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大切にしているのは「顧客起点のマーケティング」|Marketer’s Interview vol.4

2023.03.17

今回は、休日の便利でお得な遊び予約サイト「アソビュー!」を展開する、アソビュー株式会社のマーケットプレイスカンパニーCOOの岡村様にお話をお伺いしました。

アソビュー! 休日の便利でお得な遊び予約サイト

休日の便利でお得な遊び予約サイトを目指すアソビュー!

DearOne 澤|
まず御社の事業内容とサービス紹介をお願いします。

アソビュー 岡村|
アソビュー株式会社は2011年の3月創業で今、12期目が進行中です。従業員数は約280人で、ミッションとして「生きるに、遊びを。」と掲げており、「遊び」領域もしくは「お出かけ」領域の課題解決をする企業です。

アソビュー!事業概要

具体的なサービスとしては、スライド左側に「ゲスト」と書いてある一般消費者と、右側の「パートナー」つまり体験事業者、レジャー施設、カラオケ、遊園地、テーマパークなどエンタメ領域の事業者とのマッチングサービスです。一言でいうと「お出かけ領域におけるマッチングのプラットフォーム」になります。

弊社では「アソビュー!」というプラットフォームを運営する事業を「マーケットプレイス事業」と呼んでおり、私の所属はそのマーケットプレイスカンパニーのCOO(執行責任者)を務めています。事業執行の責任者、またカンパニーCEOの補佐的な立場でメンバーを巻き込み事業を前に進める役割を担っています。

また、事業データ推進室の室長も兼ねており、企画まわりも含めた事業推進やデータ活用を推進しています。今、トランザクションのデータがたくさん集まってきているので、これをマーケティングに活かしていくために、さまざまな角度からデータの取りまとめや分析を行っています。

遊び予約サイト「アソビュー!」について

元々アソビュー!はラフティング、パラグライダー、川下り、サーフィンなどのアウトドアレジャーを中心に立ち上げたサービスで、その後、ものづくり体験などインドアでできる体験も含めて予約ができるようになりました。

ここ5年くらいは、遊園地・水族館の入館チケットや日帰り温泉の電子化されたチケットなどの取り扱いも始めており、今では600種類以上の遊びを常時紹介しています。

ご紹介している施設は10,000施設くらいあり、約28,000商品の紹介をしているプラットホームということになります。

2022年8月時点で会員数は約1,000万人で、その約半数の会員様にメルマガ登録をいただいています。

アソビュー掲載ジャンル

お出かけ領域のサービスはたくさんありますが、弊社はミッションである「生きるに、遊びを。」を掲げているので、余暇時間でできるさまざまな体験を、取り扱っております。

代表的なものがスライドに挙げているようなジャンルになります。最近では、カラオケや映画などのエンタメ領域にも力をいれており、弊社としてはこのくらい広義に余暇市場・遊び市場を捉えて事業を運営しております。

DearOne 澤|
お値段もかなりお得になるんですね。

アソビュー 岡村|
お客様からは「お得さ」「便利さ」をよくご支持いただいています。私にも5歳になった娘がいるのですが、遊園地などのレジャー施設に一緒に行ったとき、入口でかなり並ばされた経験ってありませんか?

DearOne 澤|
はい、それで困ったことがあります。

アソビュー 岡村|
特に冬の寒い時期のイルミネーションイベントや炎天下での入場待機列などで並ぶのは、結構辛かったりしますよね。そこで遊園地に着く前にあらかじめ電子チケットを買っておいて、現地に行ったら券売機に並ばずにダイレクトに電子チケットを見せて入場できるような便利さを提供しておりますので、そういった現地でマゴマゴしない利便性も含めた「お得と便利」がアソビュー!の特徴です。

新規獲得中心からリピート率向上を目指す組織へ

DearOne 澤|
利用に際しては、事前にアソビュー!のサイト内で会員登録が必要でしょうか。

アソビュー 岡村|
基本的には会員登録しての購入を想定していますが、初回購入時にビジターとして最低限の情報を入力していただいたら、会員登録も一緒に済むような導線設計にしておりますので、会員でない方でもスムーズにご利用いただけるようになっております。

DearOne 澤|
アソビュー!のサービスはWebとアプリでの提供になりますか?

