この記事は、2022年2月2日に開催した「Customer Intelligenceで実現するこれからのCX」のウェビナーレポートです。
第一部:GDO志賀さんに聞く~ これからのCXに欠かせない “Customer Intelligence(カスタマーインテリジェンス)”とは?
岡本|
弊社はマーケティングツール導入・運用支援を行っており、Amplitude日本総合代理店である株式DearOne様のご協力を得て、ユーザー行動分析を見える化するツールAmplitudeのPoC*1PoC(Proof of Concept)とは、日本語では概念実証を指します。新たな原理、理論、アイデアやコンセプトを実証するための事前検証や試験運用。を株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)様に行って頂き、本格導入を実現しました。
本日はその結果をご報告させて頂きます。
Amplitude PoCの狙い
Amplitudeはプロダクトアナリティクス分野の商品で、ユーザー行動分析を特徴とします。例えば、ECで入会したお客様がロイヤルカスタマーになるまでのカスタマージャーニー分析や、ロイヤルカスタマーの共通要素である特徴的な指標(先行指標)の抽出、コホート分析を行うことができます。
ロイヤルカスタマー化に向けてアプローチを検討する際に、課題改善のための施策について示唆出しできるのが大きな特徴です。
通常の分析ツールPoC導入では、有益な示唆が得られるか、分析が見える化できるか、使いやすさはどうか、というところを試すケースが大半です。
今回はそのテーマに加え、CDPのTreasure DataとAmplitudeをつないでユーザー行動分析が行えるかどうか、Amplitudeから施策セグメントを抽出してマーケティングオートメーション(以下、MA)にデータを連携し自動化できるかどうかをもう一つのテーマとしました。 ですので、データ連携の工数削減や迅速化も見極めのポイントとなりました。
志賀|
弊社は元々TableauやExcelといった汎用Business Intelligence(以下、BI)を使用してユーザーセグメントを切り出し、実験を繰り返してMAに実装する形を取っていました。当時は顧客行動を含めた顧客分析を行える専用ツールが殆どありませんでした。
Amplitudeの評価対象としては、分析機能が現場で使えるものかどうか検証しています。
従来の方法では、MAを使ってオートメーション化する場合、BIで作ったセグメント抽出ロジックを、改めてSQL開発する必要があったのです。
クリエイティブやMA内シナリオに集中するため、SQL開発部分を無くせるツール、つまりビジュアル的な分析後にそのままMAへデータ連携できるツールを数年に渡り探していました。
今回Amplitudeに求めたのは、データ連携・自動化実現の検証でした。
“Customer Intelligence(カスタマーインテリジェンス)”とは
岡本|
顧客コミュニケーションに関するデータ連携・自動化の実現に向けて、志賀さんは以前、以下のようなマーケティング・スタック構成図を示してくださったことがありました。
その中で下の赤い点線部分 Customer Intelligence(カスタマーインテリジェンス)箇所が、まさにお探しだった部分であると。
志賀|
そうです。元々、伝票・行動ログデータを1顧客毎にためるCDPが必要でした。CDPにはコンセントマネジメントであるCookie許諾やTrackingの機能も必要でした。
それとは別に、CDPに求められる Customer Intelligence(カスタマーインテリジェンス) の位置づけで分析機能も当然必要であり、さらにある程度自動で予測できるAIセグメンテーションも必要だと考えました。そこにアクション系であるMAを連携させるのです。
MA上にはウェブサイト上のチャットやメール等あらゆるアクション系チャネルがあり、このMAとCDPをしっかり連携させることが自動化実現のカギでした。
CDPで分析した結果をMAに毎日データ連携する迅速なSQL開発が必要であるため、CDPとMAの連携が非常に重要となります。そこで、Customer Intelligence(カスタマーインテリジェンス) 箇所にAmplitudeが入ったわけです。
なぜ顧客コミュニケーションに「本当の自動化」が必要なのか
岡本|
当然、自動化やツール導入自体が目的ではありませんし、CRM関連業務の効率化や工数削減のために入れるものでもありません。
志賀|
そうですね、効率化・工数削減を目的にするのであれば導入しない方がいいと思います。マーケッターがセグメント抽出からチャネル配信までの様々なシナリオを日々きめ細やかに手動で実行することはすでに不可能です。効率を求めたり、工数を下げたりすることではなく、良いコミュニケーションを作ることに集中すべきです。
岡本|
