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ASBeeアプリの成功の秘密 〜成功・失敗と具体施策を少しだけ紹介〜|Growth Summit 2024セッションレポート

2025.01.21

ASBee(アスビー)アプリの成功を支える戦略と具体的な施策を、成功例と失敗例を交えて紹介します。
2名という少人数でスピーディーな施策展開を実現した秘訣や、ユーザーデータを活用した独自のマーケティング手法を解説。ECリンクの効果的な送信タイミングや、天候に合わせた臨機応変な施策など成功事例はもちろん、ユーザーデータ活用の課題や取得の難しさなど、直面した課題もお話し頂きます。アプリを通じた顧客体験の成長と今後の展望を運用担当者の実体験を交えてお話し頂くセッションです。

はじめに

DaerOne 安田|
「ASBee(アスビー)アプリの成功の秘密、成功・失敗と具体施策を少しだけ紹介」のセッションを開始していきます。よろしくお願いいたします。はじめに登壇者の自己紹介からお願いします。

株式会社ジーフット 高松 良太郎氏

ジーフット 高松氏|
ジーフットの高松です。よろしくお願いします。私は2007年からEC運営に携わって、今年で16年程経ちます。楽天、ヤフー、ZOZOや自社サイトなども含めて、ECのディレクションとマーケティング、受注管理、出荷管理、カスタマーサポートなど、EC運営全体を経験してきました。現在はASBee(アスビー)のアプリ運営を中心にデジタルマーケティング領域を担当しています。

DaerOne 杉本|
DearOneの杉本です。ジーフット様では分析ツールAmplitudeの活用支援を主に担当しています。本日はよろしくお願いします。

DearOne 新屋|
DearOneの新屋です。ジーフット様ではMoEngageというMAツールの活用支援を担当しています。よろしくお願いします。

DearOne 安田|
進行はDearOne安田が担当します。

MAU数成長率500%のASBee(アスビー)アプリとは?

DearOne 安田|
本日のテーマとなるASBee(アスビー)アプリについて、高松さんから紹介をお願いいたします。

株式会社ジーフット 会社概要

ジーフット 高松氏|
まず簡単に会社概要を紹介します。株式会社ジーフットは、イオングループの靴専門店事業を担う会社です。全国のイオンモールを中心に「ASBee(アスビー)」というショップブランドをメインに展開し、全国で649店舗を運営しています。「健康的で履きやすい魅力的な靴をリーズナブルに提供すること」をテーマに、レディース・メンズ・キッズと幅広い商品を取り揃え、プライベートブランドからナショナルブランドまで幅広く取り扱っています。

株式会社ジーフット ASBeeアプリ

弊社では、今年3月にDearOne社と一緒に、某アプリプラットフォームで構築していたアプリをModuleApps2.0AmplitudeMoEngageという3つのツールを組み合わせる形でリニューアルしました。

新たなアプリでは、店舗とオンラインショップの双方で使えるようなクーポンの配信、イオングループのポイントサービスであるWAON POINTとの連携、店舗で計測した足型情報を登録・管理できる機能などを実装しています。またスクラッチ機能を利用したオンラインクーポンを実装して、リテンションするような施策も展開しています。今後は、よりパーソナライズされた顧客体験の提供を目指して進化していきたいと考えています。

株式会社ジーフット ASBeeアプリのMAU推移

アプリリニューアルを実施した後、ダウンロード数と会員登録数を順調に増やしており、現在約90万人に会員登録していただいております。また、旧アプリと比べてアクティブユーザー率が非常に高くなっており、現在のアクティブユーザー率は50%程度になっています。旧アプリの約5倍という数字で、リニューアルの成果だと思っています。但し、旧アプリは会員登録しない形式で、アプリリニューアルによって会員登録する形式に変わったので、「会員登録したからには使っていこう」というユーザー意識もMAU率の上昇に貢献していると思います。

