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「Google I/O 2022」開催!DearOneアプリ開発者が解説【アプリ研究会】Vol.17

2022.07.14

第17回のテーマは、5月に米Googleで開催された毎年恒例の開発者向けカンファレンス「Google I/O 2022」を取り上げます。今回はその概要を簡単に振り返るとともに、DearOneらしく“アプリ開発者の視点”で注目すべき点を掘り下げます。

エンジニア、デザイナー、マーケターなど、さまざまな職種のメンバーが参加しているDearOne「アプリ研究会」による座談会では、現在のアプリ事情について語り尽くします!

アプリ研究会
アプリ研究会のメンバー

「Google I/O 2022」開催! Android13やGoogleマップの新機能、Pixel7など新規発表が満載

中村 アプリ研究会、今回は私が司会をさせていただきますので、よろしくお願いします!
 
一同 よろしくお願いします!
 
中村 今回は、Googleが5月11日にアメリカで開催した、毎年恒例の開発者向けカンファレンス「Google I/Oを取り上げます。

中村 今年は、次期モバイルOS「Android13」、Googleマップの3D表示、進化した会話型AI「LaMDA2」などの新たなソフトウェア技術から、ARスマートグラス、Pixel Watch、今年秋に発売予定のPixel7などのハードウェアまで、興味深い情報がたくさん発表されましたね。

――Google I/O 2022 発表の要点――

 

<ソフトウェア>

・次期モバイルOS「Android13」

・Google翻訳が新たに24カ国語を追加

・Googleマップの新機能「immersive(没入型) view」

・Google Lensのマルチ検索に「near me」(近所の店を自動検索)と、「scene exploration」(商品の上にARでレビュー点数などが表示される)

・進化した会話型AI「LaMDA2」

・セキュリティを強化した仮想のクレジットカード「Virtual Card」

ほか

 

<ハードウェア>

・ARスマートグラス

・スマートフォン「Pixel6a」「Pixel7」「Pixel7 Pro」

・スマートウォッチ「Pixel Watch」

・タブレット端末「Pixel Tablet」

・ノイズキャンセリング搭載のワイヤレスイヤホン「Pixel Buds Pro」

参考:https://io.google/2022/intl/ja/

中村 今回の研究会では、我々はアプリのプロ集団「DearOne」らしく、“アプリ開発者視点”で「Google I/O 2022」を掘り下げていきたいと思います。それでは早速、エンジニアの濱田さんが資料をつくってくださっているので、お願いします!

アプリ研究会2
濱田さん(プロダクトイノベーション部 フロントエンドユニット リーダー)

濱田 はい、私がアプリ開発者として特に注目したのは、次期モバイルOS「Android13」です。例年通りであれば第三四半期にリリースされるもので、現在も既に開発者向けのベータ版は出ています。

その中で、これからアプリを開発するうえでポイントになると予想される「3つのキーワード」をまとめました。次の通りです。

・プライバシー

・パーソナライズ

・タブレット

中村 気になりますね。それぞれ解説をお願いします!

Android13は「通知の許可」が必要に。アプリの通知許諾率にも影響があるかも!?

Android13
Android13からは「通知」の確認・許可が必須になる

濱田 1つ目の「プライバシー」に関しては、今までのAndroidのアプリは通知の許可をユーザーに取ることはなく、通知が送られる仕様になっていましたが、Android13からは「通知を送っていいですか?」という確認のダイアログが出るようになります。 

中村 「通知」の確認・許可が必須になるんですね。
 
濱田 はい、対象はAndroid13で動く全アプリなので、今、12で動かすことを前提にしてリリースしているアプリも13で動かす際は通知の許可確認が出るようになります。そして、最初に「許可しない」を押すと、その後は二度と確認のダイアログが出ません。 

中村 通知を許可してほしいアプリ制作側からすると、最初の許可の確認が勝負の分かれ目になりそうですね。
 
濱田 その通りです。Googleからも「なぜ通知を送る必要があるのか」をユーザーにきちんと説明することが推奨されています。メールアプリだったら新着メールを受け取ったときにわかるように…など「理由」をシンプルに伝えることが重要になります。
 
小嶋 プッシュ通知を効果的に使えるかどうかはキャンペーン施策を行う企業からするとROIに直結する部分で、非常に重要です。

その点、弊社DearOneが提供する伴走型アプリ開発サービス「ModuleApps2.0ではプッシュ通知の効果的な活用方法などを包括的にケアしています。

小笠原 そうですね。我々にできることの1つは、最初の確認ダイアログの内容を一緒に考えて、提案することです。
今後はその「なぜ通知が必要なのか」の説明文があるかないかで、どのように許可の許諾率が変わるかのデータも取っていきたいですね。
 
小嶋 通知の確認ダイアログの作り込みは、iOSではもうやっているところですよね。
 
小笠原 はい。たとえば、弊社が担当させていただいている企業さんですと、HOYA株式会社さんの「アイシティアプリ」がわかりやすい例になると思います。AndroidもiOSと同じになっていく、ということですね。

アイシティアプリ
HOYA株式会社「アイシティアプリ」のプッシュ通知説明画面

アイシティアプリ2
HOYA株式会社「アイシティアプリ」の許諾ダイアログ

濱田 そうです。iOSと同様にAndroidもユーザーが通知の許可ができるようになるので、Android13が普及していくと通知の許諾率は大きく影響を受けるんじゃないかと考えられます。
 
