「何をABテストすれば良いか分からない」
「ABテストで思うように成果が出ない」
など、Webサイトやアプリを運用する担当者の中には、ABテストに関してこのような課題を抱える方も多いと思います。
ABテストとは、アプリやWebページの2つのバージョンを比較し、どちらがより良いパフォーマンスを発揮するかをテストするものです。テストするものとして、Webサイトやアプリのレイアウト、メールの件名、製品デザイン、CTAボタンのコピーや色など、さまざまなものが挙げられます。
本記事では、これからABテストに取り組む企業や、今ABテストに取り組む企業担当者様向けに、さまざまな企業様の支援をしてきた実績をもとに、ABテストのやり方や成果を出すポイントや事例などをご紹介します。
・日本をはじめ世界150か国以上、2,500社以上の企業に導入
・マーケターのみでノーコードでクイックにA/Bテストが実行できる
・ABテストの精度を高めるための分析機能も豊富
ABテストとは?
ABテストとは、アプリやWebページの2つのバージョンを比較し、Webサイトやアプリの最適化を目指すテストを指します。ABテストでは、バナーやCTAボタンのコピーや色、LPのFVのクリエイティブやコピーなど、Webサイトやアプリを構成するさまざまな要素を比較することができます
テストを行い、コンバージョン率やクリック率などの数値が高かった方を、Webサイトやアプリに実装することで、徐々に最適化されビジネスのROI(投資収益率)を向上させることができます。
また、顧客がどのようなページを好むのかを把握し、データを元にした意思決定を助けるメリットもあります。
なぜABテストを検討すべきなのか?
なぜABテストを行うべきなのか、その理由を見ていきましょう。
1. 訪問者の課題を解決する
訪問者は、情報収集や商品の購入など、自分の目標を達成するためにWebサイトやアプリを訪れます。目標を達成する際にネックとなるポイントに直面することがあります。例えば、混乱を招くコピーや、CTAボタンが見つけにくいといった問題です。
これにより悪いユーザー体験が生じ、最終的にコンバージョン率に影響を与える可能性があります。
まずは行動分析ツール(ヒートマップ、Google Analytics4、ユーザー行動分析ツールなど)を通じて収集したデータを活用し、訪問者のネックとなるポイントを発見しましょう。それを元に、どのような改善をすればネックとなるポイントが解消されるか、ABテストを繰り返しながら最適化することをおすすめします。
2. 既存トラフィックからより高いROIを得る
すでにWebサイトやアプリを運用している方は、質の高いトラフィックをWebサイトに集めることを課題とし、そのためのコストが高いことを理解していると思います。
ABテストを継続的に行うことで、徐々にWebサイトやアプリが最適化されるため、既存のトラフィックを最大限に活用し、コンバージョンを増加させることができます。また、新しい訪問者のコンバージョン率も改善される可能性が高いです。
3. 直帰率を低減できる
Webサイトのパフォーマンスを評価する上で最も重要な指標の一つが直帰率です。直帰率が高い理由はさまざまですが、次のような要因が挙げられます。
- 選択肢が多すぎて迷う
- 期待との不一致
- ページが分かりにくい
Webサイトごとに目的や対象となるターゲットが異なるため、直帰率を下げるための万能な解決策はありません。
ABテストで、Webサイト要素の複数のバリエーションをテストすることで、最適なバージョンを見つけながら、効果的に改善が図れます。
4. 低リスクな改善を実現できる
Webページ全体を再設計するのではなく、ABテストを活用して徐々に変更を加えることで、現在のコンバージョン率を損なうリスクを減らせます。
例えば、ECサイトの製品ページを更新する予定がある場合、訪問者がどのように反応するかわからないため、ABテストを行うことでその反応を分析し、どちらが効果的かを判断できます。
その他、新機能を導入する前に、ABテストとして試験運用を行うことで、その変更がWebサイト訪問者に受け入れられるかどうかを確認することもできます。
大きな改修を行う際はABテストを行い、その結果に基づいて変更することで、より確実な成果を得ることができます。
5. データに基づいて改修できる
従来の「経験や勘」に頼った改修では、効果が不明確なまま時間やコストが消費されることがあります。しかし、ABテストを活用すれば、複数のバリエーションを比較することで、どの要素がユーザー行動に最もポジティブな影響を与えるかを数値で把握できます。
また、結果に基づいてさらに新しい仮説を立て、テストを繰り返すことで、より高い成果を追求できます。
・日本をはじめ世界150か国以上、2,500社以上の企業に導入
・マーケターのみでノーコードでクイックにA/Bテストが実行できる
・ABテストの精度を高めるための分析機能も豊富
ABテストで何をテストできるのか?