DearOne 杉本|
MAU率の向上は、様々なお客様をご支援させていただいてる中でも驚異的な数値です。この成果を生み出すためにModuleApps2.0AmplitudeMoEngageをフル活用いただいています。ジーフット様は店舗数もかなり多いですが、アプリのダウンロードに関しては店舗でのダウンロード施策をしっかり実行されており、そうした点もダウンロード数、またMAU率に寄与してるポイントだと思います。

2名体制で「考えすぎずに、思い立ったら即実行」の運営

DearOne 安田|
紹介いただいたようにASBee(アスビー)アプリは素晴らしい成果を出されていますが、どんな運営体制でリニューアルや施策を実行されているか紹介いただけますか。

株式会社ジーフット ASBeeアプリ 少人数運営の成功要因

ジーフット 高松氏|
チームは私ともう1人の2名体制になっています。

どの会社でも同じかも知れませんが、「人が足りない」「データの見方がわからない」「専門知識がない」「経験値がない」などで、何をしたら良いか分からないという課題があると思います。その中で、ModuleApps2.0AmplitudeMoEngageの3ツールはかなり直観的に触れるUIになっていますので、DearOneのお二人にも支えていただきながら少人数で運営しています。

スライドでは「2名の担当者がタスク分担と優先順位付けを実施。効率的に運営を実現」と書いていますが、会社にもある程度の範囲で任せてもらい、「考えすぎずに、思い立ったら即実行」というスタンスで運用しています。もう1人のメンバーが様々なアイデアを出してくれるので、私がアイデアに関するリスク排除だけした上で、どんどん実行していくスタイルです。

株式会社ジーフット ASBeeアプリのデータ全体像

続いてデータの構成です。現在、購入データとのマッチがまだ出来ていないのですが、アプリ内の行動分析をした上で、他ツールを使ってマーケティングをしています。ModuleApps2.0の中に入った行動データを、Amplitudeで分析して、MoEngageで施策配信するという形です。

株式会社ジーフット ASBeeアプリのデータ分析と施策実行サイクル

次は、PDCAのサイクルです。現在はスライドのようなPDCAサイクルをきれいに回している状態ではなく、「経験値を貯めるフェーズ」と考えて、PDCAのDとCをぐるぐる回しているようなイメージで動いています。

過去に使っていたアプリプラットフォームにもMAツール的な機能や分析ツールはありましたが、リソースの問題もあり、活用できていない状況でした。今回アプリをリニューアルし、ModuleApps2.0AmplitudeMoEngage、3つのツールを使って本格的にアプリ運用に取り組んでいます。上述の通り、MAUが5倍になった等の良い成果は出せているかと思います。

グローバルでの導入実績1,200社以上のMoEngageの導入経緯

DearOne 安田|
ジーフット様では2名でアプリを運用されて、非常に高い成果を出されています。その成果は、MoEngageを使っている効果も大きいと伺っています。今回ご覧になっている方の中には、既にMoEngageを使っている方もいれば、「初めて聞いた」という方もいらっしゃると思います。ジーフット様での活用事例を伺う前に、MoEngageがどんなツールか簡単に紹介します。

カスタマーエンゲージメントツール「MoEngage(モエンゲージ)」

DearOne 新屋|
MoEngageはMAツールの一種で、上のスライドに書いてあるようなプッシュ通知、アプリ内メッセージ、サイト内メッセージ、メールなどを配信できるツールです。

強みは、通知の配信タイミングや配信内容を簡単にパーソナライズできることです。パーソナライズ配信に関する機能が一通り揃っており、またノーコードで実施できますので、エンジニアリングの知識がない方でもどんどん活用できるツールになっています。

日本ではまだ知名度は低いかもしれませんが、グローバルでは多くの企業に使われており、導入実績は1,200社以上となっています。

DearOne 安田|
MoEngageはご紹介した通り、パーソナライズ配信を強みとするMAツールになります。ジーフット様でMoEngageを導入された背景や経緯はどのようなものでしたか?

