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「Dispo」などZ世代の“制限付き”ソーシャルトレンド解説①【海外Hot Info】vol.34

2022.08.29

今回は、Z世代に広がる新たなソーシャルメディアトレンドについて、株式会社トラストバンクの森杉育生さん(以下、Mr.モリスギ)にお話を伺いました。

―――世界各国の先進的な取り組みから、旬で“GROWTH”につながりそうな企業・サービスをご紹介する「海外Hot Info」。今回は、Z世代に広がる新たなソーシャルメディアのトレンドについて切り込みます。

デジタルネイティブのZ世代だからこそ、既存のSNSに辟易している

Z世代とSNS

安田 今回もよろしくお願いします! 

Mr.モリスギ よろしくお願いします!

安田 今回は「Z世代に広がる新たなソーシャルメディアトレンド」についてお話を伺っていきます。Z世代のひとつ上がミレニアル世代と言われていますが、Z世代ってSNSをどのようにとらえているのでしょうか?
 
Mr.モリスギ InstagramやSnapchatなど、Z世代もよく使っているSNSがありますが、一言で言うとZ世代はそれらに「辟易」しています。InstagramやSnapchatって、加工しまくりのセルフィーやこんな素敵な場所に行きましたみたいなものが当たり前になって、自慢合戦みたいになってしまっていますよね。
 
安田 Z世代の人たちは、そういうものが嫌になってきていると。
 
Mr.モリスギ はい。そこで、あえて投稿に制限を加えたSNSがいろいろと登場して、人気を博しているんです。
 
安田 なるほど、面白い動きですね。ただ、我々ミレニアル世代やそれより上の世代って、そこまでSNSに辟易しているわけでもない気がします。こうした心の動きは、Z世代だからこそなのでしょうか?
 
Mr.モリスギ そうなんです。数字を出しつつ、背景的なところを少しお話ししていきましょう。
今、全世界でソーシャルメディアの利用者数は46.5億人を超えていて、1日の平均利用時間は約2.5時間(147分)となっています(ドイツ発の統計市場調査プラットフォーム「スタティスタ」調査結果より)。

睡眠時間を除いた人の1日の活動時間が16時間だとすると、かなり多くの時間が費やされているのが分かります。そこでやはり問題になっているのが、SNSの使いすぎです。
 
安田 SNS依存症、という言葉も当たり前に使われるようになってきました。
 
Mr.モリスギ SNSを使う人ほど、メンタルリスクが高くなるという調査があります。中でも、7つ~11のソーシャルメディアを使っている人は、1つか2つしか使っていない人に比べて、抑うつや不安を経験するリスクが3倍以上高いという調査もあるんです(アメリカのピッツバーグ大学の脳研究所の調査結果より)。
 
安田 そんなに高いんですか!
 
Mr.モリスギ Z世代にさらにフォーカスすると、60%以上がInstagaramやYoutubeを毎日チェックしており、43%が、ポジティブなイメージを作るためのコンテンツ「だけ」を投稿しなければならないと感じているという調査結果も出ているんですよ。

Z世代はデジタルネイティブと言われていて、SNSとは物心ついたときから存在しているもの。他の世代に比べて、圧倒的にSNSが当たり前の世代なんです。周りのみんながSNSをやっていて、そこが特に注目を集めやすい場になっている。だからこそ、SNSにとても敏感になっているんです。

ある種の強迫観念で良いイメージのコンテンツしか投稿できず、まわりから承認を得ないといけない状況に辟易したり、嫌になっている人も出てきているということです。

≪安田`s Memo≫

デジタルネイティブであるZ世代は、他の世代よりもSNSに使う頻度が高い。SNSに敏感なために、いくらでも繕える今のSNSに嫌気がさしている!

