多くの企業でDX推進の必要性が高まっています。しかし、すべての企業がDXを順調に進められているわけではありません。
「DXを実現したいけど、何から始めたらよいかわからない」
「大きな変革を実施するには、大きなリスクが伴うのではないか」
このような不安を感じ、着手できていない企業も多いのではないでしょうか。
そこで、まずは社内業務のデジタル化やプロセスの見直しを行う「社内DX」から始めるのがおすすめです。この記事では、社内DXの概要から重要性、具体的なポイントや取り組み、役立つツールまで詳しく解説します。
社内DXとは?
社内DXとは、業務をデジタル化したりデジタルツールを導入したりすることにより、プロセスや働き方を変革する取り組みです。そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを改革することを指します。
DXは社内全体やクライアントを巻き込んだ大きな改革が必要な一方、社内DXは組織や部門ごとに取り組む違いがあります。社内DXの方が影響が及ぶ範囲が限定されるため、大規模なDXよりも着手しやすいことが特徴です。
社内DXの推進が重要とされる5つの理由
では、なぜ今社内DXが重要視されているのでしょうか。具体的な理由とされる5つについてそれぞれ詳しく解説します。
労働人口不足への対応
近年、日本では少子高齢化が深刻な問題となっています。これにより労働人口が減少し、どの企業でも人手が足りていない状況です。企業が少ない人材で生産性を上げるには、DXを推進してあらゆる業務をデジタル化し、効率化する必要があります。
また、「働き方改革」も注目されており、多様な働き方や人材の採用が求められています。デジタルツールを活用することで、オフィス以外で働くリモートワークが可能になり、多様な働き方を実現できるでしょう。また、今まで採用が難しかった遠隔地に住む優秀な人材の採用にもつながります。
BCP対策の強化
BCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字をとった言葉で、事業継続計画という意味です。企業が自然災害や火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合でも、損害を最小限に抑えて事業を継続できるようにする計画のことを指します。
DXによってリモートワークを可能にしておくことで、緊急時でも社員は業務を継続することができます。また、企業の社屋が被害に遭った場合、物理的なデータは破損する可能性があります。しかしデータをデジタル化してクラウドに保存しておけば、データ損失のリスクを軽減することが可能です。
「2025年の崖」問題への対応
「2025年の崖」とは、経済産業省が「DXレポート」で提言した問題です。現在日本企業で使用されている多くのシステムは老朽化しており、またベンダーのサポートは2025年前後に終了するため、切り替えや見直しが求められています。企業が対応しない場合、年間で最大12兆円もの経済的損失が予測されているのです。そのため、企業は早急にDXを推進し、既存システムを刷新する必要があります。
出典:DXレポート|経済産業省
競争力の強化
企業が市場において競合他社よりも優位性を確保するためにも、DXは欠かせません。業務をデジタル化・システム化することにより業務改善を実現すれば、生産性の向上につながります。具体的には定型的なルーティン業務を自動化することで、その分空いた人的リソースを新たな企画や商談などのコア業務に集中させることも可能です。
また、さまざまなデータをデジタル化することで、今まで難しかった大量のデータ分析も可能になります。市場の動向や顧客ニーズの把握などに活用できるでしょう。
大規模なDXへの足掛かり
いきなり大規模なDXを実行することはリスクが高く、環境の変化に対して社員やクライアントから不満の声が上がるかも知れません。そのため、まずは社内DXをスモールスタートし、多くの施策を経験して改善してから大規模なDXへと移行しましょう。失敗するリスクを減らすことができ、経験からより確度の高いDX計画を立案することができます。
社内DXが進まない3つの理由
DXは広く周知され注目されていますが、実際は社内DXを思うように進められていない企業が多いです。なぜ社内DXはなかなか進まないのでしょうか?その理由について解説します。
DXへの理解不足
