Adjust Ignite TOKYO 2023|速報レポート(後編)

2023.07.31

2023年7月26日(水)アプリの計測・分析ツールを提供するAdjustが、グローバルで展開するカンファレンス「Adjust Ignite TOKYO 2023」を開催。

東京都渋谷区のWITH HARAJUKU HALLにて開催された本イベントに、グロースマーケティングメディアも取材に伺いましたのでレポートいたします。

まずは、前編のレポートからご覧ください。

「GAME IGNITE」アプリゲームビジネスの「未来」のために〜未来予測と課題認識。そして今から取り組むこと〜

株式会社WFS(WRIGHT FLYER STUDIOS)マーケティング部 部長 小泉 義英氏、株式会社MIXI デジタルエンターテインメント事業本部 本部長 異儀田 諭氏、モデレーター 株式会社MOTTO 代表 佐藤 基氏によるアプリゲームに関する講演。

アプリゲームは日本において一大産業となっており、業界としても10年経過したところでこれから先10年がどの様に変化していくのかということで、現在のアプリゲーム市場感、さらに未来をディスカッションしました。

低いサプライズ

市場は頭打ちになっていおり、まさに成熟期がきているタイミングであり、直近サプライズのあるコンテンツが出てきていないという異儀田氏。マーケットの外から見たら変わり映えしない市場というのが課題という。

スーパーリッチ化

海外勢の「人、モノ、金」が大量に投下されるコンテンツの参入により、お客様の感動ハードルはどんどん上がっていて皆なかなか感動しづらくなっている状況であると小泉氏。

高いスイッチングコスト

実際に、モンストをやっていて他のコンテンツを使ったとしてもまた帰ってくるという現状がある。振り向いてくれるけど残ってくれない時代、まさに成熟した市場になっている。

これら現状の課題から、今後はどういう人をターゲットにしていけば良いのかなどが語られました。

さらに今後アプリゲームビジネスはどうなっていくのかというテーマで、「ボーダーレス化(プラットフォームの垣根はなくなっていく)」「マスとニッチのより一層の二極化」「ファンダムの重要性」というキーワードを、さらに未来に向けて取り組んでいるところとして、「スーパーニッチ化(強みを研ぎ澄ます)」「ライフサイクルをアップデートするような体験創出」「コンテンツに即した新しいデリバリープランの模索」というキーワードで各社の取り組みへの考え方や戦略などを語られました。

CTV広告がアプリマーケの新定石に!〜いま急成長する新たなチャネルの活用事例と今すぐやるべきこと〜

続いて、株式会社AbemaTV ABEMA ビジネスディベロップメント本部 シニアプロダクトマネージャー 綾瀬 龍一氏、株式会社フジテレビジョン ビジネス推進局 コンテンツビジネスセンター プラットフォーム事業部長 野村 和生氏、株式会社TVer 広告事業本部 技術統括 矢部 怜史氏、モデレーターはAdjust ゼネラルマネージャー 佐々 直紀氏の講演。

CTV広告市場の現状として、国内と海外の状況を解説。2022年US市場だけで3兆円超、日本と比較しておよそ50倍あるが、2026年には5兆円超が予測され日本も20倍の差程度までには縮めたいという。さらにCTVの普及推移や2023年で3,000万世帯まで広がると予測されている。

CTV広告の価値として、大画面であるということ、セカンドスクリーン(モバイル)によるスムーズなアクションが促され、高い完視聴率でメッセージを伝えやすいということが上げられ、共視聴率も高いという調査結果を紹介。

新しい広告の形として野球中継のシーンを邪魔しない形の広告事例や、地上波と合わせたCTVの活用方法、CTV広告の計測方法、CTVアシスト効果の分析、CTV広告効果の実証実験の結果などの報告がされました。実証実験はフジテレビ社が「大江戸今昔めぐり」というアプリで実施されたそうで、実験の背景、検証方法、3期に渡る実施期間とその結果など大変詳しく解説があり、皆さん大変参考になったのではないでしょうか。

Z世代、アルファ世代を魅了する!新感覚マーケティング

続いて、NAVER Z JAPAN株式会社 ZEPETO日本事業統括 加嶋 雄一氏、Sango technologies株式会社 Founder, Director, CEO 野間 悠磨氏、Suishow株式会社 代表取締役 片岡 夏輝氏、モデレーターはAdjust Head of Customer Success Japan 岡田 雄伸氏の講演。

「重要と思われているユーザーの体験とは」というテーマで、VRのUGCアプリを運営する中で重要と考えているのは「アテンション」と「コネクト」で、その中にクリエイトとして「アバター」「コンテンツ」「アイテム」「ワールド」「ライブ」があるという加嶋氏。

気軽に投稿できるというところに拘っているというのは、野間氏。例えばfacebookであれば違う属性の方が存在するため、コメントの牽制が起こり得るがTAPNOWでは共通の友達しかコメントを見られないため気軽に投稿できるとのこと。

投稿しなくても良いSNSアプリをコンセプトにしているアプリNauNau(ナウナウ)の片岡氏は、現役大学4年生ということですが、なんと400万ダウンロードの実績のあるアプリを提供ということで会場からも驚きの声が上がりました。

このセッションでは「ユーザーの熱量を高めるには?」というテーマで、各社における事例を題材にZ世代、アルファ世代へ響くマーケティング論をディスカッションしました。

業界を牽引するトップエージェンシーが激論!これからのアプリマーケティング

最後に、株式会社CyberZ 広告代理事業部 エグゼクティブコンサルタント 田中 翔人氏、グリーアドバタイジング株式会社 代理事業本部 アカウントエグゼクティブ部 部長 三浦 裕太氏、株式会社オプト  マーケティング・アセット領域管掌 執行役員 岩本 智裕氏、Septeni Global COO  荻田 脩平氏、モデレーターはAdjust Senior Partnerships Manager  谷口 健二氏の講演。

成果を上げる広告代理店との付き合い方をテーマに、色々な媒体がある中で成果を出せる自信がある広告代理店を使うと良い、代理店各社の強みがある、コミュニケーションの観点でドライブしやすい広告代理店が良い、過去軸ではなく未来軸で依頼ができることの重要性、相手を考えてくれる時間をいかに作るか、管理の時間を作るのではなく共創関係が作れるかが重要など、普段は聞くことのできない広告代理店側からの発言を聞くことができた。

インハウス化の潮流における広告代理店の生存戦略というテーマでは、4社それぞれの生存戦略が語られ、オフレコ発言も多かった中で、特に筆者が気になった話題としては、プライバシー保護強化に伴いユーザーのデータが見えづらくなるこれからの対策、リタゲは使えなくなってくるなど、ここからの2年間が重要になってくるという話題でした。

講演の最後、今後は自社のファーストパーティデータと流入経路を突合させる重要性、その一方でデータの計測は銀の弾丸ではないという言葉で締め括られました。

いかがでしたでしょうか?

Adjust Ignite TOKYO 2023|速報レポート(後編)をお届けしました。

いくつかのセッションは、また後日詳しくレポートしますので、お楽しみに!

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