ABテストツール12製品を比較!Google Optimizeの代替ツール候補は?

2025.02.03

このように、ABテストツールの選定に悩む声が多く聞かれます。

ABテストツールは、現在国内外で数多くのサービスが提供されています。様々なニーズに応えるツールが登場しているなか、自社の要件とマッチするツールを見つけるのは簡単なことではありません。

そこで本記事では、エンタープライズ向けの高機能ツールから、無料・低価格で使えるツールまで、12製品を徹底比較。ABテストツールの評価ポイントについても紹介しているので、適切なツール選定の指針として、ぜひご活用ください。

なおABテストについての基礎的な知識は以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:ABテストとは?やり方や成果を出した事例などの完全ガイド

世界2500社以上が導入するABテストツールVWO

ABテストツールとは

ABテストツールは、Webサイトやアプリのデザインや要素を2つのパターンで同時に配信し、コンバージョン率を比較・分析できるツールです。

ABテストを手動で実施する場合、テストの設計から実施、分析までに多くの時間と労力がかかるだけでなく、CSSやJavaScriptの専門知識をもった人材を確保しなくてはならないという課題があります。さらにアクセスログを収集・分析する過程で人為的なミスが発生する可能性も。

ABテストツールを活用すれば専門知識なしでテストの設計から実施までを自動化できることから、効率的にWebサイト・アプリの改善を進められるのです。

他にも、ABテストツールを活用すれば以下のようなメリットを得ることができます。

  • 統計的な有意差を正確に測定できる
  • リアルタイムでデータを収集・分析できる
  • 複数のバリエーションを同時にテストできる
  • セグメント別の詳細な分析が可能

おすすめのABテストツール12選ぶはこちら(ページ内ジャンプ)

ABテストツールの主な機能

ABテストツールには、主に5つの機能が備わっています。それぞれの機能について、詳しくみていきましょう。

テスト機能

ABテストツールの基本となる機能が、テスト機能です。複数のテストパターンを同時に配信・検証できる機能が搭載されており、オリジナル版(A)と変更版(B)を同時期に配信することでユーザーの反応を比較することができます。

また多くのツールでは「多変量テスト」にも対応しており、複数の要素を同時に変更してそれぞれの要素が相互にどのような影響を与えているかを詳細に分析できます。

エディタ機能

エディタ機能は、HTMLやCSSなどのプログラミング知識がなくても、直感的にテストページを作成・編集できる機能です。画面上で編集したい要素をクリックするだけで簡単にページの変更を行えるため、専門知識のないマーケティング担当者でも施策を実行できるようになります。

さらに、一部のツールではJavaScriptを使用した高度な編集や設定も可能で、動的なページにも対応しています。

セグメント設定機能

セグメント設定機能は、テストページを表示させる対象ユーザーの条件を細かく設定できる機能です。

特にリスティング広告やSNS広告からの訪問者と自然検索からの訪問者では行動パターンが大きく異なることが多いため、セグメント設定によってテストページを最適化することで、より正確な検証結果を得ることができます。

レポート・分析機能

レポート・分析機能は、ABテストの結果を可視化し、効果測定を行うことができる機能です。コンバージョン率やクリック率などの指標を自動で集計し、グラフで表示できるため、どのパターンが最も効果的だったかを一目で判断することができます。

なかには以下のような機能を搭載しているABテストツールも存在します。

  • 有意差判定機能:テスト結果が統計的に信頼できるものかどうかを判定する機能
  • ヒートマップ機能:ユーザーのクリック位置や視線の動きを可視化し、ページ上で注目度の高い箇所を特定する機能

連携機能

ABテストツールには、Google Analytics(以下GA)やGoogle広告をはじめとする外部ツールとの連携ができる機能も実装されています。

連携可能なツールは各ABテストツールで異なりますが、以下のようなツールとの連携が一般的です。

  • アクセス解析ツール
  • 広告管理ツール
  • CRMツール
  • メール配信ツール
  • CMSツール
  • データ分析ツール

Google Optimizeは2023年9月にサービス終了

無料で使えるABテストツールとして、Googleの公式ツールであるGoogle Optimizeを利用していた企業も多いことでしょう。しかしGoogle Optimizeは、2023年9月30日をもってサービスを終了しています

