マーケティングにおけるLTVの重要性!【.LTV】

2022.11.11

昨今、現代のビジネスにおいて重要なKPIとなるライフタイムバリュー(顧客生涯価値:1顧客からある一定期間を通じて得られる利益)が重要視されていますが「LTVってそもそも何?」「計算方法がよくわからない」などといった声もよく聞きます。

この記事ではデータドリブンマーケティングで企業のファンを増やす支援を行っている株式会社DearOneのメンバーが「マーケティングにおけるLTVの重要性」を解説します。

代表取締役社長 河野
CTO 佐々木(以下 サム)
マーケティング 安田
経営企画 秋津

クロスセルはLTVを下げる!?―オルビス社の事例から

安田 今回のテーマ「​​​​​​マーケティングにおけるLTVの重要性」について、皆さんのご経験に基づく豊富な実例も交えて、深掘りトークを行っていけたらと思います。よろしくお願いします!

河野・サム・秋津 よろしくお願いします!

安田 CPAとLTVの関係というと、どちらかというと獲得コスト側の話が多いですが、逆に企業経営などLTV自体を上げることもすごく大切になってくるじゃないですか。

そうしたLTVを上げる取り組みという面で、何か「こんなのあるよ」といったいい事例ってありますかね?

秋津 話題を振っていただき、ありがとうございます。

河野・サム・安田 さすが!

秋津 LTVは同じ顧客に対して別の商品やサービスを「アップセル」「クロスセル」することで上がっていきます

なので、LTVを上げるために一番必要な取り組みというのは、クライアントが求めている課題に見合ったプロダクトを販売していくこと、やはりそこに乗せていくというやり方が、LTVを高めていく上で基本になってくると思います。

もちろん、1件あたりの売上を積み上げていく上では“Best of Breed”(各分野で最適な製品を組み合わせる形でシステムに導入していくこと)で自社プロダクト・他社プロダクト両方を考慮する必要があると思います。

そこはLTVから逆算したCPAを意識してコストを低く抑え、かつクロスセルを積み上げていく。我々が今目指しているモデルもまさにそういう形だと思っています。

そうすることでLTVも高く出るしCPAも抑えられるということで、これがやはり一番賢い方法なんだろうと思います。

安田 確かに。

河野 それについてはちょっと意見がありまして。LTVというのはつまるところ「単価(粗利) × 継続(回収)期間」でしかなく、今の話だと単価を上げるべくクロスセルをしていこうということですよね。

秋津 はい。

河野 ところが、11月の Growth Summit 2022 にも登壇いただくオルビスの小林琢磨社長の インタビュー記事 があって、それによるとLTVを上げる手段としてクロスセルをすると、逆に満足度が下がったりすることがあるというんです!

つまり、「欲しくもない別の商品を無理やり売ろうとする『施策』が走っている」ということが、顧客に伝わってしまうというんですね。

もちろん、無理やり買わせることなんてできないですよ。ですが、その買わせようとする「施策」が満足度を下げる。そして、その影響が顧客ロイヤルティを測るNPS(Net Promoter Score)の数字に出たりする。

そうすると、せっかく何か1個気に入った商品を買ってもらっていたとしてもその後、会社に対しての好印象度が下がり、結果として契約期間が下がり、結果LTVも下がるのだそうです。

秋津 おお〜!

安田 なるほど…。

河野 これには僕も「なるほどなぁ」と唸りました。以前は「やっぱりクロスセルだよね」と思っていましたが、こういうケースもあるのかと非常に勉強になりましたね。

サム じゃあ、クロスセルは即、やめた方がいいですね(笑)

河野 いやいや、やめろとは言ってないですから(笑)

秋津 結局、そこは顧客から求められているかどうかという、ニーズの話なのではないですかね。無理やり「売りましょう!」ということではなくて、ニーズに合っていれば受け入れられるはずですから。

河野 そうそう、それなら「OK」って受け入れてもらえますよね。単価を上げるというのなら、例えばプロダクトに機能追加し、メリットなどの提案力も強化して、プロダクト自体の単価を上げていくという行為なら正しいんです。

ところが、そうではなしに無理やり「単価を上げちゃおう!」とだけ考えているのだとしたら要注意ですね。

サム 本当にそうだね。

≪.LTV Memo≫

単価を上げるためのクロスセルが、顧客に無理やり買わせようとする「施策」ありきになってしまうと、満足度やLTVを下げる逆効果に…!

LTVとCPAの関係 ―コンタクトレンズ企業の事例から

河野 あるコンタクトレンズ企業さんではCPAが14,000円と聞いたことがあります。

明確に「14,000円」だったんです。コンタクトレンズの単価を考えると、14,000円かけて新規1件獲得するというのは結構高いですよね?

決して「このキャンペーンで14,000円かけよう」ではなく、「会社として顧客獲得に14,000円かけよう」という形だったんですね。

これってLTVがわかっていなければ算出できないじゃないですか。だから、これはキャンペーンは関係なくLTVとして獲得コストを見ているな、ということが僕にははっきりとわかりました。

コンタクトレンズの宣伝ってデジタル広告出稿だけでなく、駅前でビラやティッシュなどを配っているイメージもあるじゃないですか?

そうした全部の広告・施策をひっくるめて、どの施策が14,000円より上だったか下だったかということをきっちり見るんです。そして、1カ月単位で厳密に媒体を切っていきます

「14,000円を超えてしまった媒体はお金を出しても成立しない」ということで、もうそれ以降広告は一切出さない。そういうことを毎月、デジタルでバシバシ厳密に経営していて素晴らしいな、と感銘を受けたのを覚えています。

その企業はあくまで「CPA」を指標にしていましたがLTVがわかっているからこそ、そこから逆算できていた。きちんとLTVを追えていた会社でしたね。

≪.LTV Memo≫

LTVからCPAを逆算し、そこから超過した施策はすベて切れ!

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