デジタルマーケティングとは 

2021.08.20

デジタルマーケティングとは、スマホ、パソコン等のデジタルデバイスやインターネット上で行われるマーケティングのことです。近年の急激なIT技術発展に伴いデジタルマーケティングが注目されるようになりました。

この記事ではWebマーケティングとの違い、デジタルマーケティングが必要とされている理由、手法、また課題について解説しています。

デジタルマーケティング初心者の人はぜひ参考にしてみて下さい。

デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い

デジタルマーケティングとよく混同されるWebマーケティングというマーケティング手法があります。

Webマーケティングはデジタルマーケティングのうちの一つで、デジタルマーケティングの中でも特にWebサイトを通して実施されるマーケティングのことです。

企業が魅力ある商品を作り、その価値を顧客へ伝え、利益を生み出していくための活動であるマーケティング。

その中でもデジタルデバイスを通して行われるマーケティングがデジタルマーケティングで、デジタルマーケティングの中でも特にWebサイトを通して行われるのがWebマーケティングです。

デジタルマーケティングが活用されだした背景

デジタルマーケティングが注目され、活用されだした背景には我々人間の行動様式が大幅に変化したことが関係しています。

従来は、顧客が製品を知り、購入をする場所は主に実店舗でした。

しかし、スマートフォンやパソコンが一人に一台となった現代において、顧客が製品を知り購入に至るまでのプロセスは、デジタル上で行われるのが主流となっています。

特に、人との繋がりを目的とし、コミュニケーションツールとして使用されていたSNSですが、現代では情報収集を目的として利用する人が多くなりました。さらに、インターネットに24時間アクセスできる環境が構築され、知りたいことをその瞬間に調べることができるようになった今では、多くの企業が顧客に自社製品の情報を伝えるためにデジタルマーケティングに取り組んでいます。

また、2020年からは特にコロナの影響で、対面でのコミュニケーションが困難となり、非対面での営業やマーケティングが必要となった事により、デジタルマーケティングの浸透に拍車をかけました。

なぜデジタルマーケティングが重要なのか?

それではなぜデジタルマーケティングは重要なのでしょうか?

デジタルマーケティング施策を行っている企業の担当者300人を対象にしたある調査では、95%以上の企業が「デジタルマーケティングは重要である」と回答しています。

「重要である」と回答した理由としては「リアルタイムでの情報展開」「顧客ニーズの把握」「動きが早いマーケットに対して、効果を確認しながら進捗を追える」「いろいろなサービスとの融合が図れる」など、情報やサービスについての発信や、情報収集やマーケティングを行う手法、リアルタイムで顧客を追えるなどのスピード面での重要性が多く挙げられています。

これらの中でも、特にデジタルマーケティングが重要であると言える理由を「顧客の行動データを収集・蓄積・分析する」「顧客との接触を増やす」「顧客のニーズにあった情報を提供する」の3つにまとめて紹介します。

顧客の行動データを収集・蓄積・分析する

デジタルマーケティングを行うことで得られる最も大きな恩恵とも言えるのがこの、顧客の行動データを収集して、蓄積して、分析できるという点です。

従来、顧客のデータを収集しようと思えば、アンケートや調査を行っていましたが、これらのデータは断片的であり、膨大な数の顧客の情報を定量的にみるという目的には合致しない部分が多くありました。

顧客行動などのデジタルデータを収集して分析することで、顧客本人でさえ気づいていない潜在的なニーズやインサイトを把握し、マーケティングやビジネスグロースに活かすことができるようになったのです。

顧客との接触を増やす

デジタルマーケティングに限らず、マーケティングでは「最適な場所で、最適なタイミングで顧客に接触すること」が重要です。現代ではインターネットを通じて、顧客に簡単に接触することができるようになりました。

接触を増やし、顧客とコミュニケーションを取ることで顧客のロイヤリティを高めることができます。しかし、接触が多すぎると逆に心地よさが失われ、顧客離れの原因ともなってしまいますので注意が必要です。