Google Optimizeの特徴であった、GAとの連携や使いやすいインターフェース、無料で利用できる点などを考慮すると、完全な代替ツールを見つけるのは容易ではありません。

そのため、Google Optimizeの代替を探すのではなく、自社のビジネス目標や成長戦略に合致したツールを選ぶことが重要となります。

導入や運用が簡単なBAテストツールVWO

ABテストツールを評価するポイント

Google Optimizeのサービス終了に伴って急いでツールの乗り換えを行ったものの、現行のABテストツールに満足できていないという企業も少なくありません。

そこで、ここからはABテストツールを評価するポイントについて5点から解説します。これからABテストツールを導入する企業も、新たな乗り換え先を探している企業も、以下のポイントを踏まえてABテストツールを検討しましょう。

コスト

ABテストツールのコストについては、月額料金以外の部分についても考慮すべきです。以下に、ABテストツールの利用で発生するコストをまとめました。

  • 初期費用:ツール導入時に発生する料金
  • 月額費用:月々のツール利用料金
  • 従量課金:PV数、ドメイン数に応じた料金
  • その他の費用:オプション機能の追加料金やコンサルティング費用、トレーニング費用など

多くのツールではPV数やインプレッション数、ドメイン数などに応じた従量課金が設定されており、サイトの規模が大きくなるほどコストが高額になる傾向にあります。そのため純粋に月額費用だけを比較した場合、実際にかかるコストとは金額が乖離する可能性も。

以上から、ABテストツールの導入を検討する際は、表面的な月額料金だけでなく総合的なコストを考慮したうえで、自社の予算と照らし合わせてツールを選択することが重要です。

操作性

ABテストツールの操作性も、導入前に必ず確認すべき項目です。ビジュアルエディタの使い勝手は各ツールによって大きく異なるため、事前にトライアルを申し込むなどして実際の操作感を確認しておきましょう。

また管理画面のカスタマイズ性もチェックポイントとなります。ダッシュボードの項目を自由に設定できたり、よく使う機能をショートカットとして登録できたりなど、運用者が使いやすくカスタマイズできるABテストツールであれば、日々の運用を効率化することができます。

実施できるテストの種類

ABテストツールで実施できるテストの種類は、ツールによって様々です。基本的なABテストに加えて、多変量テストやリダイレクトテスト、複数ページテストなど、どのような種類のテストに対応しているかを確認しましょう。

それぞれの詳細は以下の通りです。

テストの種類特徴
基本的なABテストオリジナル版(A)と変更版(B)の2パターンを比較検証するテスト
ボタンの色やレイアウト、コピーの文言など、個別の要素の効果を測定できる
多変量テスト画像や見出しなど、複数の要素を同時に変更して組み合わせを比較するテスト
一度に多くの要素を検証できる効率的な手法だが、統計的な有意差を得るために多くのサンプル数が必要
リダイレクトテスト(スプリットURLテスト)異なるURLのページにユーザーをランダムに振り分けて比較するテスト
サイトの大規模なリニューアルや、まったく異なるデザインのランディングページを比較する際に有効
複数ページテストサイト内の複数のページにわたって要素を変更し、導線やページ遷移を含めた比較を行うテスト
コンバージョンにつながる効果的なサイト構造を把握できる

付帯する分析機能

ABテストツールに付帯する分析機能についても確認しておきましょう。基本的な指標であるコンバージョン率やクリック率の測定に加えて、ヒートマップやアクセス解析、ポップアップ検証など、より詳細な分析を行える機能があればABテストの効果を高めることができます。

また分析結果を可視化できるレポート機能の充実度も重視すべきポイントです。統計的有意差の判定結果や、セグメント別の詳細なデータ分析結果を自動でレポート化できる機能があれば、テスト結果の解釈や次のアクションの検討がスムーズになります。

データ分析ができるABテストツールVWO

連携できるツールの種類

ABテストを効率化するためには、連携できるツールの確認も必要です。例えばGA4と連携できるツールを選べば、データの一元管理や実装の簡易化、GA4データの活用などのメリットを得ることができます。