ABテストを進める際には、Webサイトの要素をテストしてみましょう。(以下で紹介するものはWebサイトでABテストする際の一例となります。)
コピー
1. 大見出しと小見出し
大見出しは、訪問者がWebページで最初に目にする要素です。同時に、それが第一印象と最終的な印象を決定し、そのページが訪問者を顧客に変えるかどうかを左右します。そのため、Webサイトの大見出しや小見出しには特に工夫する必要があります。
- 短く、要点を押さえ、目を引き、伝えたいメッセージを的確に伝える
- 異なるフォントや文章スタイルで数種類のコピーをABテストし、どのバージョンが訪問者の注目を最も集め、コンバージョンに繋がるかを分析
VWOのAI活用すれば、Webサイトの既存のコピーに対するおすすめを生成し、最適なテキストバリエーションを簡単に作成できます。
2. 本文
Webサイトの本文は、訪問者が得られるメリットや具体的な内容を明確に伝える必要があります。また、大見出しと小見出しとの一貫性が重要です。
本文作成時の重要なポイント:
- 文章スタイル: ターゲットに合わせたトーンで書くこと。訪問者が持つ疑問に直接答える内容にし、キーフレーズや強調ポイントを盛り込んで分かりやすくする。
- フォーマット: 適切な大見出しや小見出しを使用し、短い段落に分割する。箇条書きやリストを用いることで読みやすくする。
3. メールの件名
メールの件名は開封率に直接影響を与えます。VWO社の記事によると、12以上の業界における平均開封率は25%から47%の範囲です。たとえ平均を上回っていても、半数程度の受信者しかメールを開封しないことが一般的です。
ABテストを用いることで、件名のテストが可能です。次のような要素を試してみてください。
- 感情的な表現 vs. 具体的な内容(例:「今だけお得!」 vs. 「20%オフクーポン配布中」)
- 強調型 vs. 情報提供型(例:「必見!」 vs. 「新商品のお知らせ」)
- 長めの件名 vs. 短めの件名
- フォーマル vs. カジュアル
- 絵文字あり vs. なし
これにより、メールのクリック率を向上させる可能性が高まります。
フォーム
フォームは、会員登録や資料請求など、見込み顧客があなたと連絡を取るための手段です。購入ファネルの一部である場合、その重要性はさらに増します。
Webサイトがそれぞれ異なるように、適したフォームもサイトごとにそれぞれ異なります。一部のビジネスでは、短く簡潔なフォームが効果的ですが、他のビジネスでは、長いフォームが質の高いリードを生み出すこともあります。
どのスタイルが自社のターゲットに最適かを判断するには、フォーム分析などのリサーチツールや手法を活用して、フォーム内の問題点を特定し、ABテストで最適化に向けて改善を進めましょう。
当社のメディアは、マーケティングツールに興味関心を持つ企業様がターゲットになりますが、フォームの入力を簡単にするために入力欄を6つ→4つに減らしたところコンバージョン率が1%ほど改善しました。
関連記事:ABテストによるフォーム改善でフォーム送信数が34%増加した事例
CTA(コールトゥアクション)
CTAは、以下のボタンのような実際の行動が行われる場所です。
ABテストを活用することで、異なるCTAコピーやWebページ内での配置、サイズや配色を試してテストできます。このような実験により、どのバリエーションが最も多くのコンバージョンを生み出す可能性があるかを理解することができます。
デザインとレイアウト
Webサイト上のすべてが重要に思えるため、どの要素をWebサイトに残すべきか迷う担当者は少なくありません。この問題は、ABテストを活用することで解決できます。
例えば、ECサイトでは、コンバージョンの観点から製品ページがとても重要なため、デザインやレイアウトの面で最適化された状態であるべきです。
デザインやレイアウトには、コピー(文章)だけでなく、画像(製品画像、キャンペーン画像など)や動画(製品動画、デモ動画、広告動画など)が含まれます。製品ページは訪問者の疑問に答えるものであり、混乱させたり、分かりにくいものは望ましくありません。
具体的な事例として、スマートフォンECサイトにて、サイト内のユーザー行動分析の結果を元に、製品ページのABテストを行いコンバージョン率を17.63%向上させた事例もあります。
関連記事:スマートフォンECサイトで製品ページの変更を行いコンバージョン率を17.63%向上
その他、デザインが重要なページとしては、ホームページやランディングページも挙げられます。ホワイトスペースや高解像度の画像を多用する、画像の代わりに製品動画を使用する、異なるレイアウトを試す、といったアイデアをテストしてみてください。
さらに、ヒートマップ、クリックマップ、スクロールマップを使用して、無駄なクリックや訪問者の注意をそらす要素を分析し、ページの課題点の整理をしましょう。
ナビゲーション