遊び予約サイト「アソビュー!」について(再掲)

アソビュー 岡村|
今はまだWebがメインです。2022年9月にようやくアプリをリリースしました。

DearOne 澤|
ずっとWebで運用されていて、これだけ会員の人数が増えてきたということでしょうか。

アソビュー 岡村|
はい。基本的にはブラウザでご利用いただく方が多く、アプリはまだまだ伸びしろがある部分だと考えています。

DearOne 澤|
すでにWebで相当な人数を獲得されていたわけですが、さらにアプリもリリースしようと思われたきっかけや背景はあるのでしょうか。

アソビュー 岡村|
そこは明確に「リピート率を上げる」というCRMの強化です。カテゴリーごとに「飲食予約ができるのはどこどこのサービス」「宿予約ならどこどこ」といった認知度はあると思うのですが、「遊びの予約をするならどこ?」という我々の領域については、まだ一般的には全然知られていないのが現状です。

流入に関しては、やはり通常のGoogle検索などが一番多かったので、まずはそこからスムーズに予約・購入ができるようにするという点に重きを置いてサービス改善をしてきたという背景がありました。

新規獲得はうまくいっている状態がずっと続いていたので、「CRMでリピート率を上げていこう」というフェーズにようやくシフトしたのが2018年頃のことでした。

そのタイミングで、「(初回購入をした層が2回目の購入をした層に変化した割合を示す)F2転換率を上げていこう」「年間利用回数を向上しよう」と会社として舵を切っていた方向性をさらに進める形になりました。

アソビューが実践する「顧客起点のマーケティング」

DearOne 澤|
それでは、現在実践されているマーケティング施策の全体像を教えてください。

アソビュー 岡村|
まず一番大切にしているのは「顧客起点のマーケティング」です。

新規集客のチャネルは、SEOで上位を取れていて、2015年前後は記事コンテンツで上位が取れるような状況だったので、新規獲得は着実に成果を重ねられている状況でした。

最近は広告も強化し、ROASも合っていて効果的な獲得ができているのですが、そこから既存のお客様のリピート率をしっかり上げていかなければ、どれだけ新規獲得がうまく行ったとしてもすぐに離脱・離反してしまうということに目を向けなければいけないフェーズに入っており、現在CRMをさらに強化しています。

DearOne 澤|
そもそもSEOであれだけ集客できていたのがすごいですね。

アソビュー 岡村|
立ち上げから4、5年くらいの頃はこの領域で強いプレーヤーがいなかったということも大きいと思います。その期間に新規でお取り扱いできる体験数も拡大し、お出かけを探している方へのアプローチがうまくいきました。

DearOne 澤|
当時はどれくらいの人数がいらっしゃったんですか?

アソビュー 岡村|
私がインターンシップで参画した2012年は10名ほどで、2016年に100名を超え、200名を超えたのは2022年からです。

「顧客理解」を重視し、ロイヤリティやリリース回数の向上を目指す指標設計が重要!

DearOne 澤|
指標設計について教えてください。

アソビュー 岡村|
基本的にはアソビュー!のサイトを通じて生まれたGMV(流通総額)を追いかけています。また、これまでは新規の比率がすごく高かったのですが、今後は既存顧客のリピート指標も重要指標として追いかけています。

DearOne 澤|
この辺の指標は、カスタマーエンゲージメントプラットフォームのBrazeを導入される前から、元々お持ちだった指標なんですか?