ただしGA4との公式連携が可能なのはVWO、AB Tasty、Optimizelyの3つのツールのみです。独自にGA4との連携機能を開発・実装しているツールも存在しますが、このような独自連携の場合、Googleの仕様変更などにより将来的に機能が影響を受ける可能性もあります。

また、より詳細な分析を行うために、以下のツールと連携できるかどうかも確認しておくと良いでしょう。

Google関連ツール・GA4
・Google広告
マーケティング関連ツール・CRMツール
・MAツール
・CMSツール
・メール配信ツール
分析関連ツール・ヒートマップツール
・データ分析ツール

エンタープライズ向け高機能ABテストツール3選(GA4公式連携可能)

ここからは、代表的なABテストツールを特徴ごとに紹介します。

以下で紹介するツールはエンタープライズ向けの高機能ABテストツールです。GA4との公式連携が行える数少ないツールであり、「GA4でデータを閲覧したい」「GA4のデータをABテストで使いたい」という企業に適しています。

VWO

ABテストツールVWO

VWO(Visual Website Optimizer)は、AmazonやDisneyなどの世界的企業も採用している実績のあるABテストツールです。日本をはじめ世界150か国以上、2,500社以上の企業に導入されています。

最大の特徴は、コーディング知識不要で直感的にABテストを実施できる点です。VWO専用のタグを設置するだけで利用を開始できるうえ、管理画面上の操作のみで簡単にテストを実行することができます。

また分析機能も充実しており、セッションリプレイやヒートマップ機能により、ユーザーの行動を視覚的に分析することも可能。パーソナライゼーション機能を活用すれば、各ユーザーグループに向けてカスタマイズされたコンテンツを表示させることもできます。

NTTドコモの子会社である弊社DearOneでは、VWOのタグ設置のサポートやトレーニング、運用サポートなどの導入支援を提供しており、「高機能なツールが社内に浸透するか不安」とお悩みの企業でも安心して導入を進めていただけます。

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ツール名VWO
URLhttps://growth-marketing.jp/vwo/
初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
主な機能ABテスト、多変量テスト、リダイレクトテスト、ヒートマップ、セッションリプレイ、入力フォーム分析、パーソナライズ機能、GA4公式連携
操作性タグ設置のみで簡単導入
直感的な操作でコーディング知識不要

Optimizely

▲出典:Optimizely

Optimizelyは、世界9,000社以上の導入実績を誇るABテストツールです。

使いやすいビジュアルエディタを搭載しており、HTMLやCSSの知識がなくても直感的にページの編集を行えます。また米スタンフォード大学と共同開発した独自の統計エンジン「StatsEngine」により、少ないサンプル数から短時間で正確な検証結果を導き出せる点も特徴の一つです。

実装面では、JavaScriptを1行追加するだけで導入が可能。多機能かつ技術的なハードルが低いところが嬉しいポイントですが、「価格が高い」という口コミもみられるためコストを重視する場合は他ツールと比較してみることをおすすめします。

ツール名Optimizely
URLhttps://optimizely.gaprise.jp/
初期費用要問合せ
月額費用要問合せ
主な機能ABテスト、多変量テスト、複数ページテスト、パーソナライズ機能、GA4公式連携
操作性直感的に操作できるビジュアルエディタを搭載
HTMLやCSSの知識がなくても直感的にページ編集を行える

AB Tasty

▲出典:AB Tasty

AB Tastyは、フランス・パリ発祥のABテストツールです。世界1,100社以上の導入実績があり、多くのグローバル企業で活用されています。

特徴は、エンジニアリソースに頼らずにABテストを実施できる点です。ノーコードのビジュアルエディタを搭載しており、ドラッグ&ドロップの操作だけでWebサイト上のあらゆる要素を変更することができます。

また、AIと機械学習を活用したパーソナライゼーション機能も搭載されており、250以上のデータポイントを収集して自動でセグメント分けを行い、エンゲージメントレベルに応じた最適なコンテンツを表示できる点も特徴です。