まず、そもそも社内においてDXへの理解が不足していることが挙げられます。DXは推進する部署だけで実行するのではなく、企業全体で取り組むべき課題です。そのため社員一人一人がDXの必要性について理解していないと、うまく進めることができません。また、特に経営層の理解がない場合は実現しにくいです。まずは経営層がDXの重要性について理解し、社員をリードしていくことが求められます。社員に対しては、DXの重要性やメリットについて講義を行うなど、適切な教育が必要な場合もあります。また、身近な業務をデジタル化してその利便性を実感してもらうことで、DXへの興味を持ってもらうきっかけになるかもしれません。
DX人材の不足
DX人材とは、DXに必要なデジタル技術に精通し、DX施策の実行をリードできる人材のことを指します。DX人材にはDXの実現に必要なスキルと自社の業務に対する知識・スキルの両方が求められ、社内DX推進に欠かせない存在です。このような人材は貴重であるため、確保に苦労している企業も多いです。市場全体でも不足しており、外部から確保することもなかなか難しいかもしれません。そのため、社内でDX人材を育成することも注目されています。まずは自社のDX推進に必要なスキルを洗い出し、それを育成するための教育プログラムを計画する必要があります。
コストの不足
社内DXは大規模なDXを比較して小規模で実施できるとはいえ、ツールやシステムの導入に伴う一定のコストが発生します。ほかにも導入後のランニングコストや、人材の採用や教育などにもコストが発生するでしょう。これらのコストを理由に、社内DXを実現できていない企業も多いです。しかし、社内DXは業務を効率化して競争力を強化するため、長期的に考えると企業の利益になる可能性が大きいです。つまり、DXのメリットに目を向ければコストを投資ととらえることもできます。目先のコストだけにとらわれず、長期的な視点で考えることが重要です。
社内DX実現のための重要な5つのポイント
では、社内DXを実現するには具体的にどうしたらよいでしょうか?ここでは、社内DXを実現するための重要なポイントを5つ紹介します。
社内DXのビジョンや目的を明確化する
社内DXは一部だけをデジタル化しても、なかなかうまくいかないことが多いです。実際に行動する前に「社内DXによって何をしたいのか」というビジョンや目的を明確にしておきましょう。それを社内で共有することにより、各社員が同じ目標を持って社内DXに取り組めるため、成功確率が高くなります。
現場の業務を可視化する
社内DXにより業務を効率化するには、現状の業務を可視化することから始めます。それぞれの現場の社員に協力してもらい、現在の業務プロセスを洗い出しましょう。可視化することで、デジタル化すべきポイントがはっきり見えてきます。せっかくツールを導入しても、使われなければ意味がありません。きちんと現場の社員の声を聞き、本当に必要なデジタル化を実現しましょう。
DX人材を確保・育成する
社内DXを実現するにはやはりDX人材が必要不可欠です。DX人材が不足していることは先に解説しましたが、積極的に社内に確保できるよう努める必要があります。採用活動や教育プログラムの計画はなるべく早くスタートさせるのがおすすめです。DXの知見を持つ講師に講義をしてもらったり、ワークショップを開催したりなど、社員がDXに興味を持ちやすい環境を作りましょう。
経営層が積極的に取り組む
社内DXの実現には、経営層の積極的なアプローチが欠かせません。経営戦略に組み込むことをはじめ、社員に対してDXの重要性について発信するなど、社員の協力を仰ぎながらリードしていくことが求められます。
最適なシステム・ツールを選定する
DXはトレンドワードとなっていることもあり、多くのシステムやツールが登場しています。たくさんの製品の中から最適なものを選択するのは難しい作業です。しかし、適当に選んでしまうと結局社員に使われず、予算を無駄にしてしまいかねません。まずは自社の業務の現状を把握し、本当に必要な要件をまとめましょう。次にその要件を満たす製品をピックアップし、予算などを加味して選択します。また、重要なポイントは使いやすさです。いくら豊富な機能が搭載されていても、操作がわかりにくく使いにくいツールはあまり使われなくなってしまいがちです。社内にはITツールが苦手な人もいるため、誰にでも直感的に操作しやすいツールを選択しましょう。
社内DXに役立つツール
次に、社内DXに役立つおすすめのツールについて紹介します。
社内での会議を行う際に、議事録の作成に苦労されていないでしょうか。会議に参加しながらメモを取り、終わった後に改めて読みやすいようにまとめる作業は時間と労力がかかります。まさにデジタル化して自動化したい部分ですよね。
そこでおすすめなのが、自動で文字起こしができるサービス「Notta」です。Nottaは会議の音声をインポートするだけで、リアルタイムで自動的に音声をテキスト化します。AIを搭載しているため非常に精度が高く、話者の特定もできるため大人数の会議にも対応可能です。
