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100年愛されるブランドを作る|ファンを生み育てることを考えるコミューンとQBBの課題解決

2023.06.26

この記事は、2023年6月1日に開催された「マーケターの集い」の課題解決ディスカッション企画のイベントレポートです。イベント全体のレポートはこちらからご覧ください。

100年愛されるブランドを作る|ファンを生み育てることを考えるコミューンとQBBの課題解決

100年愛されるブランドを作る ファンを生み育てることを考える課題解決ワークショップ

バターを作らないのに「六甲バター」?プロセスチーズは国内シェアナンバーワン!

コミューンの提供価値

コミューン 杉山氏|
コミューン株式会社の杉山と申します。今回は、QBBブランドで知られる六甲バター様との登壇機会をいただきありがとうございます。弊社コミューンは「企業とユーザーが融け合う社会を実現する」というミッションを掲げ、今回のマーケターの集いで商品提供いただいたユーグレナ様をはじめ、さまざまな企業を見つけ出してもらうためのコミュニティサイトを運営しています。

コミュニティ作りと聞くと「難しそう」と感じる方が多いと思います。上記に特化したプロダクトと専門チームのご支援の2軸をセットで提供しています。ただコミュニティを作って運用するだけではなく、皆様の事業のグロースに必要なコミュニティを作らせていただき、コミュニティのグロースとともに事業もグロースしていく動きの形成に、BtoB、BtoC問わず一緒に取り組ませていただいています。

クライアント各社はさまざまな目的でコミュニティを始められています。QBB様に関しては、「コミュニティを通じてしっかりお客様の理解をしていく。それによって初めて良いマーケティング企画を作っていける」という考えを基に、取り組んでいただいております。

実は今、マーケターの方から、コミュニティを通じた顧客理解にご相談をいただくことがとても多く、「マーケターだけどお客様と会ったことが一度もない」、「自社ブランドのユーザーに、周りの知り合いがほとんどいない」といった課題がある一方、QBB様のように「日頃当たり前にありすぎる商品であるが故に、誰がファンなのかがよくわからない」といった課題があったりもします。

販売店で実際に写真も撮ってきましたが、ここに写っているのは全部チーズです。さまざまなブランドの商品がある中に、QBB様のチーズも並んでいます。ここでいったん、バトンタッチさせていただきます。

Q・B・B

六甲バター 宇土氏|
六甲バター株式会社の宇土(うと)と申します。私は六甲バターに入社する前に複数社を経験し、そこでは営業職を長く務めてきました。六甲バター入社後、一番最初はパッケージのデザインディレクションを担当し、その後オフラインのイベント・プロモーションの担当になった際には、「もっとプロモーションの裏側の話をお客様に伝えたいな」と思っていました。

そこから、Instagramアカウントの運用を開始し、1年ほど経ったときにコロナ禍に突入しました。そのタイミングで、デジタルプロモーションの担当となり、そうしてお客様との接点を作っていく度に、「もっと直接お客さんの声を聞きたい」という思いが強まり、「コミュニティを運用しよう」と思い至りました。こうして2022年から「QBBとチーズが大好きな人のためのコミュニティ『QBBチーズパーク』*1https://qbb-cheesepark.commmune.com/view/home」を開設・運用しております。

社名は「六甲バター」ですが、実は弊社はバターを一回も作ったことがありません。元々は1948年、神戸で創業し、当初は「平和油脂工業株式会社」という名前でマーガリンを製造していました。

当時、マーガリンは「人造バター」と呼ばれており、その後社名を変えようという話になったとき、「神戸の六甲山のふもとで人造バターを作っているから、『六甲バター』がいいのではないか」という創業者の一言で、六甲バター株式会社となりました。

QBB沿革

創業10年目に、「ぜひプロセスチーズ作ってくれないか」という依頼があり、そこから本格的にプロセスチーズの製造販売を開始して、今ではそちらがメインの事業となっています。実は世界で最初にスティックチーズを作ったのはQBBです。

そして、皆様もおうちで召し上がっているかもしれないスライスチーズの個包装を、国内で最初に開発したのが実はQBBだということも、あまり知られていません。このように、ずっとチーズ開発の先端を担ってきたという自負があります。

こうして、昨年12月に創業75年目を迎えました。本社はずっと神戸にあり、2019年に基幹工場も神戸に移管し、今では一般の方に見学していただけるような施設も開設しています。このように、主な事業内容はチーズの製造販売なのですが一部ナッツなどの食品や、最近ではオーツミルクの輸入販売なども手がけております。