ツール名AB Tasty
URLhttps://abtasty.gaprise.jp/
初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
主な機能ABテスト、複数ページテスト、多変量テスト、リダイレクトテスト、ベイズ統計エンジンによる分析、ROIダッシュボード、AIパーソナライズ機能、GA4公式連携
操作性ノーコードのビジュアルエディタを搭載
ドラッグ&ドロップでWebサイト上のほとんどのパーツを編集可能

中規模〜大規模ビジネス向け国産ABテストツール3選

国内で開発されたABテストツールは、日本語の管理画面で違和感なく利用できる点や、手厚い日本語サポートが受けられる点から多くの企業に選ばれています。

以下では、中規模〜大規模ビジネス向けの国産ABテストツールについて、その特徴と機能を詳しく解説します。

DLPO

▲出典:DLPO

DLPOは、導入社数850社超、ABテスト実施数75000件の実績を誇るLPO・ABテストツールです。ABテスト、多変量テスト、AIパーソナライズなど、コンバージョン率改善を目的とした多用な機能を提供しています。

ABテスト機能における最大の特徴は、コンテンツブロック単位でのテスト実行が可能な点です。URLのスプリットテストだけでなく、ヘッダーやセクションごとに細かくテストを実施できるため、より詳細な検証を行えます。

操作面では、エンジニアの支援なしでも簡単に設定・実行が可能。デザインやコーディングの専門知識が不要で、マウス操作で直感的に管理画面上での編集ができます。

ツール名DLPO
URLhttps://dlpo.jp/
初期費用20万円 
月額費用10万円~
主な機能ABテスト、多変量テスト、コンテンツブロック単位でのテスト実施、セグメント別分析、レポートのPDF・Excel出力、テスト結果の自動集計、パーソナライズ機能
操作性エンジニア不要で誰でも設定可能
コンテンツブロック単位でのテスト実行が可能

KARTE Blocks

▲出典:KARTE Blocks

KARTE Blocksは、Webサイトをブロック単位で直感的に編集できるサイト運営プラットフォームです。タグを導入するだけでどんなサイトもブロック化できることから、手軽にABテストやLPOを実行できます。

テスト機能においては、単一ブロックでのABテストだけでなく、複数ブロックをまとめてパターンA・パターンBと分けてテストすることが可能です。また、目的に応じてブロックを表示する条件を設定でき、スケジュール配信やパーソナライズなども実施できます。

ブロックごとの効果自動計測機能やセグメント別の効果分析機能、テスト結果の統計的検定機能など充実した分析機能も魅力ですが、多変量テストやリダイレクトテストといった高度なテスト機能は搭載されていない点に注意が必要です。

ツール名KARTE Blocks
URLhttps://blocks.karte.io/
初期費用10万円
月額費用14.8万円〜 ※主に計測PV数により決定
主な機能クラシックABテスト、ブロックごとの効果自動計測、セグメント別の効果分析機能、テスト結果の統計的検定機能、ブロックの非表示・並び替え、パーソナライズ配信機能、ページ全体のプレビュー確認など
操作性タグ1行の設置で即時利用可能
ノーコードでの直感的な編集が可能

Kaizen Platform

▲出典:Kaizen Platform

Kaizen Platformは、企業のDX支援に特化したプラットフォームです。Webサイト改善を目的とした「KAIZEN UX」では、ABテストやサイトリニューアルなどのサービスを提供しています。

最大の特徴は、ABテスト専門のチームによる伴走サポートです。グロースハッカーと呼ばれる外部委託のエンジニアが「KAIZEN TEAM」として、第三者の視点から問題点を発見し、仮説構築から実行までを支援してくれます。

テスト機能においては、タグを1行追加するだけでUI変更や難易度の高い実装が可能。さらにLP訴求を流入元で出し分けるクリエイティブ連動パーソナライズ機能も搭載されており、流入経路ごとに効果を最大化できます。

ツール名Kaizen Platform
URLhttps://kaizenplatform.com/
初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
主な機能ABテスト、ABnテスト、ヒートマップ、EFO機能など
操作性国産ツールのため比較的操作しやすい
HTMLやCSSでできることはクリックのみで実行可能

操作性が高いABテストツール4選

Google Optimizeの終了に伴い、専門知識がなくても簡単に操作できるツールへの需要が高まっています。ここでは、特に操作性に優れた3つのツールを紹介します。