ジーフット 高松氏|
過去のアプリプラットフォームの中にも配信機能はありましたが、DearOne社との打ち合わせを通じて、それ以上に様々なことが出来ると分かりました。分析ツールであるAmplitudeと組み合わせることでの施策やPDCAの広がりも非常によくイメージできましたので、導入を決めました。

株式会社ジーフット ASBeeアプリ MoEngage導入の成果

DearOne 新屋|
導入してすぐ活用いただき、導入から半年間で60本近い施策を実施頂いています。実際に導入された感想はいかがですか?

ジーフット 高松氏|
私自身ずっとマーケティングを担当して、他のMAツールやウェブ接客ツールも使ってきましたが、MoEngageは直感的に触れる、また成果の見方が見やすく使いやすいツールになっていると思います。

DearOne 新屋|
高松様とは導入前からコミュニケーションを取ってきましたが、導入前に抱いていたイメージと、導入後のイメージでギャップはありませんか?

ジーフット 高松氏|
大きなズレはありません。現状、やってみたいと思った施策はかなり実現できています。今後さらに難しい施策をやろうと思ったときに、足りない機能等は出てくるかも知れませんが、現時点では思ったことが出来ており、かなり満足しています。

【事例】ログイン完了率が10倍以上!ログイン訴求施策

DearOne 安田|
実際にジーフット様でMoEngageを使ってどんな施策を実施しているかが気になるところだと思いますので、今日は具体的な事例を2つご紹介いただきます。高松さん、まずはログイン訴求施策から説明をお願いできますか。

株式会社ジーフット ASBeeアプリにおけるログイン訴求施策

ジーフット 高松氏|
リニューアル後のASBee(アスビー)アプリは、会員登録後にログインすることでクーポンが配信される形になっています。ただ、アプリをダウンロードいただいた後、会員登録が途中になっていたり、会員登録したけれどログインしていなかったりするお客様もいらっしゃいます。また「会員登録したが、その日は買い物せずに帰られた」といった方もいらっしゃいます。

その方々に対して、会員登録した、また会員登録しようとした翌日に「会員登録を終えてログインすると、クーポンが出ますよ」というリマインド通知を送っています。この通知が高い成果を出しており、リマインドを配信しなかったユーザーと比べると10倍以上のログイン率になるという成果になっています。ユーザー目線で考えると、会員登録するのは手間がかかる作業なので、ここをクリアして頂くことで、その後にアプリを使っていただける率がかなり上がります。

リマインド通知は翌日に1回、それでもログインいただけなかった場合、1週間後、2週間後にユーザーを絞り込んで未ログインの方を追いかける形でコミュニケーションを取っていますが、当然時間が経てば経つほどログイン完了率は下がっていきます。それでも1週間後、2週間後の追いかけから、数%の方々がログインまでたどり着きますので、一定の確率で次回来店の動機になっているのかと思っています。継続的にアプローチすることが意外と成功した事例だと思います。

DearOne 新屋|
高松様からお話しいただいたように、ASBee(アスビー)アプリは会員登録後にログインして初めてクーポンが使える形になっていますので、ユーザー体験として初回ログインは非常に大切です。またアプリ運営側の仕組みとしても、ログインすることで誕生月などの様々な会員情報がAmplitudeMoEngageで連携されるので、施策展開の視点でも重要です。ジーフット様でもMoEngage導入後、第一弾として実施した施策がログイン訴求でした。

お話しいただいた通り、翌日だけでなく、翌週、翌々週にもログインのリマインドを配信していますが、翌日の施策が圧倒的にログイン完了率が高いので、ユーザーにとってタイムリーな時点で通知を送ることの重要性がよく分かる事例でもあると思います。

DearOne 杉本|
MoEngageAmplitudeの導入時に高松様と「どこのKPIが課題か」という議論で、初回ログインという部分が一番に上がりましたので、早急に施策を打っていこうと実施した施策になっています。新屋からもあった通り、分析の観点でもログインして初めて顧客の属性情報がAmplitudeに紐づきます。「ログインしてくれたユーザーがどういうユーザーか」「このユーザーにどういったアプローチをすれば響くか」といった検証も含めて、情報がないと分析・改善が進みませんので、施策のPDCAや精度アップという観点でもログイン完了率で良い結果が出たことは素晴らしいです。現在は、定常施策として走っていますので、引き続きユーザーの傾向を分析していければと思います。

DearOne 安田|
翌日、1週間、2週間というタイミングで通知されているとのことですが、「2週間までやった方がいい」ということはどう判断されたのですか?