中村 ちなみに、現時点で弊社DearOneが担当しているアプリの通知許諾率を見てみると……

iOSアプリの通知許諾率 A社:53.6%、B社:50.7%
Androidアプリの通知許諾率 A社:98.7%、B社:97.4%

となっています。この数値、今後は大きく変化していきそうですね。

アプリ開発側にとって当たり前にできていた「データ取得」ができなくなる可能性も!? アプリのコミュニケーションの見直しは必須に

アプリ研究会2
小嶋さん(グロースマーケティング部 エクスペリエンスユニット リーダー)

小嶋 iOSとAndroidで違う点を挙げると、Androidは最新のOSにしている人がそんなに多くない点ですね。現在は、Android12が約18%で、それ以外約82%の人達はAndroid11以下だそうです。

このままの流れでいけば13を使う人は最初からそこまで多くないから、そんなに急速な切り替えではないとは思います。
 
濱田 その通りですね。iOSは最新OSをリリース後に1~2週間で50~60%の人が切り替えるそうですが、Androidはメーカーが動作確認をしたいからか、そこの広がりは緩やかです。それを考えると、通知に関しては数年後にじわじわ効いてくる感じかもしれません。
 
小嶋 ただ、Androidの最新版を使う人は増えてはきているんですよね?
 
濱田 増えてきています。以前は、PixelやNexusはGoogle開発者向けのリファレンス機という扱いになっていて、Pixel を使っている人はAndroidの知識がある人だけでした。でも、最近はメイン商品として売り出されていて、一般の人にも広く使われています。
 
小笠原 プッシュの話から離れますが、クッキーの影響でユーザーのトラッキングデータも取れなくなるという話を聞きました。
 
濱田 これまで当たり前にできたことができなくなる流れは進んでいます。取得したデータもパーソナライズに生かされていないと判断されれば、Googleから取得の許可が出なくなるかもしれません。

そのため、我々アプリ開発者側は、コミュニケーション設計を改めて考える必要があるし、よりUXを意識していかなければなりませんね。
 
小笠原 本当にそうですね。
 
濱田 だから、弊社が提携しているBrazeのように「カスタマーエクスペリエンスをいかに構築していくか」がますます重要な存在になっていくと言えると思います。

Androidアイコンのカラー・言語が、各ユーザーの嗜好にあわせて選択可能に!

中村 続いては、2つ目の「パーソナライズ」ですね。
 
濱田 はい。パーソナライズの観点で言うと、Android12から「テーマアイコン」と言って、アプリのアイコンに自分の好きな色を当てられる機能が出てきました。以前はGoogle製のアプリでしか使えませんでしたが、Android13からはどのアプリでも利用可能になりました。

Android12
Android12からは、アプリのアイコンに自分の好きな色を当てられる機能が搭載された

中村 なるほど、ユーザーにはアイコンのカラーが統一できて喜ばれそうですが、アプリ開発側としては自分たちのアプリがちょっと目立たなくなっちゃうように思えますね。
その「テーマアイコン」で、アプリ開発にはどのような影響が出そうですか?
 
濱田 意識すべき点はアイコンのデザインですね。ユーザーがどんな色に設定しても「これは〇〇のアプリ」とわかるようなアイコンデザインにすることを考える必要があると思います。
 
中村 確かにそうですね。アプリデザインの前提が大きく変わりそうです。
 
濱田 そうです。他にパーソナライズの観点で言うと、今までは多言語対応していたアプリはAndroidの言語設定と紐づいて設定されていて、たとえばAndroidで「英語」に設定していればアプリも自動で「英語」になっていました。これがAndroid13からは紐づきがなくなり、アプリ単体で言語設定ができるようになります。
 
小笠原 その背景には何かあったんですかね?
 
濱田 国自体が多言語だったり、複数言語を当たり前に話したりする人がいますよね。たとえば、普段は英語をメインに使っているけれど、ツイッターはフランス語を使いたい、という人に向けてパーソナライズが可能になったということです。

Pixel Tablet」発売決定!今後のGoogle製タブレットにご注目

濱田 そして、3つ目の「タブレット」。来年、Pixel Tabletが出ます。以前から大画面用OSのAndroid12Lというものは出ていて、タブレットや大画面デバイスのサポートが強化されるんじゃないか、という話は出ていました。GoogleはこれまでもNexus10などのタブレットを出していますが、今後はますますタブレットに力を入れていく可能性もあると思います。

日本語話者に朗報!Android13からのアップデート「日本語テキストの折り返しの改善」

濱田 最後に、この3つのキーワードとは別に、個人的にインパクトがとても大きいと思ったのは「日本語テキストの折り返しの改善」です。今までのAndroidは文字単位での折り返しで、変なところで改行されてしまうことが多々ありました。
 
中村 ありましたね。読みづらいことがよくありました。
 
濱田 それがAndroid13からは文節を見て折り返してくれるようになるので、ユーザーが読みやすい文章になります。アプリ開発側からすると、文章の改行も気を使わなければならない部分でしたが、そこからは解放されそうですね。
 
小笠原 いいですね!
 
中村 ありがとうございます! 今回はプライバシー、パーソナライズ、タブレット、そして日本語折り返しまで、ポイントをお話いただきました。また機会があれば、さらに掘り下げて話をしたいですね。

では、今回のアプリ研究会はこのあたりでお開きにしましょう。ありがとうございました!

―次回の「アプリ研究会」も、お楽しみに!
(メンバーの所属・肩書きは収録時のものです)

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