SiTest

▲出典:SiTest

SiTestは、Webサイトのコンバージョン率改善に特化したノーコードLPOツールです。ABテスト、ヒートマップ解析、EFO(エントリーフォーム最適化)、ポップアップ機能など、サイト改善に必要な機能がオールインワンで実装されています。

最大の特徴は、多機能でありながら直感的な操作性を実現している点。HTMLやCSSの知識がなくても、ビジュアルエディタを使用してページの編集を行えます。

また、専任のカスタマーサクセス担当者によるサポート体制が整っており、ツールの操作方法から活用方法まで手厚いサポートを受けられる点も魅力。国産ツールのため、UI・ヘルプ・カスタマーサポートはすべて日本語で提供されています。

ツール名SiTest
URLhttps://sitest.jp/
初期費用0円
月額費用フリー:無料 エンタープライズ:要問い合わせ
UI/UXコンサルティング:要問い合わせ
主な機能ABテスト、リダイレクトテスト、多変量テスト、ヒートマップ解析機能、データ比較機能、アクセス解析機能、レポート機能、パーソナライズ機能、ポップアップ機能、EFO機能など
操作性HTMLやコーディングの専門知識が不要
導入前後のサポートが手厚い

Ptengine

▲出典:Ptengine

Ptengineは、Webサイト改善を目的としたオールインワンツールです。ABテストだけでなくヒートマップやアクセス解析、Web接客、パーソナライゼーションなど、Webサイト改善に必要な機能を搭載しており、タグ1行の設置だけですべての機能を利用することができます。

ABテスト機能においては、ノーコードの操作だけでページ内容の一部を変更したテストや、リダイレクトテスト、ポップアップや固定バーのテストができる点が強み。AIによる最適化も可能であり、より正確な意思決定を行えます。

テスト結果のレポートも出力でき、勝敗だけでなく、ユーザーの属性や流入元など行動情報で細分化して確認することができます。

ツール名Ptengine
URLhttps://www.ptengine.jp/
初期費用0円
月額費用Free:無料
Growth:8,778円(税込)
Premium:要問い合わせ
※Experienceプラン/3,000PVの場合
主な機能ABテスト、リダイレクトテスト、ヒートマップ、アクセス解析、Web接客機能、パーソナライズ機能など
操作性初心者でも簡単に使うことができる
直感的なインターフェース タグ1行の設置で即時利用可能

Repro

▲出典:Repro

Reproは、ノーコードのアプリマーケティングツール・Webマーケティングツールです。

最大の特徴は、エンジニアリソースに依存せずにWebサイトやアプリのABテストを実施できる点です。管理画面がシンプルで見やすく設計されており、HTMLやCSSの知識がなくても直感的な操作でテストの作成が可能です。

また、Reproはアプリマーケティングにおいても優れた機能を備えており、プッシュ通知やアプリ内接客など、Webだけでなくアプリの改善にも取り組むことができます。Webサイトだけでなく、アプリのABテストも実施していきたい企業におすすめのツールです。

ツール名Repro
URLhttps://repro.io/
初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
主な機能ABテスト、複数ページテスト、有意差の自動判定機能、Web接客機能など
操作性ノーコードでデザインパターンの作成が可能
管理画面がシンプルで見やすい設計

TETORI

▲出典:TETORI

TETORIは、Webサイトのコンバージョン率を最大化するためのWeb接客ツールです。ポップアップ表示やチャットボット機能を主軸としながら、ABテスト機能も搭載しています。

ABテスト機能においては、Web接客の実施/未実施によるシナリオの比較や、複数デザインを比較できるデザインABテストなどが実装可能です。分析機能も充実しており、Webサイトに訪れるユーザーの属性や行動履歴をリアルタイムで確認できるうえ、シナリオの効果計測も含めたPDFレポートでサイト改善の効率化を図れます。

管理画面が見やすく、また操作性も直感的で扱いやすいことから、手軽にABテストを実施したい企業に向いています。

ツール名TETORI
URLhttps://www.tetori.link/
初期費用要問い合わせ
月額費用要問い合わせ(月額1万円~)
主な機能ABテスト、ユーザー分析、シナリオ作成、チャットボット、シナリオ効果計測レポートなど
操作性管理画面がシンプルで見やすい設計
直感的な操作で多彩なシナリオ設計が可能