Z世代がSNSに求めるのは、「Authentic(ありのままでいること)」

Authentic

安田 なるほど。私たちが学生のときも、スクールカーストみたいなものがありましたよね。当時は勉強やスポーツが階層を決定づける要素でしたが、今はそれがSNSに置き換わってきているのかもしれません。
 
Mr.モリスギ 確かにそうですね。スクールカーストの見える化と言ってもいいと思いますが、Instagramなどの「いいね」が集まる数なんかで、それが可視化されていると思います。
ただ、その反面、Z世代は友達同士で親近感を持てるものや仲間内での居心地の良さを好む傾向が、ほかの世代よりも強いとも言われているんです。
 
安田 カッコイイもの、ゴージャスなものなどを手に入れたときって、SNSに投稿して自慢したくなりますよね。Z世代のSNSは、そこにあまり重きを置いていないんですね。
 
Mr.モリスギ 欧米では「Authentic(オーセンティック)= ありのままでいること」がZ世代のキーワードだと言われています。SNSにおいてもその傾向にあり、「ありのまま、じぶんらしさを持ち続けたい」「自分らしいあり方でいたい」と考える人が多いという特徴があります。TikTokでも、特に若い人に人気のある人は、そのままの自分を出している人が結構多いんです。たとえば変顔したりとか、ズボラな自分を晒したりで人気を得ているTikTokerもいますね。
 
安田 ありのままの自分を出せる場が求められているわけですね。

≪安田`s Memo≫

Z世代は、カッコイイもの、ゴージャスなものをアピールする場ではなく、自分らしさを表現できる場を求めている。

Z世代向けSNS①デジタル版使い捨てカメラ: Dispo

Mr.モリスギ 今回は「ありのままでいること」をテーマにしたZ世代向けの新たなSNSを紹介していきたいと思います。まずは、Dispoです。これは2020年の終わりくらいに登場したもので、デジタル版の使い捨てカメラです。アメリカのトップYoutuberである、David Dobrikさんが製作していました(現在は離れています)。
 
安田 デザインが全体的に緑色で、昔あった「写ルンです」に似ていますね。
 
Mr.モリスギ まさにそのとおりで、写ルンですをデジタル化してSNS機能をつけた感じです。Dispoの特徴が、SNSなのに撮った写真が朝9時にならないと見られないことです。しかも、加工ができません。たとえばInstagramなら、大量にフィルターがあるじゃないですか。ところがDispoは、フィルム風の加工がデフォルトであるだけで、他は何もできないんです。
 
安田 「なんでネットでやる必要があるの?」って思ってしまうんですが、Z世代には大きな支持を受けたんですかね。
 
Mr.モリスギ 特に2020年の頃って、Z世代に90年代ブームが来ていたんですよ。90年代に流行ったものがカッコいいとされる価値観がありました。その一環で、インスタントカメラにも注目が集まったという背景があります。不便だけど、アンティークみたいな楽しみ方をしていますね。

Dispoは 2021時点で470万インストールくらいされています。ただ、最近は他にも競合アプリが出てきたこともあり、昔よりは勢いが落ちてきています。
 
安田 翌朝9時まで写真が見られないということですが、朝9時になるとどんなふうに閲覧できるようになるんですか?
 
Mr.モリスギ 撮った写真は、みんなが見られる場所があるんです。いわゆるフィードですね。ある意味、それがSNSのような役割を兼ねています。それから、これは少し「いいね」競争につながってしまう部分があるんですが、誰が何枚撮ったのかという写真の数の多さや、誰が一番多く「いいね」をもらったかというのを示すリーダーボードという機能もあります。
 
安田 なるほど、面白いですね! そうすると、たとえば友達と一緒にどこかに出かけて、そこでDispoを使って写真を撮る。「今日は楽しかったね」と言って別れて、翌朝9時に「写真ができたね」みたいな感じで、一緒に盛り上がる。そんな使い方をするんでしょうか?
 
Mr.モリスギ そうです。なので、ずっとSNSに注目していなくていいんです。一旦決まったタイミングで、かつ加工も全然されていない写真があがってくるということで、自分の素を出せるSNSになっています。現像までのワクワクをデジタルで表現しているといえます。
 
安田 イベント感があっていいのかもしれませんね。修学旅行の写真が何日か経ってから送られてくるみたいな、そういうのと似ている気がします。

≪安田`s Memo≫

写真の加工がほとんどできず、撮ってすぐに見ることもできない「Dispo」。あえて制限を設けることで、既存のSNSの課題を解決している。

安田 次回も引き続き、Z世代に広がる新たなソーシャルメディアトレンドについてお話を伺っていきます。今回もありがとうございました! 
 
Mr.モリスギ 次回は、BeRealPoparazziという2つのSNSをご紹介します。次回もよろしくお願いします!

―次回の【海外Hot Info】では、Z世代に広がる新たなソーシャルメディアトレンドについて、引き続きMr.モリスギにお話を伺います。次回もぜひお楽しみに!

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