ジーフット 高松氏|
まだ模索中という段階です。ただ、翌日通知を実施した後、1週間後の通知は翌日通知の1/10程度の成果になりますが、2週間後の通知だと1週間後の半分程度の成果が維持されます。従って、2週間後でも意外と覚えていらっしゃる方はいるなと思っています。これ以上先まで伸ばすと、効果が全然でなくなると考えて、現在は2週間にしています。ただ、もう少し先までの通知を試して検証する、また、逆にもう少し短いタームでの通知も検証してみたいと考えています。

DearOne 安田|
1週間後、2週間後ではなく、その間に何回か通知を入れるイメージですか?

ジーフット 高松氏|
はい、あまり多すぎるとネガティブな顧客体験になりますので、さじ加減はまだ掴みきれていません。いろいろ試して検証していきたいと思っています。

【事例】ECサイト訪問率が2倍以上の誘導施策

DearOne 安田|
ログイン訴求施策に続いて、お知らせからECリンクへの誘導施策の事例についてご紹介をお願いします。

株式会社ジーフット ASBeeアプリにおけるお知らせからECリンクへの誘導施策

ジーフット 高松氏|
ASBee(アスビー)アプリでは、ユーザーに定期的に配信しているコンテンツがあります。そのコンテンツを見てくれたユーザー、通知を開いてくれたユーザーに対して、翌日に「昨日見ていただいたコンテンツはいかがでしたか?」という形でリマインドを送っている施策になります。一度興味を持っていただいたお客様なので、開封率はかなり高く、全体に配信するよりも2倍以上の効果が出ています。

ASBee(アスビー)のECサイトでも一度の来訪で購入まで進むパターンは少なく、複数回の来訪、検討タームがあって購入まで至る形が多くなっています。アプリでのアプローチに関しても同じようなコミュニケーションを取りたいと考えて、この施策を実装しました。

リマインドはプッシュ通知を送っているパターンと、アプリに入ったときにポップアップで見せるパターンがあり、ポップアップで見せるパターンでは、関連する動画コンテンツなどを出しています。動きのある動画コンテンツの方が、静的なバナーよりも倍以上の成果が出ています。このような結果を踏まえ、最近ではInstagramのリール動画なども含めて、アプリで動画コンテンツをプッシュしたり、ポップアップ時に使ったりして成果を高めようとトライしています。

DearOne 新屋|
この施策は、ジーフット様で実践されている施策の中でも非常にECリンクのクリック率が高くなっています。ユーザーがコンテンツに接触した翌日というタイムリーさ、そして、接触したコンテンツと関連するランディングページ、2つの掛け合わせでクリック率が高くなっていると考察しています。MoEngageの説明をした際に、配信のタイミングや内容をパーソナライズできることが強みをお話ししましたが、MoEngageの施策を活かした施策になっています。

DearOne 杉本|
私はASBee(アスビー)アプリをユーザーとしても使っています。「お知らせコンテンツを見て、次の日に関連情報が配信される」という施策は、私も企画側として知っているわけですが、それでもついクリックしてしまう施策です。

ジーフット様では、MoEngageの機能アップデート、たとえば「アプリメッセージで動画が配信できるようになりました」となると、すぐ試していただき、いろいろな施策を打たれているので、それが成果につながっていると感じます。

DearOne 安田|
関連したコンテンツを案内するというのは、どんな形で関連性を紐づける、またパーソナライズしているのでしょうか?