私たちの一番メインの商品としては、よくスーパーで売っている4個が1本になっているベビーチーズです。QBBというブランドで展開しており、プロセスチーズは国内シェアナンバーワンとなっています。

私たちの企業理念は「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」というものです。余談ですが、私が生涯をかけてやっていきたいことが、この企業理念に共感できたのが、入社理由の1つでもあります。この理念の下、どのような商品を作っているかというと、プロセスチーズの中でも、さらにたくさんのカテゴリーの商品を開発しています。主要なものだけでも8カテゴリーあり、このほかにもたくさんの種類があります。

QBB取り扱い商品

前述のように一番主力の商品はベビーチーズで、今15種類販売しています。もう一つがチーズデザートで、最近「小腹が減った人の味方スイーツ」というキーワードで人気が急上昇しています。

QBBベビーチーズ・チーズデザート

皆様のテーブルにも試食をご用意しておりますので、ぜひお召し上がりください。

市場は拡大、国内シェアナンバーワンでもチーズブランド想起率で1位を取れない課題

国内のチーズの消費量は増加傾向

それから、QBBが置かれているチーズ業界の現状についても共有させてください。国内のチーズの消費量は右肩上がりで、私たちの売り上げも少しずつながら右肩上がりになっています。グラフ上部の緑の部分がプロセスチーズ、下部の赤の部分がナチュラルチーズの消費量です。

ちなみにナチュラルチーズとプロセスチーズの違いを簡単に説明すると、ナチュラルチーズは乳を凝固しそのまま熟成させているので菌が生きていて、そのため賞味期限が短いものも多いです。

一方、プロセスチーズは、そのナチュラルチーズを原料にして溶かし、乳化させ、冷やし固めるため味が一定ですし、保存期間が非常に長いです。ですから家の冷蔵庫で長く眠っているチーズはほぼプロセスチーズか、あるいは包装後加熱殺菌済みのナチュラルチーズが多いはずです。

国内では家庭での消費者はプロセスチーズが主流ですが、この10年間でどんどんナチュラルチーズの消費量も上がってきています。これはなぜかというと、まず一つはナチュラルチーズが非常に輸入されやすくなったためで、特にスーパーなどでさまざまな種類のナチュラルチーズが置かれ、それを安価で買えるようになったことが大きいです。

また、昔はチーズと言えばグラタンかピザか、トーストに乗せるかくらいしかバリエーションがなかったのですが、今はお家でチーズ料理がたくさんアレンジされるようになりました。例えば、お鍋にチーズを入れてカレーチーズ鍋を作るなど、料理にチーズを使うアレンジの幅が広がっており、それだけ食卓でチーズに慣れ親しむようになってきたことが一因ではないかと思います。

チーズ料理はInstagramなどのSNSでとても映えるので、こうしたインスタ映えを狙ってSNSでチーズ料理の写真をたくさんあげる方が増えています。実はこのインスタ映えとチーズとの親和性の良さがチーズ業界にかなり影響しており、特にナチュラルチーズが使われていることが多いので、そのためチーズおよびナチュラルチーズの消費量がどんどん上がっているということも背景としてあります。

私は元々食品が好きで、特に10年くらい前からスーパーをよくチェックしてきましたが、10年前はチーズの棚が今ほど広くありませんでした。それが今では、本当にたくさんの棚ができるようになりました。

棚の中には、弊社のチーズ以外にも全然違うさまざまなブランドのチーズがあります。ということは、私たちはそれだけたくさんあるチーズの中で、自分たちのブランドを理解してもらい、お客様に手に取っていただく努力を常に強化していく必要があるということです。

そうした中、今私たちが本当に壁にぶち当たっている課題は「国内でのプロセスチーズのシェアがナンバーワンであるにもかかわらず、チーズブランドとしての想起率がナンバーワンではない」という現状です。

私たちはデータ調査もしており、「なんでこのようなことが起きているのか?」と仮説をまとめ、さまざまな角度から検証した結果、私たちがチーズしか販売していないことが一因であろうということがわかりました。

他のメーカーは同じブランド名で、チーズ以外の乳製品やアイスクリームなどのお菓子を販売していて、それだけ消費者とタッチポイントが多いわけです。カテゴリは違えど、ブランドとしてのタッチポイントが広いことでブランドの認知が浸透している。それゆえ、それがチーズの想起率にもつながっているということが、まず要因としてあると思います。