アソビュー 岡村|
はい。Brazeを導入したのは2022年7月ですが、2018年頃から追いかけていました。

DearOne 澤|
目的達成に向け、大切にしていることを詳しく教えてください。

アソビュー 岡村|
基本的には「誰に何の価値を届けるか」を大切にしています。「誰に」という部分では「顧客を理解すること」を事業に関わる全員が重視しており、ユーザーインタビューや、N1分析を毎週欠かさずにやることを文化にしています。

N1分析では分析する対象ゲストを特定し「いつ何を買っていただいて、その次は何を買ってくださっているか」といったことを全部見て、そこから特徴的な部分をきちんと理解することを心がけています。

また、購買履歴からはゲストのライフスタイルや普段のお出かけ先をどのように意思決定しているかなどはデータ上見えてこないので、そういった定性的な部分はユーザーインタビューを通じて、理解を深めるようにしています。

それからプロダクトに関しては、目的達成のためにクイックに機能改善できることも大切にしています。リリース回数を指標に置いていて、おそらく国内トップクラスに入る方だと自負しています。

プロダクトの機能改善などリリースのサイクルを細分化し、小さなことでもどんどん出していくので、月間100回以上のリリースを積み重ねているという状況です。

DearOne 澤|
月間100回以上ですか、すごいですね!まさに日々、グロースハックを実践されているわけですね。

アソビュー 岡村|
プロダクトのメンバーにはマーケティング寄りの思考を持っているメンバーも多く、私の上司であるカンパニーを管掌する執行役員も、エンジニア出身です。

今回、Brazeの導入後2週間でクイックに新機能をリリースできたのも、事業を見ている責任者がプロダクト側の組織も動かせるということが結構大きかったですね。

DearOne 澤|
実際のところ、実行したくてもなかなかすぐにはできない企業が多いですよね。御社はすごく柔軟に開発をされているというわけですね。

アソビュー 岡村|
そうですね。マーケ側も当然、同じように臨機応変な対応が取れる体制を組んでおり、今はメルマガ以外にもステップメールなど、何かをトリガーにして配信するメール系の施策を、まさにBrazeを活用する形で実現しています。

例えば「従来は配信タイミングを離脱から60分以内に設定して送っていたが、これはもう少し早い方がいいのではないか」といった会話があれば、ABテストを積み重ねて「60分より30分がいい」「30分より10分がいい」「5分は短か過ぎだ」といった分析を、改善スピードを上げながら積み重ねることを大切にしています。

DearOne 澤|
チーム横断でそうしたデータを共有するのも、なかなか手間がかかることかと思いますが、どのように知見を貯めていらっしゃるのでしょうか。

アソビュー 岡村|
実は大きく改善したのはここ1、2ヶ月のことで日々、Brazeのダッシュボードを見たりしているのですが、外部のデータ活用周りではTableauも導入・活用しています。データの見える化をして課題を特定しやすくすると同時に、データ活用によってその課題を解決するためのアイデアを出しやすくした形です。

アソビュー 岡村|
例えば、Brazeでカゴ落ちメール施策を実施して、ABテストをしたところ「開封率でいうと●分後が一番いいね」という結果をTableauで可視化しています。

この「●分後」という数字は開封率としては良かったのですが、問い合わせの量が増えすぎるという弊害がありました。つまり、「まだ購入途中だったのに追っかけのメールが来たんだけど?」という問い合わせが発生したため、そのあたりはCSとも連携し、データによる検証と、お客様の声をきちんと融合して判断するようにしています。

Brazeでも数字はいろいろ見られるのですが、「購入データと組み合わせてみたい」などのニーズもあったりするので、自前でデータ基盤を作って見るといった試みも行っています。

ただ、基本的にはBrazeのダッシュボード上で細かいところまで見るということをやっていて、体制や役割に限らず全員で「データが正である」というところに意識が向けている組織ではあるかと思います。

DearOne 澤|
そこも実現させるのが難しくて、なかなか真似できないところですね。

アソビュー 岡村|
データと向き合わないと、結局数字が伸びないということに長年悩まされてきたので、やはりここにきちんと時間を使わなければいけないという共通認識があるというわけです。

新規獲得からリピーター育成へ!「顧客理解」を軸にエンゲージメント施策に注力

DearOne 澤|
先ほど「お得」「便利に使える」がユーザーに支持されているというお話がありましたが、そこはどのように訴求されているのでしょうか?