WebサイトのナビゲーションもABテストで最適化できる重要な要素の一つです。優れたユーザー体験を提供するには、ナビゲーションが非常に重要です。訪問者が迷子にならず、壊れたナビゲーションパスのせいで目的のページにたどり着けないことのないよう、構造を明確に設計しましょう。
各クリックが訪問者を望むページに確実に誘導することが重要です。
ナビゲーションを改善するためのアイデア:
- 訪問者の期待に応える:ナビゲーションバーをトップに配置する水平ナビゲーションや、左側に配置する垂直ナビゲーションなど、標準的な位置に配置し、Webサイトを使いやすくします。
- 予測可能なナビゲーションを作る:同様のテーマのコンテンツを同じカテゴリにまとめたり、関連カテゴリにグループ化することで、訪問者の認知負荷を減らします。
- シンプルで予測可能な構造を維持する:ナビゲーション構造をシンプルで分かりやすく、訪問者の期待に合ったものにすることで、コンバージョン率が向上するだけでなく、訪問者にとって快適な体験を提供し、再訪を促すことができます。
関連記事:ナビゲーションバーの改善でユーザー体験を改善させた事例
ABテストの4つの種類
サイトやアプリのテストには、「A」と「B」2つのバージョンを比較するABテストの他に、スプリットURLテストや多変量テストなどがあります。
- ABテスト
- スプリットURLテスト
- 多変量テスト
- マルチページテスト
最初の「ABテスト」についてはすでに説明しましたので、他の方法について見ていきましょう。
スプリットURLテスト
スプリットURLテストとは、既存のWebページのURLに対し、完全に新しいバージョンのURLを作成し、それぞれのパフォーマンスを比較・分析するテストのことを指します。
通常のABテストがページ内の特定の要素を変更するのに対し、スプリットURLテストではページ全体のデザインや構成を変更する場合に使用されます。
スプリットURLテストを実行すると、Webサイトのトラフィックが既存ページ(元のWebページURL)とテストページ(新しいWebページURL)に分けられ、それぞれのコンバージョン率が測定され、どちらが優れているかが決定されます。
スプリットURLテストが適したケース
- 大幅なページリニューアルの検証をするケース
- 異なるランディングページ間のパフォーマンスを比較するケース
- 複数の広告キャンペーンごとの効果を測定するケース
多変量テスト
多変量テストは、複数のページ変数のバリエーションを同時にテストし、すべての可能な組み合わせの中で最も効果的な組み合わせを分析するテストのことを指します。
多変量テストの仕組みは以下の通りです。
ページ内の複数の要素を選び、それぞれに2つ以上のバリエーションを用意します。全ての要素の組み合わせを生成し、それらをユーザーにランダムに表示して結果を比較します。
例:
- 要素A(ヘッダー):バージョン1・バージョン2
- 要素B(画像):バージョン1・バージョン2
- 要素C(CTAボタン):バージョン1・バージョン2
→ 合計 2×2×2=8通りの組み合わせをテストします。
多変量テストが適したケース
- ページ内に複数の改善ポイントがある場合
- 要素の相互作用(組み合わせ効果)を分析したい場合
- 効率的に複数の要素を最適化したい場合
マルチページテスト
ウェブサイトやアプリケーションにおいて、複数のページにまたがって変更を加え、それらの変更がユーザーの行動やコンバージョン率に与える影響を計測する手法です。マルチページテストには、大きく分けて2つの方法があります。
- ファネル全体のテスト:売上やリード獲得のプロセスが複数のステップに分かれている場合、各ステップ(各ページ)を新しいデザインやコンテンツで変更し、その全体を対照としてテストします。
共通要素のテスト: セキュリティバッジや顧客の証言など、複数のページで共通して使用される要素を変更し、それが全体のユーザー体験やコンバージョンにどう影響するかを測定します。
マルチページテストが適したケース
- 複数ページでのユーザーの行動を評価したい場合
- ファネル全体の体験を最適化したい場合
- 異なるステップでの要素追加・変更を試したい場合
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ABテスト実施の5つのステップ
ABテストは、マーケティングキャンペーンにおいて何が効果的で何が効果的でないかを見つけ出す体系的な方法です。多くのマーケティング活動では、より多くのトラフィックを獲得することに焦点を当てられがちですが、トラフィック獲得が難しく高価になるにつれて、Webサイトに訪れるユーザーに良い体験を提供することがとても重要となります。
ユーザーに良い体験を提供する=ユーザーが目標を達成し、最速かつ最も効率的にコンバージョンできるようになります。マーケティングにおけるABテストは、既存のトラフィックを最大限に活用し、収益の流入を増加させることができます。