またもう一つ考えられることとしては、消費者が「ブランドはともかく、とりあえず自分の家の近くのスーパーに並んでいるチーズを買っているだけ」だったり、「スーパーの中で一番安いチーズだから買っているだけ」なのかもしれないということです。

「それって本当にQBBのことを好きなのか?」といった点に、私たちはずっと疑問を抱いていました。裏を返せば、私たちが今よりもっと安くチーズを提供できなくなり、そして私たちのチーズより安い商品が出てきてしまったり、あるいはQBBのチーズが消費者の家の近くのスーパーから棚落ちして他の商品が入ってしまったら、お客様はそれだけで「では違うブランドの商品を買おう」ということになってしまうのではないかと思います。

QBBの課題

そして、実際にそれが起きている場所もありますから、結果的に現状ではブランドスイッチが入ってしまう可能性が高いことが、私たちが今抱えている課題だと考えています。

機能性追究だけでなく、チーズ生産・開発への思いやストーリー消費者の情緒的側面に訴えかける施策をコミュニティで実践!

ところで、六甲バターには100のフィロソフィーがあり、そのフィロソフィーに対し週に一回の朝礼でコメントする取り組みを行っています。その中の一つが「安いか、便利か、これしかない」というものです。

六甲バターフィロソフィー

まず「安いか」どうかの追求として、安心で安全な商品をなるべく手軽な価格で皆様にご提供できるよう最大限の努力をし、なるべく安価な商品を販売するよう心がけてきました。

ただ現状、PB(プライベートブランド)なども誕生し、安価で提供するチーズも増えてきている中、正直、これ以上価格を下げていく努力は企業として難しいというのが現状です。

次に「便利か」どうか。例えば、今も昔も多くの人がスーパーで食材を買っています。ネットスーパーなどもあるにはありますが、まだまだ日本ではそこまで普及していません。しかし、あと5〜10年もしたら、本当にスーパーが今のまま「便利か」どうかは疑問です。

将来、より便利なECができたり、コンビニで全て買い物を済ませてしまったり、サブスクをメインで利用される方が増えてくるかもしれません。現代社会では「便利」という言葉がすごく広義になってきているので、企業としてこれら全てに対応できるような体力が私たちにあるのかどうかということも、大きな課題であると思っています。

そして、最後は「これしかない」。私たちはこれを「機能性」と捉えていて、今後も技術力はどんどん向上させていこうと思っていますが、他のブランドさんの技術力も同様に向上していきます。

それでは、今以上の差別化を作るためにはどうしたらいいかというと、機能性だけで攻めていくだけでは正直難しいと感じています。そうであるならば、私たちは「これしかない」の奥深さ・奥行きといった点を作っていく必要があると考えます。

では「奥深さ・奥行き」とは何かというと、例えば食材はどんなものが使われているかといった観点で、その食材の生産者や商品の開発者の思いに着目しています。

また、それら全ての商品を作っている会社が、どういう社会的貢献をしているのかといった面に関する情緒的・感情的側面を汲み出し、それも含めて「これしかない」という商品の価値が生まれていくのではないかと思います。

以上のように、私たちはこれからその価値をどこまで深めていけるかといった部分に注力すべきなのではないかと考えています。

その「奥行き」を作るためにも、まずは私たちの商品を好きでいてくれている人たちがどんな思いで買ってくれているのかを把握する。また逆に、私たちのチーズをもっと好きになってもらうためには、チーズ作りにまつわるストーリーや開発にかける思いなどを、今以上にコンテンツ化して発信していく努力をしていかなければいけないと考えています。

オンラインコミュニティ「QBBチーズパーク」

特に、そこはマスではなく小さいところから始めていきたいと考え、現在、コミュニティサイトを立ち上げており、スタッフ側の投稿とともに、一般の方たちに好きなチーズのことについて語ってもらっています。

ちょうど5月23日からキャンペーンで「チーズパークの中心で推しベビチ愛を叫ぶ」ということをやっているのですが、これは「とにかくあなたが好きなベビーチーズへの愛を叫んでください」という取り組みです。

これによって、お客様が私たちの商品のどんなところに心を動かされているのかを日々チェックしながら、お客様とのコミュニケーションを図っているという現状です。

「おいしいって、生きること」新しいファンを醸成し100年経っても愛されるブランドへ

六甲バター株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 ブランドコミュニケーションチーム 主任 宇土 沙央里 氏 と コミューン株式会社 執行役員CMO/SuccessHub事業責任者 杉山 信弘 氏

