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ファミマのデジタル戦略で成長した「ファミペイ」に注目【DXニュース】vol.11

2021.12.23

今回取り上げるニュースは、“ファミマの「デジタルマーケティング戦略」、役員に聞いたファミペイの絶大効果”です。それでは、はじめましょう!

ファミペイ誕生の目的はロイヤルカスタマーをつくること

三石所長(当時。以下、三石) 「DXニュース」第11回です! ニュースプレゼンターは、前回に引き続き、リテールテックを10年以上見続けてきたCEOの河野さんです!

河野恭久さん(以下、河野) よろしくお願いします!

三石 今月の2本目は、「ファミマの『デジタルマーケティング戦略』、役員に聞いたファミペイの絶大効果」ですね!


河野 はい、ファミリーマートさんは1989年にPOSレジを導入して、「どの商品が、どのような人に、何個、いくらで売れたか」という定量的なデータを初めて取得しました。ただ、そこには「なぜ買ったか」「どこが気に入ったか」などの数値に表せない定性データがなく、調べることもできなかったため、協業を続けてきたCCCさんとCRMを構築した、というお話です。

三石 なるほど!

河野 まずは今回も、僕なりの視点から注目ポイントをまとめたので、ご覧ください。

ファミマのアプリ「ファミペイ」注目ポイント

河野 最初に、ファミマさんは「なぜファミペイのアプリをつくるのか」というブレストをチーム内で実施したときに、ロイヤルカスタマー、つまりお得意様になっていただくためのアプリだと全員で確認したそうです。

ロイヤルカスタマー

三石 ロイヤルカスタマーをつくる――そこはDearOneにとっても注目ポイントですね。

河野 その通りです。我々DearOneがいつも「もっと行動分析をして、ロイヤルカスタマーを増やそうよ」と発信しているのと通じますよね。僕らが一番貢献したい部分をファミマさんが社内で話し合っていた、というのがうれしかったなと。この記事を読んで、僕らも間違っていなかったと感じました。

(※編集部注:DearOneが提唱しているGrowth Marketing3要素では、「行動分析」の重要さについて強調しています。詳しくは、下の図をご覧ください。

Growth Marketing3要素

三石 本当にそうですね。

河野 続いて、ロイヤルカスタマーを増やすためのコンセプトが「お得」「便利」「楽しい」をアピールすると。これもじつはDearOneのアプリ事業である「ModuleApps事業」でお客様にいつも伝えていることと同様なんですよね。僕は常に、「アプリはお得・便利・楽しいの3つのどれかの要素が必ずないと、使い続けてもらえないですよ」と言い続けてきました。だから、ここも非常にうれしかったですね。

三石 そう考えると、DearOneと親和性の高いニュースですね。

河野 まさに、ですね。ちなみにファミペイは、当初は機能をてんこ盛りにしてしまい、お客様の評価が最悪だったそうです。それでつくり直すときに社内の関係者から出た結論は「ファミペイ一発」、つまり起動するだけですぐ使えるアプリを目指すことだったと。

ファミペイ

現在のファミペイは、上のようにアプリを起動するだけで大きくバーコードが出てきますし、スキャンを1回するだけで「dポイント」、「楽天ポイント」、「Tポイント」が利用できるなど、かなりわかりやすい仕様に変更されています(上の画像の出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000011255.html)。​

三石 なるほど、つくり直してファミペイはお客様からの高評価を得たんですね。

河野 そうなんです。記事に掲載されているファミマ会員推移のグラフを見ると、導入後の会員数の伸びがよくわかります。やっぱりCRMは有効ですね。​

4社連合で「データ・ワン」を設立。まさに「Best of Breed」の発想

河野 続いて面白かったのが定性データも生かして商品開発したところなんですが、そもそも定性データを得るためにファミマは何をしたかというと、レシートにQRコードを貼って、アンケートサイトに誘導する仕掛けを用意しました。それを実施したことで何が起きたか――。

三石 何でしょう?