今回、自動化を狙ってAmplitude導入したのは、顧客ニーズの目まぐるしい変化に対応するためスピードが重要だからということでした。
志賀|
コロナが始まった当初は弊社のニーズも落ち込みましたが、ソーシャルディスタンス定着とともに再び復活しました。巣ごもりの中、外で体を動かしたいという人々にとって、ゴルフはディスタンスを取りながら楽しむことができるスポーツという認識が定着したためです。
従来のゴルファーのニーズとは変わらなかったものの、ピンポイントで求める商品の属性は変化しました。
一つは、前・後半のプレーの間にランチを食べず、18ホール全てを通しで回るスループレーを選択するようになったこと。もう一つは、世の中の混乱とともにゴルファー同行者の行動も不安定になり、以前は1〜2か月先だった予約を、1週間前や前日など直前に取るようになったことです。
急激な環境変化で求めるものや消費行動が大きく変化する時に、品揃えからお客さんに届けるコミュニケーションまでスピード感を持って変えていく必要があるのです。
「本当の自動化」の必要性:顧客ニーズの変化に応えるため
岡本|
GDOさんのコミュニケーション例では、ゴルフ場を予約しようと試みてしなかった人に提案メールを送るシステムがあります。その中に、検索した日程の直前に直前予約を提案するシナリオがあります。これは上記ニーズに対応するものですね。
志賀|
まさにそうです。ニーズに対応するシナリオを迅速に開発してオートメーション化し、チューニングしなければなりません。短期的であればアドホックで実行出来るのですが、毎日実行されるシナリオになると、やはり開発してオートメーション化しないと業務が回らないため、スピーディーなシナリオ開発が必要です。
ゴルファーの予約の入れ方やニーズも常に変化しているので、仕入れから品揃え、売り場、集客まで全て連動させなければなりません。
「本当の自動化」の必要性:細分化された顧客ニーズの変化に応えるため
岡本|
さらに、細分化された顧客ニーズにも応える需要が出てきましたね。
志賀|
コロナの最近の波でゴルフ需要が大爆発したため、アクアラインが渋滞する時間帯が3時から2時と1時間早くなったため、アクアラインを渡らずに行けるゴルフ場の価値が上がったり、アクアラインを2時までに渡れる時間帯を提供しているゴルフ場のニーズが高まりました。
しかしこれは東京や横浜から来るお客様のニーズであり、千葉や茨城の人には関係ありません。細分化された顧客ニーズをきめ細やかに取り、ペインポイントを取り除いて価値を高め、適材適所に高価値なコミュニケーションを届けることが重要です。
岡本|
また、細分化の一環であるターゲティングも、以前と今では目的が全然違っています。
【以前】目的=ROI(短期的)
例えば、以前はメールを送る際に、コストゼロだから全員に配信すれば良いという発想でした。
一方DMは単価が高いため、ターゲットを絞り込んでアプローチしていました。
当時は短期的な視点でROIを最大化することが目的でした。
【今】目的=顧客体験の向上
今は目的自体が変わっているため、顧客体験の向上が最終的には大きな利益につながります。
そのため、お客様にとって価値のある情報・サービスを届ける観点から、各人に合わせて絞り込みを行うことが必要です。
志賀|
すでにROIやコストの話ではなくなっており、ターゲティングもお客様へのパーソナライズに変遷しています。
「本当の自動化」の必要性:CX改善のPDCAを数多く回すため
岡本|
CX改善を遂行するためには、PDCAサイクルをいかに効率よく回せるかが肝となります。
しかし、「施策効果の検証」でテストをせずにいきなり実装するケースも多く、結果的に効率が悪くなります。
志賀|
現場感覚では、10個仮説を立ててアドホックでシナリオを打ち、反応が良いのは1個くらいです。一生懸命仮説を立てるよりも分析して、お客様の反応を早く見た方が良いです。
顧客分析で様々な仮説を立てて根拠となるものをCustomer Intelligence(カスタマーインテリジェンス)ツールで探すのは当然ですが、なるべく早く仮説検証をすることが重要です。
岡本|
次に、実装にあたって時間を要する課題があります。
志賀|
本格的にオートメーション化して毎日回していくとなると、システムに落とす要件をしっかり固めなければならず、開発が必要となります。
岡本|
新たな知見を得てシナリオを導入する際には、少し複雑なセグメント抽出があると、要件定義から実装完了まで1〜2か月かかることがありますね。
志賀|
MA導入で遅くなるケースもあります。これまでBIを使用してアドホックで行っていたのが、オートメーション化で開発が入るため、逆にサイクルが落ちるのです。
ウォーターフォール型のプロジェクト進行ではなく、曖昧な状態のところからアジャイルにリーンにスピード感を持って検証することが重要です。
DXを活用して動かすには、実装の施行方法も変える必要があります。
岡本|
時間をかけるポイントをよく考えるべきです。