コミューン 杉山氏|
QBB様のブランドの状況と認知をめぐる課題についてお聞きしました。今日、ご参加の皆様にはQBB様のブランドマーケターになったつもりで、今年創業75年目を迎えたQBBがさらに、「創業100年が経っても愛されるブランドでいるために、ファンをさらに増やして育てる取り組み」を、実際の「QBBチーズパーク」への投稿内容も参照しながら、コミュニティに限定せずディスカッション/ご提案いただけたらと思います。

今QBB様にお話しいただいたブランドをめぐる課題は、とても汎用性の高い事例だと思います。まず一般的な低関与商材*2消費者の関心の高さやこだわりが購買にあまり関与しない商材のこと。であるがゆえに、「ファンの方は本当にいるのだろうか?」と悩んでしまうブランドの方はとても多いです。

また、マーケット全体としては少しずつ伸びてはいるものの、ナチュラルチーズという新しい楽しみ方が広がりつつあるなどマーケット自体も徐々に変わってきて、自社のメインカテゴリーであるプロセスチーズの伸びが鈍化しているということも汎用的な課題だと思います。

そして特に、売り上げはしっかりあるにもかかわらず、認知の部分で他社に優位があるという状況も一般性の高い課題ですので、ぜひこのワークを通して皆様のブランドのマーケティング活動にも活かしていただければと思います。それでは何か質問はありますでしょうか?

参加者A|
「100年経っても愛されるブランド」の定義を教えてください。

コミューン 杉山氏|
この「100年」という数字をことさら強調して考える必要はないですが、短期的にファンが一気に増えても、結局その後ブランドを毀損する取り組みではNGですね。

また必ずしも最新のテクノロジーを使わないといけないわけではなく、時代やテクノロジーが変わってもファンの方がどんどん増えていくような普遍的な取り組みをしていただきたいという意味で「100年」という形の表現にしています。

参加者B|
取り組みはコミュニティの中で実施するイメージでしょうか。それともチャネルはどこでもいいでしょうか?

コミューン 杉山氏|
チャネルはコミュニティに限らずどこでも/複合していても結構です。コミュニティサイトに関しては、現時点のQBB様のファンの方が集まって自由に投稿している場所ですので「何で好きなのか」、「どういうところが好きなのか」など生の声が集まっている場としてご活用ください。

参加者C|
実現可能な提案にすべきか、それとも予算を無視した提案でもいいのか、どちらでしょうか?

コミューン 杉山氏|
予算はいったん考慮しなくて構いません。

参加者D|
その他の前提条件についても、特に考えなくてよかったでしょうか。例えば「六甲バター」を「六甲チーズ」に変えようといった提案などでもいいのでしょうか?

六甲バター 宇土氏|
はい、結構です。

参加者E|
過去にコミュニティ内で実施したブランド施策を教えてください。

六甲バター 宇土氏|
ブランドと一言にいっても、ターゲットが複数に分かれていてそれぞれ異なったアプローチを取っています。直近で実施している施策を少しだけ紹介しますと、「夢中で頑張る人を応援する」と掲げて、スケートボーダーの方のサポートをさせていただいています。

なぜかというと、ベビーチーズは1個13.5グラムなのですが、これで約135ccの牛乳の栄養素が一気に摂れます。スケボーに取り組む年齢の子どもたちは、あまり食に興味がない子も多いというデータが出ていて、今お伝えしたようにチーズを1個食べるだけで牛乳135cc分の栄養が摂れるのであれば、「簡単に栄養も摂れてすごくクールだ」ということで、今スケートボーダーのサポートやサンプリングをしています。

その狙いとしては、私たちが「夢中で頑張る人」をずっとサポートすることで、彼らが大きくなってからも私たちのブランドを愛してもらえるようにしたいということがあって、このようなアプローチを取っています。

参加者F|
一番売れている商品と、その一番コアなお客様の人物像を教えてください。

六甲バター 宇土氏|
一番売れているのはベビーチーズのプレーンで、コアなお客様はやはり消費量が多い60代です。50〜60代がメインの購買層です。理由は二つあり、まず今スーパーをメインで使われているのが、世代的にも人口的にも50〜60代であるというのが一つ。

そして、50〜60代の方は学校給食プロセスチーズをよく食べていたということでプロセスチーズに馴染みがあり、そのときの名残でQBBのことをよく知っていることが大きいです。

彼ら彼女らはブランドというよりも、慣れ親しんだものをずっと買い続けたいという思いが強く、ずっと手に取ってくださっていますが、QBBのチーズ自体がとても好きで、「この味じゃないと絶対ダメ」だからかというと、断言はできません。

正直なところ、単に「いつでもQBBのチーズを買っていて、それを手に取ることが習慣になり慣れ親しんでいるから」という方もメインの購買層になっていると思います。

コミューン 杉山氏|
今60代の方というと、創業100年を迎える25年後には85歳以上ということになりますので、やはり新しいファンをどう作っていくかがとても重要になってくると思います。

参加者G|
ブランドパーパスはありますか?