アソビュー 岡村|
それに関してはコミュニケーションはじめ、お客様にお出しするクリエイティブ全てに言えることですが、単純に「遊びって楽しいよね」といったメッセージでは全く何も言ってないに等しいので、そこはしっかりお客様に「便益」つまりメリットを感じていただけるようなコミュニケーションをしていくということに尽きます。

例えばファミリー層に向けて、「寒い季節、並ばずに入れる施設を紹介します」とか、そういった強みをきちんとコミュニケーションの中に入れていくことです。

DearOne 澤|
まとめると、一番重要なのは「顧客理解」や「顧客に良い体験をしてもらう」という部分だということですね。

アソビュー 岡村|
その通りです。例えば、室内施設をご利用いただいているお客様にユーザーインタビューをすると、「夏の暑い時期に子供を外で遊ばせることに抵抗があって、快適に過ごせるところを探した結果、水族館を利用した」といった体験について聞くことがあります。こういった声こそ、まさにお客様が求めていることだと言えます。

つまり、炎天下ではなく、かつ悪天候に左右されない場所で遊びたいというのが、やはり顧客ニーズとしてあるということが再認識できたんです。そうであれば、「雨でも快適に遊べる場所の特集を組んでみよう」とか、そういう発想に転換していくこともできるようになるので、このようにお客様のニーズを理解することを重視しています。

Braze導入により、360万人へのメール配信に要する時間が丸一日から数分に短縮!

DearOne 澤|
エンゲージメント施策の位置づけや、実施しようと思った背景を教えていただけますか。

アソビュー 岡村|
創業以来、新規獲得はずっと得意としてきているのですが、「生きるに、遊びを。」というミッションを掲げているように、今後、具体的に実行していきたいビジョンは「毎週末のお出かけ先はアソビュー!で探して欲しい」というものです。

つまり、一度使って終わりではなく、「年間52週間ある週末ごとのお出かけ先を探す」というユーザーの課題を解決する必要があるので、それには利用回数をしっかり上げていかなければならないわけです。

反対に「一度使って終わってしまった人たちは、どうしてそこで離脱したのだろう?」というところにもきちんと向き合わなければならないと考え、F2転換率や年間利用回数の向上に向き合ってきました。

従来、「東京在住の30代男性」といった居住地・性別・年齢などの顧客の属性でセグメントを切っていくデモグラ分析はよく行っていました。しかし、突き詰めていくと、おそらくお出かけのシーンで誰とどこに行くかは一人一人全く異なるはずなんです。

そういったCRMの浅はかな理解だけでなく、「何を重要視してお出かけの意思決定をしているか」というすごく深い部分まで突き詰めていかなければならないという考えに至ったという段階です。ざっくりとした属性に対して施策を打つことを例えると、広い海原で釣りをしているようなものなので、釣れることもあるかもしれないですが、それだと再現性のない形になってしまいます。一方、ピンポイントに絞って施策を打とうと思ったら、絞れば絞るほどどうしても施策の数を増やさなければいけないので工数がかかります。

これら両方の間のちょうどいい塩梅を取りに行くことが重要だと考えており、課題感もあったのですが、Brazeさんのお話を聞いたところ「Brazeを導入をすれば解決できそうだ」とわかったんです。

Brazeのスケーラビリティ・スピードの速さで効率化

Braze導入前のツールでの施策の話ですが、以前は「関東の女性」「若い人」などざっくりとしたセグメントを切ってメールを送るというメール配信施策はずっとやり続けてはいたんです。