出典:Notta
Nottaには企業向けにチームで利用可能なチーム版というプランも用意されており、企業全体での導入も初期費用は不要で簡単に実現できます。Googleカレンダーと連携した便利なスケジュール機能など文字起こし以外にも豊富な機能が搭載されていることもメリットです。
文字起こしとは
そもそも文字起こしとは、会議やインタビューなどを録音した音声ファイルを聞きながらキーボードでテキストを書き起こし、原稿を作成する作業です。議事録の作成や、インタビュー内容をまとめて記事にする際などに必要になります。文字起こしの種類は大きく分けて次の3つがあります。
- 素起こし:聞こえた内容をそのまま一字一句正確に書き起こす
- ケバ取り:「あのー」「えっと」など、文脈上意味をもたない部分を取り除いて書き起こす
- 整文:話し言葉を書き言葉にし、文体を整えて書き起こす
また文字起こしにかかる時間は、一般的に録音時間の約5倍程度と言われています。つまり、10分の音声を文字起こしする場合、1時間程度は必要ということです。さらにこの5倍という時間は作業に慣れた人が、録音状態のよい音声データを文字起こしした場合です。初心者の方や録音状態の悪いデータの場合、音声の10〜15倍の時間がかかることもあります。
文字起こしは議事録作成などに欠かせない作業ですが、膨大な時間がかかることがデメリットと言えます。
文字起こしツールのメリット
上記のような文字起こしのデメリットをカバーし、快適に作業を行うためにおすすめなのが「Notta」のような文字起こしツールの導入です。文字起こしツールを利用することで得られる具体的なメリットについて紹介します。
時間と労力を節約できる
文字起こしツールの一番のメリットは、手作業で文字起こしする場合に比べて大幅に時間と労力を削減できる点です。手作業では録音時間の5倍以上かかっていたのに対し、文字起こしツールではわずか数分で文字起こしができます。操作も簡単なため、一字一句キーボードで入力する作業と比較すると手間や労力も必要ありません。
正確性を高められる
人間が文字起こしをする場合、どうしても聞き取り間違いや誤字などのヒューマンエラーが発生する可能性があります。しかし優れた文字起こしツールなら、人間よりも正確にミスなくテキスト化することが可能です。特にNottaのようにAIを搭載したツールであれば、自動で句読点を挿入したり話者を特定したりなど、より完成度の高いテキストデータを生成します。
効率的な情報共有ができる
文字起こしツールでテキスト化したデータは、簡単に他の人へ共有することができます。また翻訳機能が搭載された文字起こしツールであれば、翻訳してすぐに海外拠点へ共有することも可能です。今まで手作業で文字起こし、翻訳、ファイルを添付したメールの送信、などの作業を行っていた場合、これらの作業時間を大幅に短縮して効率的な情報共有ができます。
社内DXにおける注意点2つ
最後に、つい忘れてしまいがちな社内DXの注意点を2つ紹介します。常にこの2つを頭に置いてDX推進に取り組むことがおすすめです。
スモールスタートを心がける
社内DXは、いきなり多くのプロセスを刷新すると現場に混乱が生じることが多いです。そのため全体の目標を設定したうえで、少しずつ導入していきましょう。ツールの使い方や新しいプロセスに慣れるまで時間がかかる可能性もあるため、小さな業務から徐々に全体の業務へと段階的に進めると失敗が少なくなります。
ツールは活用することが重要
社内DXを実現するためにツールを選定し、導入が完了したところで満足してしまうケースも少なくありません。ツールの導入はあくまでも手段であり、活用して業務を効率化することが目的です。そのため、導入後も使用状況を継続的に計測し、改善すべき点があれば改善しましょう。実際に使用する現場の社員にアンケートをとることもおすすめです。もし想定通りに使われていないようであれば、ルールを設けたり、別のツールを検討し直したりする必要があるかもしれません。
社内DXに最適なツールで競争力を高めよう
社内DXは大規模なDXと比較すると取り組みやすく、効果が目に見えやすいです。企業の競争力強化のために社内DXは欠かせないため、目標を設定したうえで段階的にスモールスタートしましょう。
また、社内DXで重要なのは適切なツールの選定です。自社の要件に合ったツールを選定し、活用することで効果的なDXを実現できます。Nottaは非常に導入しやすく、簡単な操作で業務を効率化できます。ぜひ社内DXの第一歩としてNottaの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。