六甲バター 宇土氏|
ブランドパーパスとしては、「おいしいって、生きること」というメッセージを、創業70年のタイミングで作りました。

弊社は安心で安全な食品を製造し、それを販売していくことが私たちの担う責任だとずっと考え邁進してきたのですが、「本当にそれだけでいいのか?」という問題意識から、食品会社がこれからも存続するために必要なことは「人の血肉となるところまで考えて、商品を製造・販売しないといけないのではないか?」と考えています。

この「生きること」というのは、単に体の機能的な部分をサポートするだけではなく、「心と体が両方揃ってこそ健康と言える」という考えに基づき、私たちはその両側面で人々の生活を支えていくということを表しています。

すなわち、まずは味などを含めたすべてを「おいしい」という言葉に置き換え、その「おいしい」ということは「生きること」につながっているから、そこを私たちは改善していきたいという思いから、今はこれをブランドメッセージにさせていただいています。

ディスカッションパート

講演後、参加者たちは配布されたQBBのチーズを食べながら戦略を考え、熱量高く議論を交わし、六甲バター様向けブランドマーケティング施策に関するさまざまなアイデアをまとめてゆきました。

ディスカッションパート
ディスカッションパート

30代の参加者が多かったあるテーブルでは、次のような流れでディスカッションが行われていたので見てみましょう。

【課題の洗い出し】

現状のメインの購買層は50〜60代だが、ブランドとしては子供に食べて欲しい
 ↓
子供が食べるためには? 必要な要素として「可愛い」、「面白い」などが必要
 ↓
キャラクターをつける、スナック感覚で食べられるようにする
 ↓
競合と差別化が必要

【「100年経っても愛されるブランド」のために】

子供だけで良いのか?
 ↓
100年を三世代と定義した場合、おじいちゃんおばあちゃん世代は既に食べてもらっている
 ↓
お父さんお母さん世代は、子供が食べれば食べる傾向にある
 ↓
やはり子供に食べてもらうことは重要

【QBBのたくさんの種類、フレーバーがある強みを活かして】

案1:詰め放題 店頭で子供も楽しみながら購入できるように、詰め放題形式で販売
案2:ガチャガチャ 店頭で子供も楽しみながら購入できるように、ガチャガチャ
案3:ご当地チーズ 旅先で子供も購入しやすい、お土産に配りやすい

結果このチームでは、第3案のご当地チーズ戦略であれば、子供からおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんへチーズを配るという愛に溢れるプロモーションのストーリーが浮かぶよね、ということで採用されていました。

このような各グループでのディスカッションが全テーブルで実施されており、改めて、業種も業界も立場も考え方も違うマーケターが一緒に戦略を考える機会というのは大変貴重だと、筆者は強く感じました。

各グループのアイデアは一旦事務局へ渡され、それを六甲バター 宇土氏がすべてチェックの上、ディナーパーティーの席で優秀賞が発表されました。

優秀賞受賞チーム
優秀賞受賞チーム

【コミューン 杉山氏コメント】
“世代と場所を超えて愛される国民食プロジェクトという提案をいただきました。自然と食べられているのに、実はQBBさんのチーズだと認識されていないという課題に向き合っていただき、毎日違う味が食べられる「冷凍ガチャ」のアイディアが新鮮でした。販売棚の拡張も狙えますし、指名買いも出そうな素晴らしいアイディアだと思いました。
なにより皆さん真剣に考えていただいたことが嬉しかったです。”

関連リンク

QBB | おいしいって生きること | 六甲バター株式会社
オンラインコミュニティ「QBBチーズパーク」
commmune(コミューン)|コミュニティサクセスプラットフォーム

References
*1 https://qbb-cheesepark.commmune.com/view/home
*2 消費者の関心の高さやこだわりが購買にあまり関与しない商材のこと。

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