ただ、会員数が700万〜800万人となってくると、膨大な数のメールを送らなければならないのに、当時はメールを一気に送れるだけのサーバーを持っていなかったため、メルマガを送るだけで丸1日かかっていたんですね。

それがBrazeを導入した今では、例えば、360万通を数分というスピードで配信できるようになったので、これには本当にびっくりしました。

DearOne 澤|
そんなにスピードが違うんですか!すごいですね。

アソビュー 岡村|
そうなんです。以前は「本日限定」みたいな商品のメールを朝作って送っても、その日のうちに送りきれず、翌日届いてクレームになってしまうみたいなこともあったので、大幅な時間短縮が実現でき本当に良かったと思っています。

Brazeのリアルタイム性で瞬時に情報を届ける

それから、リアルタイム性みたいなところでは、瞬時にしっかり情報を届けたいということで、「この情報を閲覧している方には、関連する商品としてこれを提案する」といったレコメンドやパーソナライズが可能ということも、Braze導入の決め手でしたね。

Braze導入において重要視したポイント

元々抱えていた課題や印象としては、マーケティングの施策って本当に際限がないということです。きちんとやればやっただけ成果につながる、つまり施策数をしっかり増やせばそれだけ成果につながるという理解だったので、すなわち施策を打つところに時間を投資すべきだと考えておりました。

それゆえ弊社でも、Braze導入前は施策に対して重点的に人的リソースを当てていましたがアナログで、メール1本作るのにもすごく時間がかかるなど、生産性の高い自動化からは程遠い状況でした。弊社ではBraze導入以前にMAツールは使ったことがなかったので、そのように人が頑張るしかありませんでした。

このため、施策を打つために常に疲弊しているような状況に陥り、顧客理解や戦略作り、分析・検証など、本来人間の脳みそを絞るべき部分に時間を当てられていなかったんです。

マーケティングチームの課題

そこで、「クイックに施策を打つためには、やはり何かツールで工数削減しなければいけない」という結論に至り、MAツールの導入を検討しました。結果的にBrazeを導入したことで、最小工数で価値を最大化できたと考えています。

Brazeのスケーラビリティはマンハッタンの全人口に対しても有効

その時、重視していたのがまず「スケーラビリティ」です。前述のように、メールを送ることに関して本当に苦労していて、今回、複数社のコンペを受けたのですが、国内のツールでは数百万通という規模に耐えられるツールはありませんでした。

他方、Brazeは商談の際に「160万人以上いるマンハッタンの全人口に対しても、瞬時に情報を届けられる」といったお話を伺って「これだ!」と思いました。この規模に対して迅速・平等に配信できるのは本当にすごいことで、これが導入して一番大きく、良かったと感じているところです。

Brazeのジオロケーション(位置情報)の活用

また、ユーザーがお出かけスポットに近づいたとき、便利でお得な情報を配信する「ジオロケーション」についても、他社さんで導入検討したときにはなかなか実現できないと言われた部分でした。

ジオロケーションについては、バーガーキングUSが2019年、Brazeを活用した「ワッパー Detour(寄り道)」キャンペーンにより、モバイルアプリの新規ダウンロードと位置情報共有ユーザーを増やし、 月間アクティブユーザー数(MAU)50%強増加を達成した 事例 がわかりやすいですよね。

アソビュー!はユーザーのお出かけや移動を軸にしているサービスなので同じように、例えば東京に住んでいる人がどこかに移動したら、その移動を軸にプッシュ通知を送る施策をぜひやりたいと考えていたんです。

最後に、「オムニチャネル」に関しては正直、まだあまり展開できておらず、これから注力していく予定です。弊社はメルマガを中心に展開してきたため、メールの開封率はお陰様で40%以上とメールマーケティングの中でも高水準を維持できています。