ABテストを行う際の基本的な5つのステップについて解説していきます。
ステップ1: リサーチ
ABテストプランを立てる前に、Webサイトが現在どのようにパフォーマンスを発揮しているかについてリサーチを行う必要があります。Webサイトに訪れるユーザー数、どのページが最もトラフィックを集めているか、各ページのさまざまなコンバージョンなど、あらゆるデータを収集します。
リサーチ段階で使用するツールには、Google Analytics4やAmplitudeが挙げられます。これらを使用してPVを集めたページ、滞在時間が長いページ、または最も高い直帰率のページを特定できます。
また、ユーザーが最も多くの時間を費やしている場所やスクロール行動などを特定するために、ヒートマップツールも活用できます。これにより、Webサイト上のユーザー体験を阻害する問題箇所の特定につながります。
その他、セッションリプレイやフォーム分析など、ユーザー体験を分析する方法は多岐に渡ります。
このような、定量的および定性的なリサーチは、次のステップの準備をするために役立ちます。
ステップ2: リサーチに基づいて仮説を立てる
収集したデータを元に「どのような変更がどのように改善をもたらすか」という仮説を設定します。
例えば、ECサイトを例に以下のようにリサーチから仮説を導くことができます。
前提:レビューを見るユーザーは購入率が高い
リサーチ:多くのユーザーがレビューにたどり着く前にページを離脱している
仮説:レビューをより目立つ位置に移動させることで、購入率が向上するのではないか
このようにリサーチを通じて、ユーザーの行動や問題の原因を具体的に理解することで、的確な仮説を立てることができます。結果的に、無駄のない、意味のあるテストを設計できるようになります。
ステップ3: ABテスト案を作成
次のステップは、仮説に基づいて変更案を作成し、それを既存ページとABテストすることです。
既存ページに対して複数のバリエーションをテストして、どれが最も効果的かを確認できます。UXの観点から何がうまくいくかという仮説に基づいてABテスト案を作成します。
たとえば、フォームを記入しない人が多い場合、そのフォームにフィールドが多すぎるのか、個人情報を求める項目があるのかもしれません。短縮したフォームに変更したり、個人情報を尋ねる項目を省いた別のバリエーションを試してみることができます。
ステップ4: テストを実施
このステップに進む前に、使用したいテスト方法を決定することが重要です。Webサイトのニーズやビジネス目標に基づいて、上記で説明したテスト方法を決定したら、テストを開始し、統計的に有意な結果が得られるまでテストを行います。
たとえば、テストのタイミングや期間も条件の一つです。テストの期間は、平均的な日次・月次訪問者数、現在のコンバージョン率、期待する最低改善率、テストに含まれる訪問者の割合などを考慮して計算する必要があります。
ステップ5: 結果を分析し、変更を反映
テストが終了したら、コンバージョン率が向上したか?などABテスをの目的を達成できているかという視点でテスト結果を分析します。
もし現在のページよりテストしたページの方が成果を出した場合は、テストしたページの内容をサイト全体に反映しサイトの最適化を図ります。また、必要に応じて次のステップを計画します。
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よくあるABテストでやりがちな失敗例
ABテストを実施する際に避けるべきよくある失敗例をご紹介します。
失敗例1:最適化の計画をしない
ABテストでは、テストを実施する前に仮説を立てます。その後のすべてのステップはこの仮説に基づいて進行します。何を変更すべきか、なぜ変更すべきか、期待する結果は何か、などです。もし誤った仮説で始めると、テストが成功する確率が低くなります。
失敗例2:事例をそのまま真似する
ABテストの事例として、コンバージョン率が30%向上したという話を聞くことがあると思います。
しかし、他社のテスト結果であり、彼らのトラフィック、仮説、目標に基づいたものです。なぜ自分のWebサイトに他人のテスト結果をそのまま適用してはいけないのかというと、どのWebサイトも同じではないからです。彼らのトラフィックは異なるかもしれませんし、ターゲットも異なるため、最適化の方法も異なる可能性があります。
失敗例3:一度に多くの要素をテストする
Webサイトの多くの要素を一度にテストすると、どの要素がテストの成功や失敗に最も影響を与えたのかを特定するのが難しくなります。
テストする要素が多ければ多いほど、そのページのトラフィックも多くなければ、統計的に有意なテストを実施することはできません。したがって、テストの優先順位付けはABテストに欠かせません。
おすすめのABテストツール3選
ABテストに特化したツールでテストを行うことで、テスト用のページ作成や効果検証までを一連で行うことが可能です。この章では、日本で多く使われているABテストツールを3つご紹介します。
