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DXとデジタル化は違う!様々な「~X」について解説【DXニュース】vol.6

2021.10.29

今回のプレゼンターは、国内外のリテールテックを10年以上見続けてきた株式会社DearOne CEOの河野さん。DXニュース 第6回は、これまでに取り上げた5本のニュースに共通する「DX」に着目し、「デジタル化とDXの違い」をテーマに解説します。それでは、はじめましょう!

デジタル化は業務効率化のために、DXは競争力を高めるために行うもの

三石所長(当時。以下、三石) 「DXニュース」第6回です! ニュースプレゼンターは、前回に引き続き、リテールテックを10年以上見続けてきたCEOの河野さんです!

河野恭久さん(以下、河野) よろしくお願いします!

三石 今回は、第1回~5回までに紹介した「河野さん厳選! 2021年8~9月 TOPニュース」の“1本の軸”となった「DX」を、改めて深堀りしたいと思います。

河野 これまでに紹介した第1回~5回までのニュースは、「競争力を高めるためにDXの戦略をとっている」というところが共通点としてあったと思います。そこで今回、僕が考えたテーマは「デジタル化とDXの違い」です。

三石 いいですね! 今はDXという言葉が流行っていて、DXの注目度は日に日に増していると思いますが、じつはDXをよく理解できていない人も多いんじゃないかと思うんですよね。この機に、考えてみましょう!


河野 まずは僕のほうで「デジタル化とDXの違い」をまとめてみたので、ご覧ください。

デジタル化とDXの違い要点まとめ

河野 デジタル化とは、簡単に言えば「デジタルに置き換えること」ですね。従来の設備や仕組みにデジタル技術を活用することはDXと同じですが、デジタル化の場合、目的はあくまで「業務の効率化」にあります。

三石 デジタル化はシンプルですよね。

河野 一方、DXは、経済産業省が発表している「DX推進ガイドライン」にあるように、その目的は「競争力を高める」ことにあります。

そして、競争力を守るためには、「攻めのDX」と「守りのDX」の2種類があります。

攻めのDX:外部環境の変化を「機会(チャンス)」と捉え、さらなる成長を目指す

 守りのDX:外部環境の変化を「脅威(ピンチ)」と捉え、シェアを失わないようにする

(参照:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00382/00006/

どちらも、従業員の生産性を上げて競争力強化を図るための“社内改革”と捉えることができます。

三石 なるほど。「デジタル化とDXの違い」を示す具体例はありますか?

河野 たとえば、“紙の書類を廃止しデータ化すること”は、業務効率を上げるための「デジタル化」ですよね。それによって承認プロセスも電子化したり、データが自動的に複数のシステムで共有・活用できたりすると、業務負担が軽減して担当者は本来従事すべき業務に時間を使うことができるので、生産性向上につながる「DX」となります。

三石 デジタル化の“その先”をイメージするとDXが見えてきますね。

河野 そうですね。さらにデジタル化による業務の省力化で削減できた経費を「攻めのDX」戦略に充てることで、さらなる競争力強化も可能になります。

DXだけでなく、さまざまな「~X(トランスフォーメーション)」が生まれている

三石 最近は、DXだけでなく、いろいろな「~X」が出てきましたよね。先日のNEWSPICKSの記事で、電通が再定義したものがまとめられていたので、ここで簡単に紹介しますね。

AX(Advertising Transformation)

 アドバタイジングの世界をより高度化すること

BX(Business Transformation)

 企業や事業そのものを変革していくこと

CX(Customer Experience Transformation)

 お客さま(生活者)の体験を変革して高度化していくこと

DX(Digital Transformation)

 マーケティング基盤を変革していくこと

(参照:https://newspicks.com/news/6020838/body/

三石 ちょっと前にも「ディスラプト」や「イノベーション」など、いろいろな言葉がありましたよね。それをDXに絡めているんだと思うんですけど、要は時代に合わせてちゃんと変化させていくための事業戦略、という話ですね。

河野 混乱しやすいですけど、デジタル領域のものはDXだけなんですよね。

三石 そうですね。BXはたとえば「富士フイルムが化粧品などのライフサイエンス事業をはじめた」という話で、BXはDXよりも上の概念と言われることがあります。大きな事業会社でいろいろなプロダクトがあると、BXの仕切りは難しいものになりそうですね。

河野 なるほど。流石に詳しいですね。

三石 要は「X=トランスフォーメーション」の範囲をいろいろな領域に拡張しよう、という話ですね。だから、CXはボトムに近いというか。

河野 そうですね。僕はDX以外の「~X」にあまり詳しくないのですが、その下にDXニュース 第5回のSHEINでもポイントになった「UX」があるイメージなんでしょうか?

三石 CXとUXはほぼニアリーですね。DXニュース 第2回で河野さんが紹介してくれた、ダイヤモンドオンラインさんの「デジタルトランスフォーメーションの5つのステージ」のように、段階分けして「~X」を考えられるかもしれませんね。

河野 そうですね。次回以降、改めて考えていきましょう!

ー次回は、引き続き河野さんに2021年10月のニュースから注目すべきものをピックアップしていただき、マーケターがおさえておくべきポイントの解説をお届けする予定です。次回も、ぜひお楽しみに!

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