多くのお客様でツールへの「シナリオ実装」作業にパワーを使うケースが多いのですが、本来は必要なメッセージやクリエイティブを人間の頭で考える「シナリオ企画」に時間を使うことが大切ですよね。
志賀|
AIではわからない部分をマーケッターがゴルファーのインサイトを考えて、価値のある場所を見出し、価値のあるサービスを顧客に届けるためにクリエイティブや品ぞろえを考案するべきです。
そうすると、ゴルフ場から仕入れるゴルフ場打ち出しのプランといった商品企画も変わってきます。そのためにも早く仮説検証して、フィードバックを得て商品開発に戻すというサイクルを素早く回す必要があります。
まとめ
岡本|
Amplitudeを使ってなぜ本当の自動化を目指したのか。
- 顧客のニーズがより細分化され、その変化のスピードは加速している
- 顧客ニーズに対応する施策を素早く立ち上げPDCAを数多く回すことが求められる
- そのために、ユーザー行動の分析から示唆出し、データ抽出・連携までを自動化できるCustomer Intelligence(カスタマーインテリジェンス)が重要な役割を果たす
Customer Intelligence(カスタマーインテリジェンス)という言葉そのものは、日本ではあまり使われていないですが、まさにこれから必要とされ、示唆を出して実行することが、これから求められていくかと思います。
今回はAmplitudeのPoCがどのような狙いで行われていたのかのお話し、またこれからのマーケティングコミュニケーションのための仕組み作りは、お客様と対話を繰り返し施策に落とし込むことを、スピード感を持って実践して行くべきなのではないかということでまとめさせて頂きたいと思います。
第二部:GDOのこれからのCXに向けた具体的な取り組みとその効果 ~ユーザー行動分析ツール”Amplitude” PoC報告~
株式会社ゴルフダイジェストのサービス概要
鈴木|
最初に、大友様が所属するUXD本部についてご紹介をお願いします。
ゴルフダイジェストオンラインでの役割
大友|
新規の会員獲得→初回稼働促進→リピート化→ロイヤル顧客化という流れで、最終ゴールとしてはゴルファーの方々にGDOのサービスを自然に選んで利用していただき、身近なゴルフ仲間にもGDOを推奨していただけるようなファンになってもらえる関係性を作り、持続的成長サイクルの実現を目指しています。
鈴木|
新規顧客獲得から育成まで非常に幅広い領域を担われています。その中でこれまでに取り組まれた施策のご紹介をお願いします。
ゴルフダイジェストオンラインでの施策
大友|
GDOのコミュニケーション施策変遷は3つの時期に分かれます。
- 創業~2012年:一斉配信
各現場にサービス担当者がおり、メールのオプトイン(許諾)を取っていた会員全員に対し均一メールを配信していました。出し分けは居住地域ごとに掲載するゴルフ場を変える程度でした。
- 2013年~2020年:メール配信シナリオ自動化
会員登録直後から1か月かけてGDOのサービス詳細を紹介するウェルカムメールや、ECカートに残った商品のリマインド、クーポン・ポイントのリマインド、ゴルフ場予約ではプレー回数に応じたお礼メールといった、顧客行動や属性、ロイヤリティに応じて配信するメールシナリオを実装してきました。
- 2021年~
メールでしか実現できていなかったコミュニケーションシナリオを、集客のオウンド化やサービスの利用定着に有効なアプリチャネルへ展開を開始しました。
鈴木|
時代とともにコミュニケーション施策を変遷されていらっしゃいますが、その背景には、デジタルツールの進化も影響していますか。
大友|
取得できるデータ領域がどんどん広がることにより、できるコミュニケーションシナリオも広がりました。シナリオメールの導入は国内では非常に早い方だったと思います。
鈴木|
差し支えなければ、現在のシナリオ数をお聞かせ頂けますか。
大友|
約100シナリオです。行動に合わせてセグメント化したシナリオもあれば、定期的にある程度広いセグメントの顧客に配信するチラシメール的なシナリオもあります。
1例目は、ゴルフ場を予約頂いた会員に対し、プレー前日にラウンド準備をサポートするメールです。プレーするゴルフ場案内と弊社提供のスコア管理アプリ紹介の内容です。
2例目は、ゴルフショップの新商品を案内するメールです。過去の購買履歴を基に顧客ごとの興味ある商品を推測し、その商品群に該当する新商品が入荷した時点で該当顧客にメール配信が行われます。
3例目は、昨年より着手したアプリPUSHの一環で、ゴルフショップのクーポン有効期限リマインドです。以前はメールでしかできなかったリマインドが、アプリPUSHでも可能になった事例です。
鈴木|
御社のサービス領域ごとに進めている方向性は異なるのでしょうか。
大友|
GDOでは、ゴルファーに対して「ゴルフ場予約」「ゴルフショップ」「スコア管理アプリ」「練習場サービス」の、大きく4つのサービスを提供しています。
コミュニケーションシナリオの今後の展開に関しては、各サービスそれぞれのエンゲージメントを強化する方向と、サービス間の連携を強化する方向の2つあります。