ジーフット 高松氏|
単純に同じコンテンツを見せるパターンもありますし、コンテンツに関連する動画がある場合はその動画を使っています。昨日見た動画と同じ動画を見せたとしても、もう1回クリックされるので、最初はあまり深く見てなかった人が、今度はしっかり見てくれるパターンもあるのだと感じています。

DearOne 安田|
同じ動画をもう1回訴求するだけで効果が出るのですね。動画コンテンツはInstagramのリール等で作ったものを流用されているのですね。動画を大量に作成するのは大変ですから、そうした効率を考えてということでしょうか?

ジーフット 高松氏|
そうです。プロモーションに使える動画は、制作本数が少ないのですが、今はInstagramで月に数本のリール動画を作っていますので、それをアプリでも活用できたら、ということで使っています。

DearOne 安田|
ありがとうございます。動画の活用という観点でも参考になるお話でした。

施策をスピーディーに回すポイントは?

DearOne 安田|
ジーフット様では、紹介いただいたような形でMoEngageを使った様々な施策を実施されています。これらの施策を、お二人のチームで非常にスピーディーに回されてるということで、どのように実現されているのか、ポイントを教えてください。

株式会社ジーフット ASBeeアプリにおける施策をスピーディーに回すポイント

ジーフット 高松氏|
MoEngageを使っている私のパートナーは、今回初めてデジタルマーケティングの運用を担当しており、HTMLの知識や経験もありませんでした。何の経験もなくやっている中で、スピーディーに施策展開できているのは、彼女の有能さもありますが、MoEngageがノーコードで扱うことができるツールだという点もあります。また思いついた施策アイデアは、あまり考えこみ過ぎずに実施して、効果の高いものを継続していくというスタンスで実行していることが、今のステージには適合しているのかと思っています。

ただ、社内の2人だけですべて完結して実行できているわけではなく、DearOneのお二人にも助けられています。「あれが分からない、これが分からない」という時はすぐ連絡して、助けてもらいながらやっています。

DearOne 杉本|
ジーフット様は本当に様々な施策にチャレンジされています。高松様のパートナーとなる担当者の方には、本当に施策アイデアを数多く出していただいています。定期的に実施している定例会でのコミュニケーションは勿論、それ以外でもコミュニケーションツールで「こんな施策をやりたい」「こんな分析がしたい」と頻繁に連絡をいただくので、弊社もしっかりご支援していこうと意気込んでいます。

ちなみにジーフット様で柔軟な施策の企画・実行というところで、本当に数多くの施策にチャレンジされています。「選別せずにやってみて効果が高い施策を継続」ということですが、やってみて効果が出なかった施策はどんなものがありますか?

ジーフット 高松氏|
今のところは極端に成果が出なかったものはありません。ただ、先日興味深いなと感じた事例でいうと、「県民の日」限定クーポンという施策があります。茨城県と埼玉県で実施しましたが、2つの県で利用率が大きく違い、埼玉県が非常に高く、茨城県がかなり低いという結果になりました。母数は埼玉県の方が多く、茨城県の2倍程度でしたが、クーポンの利用率では7倍程度の差がつきました。隣同士の県で同じクーポンでも、このように差がつくのは意外な結果で、エリアによる違いがあるのだと学びになりました。

DearOne 安田| 
施策は実際にやってみないと分からないことが多いですね。「県民の日」限定クーポンというと、県民の日に使うと割引がある形でしょうか。それが埼玉ではかなり使われたが、茨城ではあまり成果が出なかったということですね。

ジーフット 高松氏|
はい。こんなに利用率が変わるとは思わず、学びになりました。

株式会社ジーフット ASBeeアプリにおける台風接近時のレインシューズ訴求施策

DearOne 杉本|
「アイデアが浮かんだら、考え込み過ぎずに実行する」という点では、非常に記憶に残っているジーフット様の施策が、台風接近時におけるレインシューズの訴求施策です。台風接近のニュースが出た際に「すぐにやろう」ということで実行されたと思いますが、どんな背景で実施に至ったのでしょうか?