無料・低価格で使えるABテストツール2選

予算に制約がある企業は、無料プランや低価格プランを提供するABテストツールを活用しましょう。以下では、コストを抑えながらABテストを実行できるツールを紹介します。

Optimize Next

▲出典:Optimize Next

Optimize NextはGoogle Optimizeの後継として開発された国産ツールです。有料プランもあるものの、無料プランでのテスト回数や機能にほぼ制限がなく、無料プランでも十分なパフォーマンスを発揮してくれます。

Optimize Nextが無料でサービスを提供できる理由は、自社のサーバーを持たないためです。Google Tag Managerの仕組みを利用しており、サーバーコストがかからないことが無料でのサービス提供につながっています。

操作感はGoogle Optimizeを継承しており、乗り換えユーザーでもストレスなく操作が可能。ただし利用できる機能はシンプルなことから、多機能さを求める企業にとっては物足りなさを感じるかもしれません。

ツール名Optimize Next
URLhttps://optimize-next.com/
初期費用無料
月額費用フリープラン:無料
有料プラン:要問い合わせ
主な機能ABテスト、リダイレクトテスト、数値レポート、KPIツリーの作成
操作性Google Optimizeの操作感を継承した直感的なUI/UX
管理画面がすべて日本語で表示される

Juicer

▲出典:Juicer

Juicerは、Webサイトのユーザー分析やABテスト、NPS調査などを無料で行えるツールです。

ABテスト機能における特徴は、最短1分でテストを実行できる手軽さです。ソースコードを触ることなく、実施したいページの指定やクリエイティブの登録、成果指標や条件の設定まで、すべてクリック操作のみで行うことができます。

また「サバイバルモード」という独自機能を搭載しており、統計的に効果が低いと判断されたパターンを自動的に非表示にする仕組みを備えています。成果の高いパターンだけが自動的に残ることから、効率的なテスト運用を行えるでしょう。

ただし、Juicerは多変量テストやリダイレクトテスト、新規コンテンツの追加・コンテンツの配置変更テストには対応していません。あくまでも既存のコンテンツ(画像、テキスト、ボタン)を異なるコンテンツに置き換えるシンプルなテストのみ利用可能です。

ツール名Juicer
URLhttps://juicer.cc/
初期費用無料
月額費用基本プラン0円 ※各種オプション機能は有料
主な機能ABテスト、統計的に効果が低いパターンの自動非表示、レポート生成
操作性最短1分でABテストを開始可能
すべての操作をクリック操作のみで完結

ABテストツールを活用した検証の流れ

ここでは、ABテストツールを活用した検証の流れについて解説します。具体的な流れを理解し、効率的にABテストを実施しましょう。

1. 現状分析を行い、課題を特定する

ABテストツールを活用した検証では、はじめに現状分析を通して課題を特定します。

具体的には、アクセス解析ツールを活用してコンバージョン率やページごとの離脱率、滞在時間などの定量データを確認しましょう。これらの指標を通じて、改善が必要なページや機能を特定していきます。

なかでも重要なのが、コンバージョンファネルの分析です。ユーザーがどの段階で離脱しているのか、どのページでつまずきが発生しているのかを把握することで、優先的に改善すべきポイントが明確になります。例えば商品詳細ページからカートページへの遷移率が極端に低い場合、そこに課題が潜んでいるかもしれません。

また、ヒートマップやスクロールマップを活用し、ユーザーの行動パターンを視覚的に理解することも効果的です。クリックの集中する場所や、逆にクリックされにくい場所を特定することで、UIの改善ポイントを見出すことができます。

2. 仮説を立て、テストパターンを作成する

現状分析で特定した課題に対して、具体的な改善仮説を立てていきます。仮説を立てる際は、「なぜそのような結果が発生しているのか」という原因の推測と、「どのような改善が効果的か」という解決策の両面から検討していきましょう。