すでにメールシナリオが充実している「ゴルフ場予約」と「ゴルフショップ」サービスにおいてはアプリへの展開を重視し、「スコア管理アプリ」「練習場サービス」においては顧客体験をよりよくするためのシナリオを作っていくことを重視しています。
また「ショップ」での行動を起点に、他のサービスを適切なタイミングで使って頂くコミュニケーションシナリオを充実させたいです。ゴルファーがラウンド予定を立てて必要なものを買う、あるいはショップでゴルフクラブを買った後のゴルファーの心理状態を思い浮かべ、練習やラウンドを自然に案内するシナリオなどを構築していきたいと考えています。
鈴木|
サービス領域ごとの連携を課題とされているGDO様には今回、AmplitudeでPoC
を試して頂きました。あらためてDearOne橋川さんにご説明いただきます。
Amplitude PoCについて
橋川|
Amplitudeは世界No.1の行動分析ツールであり、グローバルでは45,000以上のサービスで使われています。
Amplitudeは2021年9月にNasdaq上場を果たした勢いのある会社です。
日本国内では1,000サービス以上導入されており、弊社、株式会社DearOneは日本の総合代理店として活動しています。
Amplitudeツールの特徴は、高度な分析を高速で簡単に実現できることです。
従来の分析では、SQLを書いて開発したものを分析して最終的にコミュニケーションツールにつなぐまで、改善の示唆出しに数日から数週間を要していましたが、Amplitudeでは30秒から1時間で実現可能となりました。実際にGoogle Analyticsやビッグクエリを使っていた分析業務が75%になったという、日本企業様の事例もございます。
高度な分析を高速で誰でも実現
Amplitudeでは、世界のTOPアナリストが駆使する高度な分析チャートをボタン操作のみで簡単に実現できます。
またほぼ全てのチャートで顧客セグメントを簡単に作れる上、MAツールへのシームレス連携も実装しており、これを評価して頂いて、GDO様にPoCをして頂くことになりました。
鈴木|
国内のクライアント様がAmplitudeを導入する決め手となるのは、どのようなケースが多いですか。
橋川|
2点あります。1点目は、ツール自体が早いことです。Google Analytics で行っていた部分を置き換えてスピード感を評価頂き、採用に至るケースです。
2点目は、導入時にAmplitude 自体を加工しているため、データ不具合が起きず、誰でも簡単にデータを壊すことなく直感的に操作できるので、データの民主化が進む点を評価頂いて採用された企業様が多いです。
PoC実施の経緯と感想
大友|
弊社がAmplitudeでPoCを行うに至ったのは、施策のスピードアップを期待できる点が一番大きなポイントでした。
Amplitude導入検討の背景
大友|
コミュニケーションシナリオを実装するにあたり、データ分析をもとに課題と仮設立てをしたうえでテスト施策を行い、検証して結果が良ければシナリオとして実装するというプロセスで進めることが多いと思います。
しかし、GDOではシナリオ化のプロセスにおいて、弊社のDWHからSalesforceへのデータ連携の開発工数が一番ボトルネックになっていました。
そこで、直接Salesforceへデータ連携が可能なAmplitudeを使うことでデータ連携の開発工数を大きく削減できることを期待してPoCを実施することにしました。
また、Amplitudeの予測分析機能も個人的に期待していました。
PoCとしては、顧客リストの連携がきちんとできるか、分析ツールとしてどれだけ使いやすいか、予測分析機能の精度の高さ、の3つの視点で検証を行いました。
リスト抽出/連携機能の評価
大友|
弊社データベースからSalesforceのマーケティングクラウドで、コミュニケーションシナリオをメール配信するまでのデータプロセスです。
これまでは、弊社のDWH内でSQLクエリを駆使してSalesforceで活用できる状態に加工したCSVデータを作成し、Salesforceへ連携していました。
DWHからCSVに加工するSQLクエリを開発するプロセスで多大な時間を要していましたが、Amplitudeを間に挟むことで、Amplitude内で必要な抽出条件を組み、直接Salesforceへ繋ぎ込むことで、これまで何週間もかかっていた新たなデータ連携の開発プロセスが5分に短縮することができました。
AmplitudeとSalesforceの連携に関しては国内にまだ事例がなかったため、弊社のエンジニアが苦労して実現してくれましたが、その後の実務で行うデータ連携作業の工数削減は想像以上に良い結果で驚きました。
橋川|
Salesforce Marketing CloudとはGDO様のご協力により今回国内実績ができ、活発にコミュニケーションしておりますので、以降はスムーズに連携できると思います。
