでの統一化されたブランドの提供を目的とし、Webサイトのリニューアルを実施した際の仕組み作りや、運用方法なども紹介されました。

グローバルサイトリニューアルPJを紐解く〜ダイキンが実践したデジタルコミュニケーション改革とは〜

グローバルサイトリニューアルPJを紐解く〜ダイキンが実践したデジタルコミュニケーション改革とは〜
ダイキン工業株式会社 総務部広報宣伝グループ 担当課長 土井 智保子氏

ダイキン工業株式会社 総務部広報宣伝グループ 担当課長 土井 智保子氏による、グローバルサイトリニューアルPJを紐解く〜ダイキンが実践したデジタルコミュニケーション改革とは〜のセッションでは、空調機器でお馴染みのダイキン工業は売り上げ海外比率85%でグローバル展開をされており、2012年当時、グローバル全体で110サイト程を運営していたが、様々な課題があったという。

見た目がバラバラであったり、情報が不足していたり、各国での重複コンテンツがあったり。グローバルWebサイトは独自の強力な情報発信媒体にも関わらず、真のダイキンを認知・理解してもらうための情報は不足し、ブランド力向上の役割を果たせていなかったという課題に直面していた同社が、どのような戦略でどのように解決の糸口を見出していったのか詳しく解説されました。

三菱電機を世界に伝えるグローバル統合プラットフォーム〜宣伝部が統括管理する35か国・地域のコーポレートサイトの開発と運用〜

三菱電機を世界に伝えるグローバル統合プラットフォーム〜宣伝部が統括管理する35か国・地域のコーポレートサイトの開発と運用〜
三菱電機株式会社 宣伝部 デジタルコミュニケーショングループ主任 粕谷 俊彦氏

ラストは三菱電機株式会社 宣伝部 デジタルコミュニケーショングループ主任 粕谷 俊彦氏による、三菱電機を世界に伝えるグローバル統合プラットフォーム〜宣伝部が統括管理する35か国・地域のコーポレートサイトの開発と運用〜の講演。

三菱電機ウェブサイトのグローバルエコシステムは、日本語の三菱電機ウェブサイトの英語版であるGWSがグローバル企業情報と事業情報を提供し、各国のCSではそれをサマライズした情報を提供しているという。

CSの基本構造や送客方法、URLの考え方、コーポレートプロジェクトであるGlobal Website Integration(GWI)プロジェクトが始まったきっかけなど。当時、現地法人が独自に運営するサイトが乱立していたため、GWIプロジェクトをスタート。

どのような体制でどのように推進したのか、CMSでスタンダードコーポレートサイトをベースに多言語展開した方法や、同じテンプレートで共通化しタイムリーなニュースリリースも即時に展開可能にした手法を講演されました。

最後に、Wovn Technologies株式会社 取締役副社長 COO 上森 久之氏よりクロージングの挨拶として、「企業のWeb担当者は欧米企業に比べて職種が役割分担されていないぶん日本では一人一人が幅広い役割分担が必要ですが、ローカライズマネージャーが不在の日本において、そこをWOVNのソリューションでカバーできるようツールをアップデートしていきたい」という言葉で、6時間8セッションにもおよぶ本イベントは終了となりました。

期間限定 アーカイブ動画配信

WOVNの公式サイトでは、本イベントの期間限定アーカイブ動画配信を実施中ですので、ぜひ詳しく知りたい方はリンク先でご覧になってみてください。

https://mx.wovn.io/event/globalized_20240702

関連リンク

Wovn Technologies – 日本語サイトの多言語・自動翻訳

セミナーランキング

Recommended