今後はメルマガに加えて、アプリのプッシュ通知やLINEなど、チャネルをまたぐ形で届けていかなければいけないということで、オムニチャネルで配信可能なツールであることも導入時には重視しました。

ただし、あくまでも「顧客起点のマーケティング」を大切にしているので、「生産性を上げるために、何でもいいからMAツールを導入しよう」と手段が先行してしまうことだけは避けようと、導入前から心がけていました。

その点、Brazeはこれら全ての面において魅力があり、さまざまな課題が解決することがわかったので、弊社でも納得した上で導入することができました。

アソビューにおけるツール連携の全体像とBraze活用事例

DearOne 澤|
今、Braze以外にも何か連携されているMAツールはありますか?

アソビュー 岡村|
施策を打ったり、最後に顧客接点を取るところに関してはBraze以外は使っていません。分析の部分は前述のTableauに接続する前にBrazeのデータを吐き出し、GoogleのCloud Storageに貯め、それをBigQueryに加工・格納して、TableauでBI化しています。

DearOne 澤|
データ検証のサイクルを回していくイメージですかね。

アソビュー 岡村|
まさにそうですね。

DearOne 澤|
ユーザーの1st Party データを自社でお持ちになっていることが、御社の大きな強みだなとお話を伺って思いました。

アソビュー 岡村|
はい。そこが本当に財産となって、施策に活かせていると実感しています。

Brazeで送信したメール累計5億6,376万通、事業全体のGMVのうち10%以上の購入実績まで成長

DearOne 澤|
実際にBrazeを活用している施策の実例を教えてください。

Brazeを活用して、導入2週間でカゴ落ちメール機能をリリース

アソビュー 岡村|
前述の、一番最初に行ったカゴ落ち施策について、さらに詳細を紹介します。従来は購入画面で離脱をしているユーザーに対し、1時間後に「買い忘れはございませんか?」というリマインドメールを送っていました。

初回のリリースとして2週間で出して、今も実装している事例です。

また、お気に入り登録をされた方に対して「登録ありがとうございます。この商品もいかがですか?」といったアップセル・クロスセルの追いかけメールも配信しています。

そのような施策を今、Brazeを活用して打っていて、2022年7月から2023年2月までに送信したメールが累計5億6,376万通まで積み上がっていて、その後の購入実績に換算すると事業全体のGMVのうち、10%以上を生み出す規模に成長しています。

アソビューにおけるプロジェクト体制の変遷とBraze導入プロセス

プロジェクトの体制と変遷

DearOne 澤|
これだけの施策を行うために必要なチームメンバーの人数構成は何人くらいなのですか?

アソビュー 岡村|
一番最初のカゴ落ち施策は元々、私の上司と当時マーケティングマネージャーだった私と、エンジニアリングマネージャーとデザインリードの4人で実施しました。

デザインリードは、クリエイティブを作れるだけではなく、データをみて施策を企画し、Brazeの設定も含めマルチにこなせるので、ほぼこの4人で企画を進め、エンジニアリングマネージャーとデザインリードの2名が初期施策の立ち上げを完遂してくれました。

ツール導入後、できるだけ早期に立ち上げて成果を出すことができたのは、大きかったです。

今はマーケティングチームに6、7名くらいがいます。エンジニアのチームは3、4名で、その中に強力なデザインリードが一人いるという体制です。

DearOne 澤|
では現在は人数が増えた分、施策も相当増えているのでしょうか。

アソビュー 岡村|
はい、1つの企画で4区分した施策を走らせているのですが、これら4つの区分それぞれに対してA/B/C/D/Eという5段階の小テストを回しています。

DearOne 澤|
お話を聞くだけで大変そうですが。

アソビュー 岡村|
前述のデザインリードが、Brazeをおもちゃのように楽しんで使って精通しているので、施策は無限に打てると思います。今は新卒メンバーが弟子入りして、施策数を拡大してくれています。