Salesforce Marketing Cloudの他にもBrazeをはじめ様々なMAツールについてもコネクタがありますので、かなりスムーズに連携できます。
予測分析機能の評価
予測分析機能の検証では、特定のセグメントに対してクーポンメールを配信し、購買を促進できるか検証する施策を2種類行いました。
1つ目の施策では過去の同じ内容の施策と比較して、購買促進効果が180%に改善しました。
2つ目の施策では、弊社がすでに使用していた予測分析専門のツールと比較しました。予測分析専門のツールを使って専任の技術者が1か月かけて構築する予測モデルと比較すると購買促進効果が劣るのですが、予測分析を使わずにクーポンを配布するよりも購買促進効果が高く、予備知識がないマーケターが短時間で簡単に操作して利用できる点を考えると非常に有用であると考えています。
鈴木|
最後に、Amplitudeの本導入を決められたGDO様の今後のお取り組みについてです。PoCで結果を出されて本導入を決め、既にお使いですよね?
大友|
はい。DearOneさんにもご協力いただいて2月より本格的に使い始めています。今後取り組みたいこととして、施策のスピードアップに一番注力したいと思っています。Amplitudeでとても簡単に分析をして施策を打つ環境が整ったので、若いメンバーにどんどん新しいアイデアを試して欲しいと思っています。
初めは高い確率で効果は出せないかもしれませんが、打席に立って経験を積んで、知見を貯めて活用して欲しいと思います。
スピーカー
株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン 執行役員 CMO/CIO 志賀智之
2008年株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン入社。IT戦略室長、情報活用推進部長を歴任し、お客様体験デザイン本部(現UXD本部)を設立、2018年より執行役員としてCMOとCIOを兼任。データを活用したブランディングからCRMまでフルファネルでのマーケティングと、全社的なIT統制やシステムのモダナイズを推進している。最近はライフワークとして、ゴルフのリブランディングに挑戦中。
株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン UXD本部 UX推進部 CRM企画チーム
マネージャー 大友広貞
某タイヤメーカー生産技術者から社会人キャリアをスタート。ゴルフへの情熱だけを持ってGDOへ入社。ECの商品プロモーション業務からマーケティングに関わり始め、Salesforce Marketing Cloudを用いたECに関するシナリオメールの企画、実装に従事。現在はGDO全体の会員制度運営と顧客コミュニケーションの設計を管理する。
株式会社ディレクタス 代表取締役 岡本泰治
リクルートを経て、ディレクタスを設立。数多くの大手企業のCRM及びEメールマーケティングの戦略を立案し、実行を支援。現在は顧客データを活用したクロスチャネルでのOne-to-OneマーケティングのためのコンサルティングとマーケティングオートメーションやCDPなど各種マーケティングツールの導入・運用支援を行う。著作に『BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門』『ケースで学ぶマーケティングの教科書』がある。
モデレータ
株式会社ディレクタス カスタマーサクセスグループ マネージャー 鈴木 重行
デジタルマーケティング業界の可能性に魅力を感じ、商社系デジタルマーケティング会社に入社。同社にて長年メールマーケティングのコンサル・運用支援業務やMA導入支援業務に携わり、その後、親会社のコンタクトセンター会社に出向。同コンタクトセンターのデジタルマーケティング責任者を経て、2017年1月ディレクタスに入社。
デジタルマーケティングの世界で一貫してCRM領域の業務に携わってきており、現在もMA導入・運用支援業務に携わるとともに、先進的なマーケティングツールの紹介を担当。
株式会社DearOne グロースマーケティング部 セールスユニット リーダー 橋川 貴諾
損害保険会社の法人営業にて、企業の経営層の課題から現場レベルまで、あらゆるリスク解決のため保険商品の枠を超えたソリューション提供を担当。DearOneへ入社後、アプリの開発・公開だけでなく、データを活用したアプリ利用状況把握・アプリKGI/KPIの策定等、一気通貫して企業をサポート。現在は、統合的なデジタルマーケティングソリューションの提供、企業のグロースを支援。
*1 | PoC(Proof of Concept)とは、日本語では概念実証を指します。新たな原理、理論、アイデアやコンセプトを実証するための事前検証や試験運用。 |
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