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ユーザーの行動変化を敏感に把握でき、施策の検証・改善サイクル加速|TimeTree, Inc.|【DearOne】Amplitude(アンプリチュード)導入インタビュー

2022.04.28

amplitudeのご相談は、
国内初パートナーのDearOneまでお問い合わせください。

家族、カップル、サークル、バイトなど様々なグループでのスケジュール共有に利用できる、無料のカレンダーシェアアプリ「TimeTree(タイムツリー)」。

ユーザー行動分析ツール「Amplitude(アンプリチュード)」を導入検討していただいたきっかけや、導入検証の効果、具体的な分析方法や機能の使い方についてもお話を伺いました。

課題
  • 無料ツールでは分析方法や取得ログ数に限界があり、求める分析が実現できない
活用
  • Amplitudeの「スティッキネス機能」でユーザー行動の変化を敏感にキャッチ
  • 新機能の利用傾向を判断
  • 問題発生時には「ノートブック機能」で社内共有
効果
  • 施策の検証・改善のサイクルがスピードUP
  • Amplitudeの「インサイト機能」でアプリ不具合の早期発見が可能に

カレンダーを共有するアプリ「TimeTree」

TimeTreeとは

当社では「TimeTree」というカレンダーを共有するサービスを提供しています。

TimeTreeは例えて言うなら家にある壁掛けカレンダーのデジタル版みたいなものです。

TimeTreeを利用されている方は、夫婦やカップルで利用されている方が多く使われ方としては、この日は晩御飯が必要とか必要ないといったことを共有したり、保育園の送り迎えの担当を共有したり、また学生の方でカップルでご利用されている方においてはバイトのスケジュールや大学の講義の予定を入れたりしてデートができる日を探したりと多様な使い方が見られます。

とりわけ夫婦間のミスコミュニケーションにおける衝突を解消するために使用されていることが多く見受けられます。

当社ではこのTimeTreeというプロダクトの提供を通じてTimeTreeのビジョンである「明日をちょっと よくするために」ということを実現したいと考えています。

TimeTreeを通して人がより良い時間の使い方ができるようになり、自分の未来に対して「選べる選択肢が増える」そんなプロダクトにしていきたいと思っています。

無料ツールでの分析に限界を感じ、Amplitude試験導入へ

Amplitude導入前の課題と経緯

元々当社ではAmplitudeの導入前からユーザーアクションのログ数などを数多く取得して分析する文化がありました。

ユーザーアクションのログなどの分析において無料サービスを複数併用していたのですが、無料のツールでは分析方法や取得ログ数に限界があり、当社で求めるレベルまで分析が実現できないという課題がありました。

そこで、何か他に良いツールはないか探していたところ偶然とある著名なアクセラレーターのブログでAmplitudeが紹介されていたのを発見しました。当時まだAmplitudeの日本法人が設立されたばかりの時期だったかと記憶していますがAmplitudeのサイトから直接問い合わせをしました。そしてご担当の方から話を伺いました。説明だけではなかなか利用のイメージに限界があり実際に使って自社の要件にあった分析ができるかどうか判断をしたかったため、まずは実際に試験的に導入させていただくことにしました。

正確性、機能面、使用感ともに申し分なし

Amplitude導入前の検証

元々他社のサービスを利用していたこともあり、初段階のタクソノミー設計(*1顧客行動からイベントを定義し、データ取得時点から一貫性のあるデータとして貯めるようにする設計)は行わなかったのですが、実際にログをとって自分たちがやりたいような解析ができるか、3ヶ月ほど検証を行いました。

最初の段階として、まずはiOS、AndroidのエンジニアにAmplitude SDKを導入してもらい、問題なく正しくログが落とせるのかを検証しました。導入前までに使用していた他社の無料ツールでは取得していたログの不具合も発生していたため、まずは基本的な要件として正確に計測できるか確かめたいと思いました。正確性がある程度確認できたところで、次に当社の目的の分析ができるのか、そしてツール自体の使い心地の検証を行いました。

導入に向けて社内のエンジニアにも権限を付与して複数人で検証を進めました。検証をしていくうちに、以前使用していたツールの機能も申し分なく使用でき、さらに細かい分析ができること、そして動作も重たくなくサクサクと動作することが確認でき使い勝手も申し分なく当社の目的と使用感に合致していたため本格的な導入を決めました。

施策の検証・改善サイクルに加え、アプリの不具合察知もスピードUP

Amplitudeの活用事例

基本的にはTimeTreeのアプリとWeb版のクロスプラットフォームでのプロダクトの分析に使用しています。

TimeTreeはカレンダーを共有するアプリですので、その中の指標の一つとして「カレンダーの共有率」を見ています。

TimeTreeのアプリをインストールしてから何日目までにカレンダーを共有したユーザーがどのくらいいるのか期間を区切って共有したユーザーの割合を分析しています。

元々、Facebookの事例で「友達の紹介数」を指標にマジックナンバーを設定しているという話を知っていたため、TimeTreeでも同様の指標を見つけたいと思っていました。実際にAmplitudeを導入する前から自分なりに「何がリテンションと関係があるのか」をかなり分析しており、それに関連しているユーザーアクションも大体は特定できていました。

当社の場合では、「アプリをインストール後、24時間以内にカレンダーを共有する」というアクションを上げるためにはどのような施策を打てば良いのか、施策を実行したあとのKPIの変化はどうなっているのか、などのログを正確に得ることは重要な指標です。

Amplitudeではこれらの指標をすぐに確認することができ、加えてどのようなユーザーが実際にアクションをしてくれているのかなどより細かく分析を深堀りしていくことも可能です。

