今回の「海外Hot Info」は、仮想通貨購入のハードルを下げるWeb3決済ソリューションについて、株式会社トラストバンクの森杉育生さんにお話を伺いました。
仮想通貨購入のハードルを下げる「MoonPay」
安田 今回もよろしくお願いします! 前回からの続きとなりますので、本人確認にまつわる課題を即解決するKYC(Know Your Customer:本人確認)ソリューションについては、こちら の記事をご覧ください。
森杉さん(以下、Mr.モリスギ) 今回もよろしくお願いします!
Mr.モリスギ 続いて決済に関わるソリューション「MoonPay」です。大抵の仮想通貨取引所って暗号通貨を買うまでのハードルが高いんですよね。
よくあるパターンですが、アカウント登録し、KYC(本人確認審査)をし、クレジットカードや銀行入金して、数日待つとやっと1つ目の仮想通貨を手に入れられる。さらに、とあるゲームやサービスで使える別の仮想通貨がほしい場合、マニアックな仮想通貨だと取引所で扱っていないことがあります。そうすると他の取引所にいって、別の仮想通貨に変換して初めてやっと使いたいサービスが利用できる、といった具合でものすごく手間がかかっていました。
ですが、このMoonPayを使うと、今まで6ステップくらいかかっていたところが、大体3ステップくらいで済むようになるイメージでしょうか。具体的にはアカウント登録すると、クレジットカードでいきなり仮想通貨が取得でき、使いたいサービスが利用できるといったステップになります。
このうち、おそらくKYC(Know Your Customer:本人確認)の部分は先ほどと同様、全くリスクを野放しにしているというわけではなさそうで、裏側では恐らく前回紹介したSardineのソリューションを使う形でコラボレーションし、KYCプロセスを省いたりしている模様です。
仮想通貨界隈ですと、OpenSeaという一番大きい取引所があり、ちょっと前からそこでもApple Payやクレジットカードで仮想通貨が買えるようになったのですが、そこにもこのMoonPayの仕組みが入っています。
このようにして元々、かなり面倒くさかったプロセスが、このサービスを入れることであっという間に処理できるようになりました。
もちろん、従来のような本人確認書類や顔認証も要るのですが、その審査は証券会社みたいに3〜4週間待たないと口座ができないなどといったことはなく即、取引が開始できます。
以上のように、今まで紹介してきたさまざまなサービスを、可能な限りKYCや認証のプロセスに活用することで、裏側のソリューションを実現するという価値に結びついているわけです。
安田 なるほど。紹介していただいたこれらのサービスって結局、互いに密接に絡み合っているので、全部の課題を解決しないと使えないという意味での最終アウトプットが、今のMoonPayみたいな形になるわけなんでしょうね。
Mr.モリスギ そうです。結局、1個1個のパーツは別れているんですが「全部を混ぜるとこうなりますよ」といったところですね。
安田 そうですよね。まあ、ユーザーからしたら裏側がどうなっているかなんてことはあまり関係なくて、使いたいときに早く使えるということが一番大事になってきますからね。
Mr.モリスギ 今回、紹介したのはどちらかというとデベロッパー視点というか、「新しくサービスを始めるときは、特に送金・決済・認証を中心にこういうのものを使うと、よりユーザーフレンドリーなものが作れるよ」という話でした。
安田 そこがとても重要になってきますね。
Mr.モリスギ はい。新しいサービスを構想するときは、こうした点を少し気に掛けておくといいかと思います。
安田 なるほど。いくらいいサービスでも、ユーザーが面倒くさいと感じるものでは、誰も使ってくれないですもんね。
Mr.モリスギ そうですね。今までこうしたソリューションが意外となくて、みんな自分たちで頑張って作っていたのですが、ようやくこういうインフラっぽいものがだいぶ出てくるようになってきた、というのが最近のWeb3業界の動向ですね。
安田 今回も大変勉強になりました、ありがとうございました。
≪安田`s Memo≫
新サービスを構想するときは認証・KYC・決済全てに対応するソリューションのように
ユーザーフレンドリーな仕様が必要
―次回の【海外Hot Info】では、「Web3特有の仮想通貨決済/送金ソリューション」について、引き続き森杉さんにお話を伺います。次回もぜひお楽しみに!