DearOne 澤|
何かやってみようと思ったら、すぐに実施できるということですね。

アソビュー 岡村|
そうですね。ステップメールやフォローアップメールといった、何かをトリガーにして配信する施策だけでなく、今ではメルマガも全てBraze側に移行しています。

先ほど紹介した体制でシステマチックに打っているのは、ステップメールやフォローアップメールなどトリガーをきっかけにした自動的なメール施策です。それとは別に、メルマガチームも独立しているという体制を取っています。

Braze導入までのプロセス

改めて振り返ると、Braze導入当初よりも体制がアップデートされてきていると感じます。

DearOne 澤|
このようなメルマガやプッシュ配信といった施策には「1日に何回まで」といった回数制限があったりするのですか?

アソビュー 岡村|
顧客が1日に受け取るメッセージ数としてさすがに10通、20通と送ることはなく、お客様の反応を見ながら、4〜5通といったところです。

「顧客起点で物事を考える」アソビュー流 Braze活用の秘訣

DearOne 澤|
エンゲージメント施策を行うに当たって、何か難しかったことはありましたか?

アソビュー 岡村|
難しいことはなかったと思うのですが、仮説が全く当たらないこともざらにあるので、そのように顧客のことを理解したつもりで施策を考え実施したあとは、しっかり検証するということに価値があるのだと実感しています。

そういう意味でも、施策の数を増やすためには、やはりクイックにPDCAを回せるMAツールは必須だと思います。

DearOne 澤|
とにかく施策を回すしかないということですね。実際に何か新たな気づきや課題が出てきていますか?

アソビュー 岡村|
顧客のニーズは常に変化し続けており、それはコロナ禍をはじめ生活環境が大きく変わったとき特に顕著です。当たり前に出かけていたところにお出かけできなくなったり、経済が不況になったり好況になったりということもあります。

アソビュー!で言えば、特に季節トレンドに左右されるサービスだと言えます。梅雨明けが早ければ、その分早く外に気持ちよくお出かけできますよね?反対に大雪になったらお出かけできるシーンは少なくなってしまいます。

そのように日々いろいろなことが起きますので、常に施策ではPDCAを回すことを心がけています。何か一つ成果が出たからといって、それに慢心して同じことをやり続けるのでなく、変化を前提として常により良いものを追究し最適化していくことが肝心です。

「データは生ものとして扱わなければいけない」ということが、Brazeを実際に使ってみての気づきですね。もちろん施策数自体を増やすことも大切ですが、施策が増えてくればくるほど、運用・保守の幅も広がっていくので、そこを雑に扱わず、常に丁寧で思いやりのあるコミュニケーションを取ることが同じくらい重要だと考えています。

現在のマーケティングチームのマネージャーが、「マーケティングは思いやりが大事だ」と言うのですが、本当にその通りだなと思っています。今後は今まで以上に雑にならない、効率的かつ丁寧なコミュニケーションを追究していきたいです。

DearOne 澤|
最後に、Brazeを導入してここが良かったということがあれば教えてください。

アソビュー 岡村|
私たちが想像できる範囲のことは何でもできるのだろうなと思っています。どちらかというと技術的にやり方がわからないことの方が多いのですが、そこはきちんとオンボーディングやカスタマーサクセスのプロセスを持って伴走してくれるので、今のところやりたい施策は全て実現できていて、要望に対し「それはできない」というような回答が来ることはほぼないです。

むしろ、毎回ミーティングの度に「そんなこともできるんですか!」と新たな発見があるくらいです。そこで心がけているのは、「そういった機能を使いこなすために何か施策をやろう」といった具合に、ツールを使うことや施策を打つことが目的にならないよう留意することです。

あくまで重要なのは「顧客起点で物事を考える」ことなのでツールに踊らされないよう気をつけつつ、反対に言うとつまり、それだけできることがたくさんあって素晴らしいツールだと日々実感しています。

DearOne 澤|
貴重なお話をありがとうございました。

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