VWO
VWOは、日本をはじめ世界150か国以上、2,500社以上の企業に導入されているABテストツールです。
直感的に操作できるため、初めての方でも使いやすいツールです。ドラッグ&ドロップで簡単にテストを設定できるため、マーケター自身でテストの作成から実施、効果検証までを一連で行うことができます。
また、ヒートマップやセッションリプレイなどの分析機能も充実しており、ユーザー行動を分析した上で精度の高いテストが可能です。
Optimizely
引用:https://optimizely.gaprise.jp/
Optimizelyは、高機能なABテストツールです。大規模なテストやカスタマイズが得意であり、データを駆使して効果的にサイトを改善できます。AIを使った提案機能もあるので、より個別化されたユーザー体験の提供が簡単です。
AB Tasty
引用:https://abtasty.gaprise.jp/
AB Tastyは、使いやすさと高機能性を兼ね備えたABツールであり、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための多様なアプローチを提供しています。直感的なインターフェースを持っており、プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップでテストを構築できます。
ABテストの事例
ここでは、ABテストで成果を上げた事例を2つご紹介します。
旅行業界におけるABテスト
大手予約サイトBooking.comは10年以上にわたってABテストを行っていますが、今でもユーザー体験を改善するためにできることがもっとあると考えています。創業以来、Booking.comはABテストを日常業務の一部として取り入れており、Booking.comの全社員がビジネス成長に役立つアイデアでテストを実行できるようになっています。
Booking.comは2017年に、ホテルだけでなくバケーションレンタル(民泊)も提供し、サービスの範囲を広げることを決定しました。これにより、Booking.comは広告プラットフォームと提携し、世界中の不動産所有者登録を増やす取り組みを行いました。
開始から数日後、Booking.comのチームは、たくさんの不動産所有者が最初のサインアップを完了したものの、その後のステップの進捗が良くないことに気づきました。
そこでBooking.comはランディングページのコピーを3つのバージョンを作成し、ユーザー報酬、Booking.comが受け取った賞や認定などの追加情報を加えました。
テストは2週間実施され、オーナー登録率が25%の向上しました。テストの結果、各登録のコストも大幅に減少したことが示されました。
BtoB/SaaS業界におけるABテスト
SaaSのABテストの目的は、最良のユーザー体験を提供し、コンバージョンを改善することです。その上で、Webサイトのトップページは、ファネル内で最も重要なページです。
大手レストラン管理プラットフォームを運営するRestroworks社は、トップページでの離脱率を減らすことを目指しました。トップページを2つの変更案を作成してテストすることにしました。まずは、既存のトップページがどのようなものだったかを見てみましょう。
Restroworksのチームは、Webサイトにより関連性があり、コンバージョンに焦点を当てたコンテンツを追加することで、ユーザー体験が向上し、コンバージョンが高くなるだろうと仮定しました。
そこで、既存ページと比較するための2つの変更案を作成しました。
変更案①
変更案②
既存ページは最初に変更案①とテストされ、その結果、変更案①が勝者となりました。さらにページを改善するため、変更案①は変更案②とテストされ、最終的に変更案②が勝者となりました。この新しい変更案②により、ページの訪問数は約5%増加しました。
まとめ
ABテストはデジタルマーケティングやUXデザインにおける重要な手法であり、データに基づいた改善を可能にすることで顧客体験向上とコンバージョン率の増加を実現します。さらに、ABテストは一度の実施にとどまらず、継続的なプロセスとして実施することで、長期的にWebサイトやアプリのパフォーマンスを向上させることが可能です。
効率的かつ正確にテストを行うためには、ABテストツールの導入をおすすめします。
ABテストツール「VWO」なら、Webサイトやアプリ分析から、テストページの作成・実施、効果検証までを一つのツールで行うことができます。
日本をはじめ世界150か国以上、Amazonやディズニーなど2,500社以上の企業に導入されています。
また、当社ではVWOの導入や、ABテストの施策立案を含めたVWOの運用支援も行っております。ABテストで、サイト・アプリの最適化を行っていきたいと考えている企業担当者の方はお気軽にご相談ください。