顧客のニーズに合った情報を提供する

蓄積したデータを分析することで、顧客一人一人に最適な情報を提供することができます。データからは顧客一人一人の趣味嗜好、問題認識、潜在ニーズ、顕在ニーズを読み取れるため、「最適な場所」で「最適な情報」を、「最適なタイミング」で届けることができるようになります。

デジタルマーケティングの種別

B2Bデジタルマーケティング

法人を対象としたB2Bビジネスの場合、デジタルマーケティングのゴールとされるKGIには営業送客数が設定されるケースが多いです。

つまり、デジタルマーケティングで獲得した見込み顧客をマーケティング機能で受注獲得するのではなく、営業部門(場合によってはインサイドセールス部門)に見込み顧客を渡し、営業部門が受注を獲得するというスタイルが一般的です。

デジタルだけでは完結しないため、マーケティング部門は見込み顧客の精度や温度感を営業部門と確認しながら業務を進めていくことが重要になります。

また、B2Bの場合SNSを活用するならFacebookや、Linkedinなどのビジネスユーザー向けサービスが適しているでしょう。

B2Cデジタルマーケティング

B2Cビジネスの場合、消費者をECサイトに呼び込み、そのままオンラインで購入を成立させることを目的とします。そのため、KGIには受注件数や売上金額を設定するのが一般的です。価格帯にもよりますが、B2Cでは営業担当者を介さず、消費者が製品を見つけて、その流れで購入に至るような戦略を立てることが必要となります。プロセスをいかに短期間にできるかが大切です。

B2CではInstagramやTwitterなどのカジュアルなSNSがより好まれる傾向にあります。

デジタルマーケティングの手法

デジタルマーケティングが必要とされていることは理解していただけたかと思いますが、「デジタルマーケティング」と言っても、その手法は様々で、ターゲット層、目的、市場によって活用する手法は異なります。

マーケティングで業界ではオウンド(Owned)、アーンド(Earned)、ペイド(Paid)という3種類のメディア、トリプルメディアを使用してのマーケティングが主流となりました。

かつては「テレビ」「ラジオ」「新聞」「書籍」が4大メディアと呼ばれていましたが、現代ではインターネットが一般化したことで、トリプルメディアを利用して顧客とどのようにコミュニケーションを取るかが重要です。

オウンドメディアの「オウンド」は「所有する」という意味で使用され、企業が所有しているメディアのことを指しています。オウンドメディアはブログ型などのコンテンツを作成し、発信するコンテンツマーケティングを指していることがほとんどです。

アーンドメディアの「アーンド」は「稼ぐ・獲得する」という意味です、ここではユーザーからの評判を獲得する、という意味で使われています。ソーシャルメディアマーケティングや、Webメディアへのプレスリリース投げ込みなどもアーンドメディアの施策として考えられます。

ペイドメディアの「ペイド」は「お金を支払う」という意味で、つまり広告などのお金を支払ってユーザーにアプローチする広告媒体を指しています。

トリプルメディアを利用してのデジタルマーケティング手法としては以下のようなものがあります。

・Webマーケティング
・アプリマーケティング
・Eメールマーケティング
・コンテンツマーケティング
・ソーシャルメディアマーケティング
・デジタル広告

それぞれについて紹介します。

Webマーケティング

デジタルマーケティングと聞いて、1番に思い浮かぶのがWebマーケティングだと思います。

WebサイトやECサイトを通して行うマーケティング活動がWebマーケティングです。Webサイトに人を呼び込むことや、製品の販売やブランディングを促進することが目的となっています。

現代ではインターネットが普及し、スマホやパソコンで気になることを調べるのがあたりまえになりました。そのために、Webを活用してブランディング、販売をすることが重要なのです。また、Webでは顧客のデータ収集が容易に行え、収集したデータを分析することで、より良い施策を打つこともできるようになりました。

実際に顧客の行動分析を行い、Webマーケティングを実施したあるアパレル会社はAmplitudeを導入して、これまでに2週間ほどかかっていたデータ分析を数分で行えるようになりました。