例えば、カートへの遷移率が低い場合、「商品説明が不十分なため、ユーザーが購入を躊躇している」という仮説が考えられます。この場合、商品説明の内容や表示方法を変更したテストパターン(例:商品の特徴をより分かりやすく表示したり、ユーザーレビューを目立つ位置に配置したりするなどの変更)を作成します。

複数の要素を同時に変更するとどの変更が効果的だったのかが分かりづらくなるため、テストする要素は必要最小限に絞ることをおすすめします。

3. ABテストを実行する

テストパターンを作成したらABテストを実行していきますが、このとき適切なサンプルサイズと期間を設定することが重要です。一般的に、統計的な有意差を得るためには各ページで最低1,000~2,000UUを確保する必要があるといわれています。

テスト期間は、週末と平日でユーザーの行動が異なることを考慮し、最低でも2週間程度を確保しましょう。またセール期間やキャンペーン期間は通常時と傾向が異なるため、テスト期間から除外することも検討します。

テスト実施中は、定期的にデータをモニタリングし、異常値や技術的な問題が発生していないかを確認しましょう。

4. 検証結果をもとに改善を行う

テスト結果の分析では、単純な勝敗だけでなく、セグメント別の効果や副次的な影響(例:時期的な影響やセグメントごとの反応の違い)も含めて総合的に評価します。統計的な有意差があり、かつビジネス目標の達成に貢献する結果が得られた場合、本番環境への実装を進めるようにしましょう。

また、これらのテスト結果は必ず記録として残し、チーム内で共有することで、過去の知見を活かした効率的なテスト設計が可能となります。

ABテストツールを活用した成功事例

ここからは、ABテストツールを活用した成功事例について紹介していきます。

なおABテストの成功事例については、以下の記事で詳しく解説しています。変更前・変更後のデザインについても実例を掲載しておりますので、こちらも合わせてご確認ください。

関連記事:成果を出したABテスト事例7選【2025年最新】

Grene社:ミニカート改善で購入数2倍を実現

ポーランドの農業関連ECサイトGreneは、ABテストツール「VWO」を利用してミニカートページ(買い物かごに入れた商品の情報をECサイトの画面上に表示する機能)のABテストを実施。

テスト結果から以下のような改善を行い、購入数2倍を実現しました。

主な改善点1.ミニカート上部にCTAボタンを追加し、スムーズな遷移を促進
2.「削除」ボタンの配置を変更し、誤クリックを防止
3.「カートに進む」ボタンのサイズを大きくして視認性を向上
テスト結果テスト期間:36日間
サイト全体のコンバージョン率:1.83%→1.96%
購入数:2倍に増加

WorkZone社:  フォーム周辺の視覚的改善で送信数を34%増加

米国のBtoB向けソフトウェア企業WorkZoneは、資料請求フォームの周辺デザインを変更するABテストを実施。

顧客レビューのロゴをオリジナルカラーから白黒表示に変更し、フォームに視線を誘導することで、フォーム送信数を34%増加させることに成功しています。

主な改善点1.顧客レビューのロゴを白黒表示に変更
2.フォームの視認性を向上
テスト結果テスト期間:22日間
フォーム送信数:34%増加

まとめ

デジタルマーケティングにおいて、ABテストは重要な施策として定着しつつあります。自社に合うABテストツールを導入し、分析と改善のPDCAサイクルを回していきましょう。

なおABテストツールにおいて、操作性の高さや分析機能の充実度を重視するのなら、当社が導入・運用支援を行う「VWO」がおすすめです。

VWOは、JavaScriptのタグ設置だけで10分ほどで導入可能。ドラッグ&ドロップで操作可能なビジュアルエディタにより、マーケター自身で運用を行えます。またヒートマップやセッションリプレイなどの分析機能も充実しており、より精度の高いABテストの実現をサポートします。

  • AmazonやDisneyも導入!世界150か国以上、2,500社以上の導入実績をもつ
  • コーディング不要、直感的な操作でABテストを実施できる
  • タグを設置するだけで10分ほどで導入完了

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また、当社ではVWOの導入や、ABテストの施策立案を含めたVWOの運用支援も行っております。ABテストで、サイト・アプリの最適化を行っていきたいと考えている企業担当者の方はお気軽にご相談ください。

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