河野 ファミマには「海老とイカのトマトスパゲティ」という商品があり、販売戦略としては「商品の具材が見えたほうがきれいだから」と、ソースを下に敷いて販売していました。でも、上記のレシートアンケートの結果を見ると、「味はいいのにソースが見えないとまずそうに見える」と多くの人が感じていることがわかり、ソースを上に変更したら、売上が急増したと。

三石 へー、お客様のデータから販売戦略を変更した結果、売上にもよい結果がもたらされたんですね。素晴らしい話ですね! 

河野 面白いですよね。続いて、デジタル戦略の注目ポイントです。これも我々の事業に大きく関係するところで、デジタルのIDとリアルのクレジットカードのIDの紐づけは簡単ではありません、という話です。そこで、親会社の伊藤忠商事さんは「プレイヤーを集めたらできるんじゃないか」という提案をファミマ側にしたそうです。これは我々がいつも提唱している「Best of Breed」※の考え方により近いものですね。

(※編集部注:Best of Breedとは?
「最適な組み合わせ」を意味し、数多くのベンダーから自社に最適なサービスを選んで組み合わせ、エコシステムを構築するという方法。)
https://growth-marketing.jp/knowledge/growthmarketing_for_beginners17/

※Best of Breedの実例は こちらの記事 をご参照ください。

河野 そして、ファミマ、伊藤忠商事、ドコモ、サイバーエージェントの4社による合弁会社「データ・ワン」をつくりました。そもそもの考え方として、プレイヤーを集めればできるんじゃないか、という考え方で非常に良いですよね。

三石 面白いですね! 4社で組んだことで、具体的にどのようなメリットが生まれたんですか?

河野 記事にバッチリ書いてありました! ドコモと組んだことでスマホユーザーにアプローチができるようになったり、Abema TVなど多数のメディアをもつサイバーと組んだことで広告戦略に活用したりなど、さまざまなメリットが生まれたそうです。

三石 各社の強みを生かすことができたんですね。

河野 その通りです。この記事のまとめとして、ファミマのデジタル戦略として「当社はアライアンス事業」という言い方をしていて、「1社だけではできないことを共同でいかに達成するか、どうやって効率的にビジネスを成功させるか、そのフォーメーションを考えて実行しなければなりません」と。まさに僕らが常に提唱しているBest of Breed、さらに「データ活用の4ステップ」が、そのまま実現されていると感じました。

DXの取り組みに悩む企業は、まずはどこかと組んでみる

DX

三石 素晴らしいですね。CCCの最初のアライアンス先はローソンで、その後にローソンは自社でやると卒業して、ファミマが入ったんですよね。現在、CCCの行動情報の大多数はファミマから取れていて、客層分析もべた張りでやっていると聞きます。CCCがファミマのために尽くしているそうで。

河野 やっぱり中途半端じゃダメですよね。全面的に協業したから、うまくいったんじゃないかなと。

≪三石所長(当時)`s Memo≫

中途半端な協業ではDXは絶対にうまくいかない! やるなら徹底的にやる。

三石 そうですよね。これは想像ですが、ファミマはCCCと組んでDXを強化して、その後、ファミペイを中心にロイヤルカスタマーの醸成を自力でアプリでやっていく、というステップ論なんですよね、きっと。それにしても強者連合でBest of Breedでというのは本当に凄いですね。

河野 そう思います。DXに対して、まだ全く一歩を踏み出せていない企業さんがいらっしゃるとしたら、ぜひ我々も含めて、どこかと組んでほしいなと思いますね。そこでコツを掴めば、自社でできるところはできるようになっていくと思うので、コストの最適化がされていきますし、DXの成功を体感できると思います。

≪三石所長(当時)`s Memo≫

DXにまだ踏み出せていない企業は、まずはどこかと一度組んでみる。それによりDXの成功を体感することで「次の手」が見えてくる。

三石 本当にそうですね。いやー、素晴らしい記事でした!

―――次回の【DXニュース】で取り上げるニュースは「EC売上比率は2割!会員制の導入とアプリでネットスーパーを黒字化、高収益化したスーパーサンシのDX戦略」。引き続き、河野さんが解説していきます。お楽しみに!

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