同社が提供する、ECサイトは35歳〜49歳の女性をコアターゲットとしたファッションを中心としたECデパートメントです。

同社は顧客のリピート率に課題を抱えており、「定点観測」に特化したツールを使用していましたが、分析の深掘りができずに、さらに分析をする時間も十分に確保できていませんでした。

そこでAmplitudeを導入し、ユーザーの行動分析から施策までを短時間で行えるようになり、またカスタマーサクセスを担当している方からも確度の高い提案を、スピード感を持って提案してもらうことで、より効果的な施策を施すことができるようになりました。

また別の事例ですが、フラッシュセールを中心にファッションからコスメ、ホームグッズなど8,000ブランドを取り扱う会員制ショッピングサイトを運営するla belle vie社も、同社で運営する2つのECサイト「GLADD」「GILT」に2020年からAmplitude(アンプリチュード)を導入。行動分析におけるWebマーケティングを実施し、作業工数を大幅に削減することができました。*1https://growth-marketing.jp/cases/la-belle-vie-amplitude/

同社はリアルタイムで見たいデータが見られる環境や、分析も容易に行える環境を整えていた一方で、ユーザーの行動をより深く理解することに課題を抱えていました。ユーザー行動をより深いポイントで分析するためにAmplitudeを導入。データ分析にかかる時間を削減し、さらにユーザー軸で行動分析を行い、より深くユーザー行動を理解することができるようになりました。

アプリマーケティング

アプリマーケティングとは、スマートフォンのアプリを使用して行うマーケティング手法です。その他のマーケティング手法が「新規見込み客」をターゲットにするのが一般的なのに対し、アプリマーケティングの目的は既存顧客のロイヤルカスタマー化に置かれ、実店舗やECサイトなどですでに接点のある顧客にアプリをダウンロードしてもらい、アプリを使ってメッセージを配信することでロイヤルカスタマー化を進めます。

ロイヤルカスタマー化を狙うことで、効果的にアプリマーケティングを実施することができれば、大幅な収益増加を見込むこともできるのです。

Eメールマーケティング

Eメールマーケティングとは、ユーザーに対してEメールを配信することによって、集客や、ファンの育成を目指すマーケティング手法です。

既にメールアドレスを入手できている人が対象になりますので、新規見込顧客の獲得を目標とした活動ではなく、どこかで接点がありメールアドレスを入手できた顧客を購入につなげるためにナーチャリングを行う際に利用されます。

メルマガとは似て異なるもので、メルマガは読者に対して一斉に同一の情報を送信しますが、Eメールマーケティングでは、ユーザーひとりひとりに最適な情報を提供します。One to Oneマーケティングと呼ばれる「一人一人に最適化されたマーケティング施策」の考え方が重要視されたことから、メルマガからではなく、Eメールマーケティングへと切り替えている企業も多いです。

One to Oneマーケティングについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

One to Oneマーケティングの重要性・メリット・始め方とは?

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、対象ユーザーにとって有益なコンテンツの作成、発信を通して、コンテンツの認知、見込み顧客の育成(ファン化)を経て多くの収益獲得を目指すマーケティング手法です。

SEOもコンテンツマーケティングのうちの一つです。検索エンジンで上位表示されるためには、良質なコンテンツを継続して提供する地道な努力が必要です。検索エンジン、そして読み手のユーザーの両方にとって有益なコンテンツを多数発信することで、自社サイトが上位に表示されやすくなります。

ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディア(SNS)マーケティングとは、その名の通りInstagram、Twitter、Facebook、LinkedinなどのSNSを通して行うマーケティング手法です。SNSといえば、学生が主に利用するツールというイメージがありましたが、近年では社会人でも多くの方が利用していますので、大人向けの製品やサービスであってもSNSは有効な手法であると言えます。