また、施策の結果を判断して効果の有無の判断を行うためにも使用しています。以前使用していたツールよりもより詳細に、解像度の高い分析ができるため、体感的ではありますが、施策の検証、改善のサイクルが導入前よりも早くできるようになりました。

その他にも、Amplitudeのインサイト機能はアプリの異常を発見するのにも役立っています。

重要なKPIを時系列と合わせて見ているのですが、アプリのアップデートで問題が発生すると数値が急激に下がってしまいます。数値が下がったらすぐにメールを通じてAmplitudeからアラートが届くため、早期に不具合の発見ができ大いに貢献しています。その他にも急激に数値が上がった下がったなどのことがあればアラートが飛んでくるので察知スピードは早くなっていると感じます。

加えてこれらの分析においてAmplitudeは非常にサクサク動くので、社内のエンジニアからの評価もとても高いですね。

スティッキネス機能でユーザーの行動変化を敏感にキャッチ

コロナ禍での分析とマーケティング施策

新型コロナウイルスが日本で流行し始めた頃、海外、例えばイタリアやイギリスなどではロックダウンが始まっていました。これらのロックダウンが実行されている国のTimeTreeのアクティビティの数値を確認したところ、数値に変化が出ていました。

このことから日本でも緊急事態宣言が発生した場合、同様の現象が発生するのではないかと予測し、緊急事態宣言が実際に発動されるよりも前の段階から、ある程度の心構えができました。

コロナになった後に、新たに「メモ機能(メモを共有する機能)」「チェックリスト機能(チェックリストが作成できる機能)」をTimeTreeに導入しました。

その機能により、日付に紐づく予定だけでなく、買い物のメモやToDoを共有してもらうことで、日付に関するもの以外の内容も共有してもらうことが増えたように思います。

コロナによる変化を知るために、リテンションレートだけではなくユーザーアクティビティにどのような変化があるかまで詳細に見ています。そこでAmplitudeの「スティッキネス機能」は特に活用してます。

簡単に言うと機能がどのぐらいの頻度で利用されているか見るチャートなのですが、例えば、ユーザーのアプリ起動アクティビティを例にとると、1週間のうちに1日だけ起動している人が◯%で、2日間起動している人が◯%、3日間起動している人が◯%などの起動頻度を確認することができます。これをアプリ起動だけではなく、他のユーザーアクティビティにも適用して同様に見ることができます。それにより、例えば「アプリ起動は安定しているが予定を作る頻度が減っている」といったことがわかります。

プロダクトマネージャーは日々さまざまな数値をトラッキングしてウォッチしていると思うのですが、DAUやWAUなどのチャートだけ見ていると、一見すると大きな変化がなくても実は内部でユーザーアクティビティで変化が起こっていることがあり、それに気付きやすくなります。なのでスティッキネス機能のおかげで、アクティビティの頻度のグラデーションの変化に気付きやすくなるといった感じです。  

これらの機能を使って変化がわかるからこそ「じゃあ、それはなぜ行っているのかユーザーインタビューしてみよう、調べよう」といったアクションにつなげることができるようになります。

新機能の利用傾向やサービスの成長具合も可視化できる

Amplitudeでの具体的な分析方法

当社では基本的にいろいろなチャートを一つのダッシュボードにまとめていてそれを見ていることが多いです。問題が発生した場合はノートブック機能(*2Amplitudeでの分析結果などをメモとして残し、関係者と共有する機能)を利用して社内へ共有したりしています。

ダッシュボードは一般的なアクティブユーザーやノーススターメトリックとよばれるサービスに重要な指標などを中心に作成しています。それを国ごとなどに分けてダッシュボードを作成しています。

アクティブユーザー数や、DAU、MAUの過去の推移の確認など、基本的な数値の時系列変化のウォッチはもちろんのこと、DAU/MAUといったツール上では表現しにくいKPIも柔軟にチャート表示できるので活用しています。加えてバグなどの問題の早期発見にも役立ってます。

インストールして1日後のリテンションと7日目のリテンションなどを時系列で追ったり、OSごとに確認したりしています。

また新機能を出した後、その利用傾向をStickiness機能で判断したりと単純に利用ユーザー数以外にもその利用の深みを見るようにしています。

また、「Lifecycle」という機能も非常に活用しています。その中にあるPulseという機能を使えば、定着数や流入数、離脱数を分析してサービスが正しく成長しているか可視化できるので健全な成長をしているかどうかの確認に利用しています。

【求人情報】
カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を大きく羽ばたかせる企画職を募集しています

業務詳細

  • TimeTree(iOS / Android版、Webブラウザ版)、TimeTree API、TimeTree公開カレンダーなどのプロダクトの企画・ディレクション
  • ビジネスゴール、ユーザーメリットの双方を考えながら、KPI分析ツールやアンケート・インタビューなどを活用して仮説を立て、実施・結果検証

こんな方が活躍できます

  • ユーザーがどのようにアプリを利用しているか、生活の息づかいまで含めて理解しようとすることが好きな人
  • 失敗を恐れない人
  • 様々なWebサービスやアプリを試すのが好きな人
  • データ分析によるサービス改善が好きな人
  • 数値データだけにとらわれない大胆な考えができる人
  • ユーザーとのコミュニケーションの重要性を信じる人

この職種の応募ページ サービスディレクター / 株式会社TimeTree
TimeTree採用メッセージ 採用情報 – 株式会社TimeTree
TimeTree企業文化がわかるブログ ブログ – TimeTree

References
*1 顧客行動からイベントを定義し、データ取得時点から一貫性のあるデータとして貯めるようにする設計
*2 Amplitudeでの分析結果などをメモとして残し、関係者と共有する機能

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