ジーフット 高松氏|
ジーフットは、各地域にあったいくつかの企業が統合した会社なのですが、その一つに北海道の企業があり、北海道では雪が降る/降らないで靴の売れ行きがまったく変わります。そうした経験も踏まえて、天候変化に関しては敏感な社内風土になっており、こうしたアイデアと施策につながりました。現在は人力でタイミングを合わせてやっていますが、天気予報のデータ等とリアルタイムに連動して実施できると、より成果が出ると思いますし生産性も上がりますので、そんな外部データとの連携機能がMoEngageに実装されたら良いなと思っています。

DearOne 安田| 
台風情報のニュースがあってから、どれぐらいの期間で施策を実行するスピードなのでしょう?

ジーフット 高松氏|
予報を見てから数日ですね。元々店頭でも天気予報に合わせた陳列や訴求はしていたので、コンテンツやバナー自体は元々用意されていました。

DearOne 杉本|
「こういう施策をやろう」と話が出たところから実際に施策を走らせるまで数日だったので「すごいスピードだな」と非常に印象的でした。

DearOne 安田| 
店舗を展開されている中で、店頭で施策実施するスピード感がデジタルマーケティングでも生かされているのですね。

ジーフット 高松氏|
そうですね。会社としても施策実行のスピード感は染みついている文化だと思います。

ジーフットにおけるデジタルマーケティングの今後

DearOne 安田| 
ジーフット様ではこれまで様々な取り組みをされて高い成果を上げられていますが、今後の展望をお聞きできますでしょうか。高松様にお話しいただく前に、支援しているDearOne側として今後どのような支援をしていきたいか、杉本さんから説明いただけますか。

DearOne 杉本|
ジーフット様で導入いただいているAmplitudeMoEngageに関して、現在はアプリのデータのみを取得している形となっています。今後は、ECサイト側のデータも取り込んで、ECとアプリ、両チャネルで分析・施策を実行していきたいと考えています。ECとアプリのユーザーで行動傾向も違いがあると思いますので、そういった点も確認しながらアクションしていきたいと思います。

また、高松様から今後のビジョンとして伺っている内容としては、ECサイトの会員情報等のデータ統合・連携、そして、足型計測器のデータ活用ですね。

ジーフット 高松氏|
最近、新しい足型計測器を少しずつ各店舗に導入しています。現在は足型計測器のデータとアプリのデータは自動では連携しないので、今後は自動連携して適切なサイズ、適切な商品をレコメンドできるようにしたいと思っています。

また、お子様の足型データを登録して頂いた際には、足の成長に合わせたアプローチもやっていきたいと考えています。人が生まれてから亡くなるまで、ずっと靴を買ってもらえる靴屋でありたいと思っていますので、それを実現できるアプリにしていきたいと考えています。

DearOne 安田| 
足の成長に合わせてというと、足の成長度合いを予測して「次はこれぐらいのサイズでいかがでしょうか?」と提案するようなイメージでしょうか。

ジーフット 高松氏|
子供靴というのは、もちろん個人差はありますが、足の成長に合わせて何ヶ月毎に買うといった傾向がある程度は決まっています。それに合わせて適切なタイミング、例えば前回の購入から何ヶ月後といったタイミングで「足のサイズを測りに来てください」や「そろそろ次のサイズの靴はいかがでしょう」といった形で、継続的に気づきを与えていけるようなコミュニケーションを実現したいと思っています。

DearOne 安田| 
とても良いですね。データを使うことで実現できそうですし、顧客のライフタイムバリュー向上という点でも非常に良い施策だと感じます。

ジーフット 高松氏|
ジーフットでは、ベビーシューズから介護シューズまで扱っていますので、“ゆりかごから墓場まで”ではありませんが、人生でずっと靴を買って頂けるようにしたいと思ってます。

DearOne 安田| 
ありがとうございます。ジーフット様のビジョン実現に向けて、DearOneもご支援していきます。それでは、本セッションは以上で終了となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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