SNSは他の手法と比べても顧客との距離感が近いマーケティング手法です。

そのため運用を効果的に行うことで急激な認知度アップや、アクセス数アップを目指せ、コミュニケーションを通して顧客のロイヤリティを高めることもできます。

また、ソーシャルメディアマーケティングにおいては、自社からの発信だけではなく、UGC(User Generated Contens)を生み出すことが重要です。

UGCとは「一般的なユーザーによって作成されたコンテンツ」のことで、企業主体ではない、ユーザーによって投稿されるため、他の人から見ても信頼性が高くなります。

デジタル広告

デジタル広告とは、インターネット上で展開される広告のことです。オンライン広告やWeb広告と呼ばれることもあります。

ユーザーが検索したキーワードと連動して、検索エンジンの検索結果に表示されるリスティング広告、InstagramやFacebookなどのSNSプラットフォーム上で表示されるSNS広告、Webサイト内で広告枠に表示されるディスプレイ広告などがデジタル広告です。

反対にデジタル上で展開されていない広告のことをオフライン広告と呼びます。例えば新聞や雑誌、電車の中で見るもの、街中で見かけるものなどがこのオフライン広告です。

インターネット、SNSの普及に伴いデジタル広告がより注目されるようになりました。

デジタルマーケティングのKPI

デジタルマーケティング実施の際に設定されるKPIは、どのような手法を用いるかによって変わってきます。例えば上記であげた手法では、以下のようなものがKPIに設定されることがあります。

・Webマーケティング
  -アクセス数
  -問い合わせ数
  -Webサイト上での売上数

・アプリマーケティング
  -ダウンロード数
  -アクティブユーザー数

・Eメールマーケティング
  -メール到達率
  -開封率
  -商品ページや資料ダウンロードページへのリンクのクリック数

・コンテンツマーケティング
  -ユーザー数
  -ページビュー数
  -ホワイトペーパーダウンロード数

・ソーシャルメディアマーケティング
  -フォロワー数
  -SNSからの問い合わせ数
  -エンゲージメント数
  -いいね数
  -UGC数

デジタル広告
  -インプレッション数
  -クリック数
  -クリック単価
  -コンバージョン率
  -顧客生涯価値

デジタルマーケティングの課題

デジタルマーケティングは現代では必須のマーケティングとなっています。しかし、それを実践するためには課題も存在します。

マーケティング自体が専門性が高く高度なスキルが必要ですが、デジタルマーケティングではデジタルに対する知識、またそれらを行うためのツールへの知識も求められます。さらに検討すべきツールやプラットフォームは無数にあり、それぞれが異なった特徴を持っています。

デジタルマーケティングの目的や目指すべきゴール、会社や商材によってどこに注力するべきかを戦略的に計画する必要があります。

さらに、高いスキルを獲得できたとしてもそれらは常に進化しているために、常に業界の最新情報を追っていくことが求められます。また、IT最新情報はまず海外で流行り、その後遅れて日本へ入ってくるため、最新情報を得るためには英語で海外の情報を得続けることも必要なのです。

まとめ

デジタルマーケティングとは、Webマーケティングやソーシャルメディアマーケティング、Eメールマーケティングなどのスマートフォンやパソコンといったデジタル機器上で行われるマーケティング活動です。ITが発展し、スマートフォン・SNSなどの普及に伴い重要視されてきました。

デジタルマーケティングでは高い専門性と高度なスキルが求められ、活動を行うためのツールやプラットフォームは数多く存在し、自社だけでは導入が難しい場合、それらマーテック(MarTech)に詳しい専門家が僅かながら増えてきていますので、まずは相談してみるのも良いのではないでしょうか。

グロースマーケティングでは、これらのデジタルマーケティング施策から得られるデータとフィールドマーケティング(店舗などのオフライン)のデータを紐付け、収集・管理・分析を一貫して行います。デジタルマーケティングで施策を早く実行し、分析結果を元に仮説を立て、すぐに改善を施すことがプロダクトのグロースのためには重要です。

グロースマーケティングは顧客の行動を分析し、プロダクト改善を高速に回し、顧客のライフタイムバリュー(LTV)を向上させることを目的としたマーケティングですので、データ収集から施策を打つまで一気通貫で行い、ビジネスグロースに繋げることができます。

References
*1 https://growth-marketing.jp/cases/la-belle-vie-amplitude/

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